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新内閣発足
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幻冬舎が「名誉毀損訴訟」で敗訴 地裁「そもそも前提事実が存在しない」“異例”判断…訴えられたネットメディア「なぜ提起」疑問示す 出版社大手・株式会社幻冬舎と代表取締役の見城徹氏が、YouTubeで動画を配信するインターネットメディア「Arc Times」を運営するアーク・タイムズ株式会社と、同社の番組に出演した同社代表の尾形聡彦氏、キャスターの望月衣塑子氏、および法政大学前総長で同大学名誉教授の田中優子氏を被告とし、謝罪広告、動画の削除、合計1000万円の支払い等を求め提訴していた名誉毀損訴訟の判決が、21日、東京地裁で言い渡され、裁判所は原告の請求を棄却した。 原告側は訴訟において、昨年5月11日と12日にそれぞれ放映された動画内での発言において行われた4つの「事実の摘示」が、原告らの「社会的評価を低下」させると主張していた。これに対し被告側は、「事実の摘示」があったこと自体を否認し争っ
Aさん:「足りない分の給料を請求します」 会社:「文句言わずに給料を受け取って働き続けてましたよね」 提示された金額より給料が少なかったことに不満を抱いたAさんが、会社を相手取り裁判を起こしたところ、裁判所は会社に対して「足りない分の給料を支払え」と命じる判決を下した。 以下、事件の詳細について、実際の裁判例をもとに紹介する。(弁護士・林 孝匡) 事件の経緯 Aさんは、エレクトロニクス事業を中心に展開する会社(B社)で、管理本部の部長として働いていた。 ■ 転職の誘いを受けて入社 B社に入社する前、Aさんは別の会社で働いていたが、B社の創業者から会食に招かれ、「わが社に来ないか」と誘われた。 B社はかなりAさんにほれ込んでいたのだろう。Aさんに雇用条件通知書を郵送する際、「鶴首(かくしゅ)して吉報を待っています」(首を長くして今か今かと待ちわびるという意味)としたためた手書きの便箋も同封し
江口寿史氏のイラスト、著作権的には“セーフ”の可能性も? 「トレパク」をめぐる“権利侵害”の判断ポイント 漫画家・イラストレーターの江口寿史氏が手掛けた、ルミネの開催する「中央線文化祭2025」のポスターが、SNSに投稿されたモデル・金井球(かない・きゅう)氏の自撮り写真を参考にして描かれていたことが判明した問題に端を発して、イラストにおける「トレース行為」の是非が議論を呼んでいる。 「正当なトレース」と「不当なトレース」の境界線は、どこにあるのだろうか。(本文:友利昴) トレース行為の適・不適の境界線は? この件に関する報道では、「トレース疑惑」という言葉を使う媒体もあるが、まるでトレース自体に不正性があることを含意した書きぶりであり、正確性を欠く。 トレースという手法自体には違法性はないし、またトレースさえすれば誰にでもいい絵が描けるというわけでもなく、創作プロセスとして不適切でもない
2017年、神奈川県小田原市で発覚した「生活保護なめんな」ジャンパー事件は、日本の生活保護行政の現場が抱える根深い問題と、社会に蔓延する貧困に対する不寛容さを浮き彫りにしました。 およそ10年間にわたり、同市の生活保護担当職員が、威圧的なメッセージがあしらわれたジャンパーを着用し、業務にあたっていたのです。 この一件は、決して、小田原市という一地方自治体の地方公務員の不祥事で片付けられる問題ではありません。また、提起された問題は、今なお、解決されたとはいえません。 セーフティネットの理念が機能不全になっている現状、それを助長する「自己責任論」など、日本社会が抱えるジレンマそのものを映し出すものといえます。(行政書士・三木ひとみ) 「HOGO NAMENNA(ホゴ ナメンナ)」に込められたメッセージ 事件が明るみに出たのは、2017年1月のことでした。小田原市の生活福祉課で生活保護を担当する
