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10代の4分の1が学校でポルノを視聴 日本では、文部科学省が2020年から小中学生にひとり一台タブレットを配付するGIGAスクール構想を推進するなど、教育のデジタル化が進んでいる。 教育のデジタル化は、個々の生徒の習熟度に応じた学びを提供できる点や、教師側が業務を効率化できる点などがメリットだと考えられてきた。またテクノロジーがすさまじい勢いで進化する現代において、ITのスキル・知識を身につけることは子供たちのためにもなると肯定的に受け止められている。 だが世界の教育現場では、むしろアナログ回帰が進んでいるようだ。英「BBC」によれば、2000年代後半から教育現場でデジタル機器を使用してきたスウェーデンでは、紙のノートや鉛筆を使った教育が見直されつつある。米国でもカンザス州やバージニア州など少なくとも10州で、学校でのデジタル機器の使用制限などを規定した法案が提出されたと米紙「ニューヨーク
英紙「フィナンシャル・タイムズ」の投資コラムニスト、スチュアート・カークは、投資業界で数十年の実務経験を持つ人物だ。 彼は長いキャリアを振り返り、これまでに市場を揺るがすとされた地政学リスクや金融危機の多くは、実際には投資リターンにほとんど影響しなかったと語る。 カークによれば、過去30年で市場を揺るがしたのは「2つの出来事」だけ。そして、うち1つについて「その最悪の影響はこれから起きるだろう」と警告する──。 新たな戦争すら影響は限定的 子供の機嫌が悪くて何でも拒否しているときは、選択肢を増やしても無駄だ。 バーガーにする? ピザは? それとも寿司? 何を提案しても「ノー」と返ってくる。解決策はただ一つ、主導権を相手に渡すことだ。 「わかった、じゃあ何が食べたいのか言ってごらん」 何でもかんでも否定するのではなく、ポジティブな答えを出すよう強制されるのは大きな試練だ。そして、恥ずかしなが
中国共産党が「日本の軍拡」を世界に向けて発信するなか、シンガポールのシンクタンクは4月、日本を「東南アジアにおいて最も信頼できる国」とする調査結果を発表した。東南アジアの政府関係者らがEU、米国、中国、インドよりも日本を信頼する理由を、中国メディアにおいては比較的自由度のある香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」が探った。 欧米や印中より信頼できる国、日本 平和憲法の改正や軍備増強を目指しているにもかかわらず、日本は東南アジア諸国の間で最も信頼される国であり続けるとみられる。 だが、一部のアナリストは「日本政府が自国の方針についての透明性を担保し、軍事関連の行動が地域の安全保障に寄与することを周辺諸国に保証する必要がある」と指摘する。 「ISEAS ユソフ・イシャク研究所」が実施した2026年の年次調査によると、前年の66.8%からわずかに低下したものの、回答者の65.6%が日本に
両親がどこか痛々しく老いる様子を見て、同じ過ちを避けるための「愚かな行動リスト」を作ってきた筆者は、「良い老い方」に関する本を著し、人気を博した。当時、まだ自分がそんな歳になっていないという自負もあり、「老い」はどこか他人事のようにも感じられた。 だが、70歳を前に筆者は振り返る。自分は果たして、両親と同じ過ちを繰り返していないといえるだろうか──。両親への批判は理解へと変わり、老いとどう向き合うかを自らに問い直すようになった。 老いへの誓い 両親のようには老いたくない。私にはやるべきことがある。 私は20年前、人が年を重ねるなかで犯しがちな「愚かなこと」のリストを作りはじめた。だが、いま、そのリストと自分の人生を以前とは違う眼差しで見つめている──。 月日が流れるのは早いものだ。私は約20年前、50歳の誕生日を迎えて間もないころに、両親や彼らと同世代の多くが老いていく過程で犯した「過ち」
軍事紛争の際によくあることだが、米国ではイランへの攻撃が始まって以来、50年以上前に廃止された徴兵制をめぐる議論が再び浮上している。 そして今回、一部の反戦派はその怒りと不安の矛先を、大統領の20歳の息子バロン・トランプに向けている。 2026年2月下旬にイラン爆撃が始まるとほぼ同時に、迷彩服をまとったバロンを描いたミームやAI生成画像がオンラインに出現。彼を戦場に送るべきだと示唆するこれらの画像は、SNSで広く拡散された。 「#SendBarron(バロンを送れ)」というハッシュタグを伴うこともあり、あるコメディ脚本家は「バロン・トランプを徴兵せよ」というウェブサイトを立ち上げ、バロンを戦場に送ることこそが父親であるドナルド・トランプ大統領の「強さ」の証明になると示唆した。 さらに4月になると、こうした画像や言説が再び盛り上がりを見せた。徴兵登録制度を管轄する選抜徴兵局が、対象となる男性
