根絶できない害虫 鍵は“目覚ましスイッチ”だった「害虫に無駄な孵化をさせて自滅させることはできないのか?」そんな夢のような防除策が現実味を帯びてきました。 ジャガイモシロシストセンチュウと呼ばれる線虫は土の中に潜み、じゃがいもの根に取り付きます。 被害が深刻になれば収穫量が大幅に減ることが報告されています。 2015年にはついにこの線虫が日本国内でも確認され、緊急防除(緊急駆除措置)が行われました。 従来から対策は、捕獲作物(線虫を誘い出して退治する作物)を使った方法です。 捕獲作物とは線虫の卵を孵化させる物質を根から出す一方で、自身には線虫への強い抵抗性がある植物のことです。 線虫にとっては「餌があるぞ」と勘違いして飛び出したものの、寄生先の作物では繁殖できずそのまま餓死してしまう、いわば生体トラップのような方法です。 しかしこうした線虫の駆除には一つの手段だけでは十分とは言えません。