1994年6月29日、長野県北安曇郡池田町の小学校校庭で、宮田稔之君(当時17歳)と弟の透くん(当時16歳)が、同じ地域に住む少年らから集団リンチを受け、稔之くんは昏睡状態になった末、翌日に死亡した。通称「長野リンチ殺人」事件である。 当初、加害者として逮捕されたのはAという少年1人であったことから、警察は父の宮田幸久さんと母の元子さんらに「喧嘩だった」と説明し、新聞でも小さな囲み記事で「1対1の喧嘩」と報じられていた。しかし、稔之くんが死亡した30日、さらに6人の少年が加害に加わっていたことが判明する。 少年審判は非公開であり、息子を殺された両親は警察や検察、家庭裁判所からほとんど何も知らされないまま放置されていた。この状況に我慢ならなかった宮田さん夫妻は、真相を明らかにするため民事訴訟を提起する。 本記事では、ノンフィクション作家・藤井誠二氏の著書『少年が人を殺した街を歩く 君たちはな
「うるせえばばあ」「じじい」小学生同士の“暴力トラブル”裁判、保護者に50万円賠償命令も…「息子はやってない」えん罪主張 2016年4月、神奈川県内の公立小学校に通う女子児童(当時5年生)が、男子児童(当時4年生)からひざを蹴られ後遺症を負ったなどとして、男子児童の保護者である両親と学校を運営する市を相手取って損害賠償を求めていた民事裁判で、10月3日、横浜地裁小田原支部は、男子児童の暴行と後遺障害との因果関係を認めなかった。 しかし、男子児童が1度暴行をふるったことは認め、男子児童の両親に対し、約50万円の損害賠償を支払うよう命じた。 判決後、男子児童の両親は記者会見を開き、「(暴行は)虚偽の事実であり、不当な判決」として、東京高裁へ控訴する方針を示した。(ライター・渋井哲也) 「うるせえばばあ」「じじい」言い合いからトラブルに 判決文などによると、原告の女子児童Aと、1学年下の男子児童
パナソニック子会社「定年後パートで年収85%減」は違法か? 勤続40年の従業員が提訴「理不尽な扱いを受けたのは私だけではない」 パナソニックホールディングスの傘下「パナソニックコネクト」(東京都中央区)の労働者が、定年後の継続雇用で年収ベース85%減となるパートタイム勤務しか提示されなかったのは「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年法)」に反するとして、10月14日、東京地裁に提訴した。 原告は、第一の請求(主位的請求)として、フルタイム勤務の労働者としての地位の確認および賃金の支払いを求め、これが認められない場合の請求(予備的請求)として、不法行為に基づく損害賠償の支払いを求めている。 定年後もフルタイム勤務を希望するも不採用… 訴状等によれば、原告のAさんは、新卒で松下電送株式会社(当時)に入社。今年5月に定年を迎えた。 Aさんは2023年度から、定年後もフルタイムで働けるよう上
「廊下で雑魚寝」「24時間以上拘束」児相の元職員が訴えた「過重労働」裁判、県はなぜ“即日”控訴したのか? 親からの虐待やネグレクト、あるいは家庭の経済的困窮などを理由に、両親の元から離れた子どもたちが入所する児童相談所。 精神的に不安定な子どもたちが、安心して暮らせる住環境を整えるのが児童相談所の役割でもあるが、職員の数が追いつかず、子どものケアを充分に行えない課題も生まれている。 児童相談所の元職員である飯島章太さんは、こうした児童福祉の労働環境改善を訴えて裁判を行っている当事者だ。 夜勤は24時間を超える拘束も 飯島さんは2019年4月から、市川児童相談所(千葉県)の一時保護所の職員として働いていた。もともと子どもの電話相談員の経験をきっかけに、過酷でつらい境遇の子どもを支援したいという想いで就職を果たす。 しかし、その後わずか4か月で休職に追い込まれる。飯島さんの話によれば当時、一時
