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八神和麻 (やがみかずま)とは【ピクシブ百科事典】
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名前は八神和麻。フリーの風術師。

好みの仕事は危険の少ない雑霊(ぞうりょう)退治とかで、平穏無事な人生を目標としてるんだが、

最近は神凪宗家のお嬢様のお守なんかがメインになってるような気が無きにしもあらず――

と、まあ、こんなもんか?

概要

風の精霊王と契約した世界唯一の契約者(コントラクター)であり、世界最強の風術師。

瞳に精霊王との契約の証である聖痕(スティグマ)を有し、契約者としての能力を開放した時には瞳が蒼穹の色に染まる。

性格

基本方針は「敵対するもの老若男女平等に皆殺し」。

強力な術者でありながら、どのような相手に対しても卑怯・姑息ともとれるような非常に慎重な戦い方を好み、油断を決してしないよう心がけている。特に小技で相手をひっかけて倒すことに充足感を覚える(小技そのものを必勝法と考えているわけではない)。

性格は、皮肉屋・自己中心・軽薄・怠惰と絵に描いたような人柄で、自身の損得が絡まなければ他人のために行動を起こすことなどまずない。

一方で、信頼する相手には妙な義理堅さがあり、自分が大切に思う者を守るためならば全力を傾ける。

コミカライズ版では邪魔をした綾乃をズタボロにして恐怖心を植え付けるという独自展開が描かれた。また作者自身がそういうものを好む傾向のためか、和麻の笑みが歔欷的なものとして描写されることがあった。

アニメ版では大きく性格が改変され、善人よりのキャラクターになっている。

術一覧

風術

風の刃

威力は低めだが、不意打ちに最適で乱れ打ちも可能。後者の場合、相手の逃げ道を封じるように計算して放つことが多い。恐ろしいのは威力ではなく、綾乃曰く「いつ、どうやって殺されたのかも分からずに、気がつけば首を飛ばされている」こと。

TRPG版では、単体で発生させるものを「風刃閃」、大量の刃を発生させるものを「百風刃」と区分されている。

  • 雷撃の刃(原作)

5巻の暴走時、綾乃との戦いで使用。逆巻く風によって「風の刃」に雷撃を付属させ威力を強化している。しかし、周囲との調和がとれていない故に環境に大きな被害を与えているため無駄が大きく、綾乃には通用しなかった。本来の和麻が使う、研ぎ澄まされた風の刃なら「もう10回は殺されていた」という。

アニメでは放電現象の描写はあったものの、未使用に終わった。

  • 黒い風の刃(アニメ版)

5巻に当たる暴走時に使用していた技。

  • 二段攻撃(マンガ版)

綾乃戦で使用した技。「風の拳打」で相手を攻撃し、その隙に背後に潜ませていた風の刃を放つ。

  • 風の鉄槌

斬るのではなく叩き潰すのを目的に使用する。初使用は1巻で、遥か上空から放てば100体近くの妖魔を瞬時に押し潰すほどの威力を発揮する。

  • 風の砲弾

遠距離用の攻撃。空気の塊を放つ。

  • 地を這う旋風

5巻の烈牙戦で使用。一斉に襲い掛かってきた複数の対象の膝を破壊すると同時に吹き飛ばして無力化させる。

  • 対炎術師用のトリック(仮称)

1巻で使用。風術で干渉した酸素を炎術師の周囲に移動させ、酸素濃度を倍増させることで炎術を暴走させ爆発の衝撃波で気絶させる。相手が二人の場合は片方を衝撃で吹き飛ばし、もう片方は酸欠でダウンさせるため一石二鳥となる。

しかし、炎術師なら空気を燃やさず炎を発することが可能なためタネが割れていれば通用しない。実際厳馬には全く通用せず「二流以下の炎術師なら有効」と告げられた。

  • 大気の拳(エーテル・フィスト)

1巻で神凪の術者たちに使用。高濃度に圧縮された空気の塊を放つ。殺傷能力は薄いが、曰く「威力はヘビー級プロボクサーのフィニッシュブローを凌駕する」ため、喰らえば確実に病院送りになる。そのため、粛清や拷問などに使用される。

