(注記: これは、静岡大学人文学部『人文論集』第45号の1[1994年7月30日発行]に掲載されたものです。... (注記: これは、静岡大学人文学部『人文論集』第45号の1[1994年7月30日発行]に掲載されたものです。) 1、空間の形式性(1) カントの空間論(および時間論)(2) は、周知のように、一方におけるニュートン(およびオイラー)的な「絶対空間」説と、他方におけるライプニッツ的な「空間=関係(事物の秩序)」説という、両者の対立の狭間を縫って、それぞれの持つ難点を回避し、両者を綜合するものとして考え出されたものであった(3) 。カントによれば、ライプニッツ説では、空間は、「経験から抽象された、その分離において混乱して表象された諸現象の関係」(A40=B56f.) (4) に過ぎないこととなり、そこからは、ア・プリオリな判断としての数学の可能性を認めることができなくなる(ibid.) 。他方、ニュートン・オイラー説によれば、ア・プリオリな綜合判断としての数学の可能性は説明されうるが(A40=
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