V作戦
ぶいさくせん
ザクをはじめとする機動兵器『モビルスーツ(MS)』の量産に成功したジオン軍に対し、起死回生の一手を狙う地球連邦軍の技術者テム・レイ が提唱したモビルスーツ開発計画。
V作戦は単に「3つのモビルスーツでジオンを叩く」というものではなく、
• モビルスーツの開発と量産化
• モビルスーツの運用を前提とする専用母艦(ホワイトベース )の建造
• モビルスーツの運用方法の確立
の三本の柱で成り立っている。
テム・レイが考案したとされるガンタンク・ガンキャノン・ガンダム の3機連携や、コアブロックシステムによる換装能力、MS運用を前提とした連邦初の戦艦(※通称としての戦艦であり、兵器分類は強襲揚陸艦)「ペガサス級」の開発など、モビルスーツに関する総合的な運用ノウハウを開発・検証する作戦である。
試作品であるRXシリーズの運用試験は、高品質のルナ・チタニウムが採取可能なルナツーに近く、実質的に連邦の支配下にあったサイド7で行われた。このサイド7とルナツーは、唯一月の反対側にあるラグランジュ地点に配置されたコロニー群であるため、辺境と呼んで差し支えない地域であり、開発が遅れていたこともあってジオンも積極的に介入しようとはしていなかったことも、選定要因の一つである。
開発の順序としてはコアファイター→ガンタンク→ガンキャノン→ガンダムという順だが、キャノンがタンクの、ガンダムがキャノンの発展形というわけではなく、同時に開発されたものである。また、タンク、キャノン、ガンダムの3機連携をすることを前提に3兄弟が開発されたものであり、連携戦闘のアイデアが先、機体が後、という関係になっている。
これらの機体はそれぞれ複数が組み立てられ、実験が行われた。また予備パーツもそれなりの数製造されるなど、充実した製造量を有していた。特にガンダムに関しては歩留まりが低かったためか多くのパーツが製造され、そこから検品に外れたパーツなどを元に20機ほど製造されたのが陸戦型ガンダムである。
これらの機体を用いた様々な実験を通じて技術や運用の検証が行われた。その成果が結実したものが、後の連邦初の制式量産MS「ジム 」である。
そして、V作戦の最終段階として、ガンダムらの試作機を、ペガサス級強襲揚陸艦「ホワイトベース」を用いて回収する「RX回収作戦」が立案され、当時予備役であったパオロ艦長の指揮のもと実施された。ちなみにこの作戦は、指揮官が予備役、乗組員も訓練生や候補生の割合が多かったことから、比較的脅威レベルの低い作戦として実施されることが伺われる。
しかし、何らかの手段(連邦側にいるスパイからのリークの可能性もある)で、ジオン軍にこの計画は漏れ、結果近隣空域で作戦を終えていたシャア・アズナブル率いる部隊が派遣されることとなった。シャア隊がV作戦の運用試験が行われていたスペースコロニーサイド7に強行偵察を仕掛けるところから、『機動戦士ガンダム』の物語は始まることとなる。
- これらの設定は本編放送後に何度か追加され、2000年代に『ギレンの野望』シリーズなどの流れで確定したものであるため、元祖『機動戦士ガンダム』では、V作戦という呼称と漠然とした概要程度の設定しか提示されておらず、後年の設定と本編には矛盾した描写がある。
- 1年戦争末期の12月を描いた『機動戦士ガンダム0080』では、物語の中で、一般市民が「連邦にモビルスーツがあるわけない」と発言するシーンがある。本作の舞台となるのは中立コロニー・サイド6であり、戦争から距離を置いた一般人の間では、連邦軍のモビルスーツ開発・配備に関する認知が広まっていなかったことが示されている。当時、連邦軍はすでにモビルスーツを実戦投入していたが、その詳細が民間には周知されていなかったことがこの描写からうかがえる。
- 『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』においてガンキャノンとガンタンクが旧式と断じられているのは、MS開発系譜が大幅に整理・改変されたからであり、本編ではあくまでも兄弟機である。
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すべて見る改めて『V作戦』に対して思う事
改めて『ギレンの野望』や『機動戦士GundamGQuuuuuuX-Beginning-』を観て視て、v作戦について思った事を書きました。 ハーメルン版→https://syosetu.org/novel/367447/1,218文字pixiv小説作品