アニメ版では未使用。突風で吹き飛ばすという演出に変更され、昏倒もしくは気絶する程度で済んでいる。

  • 真空波(仮称)

3巻で使用。小技の一種。石蕗の術者たちの鼓膜を破壊しダウンさせた。

  • 振動波

5巻で和泉に使用。全身の骨、筋肉、内臓のすべてに均等にダメージを与える技。一晩で回復する程度の痛手であり、なるべく相手を傷つけないように配慮したものとなっている。

  • 豪快な投擲(仮称)

サトリを千キロ彼方に追放する際に使用。投げる際に風に後押しさせ砲弾のような勢いで遥か彼方まで吹っ飛ばす。サトリはすぐに風の影響から投げ出され、減速無しで海面に墜落したため砕け散って死亡した。また朧から送られた小包(白和麻)を捨てる際にも使用している。

  • 雷の嵐(サンダーストーム)

暴走時に一時的に使用した技。和麻の周囲に展開された逆巻く風によって起こされた凄まじい大気稼働が摩擦熱を生み出し放電現象を引き起こしたもの。雷撃を加えた大気の鉄槌は妖魔化した資格者たちの一団を死滅させた。アニメでは未使用。

  • ダウンバースト

竜巻に匹敵する強力な下降気流。原作では超音速の風の刃とそれに追随する衝撃波で攻撃する技だが、アニメ版では大気の奔流で押し潰す技となっている。

流也が生み出した5本の竜巻を破る際に使用した。小雷戦では威力を弱めて目くらましに使ったこともある。

  • 万分の一撃(仮称)

その名の通り、大型の台風を「万分の一」に凝縮した技。

厳馬の蒼炎(不完全な状態)を一瞬で破壊するなど、絶大な威力を誇る。原作では無数の刃を放つ技だが、アニメ版では暴風を叩き込む技となっている。

  • 破壊の嵐

和麻を中心に衝撃波にも等しい突風を巻き起こし、範囲内のものすべてを破壊する技。和麻が風術に目覚めた際に暴走のような形で使用した。この技でアーウィン・レスザールの使い魔を倒した。

風の結界

防御および探索技。綾乃の炎雷覇による一撃を凌ぐほどの強度を誇るが、厳馬の炎には容易く破られている。索敵範囲は10km四方、契約者の力を解放した際は、100km四方にまで及ぶ。

  • 姿隠しの結界

大気密度を操作することで遮音・透明化の効果を持つ結界を展開する。このため結界の外側からは和麻の姿は見えない。また香久夜との会話から複数展開することも可能だと判明している。

  • 飛翔

自身や対象に風をまとわせて飛行させる。欠点としては風の精霊が喰われて制御を失ったり、重力波などで地表に叩きつけられたりするリスクがある。このためか和麻自身が進んで空中戦をすることはあまりない。

  • 光学迷彩

光の屈折率を変え、自身を透明化する。上記の「姿隠しの結界」とは似て非なるもの。

漫画では「空間を調べれば、気温より高い熱源体で分かる」と綾乃に語られている。

  • 呼魂法(こだまほう)

風術師の代表的な術法。風に声を乗せて離れた場所にいる人物と会話できる。また周囲にいる人間にも話を聞かれずに済む。

アニメ版では未使用。

  • 浄化の風

和麻の霊気色で蒼く染まった風。

人体に一切危害を与えず邪悪な気や力を浄化する。作中では七瀬と由香里の掛けられた洗脳を解くなどに使用した。また、動物霊といった低級霊や死霊の群れを浄化させ、成仏させている。これは位置さえ特定できれば遠距離からも可能。ただし攻撃力自体はないらしくヴリトラの核にされた操を助けることはできなかった(この時ばかりは「厳馬がいれば……」と嘆いている)。

  • 契約者(コントラクター)の力 / 風の聖痕(スティグマ)

