少女漫画誌について書こうと決めてから十年、どんな経緯でこの小説が生まれたかについて、じっくりとうかがいました。
篠田節子さんの小説『青の純度』の書評を執筆しました。共同通信より全国各紙に配信中です。 本書に登場する「マリンアートの巨匠ヴァレーズ」は、バブル期に海中画で大衆の心を掴み、一方で美術界からは黙殺された画家であるとされています。 ある時期からその商法が問題視され、忘れられた画家となっていたヴァレーズ。その作品を商法と切り離して再評価する書籍を著そうとする人物が本書の主人公です。 以上を一読しただけで明らかなように、ヴァレーズのモデルは実在する画家クリスチャン・ラッセンであり、「その作品を商法と切り離して再評価する書籍を著そうとする人物」には、同様の企図のもとラッセンを再評価する書籍を何冊も著してきたぼく(原田裕規)の立ち位置が重ねられます。 しかし本書にはラッセンや拙著の名前は一度も登場せず、巻末の参考文献リストを見ても、拙著にまつわる情報が周到に排除されていました。 この小説は、画家、コー
以前、アンナ・ツィマの『シブヤで目覚めて』(2021)を取り上げたとき、話の枕として松籟社(しょうらいしゃ)の話題から書きはじめたのだった。ワンパターンはよくないぞと知りつつ、今回もまたその話題からはじめよう。岩波書店や新潮社といった誰もがその名を知る大手ではけっしてないが、いわゆる東欧と呼ばれる地域の文芸に関心があるものにとって、この松籟社ほど信頼のおける出版社もほかにあるまい。最近だと、「東欧の想像力」シリーズの7、イェジー・コシンスキの『ペインティッド・バード』(2011)を読了した(原書は1965年刊行。先行訳としては青木日出夫氏による『異端の鳥』(表記はイエールジ・コジンスキー)が存在する)。目をおおいたくなるような残虐描写が次からつぎに出てくるというふれこみなので、長いあいだ敬遠していたのである(僕は基本的に残虐描写というものが苦手なのだ)。予想どおり、たいへんな苦労をしいられ
スウェーデン・アカデミーは9日、2025年のノーベル文学賞をハンガリーのクラスナホルカイ・ラースローさん(71)に授与すると発表した。授賞理由として、「終末的な恐怖のただ中にあって、芸術の力を再確認させる、説得力と先見性のある作品群」が評価された。 クラスナホルカイさんは受賞の知らせを受けた後、スウェーデンの放送局スヴェリゲス・ラジオに、「とてもうれしい。落ち着いているが、同時に非常に緊張している」と語った。 クラスナホルカイさんはこれまでに5編の長編小説を発表し、多数の文学賞を受賞している。2015年には英マン・ブッカー国際賞を受賞。2013年には、1985年に発表した初の長編小説で、世界の終焉を描いたポストモダン作品「サタンタンゴ」が、翻訳書に与えられる米ベスト・トランスレイテッド・ブック・アワードを受賞した。
ISBN978-4-86520-078-2 C0022 A5判上製 本文縦組208頁 定価(本体2400円+税) 2025.12 1564年、イヴァン雷帝の信頼する友で、貴族また指導的軍人でもあったクールプスキー公は、当時ロシアと交戦中であった敵国リトアニアへと亡命した。公は出奔後まもなく、雷帝の圧政を非難し、亡命を正当化する書簡を書き送った。かつての「友」の亡命と書簡は雷帝に激しい衝撃を与え、雷帝はただちに反論の執筆に着手した。このようにして始まった両者間の往復書簡は、ロシアにおいて急速に強化されつつあった皇帝権力と伝統的な体制を維持しようとする貴族層との関係を知るうえで、また雷帝とその治世を全体として理解するうえで、最も重要な史料の一つとなった。それはまた、権力と個人・社会との間の緊張関係が依然として重要な問題であり続ける今日においても、その意味を失っていない。 当社への直接注文、問い
「極右インターナショナリズムの時代」 [著]佐原徹哉 歴史解釈ほど移ろいやすいものはない。1989年の東欧革命は当初、単に民主化または体制転換と形容された。だが、この10年の間に、新自由主義革命と再定義されるようになった。社会主義国家が資本主義世界発の新自由主義に呑(の)み込まれていく過程とみるのだ。欧州連合(EU)を新自由主義帝国とみる識者もいる。まさに東欧は新自由主義の浸透度を測るリトマス紙のような存在。東欧に典型的に表れるように、新自由主義の浸透が極右を生み、しかも極右をグローバルに跋扈(ばっこ)させたと主張するのが本書だ。 バルカン半島を軸に、世界的な右傾化のメカニズムを徐々に解きほぐす。問いは明快だ。西欧の極右に現れるカウンター・ジハード主義はなぜアルカイダや「イスラム国」(IS)ではなく、一般のムスリムや移民・難民に好意的なキリスト教徒を憎むのか。なぜ東欧のセルビア民族主義を称
概要 Go言語ユーザーとして、「もう一段レベルアップしたい」「開発に使いたい」と思っている方に向けた、Go言語の解説本です。関数やパッケージの使い方、並行処理、テストといった基本的なトピックにおいて、「こう書くと綺麗になる」「こう書くとパフォーマンスが上がる」といったエッセンスを紹介します。後半ではCLIアプリ/Webアプリの開発手順や、現場で使われている便利なパッケージなど、著者が業務やOSSの開発で培った技術をふんだんに紹介します。改訂にあたり、Go言語のバージョンを1.24.2に対応させたほか、新たに導入されたiterパッケージとlog/slogパッケージの活用法、AIやWebAssemblyについてのトピックを追加しました。 目次 第1章 プログラミング言語Goとは 1.1 Goの簡単な歴史 1.2 Goの立ち位置 1.3 Goが利用される場面 標準でUTF-8をサポート マルチプ
時代を越えて世界を旅する「地球の歩き方 歴史時代シリーズ」が新たに登場! 『ハプスブルク帝国』では、ヨーロッパ史において重要な役割を果たしたハプスブルク家の栄光と反乱の歴史を、黎明期から終末期まで詳しく解説します。さらに、帝国の首都ウィーンを中心に、今もなお存在する歴史的遺跡や文化的スポットを紹介。知的好奇心を刺激する旅へご案内します! ●基本情報 本書の使い方 「オーストリア=ハンガリー二重帝国」のジェネラルインフォメーション ハプスブルク帝国の歩き方 登場人物 ハプスブルク帝国年表 ハプスブルク帝国の皇帝たち 神聖ローマ帝国とは ハプスブルク帝国とヨーロッパの 歴史や文化を知るための基礎知識 ●第1章 ハプスブルク帝国の歴史をたどる 〈1〉黎明期 神聖ローマ帝国の誕生 ハプスブルク家の登場 マルヒフェルトの戦い 黒死病パンデミック 皇帝vsハプスブルク家当主 建物だけではない“建設公”