「このまま連絡なく7日過ぎれば、失踪扱いで保護を廃止にできたのに!」 福祉事務所の担当ケースワーカーから、受話器越しに投げつけられた怒声。これは、生活保護を利用し、まさに今、生活の立て直しを図ろうとしていたタカヤさん(30代男性・仮名)に向けられた言葉です。 本来、生活に困窮する人々を支え、自立を助けるはずの生活保護制度。しかし、その現場では、一般には到底理解しがたい「謎ルール」が横行し、最も助けを必要とする人々を更なる苦境へと追い込んでいる実態があるのです。 今回は、生まれて間もなく母を亡くし、乳児院、養護施設を経て父親に引き取られた先で虐待を受け、統合失調症を患いながらも懸命に生きようとするタカヤさんの事例を通して、福祉行政の現場に潜む深刻な問題と、制度の矛盾を浮き彫りにしていきます。(行政書士・三木ひとみ) 「自立を助長する」はずの行政が若者を追い詰める現実 生活保護法は、「健康で文
「紋次郎いか」50年以上親しまれたロゴが突然“著作権侵害”訴えられ敗訴 なぜ今…?「5630万円」賠償命令判決の“内幕”とは 10円、20円を握り締め、学校帰りにおやつタイム。とりわけ40代以降の中高年にとって、駄菓子の思い出は深いものがあるだろう。そんな業界に身を置く、名古屋の老舗企業に理不尽ともいえる判決がくだり、衝撃が走った。 甘じょっぱいたれと噛みごたえがクセになる「紋次郎いか」。そのラベルのイラストが著作権を侵害しているとして、小説『木枯らし紋次郎』の著者の遺族が訴えを起こし、被告の駄菓子メーカーが知財高裁で敗訴したのだ。 駄菓子の利益率を考えると、約5630万円という賠償額が与える打撃は想像に難くない…。 半世紀近く、‟共存”してきたようにみえた中、「なぜいま」だったのか…。そして、このイラストと『木枯らし紋次郎』は「本当に似ている」といえるのだろうか。(本文:友利昴) 駄菓子
「年休取得に診断書はいらないだろう」ーー。 鉄道大手JR東海の組合員の一言から始まった行政訴訟で8日、東京高等裁判所は労組側の主張を全面的に認め、2024年11月の東京地裁判決を維持。国側(中央労働委員会)の控訴を退け、会社側の団交拒否を違法と改めて判断した。 同日、都内で会見を開いた淵上利和中央執行委員長は判決について「原審以上に裁判所が踏み込んだ判断を示し、労働組合の団体交渉権や活動に対し、正当な評価がなされた」とコメントした。 年休申請も…会社側は診断書提出を強要 JR東海労働組合の組合員Aさんは2016年、手術を伴う入院のため、所定の手続きに従って年次有給休暇(年休)を申請。 しかし会社側は「診断書を提出しなければ年休を認めない」との対応を取り、組合員に診断書提出を強要していた。 これに対し、組合員は「年休は欠勤ではない。なぜ診断書が必要なのか」と素朴な疑問を提起した。 労働基準法
「マスク拒否なら受診をご遠慮いただきたい」町医者VTuberの投稿に賛否 “院内での着用要請”法的正当性は? 今年7月「院内でのマスク着用を受け入れない方には、保険医療機関の受診をご遠慮いただきたい」との投稿が、X上で大きな議論を呼んだ。 投稿者は「町のお医者さん」として診療所で働きつつ、VTuberとしても活動する山吹オルカ氏だ。 厚労省認可の保険診療を求めながら、同省推奨の院内マスク着用を拒否する“矛盾”を指摘したこの投稿には賛否が集まった。インプレッション数は1408万件を超えるが、なかには「マスクは個人の自由」として抵抗感を示す層も一定数存在する。 ではマスク着用の要請はどこまで「ルール」として機能し、法的に許されるのか。 弁護士JPニュース編集部では、投稿主である山吹氏本人と、民法や企業法務に詳しい弁護士を取材。医療現場の実情や法的妥当性について聞いた。 X投稿が注目されたことで