風の精霊王の力を一時的に借り受け、絶大な力を行使できるようになる。発動時、瞳が蒼穹の如く澄み渡った蒼色になる。

その強さは、通常時の約10倍。瞬間的に神炎使いや大妖魔をも凌駕する。ただし、5分以上は使用不可であり、無理をすれば脳が焼き切れてしまうと和麻は推測している。また、使用後は確実に行動不能になるためタイミングが重要となる。

体術

作中屈指の使い手。遠〜中距離戦闘を得意としながら綾乃以上の体術を誇る。父・厳馬との殴り合いでは体力差もあり、わずかに上回っていた。また見かけによらず高い打撃力を持つ。

  • 気の拳打

厳馬との2回目の戦いで使用。父から習った戦闘理論であり、蹴りは用いらず気を乗せた拳打や肘打ちなどで戦う。2巻では風をまとった裏拳で綾乃の極大プラズマ弾をあっさり破っている。4巻ではナンパ男へのトドメに気を込めた肘打ちを披露した。

打ち込まれた気は人体を貫通して臓器にもダメージを与えるため、脳天に打ち込まれれば気絶は避けられない。

  • カウンター殺法

相手の力を利用した体術の1種。不自然なくらい自然すぎる動きで相手に警戒心を抱かせず動くことが可能。

  • 合気・化勁(かけい)

4巻のナンパ男戦で使用。相手の力を利用して少ない労力で最大の威力を発揮するカウンター技。作中ではナンパ男の拳打に対して発動させ、投げ飛ばして街路樹に激突させた。日本では合気、中国武術では化勁と称される技術。

  • 気の注入(仮称)

1巻で煉に憑依したモノを消滅させる際に使用。煉に直接気を送り込み憑依していたモノを消滅させた。

2巻では自身に気を送り込み、ヴリトラ戦で受けたダメージを「手当(止血)」するのに使用した。

過去

炎術師の名門・神凪宗家の生まれ。

非常に優秀で多くの才能に恵まれながら「炎術の才能が全くなかった」というだけで一族のほぼ全員から虐めを受ける。特に少年期は、分家の少年たちから殴る・焼くなどの暴行を受け続けていた。

その時にキレた和麻は、主犯格の久我徹に反撃するも怒りを買っただけに終わり焼き殺されそうになる。しかし大神操が庇いに入ったことで事なきを得た。

以後も父・厳馬から修行漬けの日々を味わわされる。和麻にとって厳馬は恐怖の対象でしかなかったが、叔父の宗主・神凪重悟には可愛がられていた。彼の存在は「もう一人の父親」として刻まれている。

卑屈で他人の顔色を窺う性格だが、顔と話術は良かったので高校生時代は彼女をとっかえひっかえしていた。人の彼女まで寝とっていたので相当な恨みを買っていたという。

放課後の教室内で淫行に走っていたようで、これからってところで生活指導の山南憲忠教諭に踏み込まれる。以後も山南から目を付けられていた。

この頃に平井柚葉を口説いて恋人にするが、お互いに傷の舐め合いをする関係に終始してしまった。

和麻が18歳の時(本編の4年前)に宗主の重悟が事故で片足を失う。

炎雷覇の所有権および次期宗主の座を巡る「継承の儀」が執り行われたが、当時12歳だった綾乃に敗れる。これに失望した厳馬に感動を言い渡され、実母に助けを求めるも1000万円が入ったキャッシュカードを渡され「炎術が使えていれば息子として愛せていた(無能は必要ない)」と告げられる。この頃は両親に愛されていると妄想しており、それを打ち砕かれたことで発作的に宗家を飛び出し中国へと渡った。

なお、柚葉には何も告げないまま日本を発ってしまったので恨みを買っている。高校も卒業する前だったので最終学歴は高校中退(ドロップアウト)である。

ただし後に戸籍を改ざんし“八神和麻”は高卒であるとされている。

中国に渡った後、経緯は不明だが翠鈴と恋仲になって立ち直り、更に情報屋の老人・黄影龍(ウォン インロン)から何でも屋の仕事を世話してもらっていた。猫を探していたら銃を持った相手とやり合う羽目になり、勝利するも黄から「のぼせ上がるな」と忠告を受ける。