今年の翻訳SF長篇といえば、これをおすすめ。 ヒューゴー賞受賞作、エミリー・テッシュ『宙そらの復讐者』(金子浩 訳、原題Some Desperate Glosy)を8月6日に単行本で発売します。 本書には、〈天冥の標〉シリーズや『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』でおなじみの作家、小川一水さんに、推薦コメントをいただきました。 「宇宙の行方、本当の敵、真の友情。 すべてを間違え、すべてを取り戻していくパワフルな物語だ」 ――小川一水(作家)この推薦コメントは、オビに掲載させていただいています。 オビに小川一水さんのコメントを掲載。『老人と宇宙そら』著者ジョン・スコルジーさんのコメントと並べさせていただきました。小川さんには、推薦コメントをお願いして原稿を読んでいただいた際に、以下のお言葉もいただいています。「三日で読み切り」「非常に面白かった」とのことです。嬉しかったので、みなさまに
www.thewayofcode.com なんなんだ、これは? ジェイソン・コトキーが「これ本当にあのレコードプロデューサーのリック・ルービンなのかと三度見した」と書いているのも不思議ではない。 音楽プロデューサーとして世界的に有名なリック・ルービンが、Anthropic と組み、『老子道徳経』をベースに書いた……ってなんじゃそりゃなのだが、しかも副題にバイブコーディングが出てきて、これ本当にリック・ルービンの仕事なのか? となるわけだ。 要は老子の思想の AI 時代における再解釈ということみたいだが、読んでると本当に「Vibe Coder」という文句がバンバン出てくる。面白いねぇ。 このネタは、5月にはカタパルトスープレックスニュースレターで読んでいたはずだが、そのときはリック・ルービンとバイブコーディングの話が頭の中で結びつかず、目が滑っていたようだ。 リック・ルービンの創作術 作者:
圧倒的取材力!親族の新証言、晩年の衝撃写真も収録し、高容姫の激動の人生を追うノンフィクション 北朝鮮の最高指導者、金正恩総書記の母である高容姫は、大阪で生まれ、鶴橋のコリアタウンで育った。北朝鮮に「帰国」したあと、その美貌でトップレディの座を射止め、故金正日総書記との間で金正恩をはじめ2男1女を産み、育てた。 だが、北朝鮮では誰でも彼女のことを知っているのに、口にするのはタブー中のタブーだ。そもそも金正恩自身、公の場で自分の母親については一切話していない。 過去には彼女を「朝鮮のオモニ(母)」として偶像化する映像が作られた。しかし、映像は封印され、密かにコピーされたものが北朝鮮の庶民の間に広まっている。 なぜ、高容姫は北朝鮮の歴史から抹殺されてしまったのか? それは彼女が在日コリアンの出身であったからだ。日本から北朝鮮に帰国したコリアンたちは低い身分に置かれ、スパイの可能性が高いとして厳し
情報セキュリティ 10 大脅威 2025 個人編 ~どこから攻撃されても防御ができる十分なセキュリティ対策を~ 2025 年 6 月 本書は、以下の URL からダウンロードできます。 「情報セキュリティ 10 大脅威 2025 個人編」 https://www.ipa.go.jp/security/10threats/10threats2025.html 目次 はじめに......................................................................................................................................................... 4 情報セキュリティ 10 大脅威 2025.....................................
This manuscript gives a big-picture, up-to-date overview of the field of (deep) reinforcement learning and sequential decision making, covering value-based methods, policy-based methods, model-based methods, multi-agent RL, LLMs and RL, and various other topics (e.g., offline RL, hierarchical RL, intrinsic reward).
WirelessWire News で「つながりのテクノロジーはまたしても我々を引き裂く」を公開。 今回は昨年夏に紹介していたニコラス・カー先生の新刊を取り上げた。 Superbloom: How Technologies of Connection Tear Us Apart 作者:Carr, NicholasW W Norton & Co IncAmazon Superbloom: How Technologies of Connection Tear Us Apart (English Edition) 作者:Carr, NicholasW. W. Norton & CompanyAmazon 今回はタイトルをどうしようか思案したがよい考えが浮かばなかったので、『Superbloom』の副題をそのままいただいた……と書くと、おいおい、副題には「またしても」入ってないだろと言われそうだ
Book Description Unlock the power of Polars, a Python package for transforming, analyzing, and visualizing data. In this hands-on guide, Jeroen Janssens and Thijs Nieuwdorp walk you through every feature of Polars, showing you how to use it for real-world tasks like data wrangling, exploratory data analysis, building pipelines, and more. Whether you’re a seasoned data professional or new to data s
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