唐代伝奇 5 定婚店 唐の憲宗の元和年間のこと。杜陵に住む韋固という男は、若い頃に父に死なれて以来... 唐代伝奇 5 定婚店 唐の憲宗の元和年間のこと。杜陵に住む韋固という男は、若い頃に父に死なれて以来、後継ぎを残すために早く結婚して身を固めようとしたが、縁談はなかなかまとまらないでいた。ある時、潘家の娘と縁談をまとめるために、彼は宋城の地にやって来た。彼が潘家の者との待ち合わせ場所である店にやって来たのは早朝だったので、まだ天に月が残っていた。ふと見ると、一人の老人が店の前でその月に向かって書物をひもといていた。 韋固は好奇心から老人の読んでいる書物をのぞき込んだが、古代の虫篆・科斗ともインドの梵字ともつかぬ見慣れない字体で書かれており、彼には読めなかった。老人は彼に気づいて言う。「これは人の世のものではなく、冥界の書物じゃ。お前さんが読めるはずはない。」韋固は老人の言葉を奇怪に思い、老人が何者なのかを尋ねた。すると驚くべきことに、老人は冥界の役人であると告げた。しかも下界の全ての婚姻を司
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