やがてその忠告を破らざるを得ない事態に陥る。

翠鈴は、魔術結社アルマゲストの首魁アーウィン・レスザールに拉致されてしまった。和麻は助けに向かうもレスザールの使い魔にすら歯が立たず、目の前で翠鈴を悪魔の生贄に捧げられ、完全に消滅する様を目の辺りにする。

レスザールたちは立ち去り、残された和麻は使い魔に殺されそうになる。だがここで風術の才に覚醒し、使い魔を切り刻む。その時にレスザールを追っていた仙人・霞雷汎(シア レイファン)に保護される。

和麻は復讐を果たすべく霞の下で修業を受けるが、風術の覚醒で鼻が伸びてしまっていた。そこで兄弟子・李朧月 (リー ロンユエ)と戦わされ、徹底的に打ちのめされることに。

修行を終えた後は“八神”の姓名を授けられて中国を経つ。

そして本編開始の2年前にロンドンで研修中の橘霧香と出会い、共にある事件を解決した。しかし当時の和麻は復讐鬼そのものだったため、霧香には恐怖を抱かれ続けていた。

このエピソードは説明だけで詳細は不明。

和麻はアルマゲストの支部を次々と襲撃して殺戮を続け、誘き出したレスザールを殺害。

その身体は100グラム以上の塊が無くなるまで徹底的に斬り刻み、魂は契約していた悪魔に地獄に引きずり込まれ、奴隷としてコキ使われているか力に還元されて消滅したという。

恋人が受けた苦痛を味わわせる形で和麻の復讐は幕を閉じた。

経緯は不明だが風の精霊王と契約し、22歳の時に日本へと帰国。続けて仲介屋から紹介された除霊の仕事に着手するところから物語(第1巻)が始まる。

時期は不明だが帰国後に霧香と再会して仲を深めている。霧香からすれば恐怖の対象でしかなかった男が雰囲気を変えて親しげに話し掛けて来たので、当時は面食らったという。

活躍

1巻

除霊の仕事を受けた和麻だが、現地で分家の術者・結城慎治とバッティングしてしまう。かつて自分を虐めた者の1人である慎治から挑発を受けるが、体術で軽くあしらって力の差を見せつける。

除霊は和麻が下りる形で慎治が受けるが、悪霊の背後に潜んでいた妖魔によって慎治は敗北。和麻は依頼主を脅して多額の報酬を約束させた後で討伐した。

慎治は任務の失敗と和麻の帰国を宗家に報告する。これを知った黒幕は、手始めに暗殺者を動かして慎治ら3人の術者を殺害。和麻の仕業に見せかける。

和麻の元に分家最強の術者である慎吾&武哉を差し向けられる。和麻は無実を訴えたが聞く耳を持たれなかったため返り討ちにした。そこへ暗殺者が現れ、慎吾&武哉を殺害。しかも遅れて駆け付けた再従妹・綾乃に二人を殺したと誤解を受けてしまう。

撤退した和麻の元に父・厳馬から話し合いをしたいという電話を受けるが、これまでのことから和麻は「親父は俺を殺したがっている」と認識。挑発して対決の場まで誘き出す。

和麻も怯えを隠しきれなかったが、格下の振りをすることで厳馬の隙を作り、大技を叩き込むことで病院送りにする。

ホテルで寝泊まりしていた和麻の元に弟・煉が訪ねて来る。自分とは違って炎術の才能に恵まれた煉だが、差別することなく兄と慕う弟を憎めず、和麻も可愛がっていた。

そこへ暗殺者が現れて和麻と対峙。その間に煉は伏兵に拉致されてしまった。弟を助けるためには重悟の力を借りるしかないと考え、4年ぶりに生家へと帰参する。

和麻から話を聞いた重悟は、下部組織である風牙衆の面々の写真を見せる。和麻は暗殺者の素顔を知っていたため下手人が風巻流也だと判明。彼は風牙衆の長・風巻兵衛の息子であった。