生活保護、障害者に加算される「約1万5000円」が自治体の“裁量”で支給拒否…背景にある「不合理な運用」の問題とは 生活保護受給者の中には、障害を抱え、働くことが困難な人が大勢います。それらの人々にとって、月額1万5000円前後の「障害者加算」は命綱です。 障害ゆえに生じる追加の出費(たとえば、体調管理に不可欠な冷暖房費など)を補うためのお金であり、最低限度の生活を維持するために不可欠なものです。受給したからといって暮らしに「余裕」が生じるわけではありません。 しかし、関西地方に住むタケシさん(仮名・40代男性)は、医師に勧められて取得した「精神障害者保健福祉手帳2級」を所持しているにもかかわらず、この加算を拒否されました。理由は障害の重さではなく、ただ「手帳を取得した時期が早すぎたから」という、にわかには信じがたいものでした。 しかも、タケシさんは事前にケースワーカーへ加算の申請方法につ
「安心」のための取締強化や厳罰化は、日本人にとっても「生きづらさ」につながる(ASARI/pixta) 先日行われた自民党の総裁選初見発表演説会において、複数の候補者が日本における外国人の対応について言及していた。 特に2025年7月の参議院選挙では、一部の候補者による外国人に向けた発言が注目を集め、今後も政治的な言説の中で繰り返し取り上げられることが予想される。 外国人に関する政策的言説は、安全対策として合理的に必要とされるリスク評価に基づくのか、それとも事実に裏付けられない不安に由来するのかを見極める必要があろう。(本文:丸山泰弘) 「不安」がエビデンスに基づかない政策を招く 筆者が大学で刑事政策を学び始めた2000年の頃は、ちょうど厳罰化とその影響を受けた過剰拘禁で刑事司法が大変だと言われている時期であった。 2000年前後から一般刑法犯の認知件数は急激に増加し、検挙率が低下した。こ
10月1日、川口市議会(埼玉県)は市内に住む在留資格のない外国人について、一時的に収容を解く「仮放免」をやめて収容を強化することや、新たな収容施設の建設などを国に求める意見書を賛成多数で採択した。明示はされていないが、市内に約2000人が在住しているクルド人を想定しているとみられる。 市内でクルド人による犯罪が増えていることを示すデータはないが、最近のSNS上では根拠もなく「クルド人による犯罪だ」と決め付けた投稿が拡散される事態が目立っている。また、「日本国内では外国人による犯罪が増えており、治安対策のために外国人犯罪の取り締まり強化が必要だ」との主張は市井の人から芸能人や政治家まで、多くの人が論じるようになっている。 それらの主張に根拠はあるのか。また、数字に依らない「体感治安」に基づいて政策が決められてもいいのか。本記事では、刑事政策・犯罪学を専門とする法学者の丸山泰弘教授(立正大学法
医療・介護・福祉・保健分野の予算増などを国に求める集会が9月25日午後、東京・日比谷公園の野外音楽堂で開催された。 最高気温28度とまだまだ暑い中、会場には労働組合関係者ら約2200人が集結し、オンラインでも200人以上が参加(主催者発表)。参加者らは配布されたサンバイザーを身に付け「ケア労働者を増やせ」「ケア労働者の賃金を上げろ」などのシュプレヒコールを上げた。 「いのちまもる総行動」と題されたこの集会は、全国保険医団体連合会(保団連)、全日本民主医療機関連合会(民医連)、日本医療労働組合連合会(医労連)ら複数の団体が共同で開催したものだ。 「国民の命が軽視されている」 日本医労連の佐々木悦子中央執行委員長は集会の冒頭、現状の医療・社会保障政策のあり方について「コロナ禍で患者が入院できずに亡くなった事例が多数あったが、その反省が生かされておらず、国民の命が軽視されている」と訴えた。 「猛
生活保護基準引き下げの違法性を問う「いのちのとりで裁判」で、最高裁が国の保護変更決定処分を「違法」と認め、処分を取り消す判決を言い渡してから3か月近くが経っている。 しかし、原告が求めている引き下げ前の基準額での遡及(そきゅう)支給など、被害回復への見通しはいまだ立っていない。 一方、9月17日には最高裁判決後初めてとなる、一連の裁判の控訴審判決が名古屋高裁金沢支部で言い渡され、最高裁と同様、引き下げの違法性を認め、処分を取り消した。(ライター・榎園哲哉) 最高裁判決までの道のり 厚労省は2013年8月から2015年4月にかけ、3度にわたって生活保護のうちの食費など生活費に該当する「生活扶助費」を平均6.5%引き下げた。 全国の受給者約1000人と支援する弁護士らは、引き下げの無効を訴え「いのちのとりで裁判全国アクション」を起こし、全国29地裁で提訴。これまでに原告側が29勝16敗(地裁2
