JR豊肥線と熊本空港を結ぶ熊本県の空港アクセス鉄道計画が、新たな局面を迎えている。概算事業費は物価高騰などの影響で従来の試算から約1・5倍の610億円に拡大した。国から鉄道事業許可を得る上で重要な採算性の確保には、国からの多額の財政支援が不可欠となる。県は現行の補助制度の特例や、新たな交付金の適用を国に求めていく考えだが、見通しは開けていない。 「最大限の財政支援を国に求めていきたい」。9日、木村敬知事は定例の記者会見でアクセス鉄道の実現に向けた国への予算要望について、改めて意欲を示した。 ■特例 現行の補助制度は事業費の18%を支援する制度で、国から鉄道事業許可を受けた時点で適用が確定する。県はこの補助率を3分の1にかさ上げする「特例」を求めている。 ただ、これまで補助率が3分の1にかさ上げされた例は、10年に開業した成田新高速鉄道(東京都心─成田空港)のみ。県幹部には「この制度のかさ上