画像生成AIの一貫性の能力をめぐる競争が激しくなっています。9月9日に、バイトダンスが画像生成モデル「Seedream 4.0」をリリースしました。8月26日にリリースされたばかりだったグーグルの「Nano Banana」を超えているとさえ感じられる一貫性とプロンプトへの追従性があるとして注目を集めました。「上位互換」とさえ言われるほどの高い評価を得ています。どこまでNano Bananaに迫っているのかを比較して探りました。
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1回4〜5円、ビキニ姿も生成できる
Seedream 4.0はクローズドモデルで、有料のクラウドサービスを通じて使う必要があります。
提供されているサービスによって価格は違いますが、「fal」の生成が1回あたり0.03ドル(約5円)。後述するComfyUIでのAPI利用の場合も0.03ドルとなっているため、この価格帯が一般的なようです。筆者が調べた限りでは、シンガポールの「WaveSeedAI」がで1回あたり0.027ドル(約4円)が最安値だと思います。Nano BananaをAPI利用した場合には、0.039ドル(約6円)のため、価格競争力を意識した設定になっていると言えます。
大きな違いは生成解像度で、Nano Bananaは生成できるサイズが正方形の場合は1024x1024を基準にしているのに対して、Seedream 4.0は2K以上のサイズ(2048x2048)が基本になっている点です。解像度が高い分、出力される画像品質が高いという特徴があります。最大サイズの4Kサイズ(4096x4096)で生成しても、料金が変わらないのですが、人物の顔が破綻したりするケースが起こりやすくなるため、大きな画像サイズにする場合には2Kサイズで生成して、アップスケールしたほうが無難な印象はあります。
Nano Bananaは水着画像などのセンシティブ画像については厳しめに判定されて、生成できないということが起こりがちですが、Seedream 4.0の制限基準は若干緩やかです。ヌードなどの露骨な性的なものは生成できませんが、ビキニなど水着姿の生成もできます。
バイトダンスの日本でのライセンシーが、日本語でも利用できる「Sousaku.AI」というサービスを開始しています。ただ、有償利用の場合には月額1480円で、150クレジットが獲得でき、1回の画像生成につき1クレジット(約10円)が必要になります。
Sousaku.AIを他のサービスと比べたときの優位性は、日本語のUIがこなれておりわかりやすいこと、バイトダンスの動画AI「Seedance Pro」も統合されており使いやすいことといった点があります。また、同じプロンプトでも他サービスに比べて品質が高い画像が出る印象があり、生成時にテキストのLLMによる最適化がされているようにも感じられます。
現在、デイリーボーナスとして画像10回分の生成ができる10クレジットが配布されているため、最初の入口としては使いやすいかもしれません。
▲Sousaku.AIで、生成した画像をバイトダンスの動画AI「Seedance Pro」で生成した動画。品質は高いが720p相当(1120x832)の10秒が40クレジット(約400円)のため、結構いい値段がする
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