かつて風牙衆は残虐な集団だったため幕府から神凪に討伐命令が下った。しかし風の精霊術師である風牙衆は探査・索敵に優れており、神凪にとって利用価値が高かった。

そこで風牙衆の力の源である神を封印して弱体化させることで幕府を説得し、神凪の下部組織として取り込んだのだった。

神凪は風牙衆を奴隷として扱い続けた。兵衛は忠実に仕え続けてきたがついに我慢の限界を迎え、神凪に対する反乱を起こしたのだった。

神の封印を解く方法はただ一つ。神凪宗家の血筋の者に解かせるしかない。煉が拉致されたのはそのためだった。

和麻は誤解が解けた綾乃と協力して風牙衆を追って京都へ向かう。とある山の一角に神が秘されており、二人はそこへ向かうがそこを流也が襲撃。和麻は綾乃に押し付け、自身は煉を救いに向かった。

煉を助けるも綾乃は流也に惨敗を喫し、逃げ出すも余命いくばくもない状態となっていた。そこで和麻は、エリクサーを口移しで飲ませて綾乃の命を救った。

その後、流也は和麻と綾乃のコンビネーションの前に消滅。煉を狙って来た兵衛も潜在能力を引き出した煉によって返り討ちにされた。

エピローグでは意識を取り戻した厳馬と再会。再び自分の息子に戻ってくれないかと和解の手を伸ばされる。和麻は「追い出した息子が優秀な術者になったからって……」と軽蔑するが、父が本気で臨んでいると気づき、心が揺れたものの“八神和麻”としての人生を捨てることは出来ないと拒否。

完全な和解にはならなかったが、和麻は以後も父を「親父」と呼ぶようになった。

2巻

先の一件で分家の跡継ぎ・大神武哉が流也に殺されており、その責任は和麻にあるとして妹の大神操に暗殺されそうになる。これを容易く捌いた和麻だが、まったく反撃せず操を見逃した。

その後、狂気に駆られた操は妖魔化してしまい無数のスライムを従え殺戮を繰り広げる。犠牲者たちから奪った生気で強化した操は再び和麻に襲い掛かるが、それでも実力差は埋められなかった。

実は操の背後にはミハイル・ハーレイなる少年黒魔術師が潜んでいた。彼は所属していた組織の首魁を和麻に殺されており、復讐のために操を利用したのだった。

ミハイルは操から倫理観を奪い取ることで「復讐のためならすべてが許される」という歪んだ価値観を植え付けていた。このタイミングで正気を取り戻された操は罪悪感に嘆き悲しむ。

直後、ミハイルはスライムたちを使役して合体させ、巨大な竜ヴリトラを生み出して乗り込む。更には操を取り込んで人質にし、和麻たちに劣勢を強いた。

綾乃を庇ったことで負傷した和麻だが、それでも操を救おうと無茶をしそうになる。仲間たちを信用しないその振る舞いを綾乃から叱咤され、煉と綾乃に戦いを任せて治療に専念。契約者としての力を解放し、綾乃との合体攻撃“蒼炎”でヴリトラを破壊する。

ミハイルは捨て台詞を遺して逃げようとしたが、和麻はテレポートの術式を破壊することで阻止。すると今度は操を人質に取られるが、風の刃でミハイルの手足を斬り落として腹を潰し、蹴り飛ばして蒼炎に焼かせる形で消滅させた。

操は死を望むようになっていたが「有象無象に償う前に身体で俺に償え!」と迫り、強引に説得する。エピローグでは出家する操を見送った。

彼がここまで操を守ろうとしたのは、少年時代の頃に虐められていたのを助けられたからである。一度だけだったとはいえ味方がいない“神凪和麻”にとって、それは心の救いになっていたのだった。

余談だがこのエピソードは「ヒロインである綾乃がやるべきでは?」とユーザーからたびたび突っ込まれている。

コミカライズ版ではフォローのためか「あたしだってその場にいたら操と同じことをした」と和麻に告げている。

3巻

ある日、和麻は妖精のティアナから「妖精の卵が盗まれたので取り戻してほしい」と依頼を受ける。妖精と精霊王は親戚に近い関係であり、風の精霊王と契約した和麻の下に助けを求めて来たのだった。

