東京大学をはじめ、慶應義塾大学、早稲田大学などにいま、中国人留学生が殺到している。その裏には、あまりに不公平な「日本人受験生との入試の難易度の差」があった。日本経済新聞取材班がまとめた『ニッポン華僑100万人時代 新中国勢力の台頭で激変する社会』(KADOKAWA)の一節を紹介する――。(第4回/全4回) 【図表】2025年6月に日本で行われた留学試験は、中国国籍を持つ人の受験が圧倒的だ ※登場する取材協力者の肩書きや年齢は取材当時のものです。 ■日本の大学を目指す「中国人専門予備校」の実態 東京・高田馬場の「一川文研」は今、日本でも有数の中国人専門の予備校として知られる。合格実績(2024年度)をみても、難関大学の名前がずらりと並ぶ。東京大学10人、京都大学5人、一橋大学10人、東京工業大学(現・東京科学大学)1人、大阪大学9人、東北大学4人、名古屋大学7人、北海道大学2人、九州大学3人