あなたの見ている赤とわたしの見ている赤とは、本当に同じ赤なのか? 哲学入門書などによく紹介されるア... あなたの見ている赤とわたしの見ている赤とは、本当に同じ赤なのか? 哲学入門書などによく紹介されるアポリア(難問)だ。そしてそれは、証明も反証もできない問題であるとされている。もう少し深刻なのになると、「私以外の人間は本当に私と同じような心をもった存在なのか、実は精巧なロボットにすぎないのではないか?」というのがある。世界のなかに確実に存在するのは、この〈私〉の心だけだという立場、いわゆる「独我論(solipsism)」である。議論はここでは省略するが(Thomas Nagel, What Does It All Mean? に、わかりやすく解説されている)、これも合理的に反駁することはできない。 独我論−−ウィトゲンシュタインをはじめとする少数の哲学者たち、そして精神を病む少なからぬ人々にとって、これは生きることの根本的意味にかかわる、きわめて切実な問題である。それに対して大多数の人々にと
記事へのコメント0件
このエントリーにコメントしてみましょう。
注目コメント算出アルゴリズムの一部にLINEヤフー株式会社の「建設的コメント順位付けモデルAPI」を使用しています