近年、音楽/クラブ業界において、アーティストやファン側から「イベントやプラットフォームへの不参加(ボイコット)」を表明する動きが目立つようになっている。特に 「Boiler Room」が「Superstruct/KKR」に買収されたことを契機に、複数の有名DJ が出演を辞退するなどの抗議行動が起きている。 本記事では、Boiler Room、HÖR Berlin2つのプラットフォームを巡るボイコットの背景と国内外事例を比較しながら、「クラブがボイコットされうる理由」を探る。また、記事を執筆する背景には日本語文でソースが明確にある記事がないため参照するものが必要と感じたために内容を設定した。 1.クラブ文化と倫理的消費の交差点「Boiler Room(ボイラールーム)」は2010年にロンドンで始まり、クラブ/DJ パフォーマンスをインターネットでライブ配信する形式で、アンダーグラウンド文化を