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ことばをめぐるひとりごと その32 智に働けば? 以前に、森鴎外作「舞姫」が難解だという話をしました。... ことばをめぐるひとりごと その32 智に働けば? 以前に、森鴎外作「舞姫」が難解だという話をしました。この難しさの原因は、鴎外が文語文をあまり理解していないせいもある、というのが、僕の(ひどく不遜な)結論でした。 しかし、口語体の小説でも、ちょっと古くなると読みにくいですね。世態風俗は年々変わるので、小説に書かれている情景が目に浮かびにくくなるのです。たとえば 飯田橋へ来て電車に乗つた。電車は真直に走り出した。 これは夏目漱石の「それから」の終局部分ですが、この「飯田橋」というのは、さっと読むと総武線の駅かと思います。実際はそうではなく、ましてや地下鉄東西線の駅でもなく、まあこれは市内電車の駅なのでしょう。歴史的には、このころ甲武鉄道(現・中央線)が飯田橋駅まで延びていたはずで、蒸気鉄道も走っていたと思いますが。 近代小説を読むとき、予備知識の不足を補ってくれるのが、文庫などの巻末に付いて
2011/10/10 リンク