今週、ワシントンDCで開かれた暗号ハッシュワークショップでは、暗号分野の巨人たちが一堂に会し、崩壊寸前のハッシュアルゴリズムをどうすべきか話し合った。オンラインバンキングとデジタル署名システムを保護するアルゴリズムの安全性がいまや崩壊しつつある。なのに、この問題にどう対処したらよいか、いまだ誰も明快な答えを打ち出せずにいる。 ワークショップは、中国山東大学の王小云(Wang Xiaoyun)博士の発表から始まった。王博士の研究チームがMD5ハッシュアルゴリズムにコリジョンを発見し、それをきっかけとしてさまざまなクラッキング法が続々と登場してきたのは周知のことである。ハッシュアルゴリズムの本格的セキュリティ実装など、いまやお笑い種になったと言ってよい。今年前半、王チームがSHA1の弱点を発見し、それによって保護レベルが2^80から2^63に低下したと発表したとき、暗号界は上を下への大騒動にな