カロリーが高い食べ物とは、どう向き合えばいいか。医師の山下明子さんは「『美味しいけれど体によくないものは、一切やめる』という選択は現実的ではない。まずは『食べてはいけない』という意識を手放すべきだ。食べすぎないことだけ気をつけ、心から楽しんで食べればいい」という――。
※本稿は、山下明子『食べる瞑想』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
「カロリーが高い食べ物」との向き合い方
ラーメン、ケーキ、焼肉、チョコレート……。
あなたには「食べたくなるけど、できるだけ避けているもの」はありますか?
以前、コンビニで「背徳の○○」「悪魔の□□」といったネーミングの商品を見かけました。きっと、「こんな高カロリーのものは、太るからダメ。でも、美味しすぎてやめられない!」といった、やみつきになる味を表現しているのでしょう。
たしかに、体によくないと思いながらも、ついつい食べてしまうものってありますよね。
では、このような食べ物には、どのように向き合えばいいのでしょうか。
まずやるべきことは、そうした食べ物から「背徳」や「悪魔」といったネガティブなレッテルを剥がすことです。
欲望に負けて食べてしまい、空になった袋や容器を見て「やっちゃった……」などと後悔の念が湧き起こる――。あなたも一度は経験したことがあるかと思います。
でも、だからと言って「美味しいけれど体によくないものは、一切やめる」という選択は現実的ではないでしょう。
「食べないでください」と言うつもりはありません。なぜなら、避けようとすればするほど、その食べ物のことが頭に浮かんできてしまうからです。これは心理学用語でネガティビティバイアスと呼ばれ、私たちはポジティブな情報よりもネガティブな情報のほうが記憶に残りやすいことがわかっています。
まずは「食べてはいけない」という意識を手放しましょう。