下手人は地術師の名家・石蕗(つわぶき)家の首座・巌(いわお)。彼の一族は、大祭という儀式(生贄)によって富士山に巨大妖魔・是怨の封印を担う存在だった。

しかし巌は、娘可愛さから生贄に捧げることを拒み、妖精の卵を利用して生み出した娘のクローンを犠牲にしようとしていた。

そのクローンの名は亜由美と言った。奇しくも脱走した亜由美とたまたま出会った煉が恋仲になってしまい、煉と綾乃は連れ戻された亜由美を助けに向かうことに。そこで別行動していた和麻も合流することになり、石蕗の陰謀に立ち向かう。

ところが石蕗家は既に紅羽(くれは)という女に乗っ取られていた。紅羽は巌の娘だったが地術の代わりに重力制御という強力な異能を持っており、そのため父親から疎まれて育っていた。紅羽は巌を殺害

して復讐を果たし、亜由美(クローン)と真由美(オリジナル)の二人で是怨の封印を行うことで極限まで力を押さえ付け、取り込むことで糧にしようとしていたのだ。

誰も助けてくれず自分で身を守るしかなかった紅羽は、そうすることで強大な力を得ようとしていた。かつては可愛がっていた妹(真由美)も、父の寵愛を受けて育ったことから嫉妬と憎悪の対象になっていた。

しかし和麻が暴れたため衝撃によって是怨が復活してしまう。しかも紅羽は是怨の一部に憑依されて妖魔化しており、重力制御も与えられた能力に過ぎなかった。石蕗を支配していたつもりが、自分こそ是怨の傀儡に過ぎなかった。そのことにショックを受けた紅羽は戦意喪失となり、和麻によって消滅させられた。

しかし紅羽に宿っていた是怨の一部は本体へと戻り、しかも紅羽の憎悪を宿したことから和麻たちに狙いを定める。凄まじい再生力と自己強化によって苦戦を強いられる和麻・綾乃・煉だが、亜由美と真由美の封印能力によって是怨は弱体化。そこを突いた綾乃と煉の同時攻撃によって是怨は砕かれ、最後は和麻の風によって跡形もなく消滅した。

亜由美は妖精の卵によって12歳まで成長させられたクローンだった。その影響で細胞が死に始めており、更に大祭の負荷によって最早余命いくばくもない状態だった。

悲しい別れは煉の心に深い傷を残したが「亜由美は妖精の卵の影響で妖精として生まれ変わった」と知り、立ち直った。

4巻

かつて和麻が首魁を殺した組織アルマゲストによる報復が行われる。新宿を舞台に異能を持った少年たちが密かに暴れ回り、誘き出された和麻は次元空間に囚われてしまう。しかし敵地にて囚われていた煉の声が届いたことで、それを目印に脱出。黒幕と対峙する。

それは首魁の側近であったヴェルンハルト・ローデスと言う男だった。しかも和麻の亡き恋人・翠鈴の残留思念から生み出した女戦士ラピスを従えていた。ラピスの姿を見たことで狂気に囚われた和麻は、ラピスとヴェルンハルトを何が何でも殺そうとするようになる。

その場では逃げられてしまったが、以後は神凪と敵対も辞さないという態度でヴェルンハルトたちを追うことに。

5巻

和麻は異能を与えられた少年たちを狩り続け、無理やり記憶に干渉して廃人にさせていた。そうすることでヴェルンハルトたちの居場所を探り当て、新宿中央公園までやって来る。ところがそんな彼を見ていられなかった綾乃が立ち塞がる。実力差は明白だったが食い下がり続ける綾乃を見て「なぜ綾乃を殺せないのか」「綾乃を殺して自分はどうしたいのか」と自問自答する。