HIV陽性者支援をはじめ様々な支援活動に取り組む認定NPO法人「ぷれいす東京」が、9月16日、LGBTQ+(性的少数者)の人々の健康や医療ニーズに関する調査結果の中間報告を行った。 報告の場には医師や心理士などの医療専門家も参加し、「だれも取り残されない医療」を実現するための意気込みを語った。 調査は9月末まで、8月時点で約1100人が回答 「ぷれいす東京」は今年6月から9月末まで、日本国内のLGBTQ+の人々を対象としたPRISM調査(Participatory Research for Inclusive and Supportive Medical Care、包括的・支援的な医療のための参加型調査)を実施している。 調査目的はLGBTQ+が置かれている健康や医療の現状を「見える化」し、医療現場への啓発や改善提案を行うこと。また、調査結果は報告書の形にまとめられるほか、英語論文としても
転売ヤー、経済学では“合理的”? スイッチ2、ちいかわ、ポケカ…人々の“怒り”を増幅させる「道徳的感覚」と「市場論理」の矛盾 食卓に欠かせない「米」の転売問題が話題となった今年2月を皮切りに、5月にはマクドナルドのハッピーセット「ちいかわ」、6月には任天堂の新型ゲーム機「Nintendo Switch 2」、そして8月には再びハッピーセット「ポケモンカード」と、転売の騒動が相次いでいる。 経済学的には、転売は商品をより高く評価する人の手に渡す仕組みとして「合理的」と説明される。しかし一方で、いわゆる「転売ヤー」に対する非難の声は日に日に高まり、多くの人が転売を道徳的に問題のある行為だと感じていることもうかがえる。 本記事では、新規情報技術やサービスを社会実装する際に生じうる倫理的・法的・社会的課題(ELSI)について研究し、Nintendo Switch 2の日米における発売戦略を比較した
「日本は外国人労働者に選んでもらえなくなる」中国人女性が不法就労“助長”で退去強制 「無過失・不起訴」のはずが…裁判所は「処分妥当」なぜ? ベトナム人の不法就労を「助長」したとして退去強制処分を受けた中国人女性のXさんが、同処分の前提である入管による「不法就労助長」の認定の取り消しを求めていた訴訟で、東京高裁は7月24日、一審の東京地裁の判決(3月18日)を支持し、Xさんの控訴を棄却した。 重要な争点となったのは、入管法違反にあたる「不法就労助長」を行ったとされた人に故意や過失がない場合でも、退去強制の対象となるか否かである。 これは「外国人問題」ではない。「行政法規に違反する行為をした人に故意・過失がなくても、制裁を加えて良いのか」という、日本人か外国人かを問わず、わが国で暮らす人すべてに関係する「一般的な法律問題」である。 従来、行政法規に違反した者に対し、「過料」などの制裁的な行政処
おおよそ1990年代から、クルド人はトルコから日本へやってくるようになった。初期に来日した人が川口市(埼玉県)に住んだことから、その後も同市ではクルド人が少しずつ増えていった。現在、日本国内のクルド人人口は約3000人といわれるが、その多くが川口市および隣町である蕨(わらび)市に暮らしている。 正規の在留資格を持つ人もいれば、難民申請などして仮放免の状態の人がいたりと立場はさまざまだ。最近に至るまで、ほとんどの日本人はクルド人のことなど知らなかった。(ライター・織田朝日) 2023年から始まったネット上のヘイトスピーチ きっかけは2023年7月、複数のクルド人たちが病院の前で喧嘩(けんか)をするという事件が起きた。大騒ぎとなり病院や近隣の住民に迷惑をかける結果となった。すぐにニュースになり、以後SNSではクルド人に対するバッシングが始まった。 到底、容認できる行為ではないが、これに頭を抱え
