神奈川県や兵庫県で「受動喫煙防止条例」が施行されたのをきっかけに、日本各地で受動喫煙対策への関心が高まっています(※1)。 受動喫煙というのは、自分の意志にかかわらず、他人が喫うタバコの煙を吸わされてしまうこと。タバコというと、刺激臭を嫌う人が多いのですが、臭いよりも健康への影響が大きいのは、煙に含まれるさまざまな有害物質です。じつはタバコの煙には、200種類もの有害物質(うち約70種類は発がん性物質)が含まれています。 とくにタバコで問題になるのは、喫煙者が吸い込む主流煙よりも、タバコの先から立ちのぼり、ほかの人も吸い込む副流煙です。というのも副流煙には、主流煙よりもずっと多くの有害物質が含まれているからです(※2)。 たとえば、タバコの3大有害物質を比較すると、主流煙を1とした場合、副流煙にはニコチンが2.8倍、タールが3.4倍、一酸化炭素が4.7倍も多くみられます(厚生労働省『喫煙と