その末に「大切なものは一つじゃない。ラピスを殺すために綾乃を殺すことは出来ない」と答えを出す。直後、綾乃が放った極大のプラズマ弾によって敗北した。

正気を取り戻した和麻は綾乃と煉と共に敵地――万魔殿(パンデモニウム)へと乗り込む。そこでヴェルンハルトたちの狙いが、少年たちを生贄にした大悪魔ベリアルの召喚だったことが判明する。

少年たちはベリアルのコピー妖魔を憑依させられており、それを通してベリアルに生贄として魂を捧げられていたのだ。113人の魂を捧げてもベリアルを呼び出せるのは数秒が限界。だが出現する際に発する膨大な商機によって東京は間違いなく壊滅してしまう。

和麻たちは3人の同時攻撃によってベリアルの瘴気を相殺したのだった。

力を使い果たした和麻たちの前にヴェルンハルトが現れる。今襲われたら勝ち目がないと思われたが、ベリアルを撃退する様を見てはそんな気になれないと手出しすることなく立ち去って行った。その際にラピスは翠鈴が最後に遺した想いをヒントとして語る。「私は、あなたを殺したい」と。

アニメ版ではこのエピソードで終了となっている。

6巻(最終巻)

ヴェルンハルトは去ったが新たな勢力が東京に現れ始めていた。

風の精霊王から授かったと言われる槍・虚空閃(こくうせん)を持った風術師の少年(実は少女)小雷(シャオレイ)が綾乃に勝負を挑んで来る。

そこへ二人が持つ神器を狙ってクリスティアン・ローエングラムという青年と、ガイアと名乗る中年が襲撃。小雷はガイアにあっさりと敗れたが、和麻と綾乃の敵ではなく撃退に成功する。

小雷は一族をガイアたちに殺されており、特にガイアは父の仇に当たる。復讐のため神凪を利用するべく来日し、手始めに綾乃の力を試したというのが真相だった。

神凪に保護された小雷だが、ガイアたちの存在を察知すると単身で乗り込みに行ってしまう。遅れて駆け付けた和麻と綾乃だが、既に小雷は瀕死になっていた。しかもガイアたちは、風術と炎術を封じる罠を設置していた。風と炎の精霊を喰らう妖魔によって和麻と綾乃は精霊術が使えなくなり劣勢を強いられる。

しかし和麻は妖魔を倒したことで綾乃はクリスティアンに勝利。引き換えに和麻はガイアから重傷を負わされたが、父・厳馬の救援もあり逆転勝利する。

ガイアは死亡したがクリスティアンはしぶとく生き延びていた。半狂乱のまま報復しようとするクリスティアンだが、そこへゴートなる男が待ったを掛ける。この男こそが二つの神器を狙っていた真の黒幕だった。

ゴートは和麻と綾乃の力を讃え見逃すつもりだったが、和麻にそんな気はなく綾乃との同時攻撃を仕掛ける。しかしゴートもまた精霊を喰らう能力を持っており、二人の術を容易く喰らってしまった。

ゴートとクリスティアンは去り、二人の前には死を待つばかりの小雷が遺された。小雷は虚空閃を和麻に渡そうとしたが、和麻は逆に小雷を虚空閃の正式な継承者にすることで延命処置を計る。小雷は力不足のため正式に継承しておらず、和麻が風の精霊王の権限を利用して契約を完了させたのだった。

残念ながら作者が死去したためこれ以降の掲載は途絶えている。

遺稿では、復活した小雷が和麻に「俺のものになれ!」と告白したり、それを知った綾乃が和麻を「ロリコン、ペド野郎」と白い目を向けていた。

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    遅くて申し訳ありません。 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=5948528 初めての夜に口づけを https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7166145 キセキ の風の聖痕、和綾の続きになります。 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=11400478 の執筆メモを多少キレイしたものになります。 次から決闘に入ります。本当に遅筆で申し訳ないですが、しばらくお待ちください。 あまりに糖度低かったので、別件でイチャイチャを描いてみました。 推敲してないので大丈夫な方だけどうぞ。↓ ■ルームサービスは放置プレイ https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14111048

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