新人研修中の新入社員がアイスクリームを食べていたので上司が注意したところ、新入社員は「おやつはダメなんですか?」と反発し、法務部に報告した…。そんなエピソードが書かれた2020年公開の『日刊SPA!』の記事が、今年の夏、突如SNSで話題になった。 議論を招いたのは、記事では新入社員を「モンスター」と表現していたこと。Xでは「いやこれどう考えても上司がモンスターだろ」と指摘する投稿が1万回以上リポストされるなど、上司の方を問題視する声が多いが…。 就業規則で「休憩中のアイス」は禁止できる? 該当の記事では上司は「休憩中にアイスを食べるのがダメという規定はありません」としつつ「でも雰囲気でありませんかね?アイスがダメっていうのが」と語り、「僕の中では『ノンアルコールビールを飲みながら仕事をする』という感覚に近いのかもしれません」とも付け足している。 そもそも、就業規則ではアイスを食べるのは禁止
「反ワクの立場からではない」新型コロナワクチン集団訴訟、遺族ら意見陳述後に会見 司法による“検証”求める 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を防ぐワクチン接種で被害を受けたとして、遺族らが損害賠償を求めて国を訴えている「新型コロナワクチン接種後死亡者遺族および健康被害者らによる国に対する集団訴訟」。 第1次訴訟の第3回期日と、第2次訴訟の第1回期日が9月8日、東京地方裁判所で開かれ、遺族が意見陳述を行った。 遺族ら原告は、国が「ワクチン接種についての検証を怠っている」とし、「最後の砦(とりで)は司法であり、その具体化である裁判だ」と司法による“検証”を求めた。(ライター・榎園哲哉) 息子と妻を亡くした原告2人の訴え 悲しみと怒りがないまぜになったような声が、第2次訴訟を審理する東京地裁の法廷に満ちた。 息子(享年27歳)を失ったAさんは、意見陳述で母親としてのやり切れない気
高速バス“相席”阻止のため、隣席も予約→直前キャンセル “悪質客”の問題行動「犯罪になる可能性」弁護士が指摘 高速バスで「相席ブロック」と呼ばれる行為が問題視されている。 1人で乗車する際、2席分を並びで予約しておき、乗車時間直前に1席分をキャンセル(払い戻し)することで、隣席を空ける――。 これにより、実際は席が空いているのに、他の利用者が予約できないという事態が発生しているという。 高速バスは乗車直前のキャンセルでも払い戻し手数料が数百円程度の場合もあり、実質的に“安価で広い席を確保する裏技”のように悪用する人がいるとみられる。 今年のゴールデンウィーク前には、高速バスを運行する「JRバス関東」が、公式X上で〈意図的に相席をブロックするご予約などは、他のお客さまのご迷惑となりますので、絶対におやめください〉と呼びかけ、話題になった。 弁護士JPニュース編集部では、9月より運賃改定に合わ
9月1日から「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律」(通称:金属盗対策法)が施行され、特定の工具を正当な理由なく隠して持ち歩くことが禁止される。 具体的に対象となるのは、ケーブルカッターやボルトクリッパーといった大型の切断工具。違反すると100万円以下の罰金や1年以下の拘禁刑が科される恐れもあるため、注意が必要だ。 「銅」の価格高騰などにより「金属盗」が急増 警察庁の発表によると、太陽光発電施設からの金属ケーブル窃盗をはじめとする「金属盗」は、2024年の認知件数が2020年の約4倍になるなど大幅に増加している。また同年の被害額は約140億円で、窃盗全体の約2割を占めた。長期間にわたる発電停止などの経済的損失も発生しており、私たちの生活にも無関係といえない問題だ。 急増の一因は「銅」の価格高騰だ。2023年における金属盗の被害状況(認知件数)を見ると、品目別では金属ケーブルが約55
