1966年に丙午(ひのえうま)の年を迎えた日本では、出生数が激減した。2026年には再び丙午が巡ってくるが、日本人には60年前と同じように迷信を妄信できない差し迫った事情があると、英紙「フィナンシャル・タイムズ」は指摘する。 丙午の年に起きた異常事態 1965年、科学技術大国に生まれ変わった日本は、好景気に沸いていた。首都・東京は前年に開催されたオリンピックのために街並みを一新し、世界最速の鉄道が建設された。さらに著名な物理学者の朝永振一郎が、量子電磁力学の研究でノーベル賞を受賞した。 だがその翌年の1966年、人類史のなかでも特筆すべき異常事態が起きた。日本が非科学的かつ不可解な狂騒に包まれたのだ。 日本の占星術では丙午(ひのえうま)の年には、荒々しく破壊的な女性が生まれると信じられている。1966年はその年に当たり、もし娘が生まれたら結婚できないかもしれないと懸念した日本の夫婦の間で「