いつまで収容されるのか、終わりが見えない。 イラン人男性のアリさん(51)=仮名=は日本に不法入国後、罪を犯し、日本からの強制退去を命じられている。 「(イランへの)送還可能なときまで」との決まりで入管の収容施設に入れられ、13年が過ぎた。 収容期間は、現在いる収容者のなかで最長だ。 「ここで死ぬことになるだろう」 面会取材に対して絶望的な表情で語るアリさんは、なぜこれほどまで長く、収容され続けているのか。 そこには日本とイランが抱える特有の事情が絡み合っていた。 不法入国、薬物事件の末に アリさんは、どんな経緯で入管施設に収容されることになったのか。 本人が望んでいる難民認定の申請書類や訴訟記録によると、アリさんは1974年に8人きょうだいの末っ子として、イラン南西部の都市で生まれた。 高校卒業後に運送会社などに勤務。結婚し、2人の子をもうけた。 2005年ごろ、写真やビデオの撮影を行う