斎藤知事「公職選挙法違反」が“セーフ”でも、今度は「政治資金規正法違反」で“詰み”? 神戸地検から聴取…罪に問われる可能性は【選挙法務のプロが解説】 兵庫県の斎藤元彦知事が、昨年11月の兵庫県知事選挙の際に選挙運動の対価としてPR会社に金銭を支払ったとの公職選挙法違反(買収)容疑について、神戸地検が8日、斎藤知事に対する任意聴取を行った。 本件については多くの情報発信が行われているが、法的観点から「何が問題なのか」というポイントについては、不正確なもの、誤解に基づくものも含め、今なお情報が入り乱れている。 国会議員秘書や市議会議員として、生々しい選挙戦の現場を経験した経歴があり、公職選挙法等の実務に詳しい三葛敦志(みかつら あつし)弁護士に話を聞きながら、法的問題点を整理する。 問題はA社が「主体的・裁量的に選挙運動の企画立案を行った」か まず、斎藤氏は、PR会社のA社に71万5000円を
人気YouTuber「さすがに酷すぎる」チャンネル“まるごと”盗用に困惑 「悪質な著作権侵害」実は“ファン”にもできる対策が? チャンネル登録者数10万人を超える、人気YouTuberのウェブマニア氏が先月、自身のX上で深刻な被害を訴えた。動画の内容だけでなく、タイトルやサムネイルまで完全にコピーされた無断転載動画が大量に投稿されているというのだ。 さらに転載者は、YouTube側による検知を逃れるためか、本来の動画を無関係な動画の上に重ねるという巧妙な手口まで使用している。こうした悪質な転載行為に対し、クリエイターは何ができるのか。専門家への取材を通じて対策法を探った。 「さすがに酷すぎると強く感じた」 動画制作について、「企画から編集まで、すべて自分一人で行っています。1本あたり少なくとも30時間ほど費やしています」と語るウェブマニア氏。 10分程度の動画であっても、「少しでも分かりや
サッカーチーム「FCクルド」には、少年をサッカーに熱中させることで非行を防ぐ役割も期待されているが…(撮影:室橋裕和) 最近のSNSでは、外国人がルール違反や犯罪行為をしている動画を、映っている人を根拠もなく「クルド人」と決め付けて拡散する投稿が多く見られる。 一部の在日クルド人が犯罪に手を染める場合があることも事実だ。一方で、学校に通いサッカーに熱中しながら健全に生きている高校生が、強制送還のリスクと背中合わせの状況にいる現実も存在する。 本記事ではジャーナリスト・ノンフィクション作家の室橋裕和氏が聞き出した、とある在日クルド人高校生の胸の内、そして取材中に起こった強制送還の事例について紹介する(本文:室橋裕和)。 生まれて初めての記憶は入管 少年サッカーチーム「FCクルド」と日本人チームの試合を取材した後日、選手に改めて話を聞かせてもらった。いまは高校生のAさんだが、親に連れられて日本
「被害者ぶってる」「キモイ」神奈川の小学生が“いじめ”で不登校に…卒業後、加害者児童“両親”に損害賠償求め提訴 神奈川県内の公立小学校に通っていた男子児童Aくん(現在は中学生)が、同級生の男子児童Bくんから継続的にいじめを受け、不登校になったとして、Bくんの両親を相手に慰謝料等約478万円の損害賠償を求め、横浜地裁に民事訴訟を提起した。 7月の第一回口頭弁論にAくんは母親と代理人弁護士とともに出廷。Bくん側は欠席したものの答弁書を提出し、争う姿勢を示した。(ライター・渋井哲也) Aくんの特性と家族の“不安” 発達障害のひとつである「自閉症スペクトラム症(ASD)」を持つAくんは、聴覚と触覚の感覚が過敏で、日常生活のささいな刺激でも苦痛や不快感を抱くことがある。 AくんにASD傾向があることは小学校に入学したあとで発覚したという。 「1年生の時には確定診断ではなく、その傾向があるとして、通院
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