手塚治虫考察録 - １２話「畸形嚢腫」

ストーリー ＢＪのもとに、ある身分の高い女性患者が運ばれてくる。病名は畸形嚢腫。腫瘍の中には双子と...概要を表示 ストーリー ＢＪのもとに、ある身分の高い女性患者が運ばれてくる。病名は畸形嚢腫。腫瘍の中には双子として産まれるはずの人間の体が一揃い入っていた。医者は何度も切除を試みるが、殺されることを恐れる腫瘍はテレパシーを使って妨害し、まともな手術ができない。そこでＢＪは腫瘍を助けると約束し、手術を成功させる。後日、ＢＪはバラバラの体を組み立て、人間に仕立て上げる。腫瘍は一人前の体を得、ピノコと名付けられる。 ■文庫１巻　コミック２巻　全集１４巻 解説 ＢＪには欠かせないキャラクター、ピノコが誕生する回である。こうした道化キャラは、『鉄腕アトム』のウラン、『どろろ』のどろろ、『七色いんこ』の玉サブロー、『ドン・ドラキュラ』のチョコラなど、手塚作品にはしばしば登場する。中でも、ピノコは単なる脇役以上の存在感を見せる。 彼女の最大の特徴は、年齢を二つ持っていることである。ピノコは最初母親の胎内から、次に姉