1990年代~2000年代にかけて、成果主義と共にMBO(目標管理制度)が導入され、多くの日本企業がMBOによる人事評価を行っている。成果を上げた人を正当に評価する仕組みとして導入された制度であったはずだが、手続きだけで形骸化している、モチベーション低下を招いているなど不満も多い。MBOはなぜ機能しないのか、そして日本の人事評価制度の問題点はどこにあるのか。人材マネジメント研究における第一人者である学習院大学守島基博教授にお話をうかがった。(取材・文/井上佐保子) MBOはドラッカーが考えた仕組みだった ――今、多くの日本企業では、MBO(目標管理制度)をベースとした人事評価を行っていますが、「目標管理も評価も形骸化していて評価の仕組みとして機能していない」と運用面で見直す必要性を感じている企業も増えてきているようです。そもそも、人事評価にMBOは必要なのでしょうか。 守島教授 もともとM