メガ解雇の時代到来か、AIは「隠れみの」 スナップからブロック、Amazonまで、人員規模を「適正化」する新たなひな型が経営幹部の間で広がっている。 画像共有・メッセージアプリ「スナップチャット」を運営する米スナップは、従業員の16%を削減している。決済サービス大手ブロックは従業員の40%をカットした。一方、オラクルは数千人をリストラしており、 アマゾン・ドット・コム は数ヵ月で約3万人の雇用を減らした。 メガ解雇の時代へようこそ。シリコンバレーをはじめとする米各地で、人員削減をおこなう企業が大なたを振るっている。雇用主は、より段階的で混乱の少ない方法ではなく、一度に大量の従業員を削減することで得られる財務面のメリットを取り込もうとしている。 これは、それほど昔ではない時代からの転換だ。以前は、大規模なレイオフは問題や経営ミスの兆候として認識され、企業が業績を立て直すために抜本的な措置を講
日本の平和憲法がいま岐路に立っていると、米紙「ワシントン・ポスト」が報じている。9条改正へ本格的に動きだした高市首相の思惑、拡大する改憲反対デモを取材。「日本でこれほど抗議運動が高まるのは異例だ」と伝える。 高市が示した改憲タイムライン 安全保障のタカ派として知られる日本の高市早苗首相は、第二次世界大戦以降、同国の軍事力を制約し、国家のアイデンティティを規定してきた平和憲法を改正する計画を打ち出した。 先の衆院選での圧勝と中国の脅威を背景に、高市は改正を推し進めるだけの支持率と政治的資本を持ちうる。だが平和憲法の改正は、この国で非常に繊細な問題だ。 高市が求める具体的な改正内容は、実質的というより象徴的なものであり、戦争放棄の条項自体を変えるわけではない。とはいえ憲法改正に反対する市民の声は高まり、日本では珍しい全国規模の抗議運動が広がっている。 高市は2026年4月12日の自民党党大会で
トランプの米国だけでなく欧州でも反移民政策を支持する声が高まっている。日本も例外でない。だが彼らが指す「移民」に白人は含まれず、「よそ者」はいつも有色人種だ。米歴史学者のイブラム・X・ケンディがその矛盾を突き、いま世界各地の極右勢力が煽る「大置換論」と「再移住」の恐ろしさに警鐘を鳴らす。 禁書処分は勲章みたいなもの 「私が書いた本は、少なくとも7冊が米国内で禁書となっています」 そう語るイブラム・X・ケンディ(43)の口調には恨みがましさがない。むしろ、その事実を誇りに思っているかのようだ。 人種差別を論じるケンディの著作は、重厚で学術的な歴史書もあれば、児童向けに書いたマルコムXの伝記まで幅広い。彼に言わせると、そうした本が禁書扱いされているのは、それが届くべき人に届き、苛立たせるべき人を苛立たせている証しなのだ。 作家の権利を擁護する米国の団体「ペン・アメリカ」によれば、ケンディの著作
4月11~12日にかけてパキスタンの首都イスラマバードでおこなわれた米国とイランの交渉。米国側の代表団を率いたのはJ・D・バンス副大統領だが、その横には政府の肩書きをまったく持たない一人の男が座っていた。 ジャレッド・クシュナー、ドナルド・トランプ大統領の娘婿だ。 2月末、米国とイスラエルがイラン攻撃を開始する2日前にも、クシュナーはスティーブ・ウィトコフ中東特使とともにスイス・ジュネーブで対イラン交渉に臨んでいた。核開発をめぐりイラン側は譲歩の姿勢も見せていたとされるが、周知のとおり米イスラエルは攻撃に踏み切り、最高指導者アリ・ハメネイを暗殺した。
Z世代のあいだで、「バズボールズ(BuzzBallz)」と呼ばれるアルコール飲料が人気を博していると、米「ニューヨーク・タイムズ」紙が報じている。 バズボールズは、蛍光色をしたビリヤードの球のようだ。アルコール度数は約15%と、一般的なビールの2倍以上ある。実は、バズボールズは2009年から販売されているが、持ち運びが簡単でフレーバーが豊富、しかも安いということから、Z世代の定番ドリンクとしての評判を確立しているという。 市場調査企業「ニールセンIQ」によると、2026年1月までの4週間において、バズボールズは売り上げ成長額で第2位の「すぐに飲める酒(RTD)」ブランドとなった。同ブランドは2024年に蒸留酒会社「サゼラック」に買収され、同年、米「フォーブス」誌はその年間収益を約5億ドル(約800億円)と推定している。
ピーター・ティールの視点に立つと、日本の漫画『ワンピース』は単なる冒険ストーリーではない。世界政府という支配構造、空白の100年、そしてルフィの変貌。その背後には、キリストと反キリストをめぐる壮大な神学的モチーフが潜んでいる。連載の最終回にあたる本稿では、『ワンピース』が持つ現代世界への鋭いメッセージが浮かび上がる。 ピーター・ティールの『ワンピース』論 米国アニメ『ウォッチメン』が完結してから4年後、冷戦も終結した。ジョージ・H・W・ブッシュ大統領によって「新世界秩序」の始まりが宣言され、大国間で紛争が起きないとされる時代が到来した。 ブッシュの後を継いだビル・クリントンは、軍備を縮小して「平和の配当」を受け取り、次々と貿易協定を結んでグローバル化を加速させた。そんな平穏な時代に、豪胆華麗な尾田栄一郎が漫画『ONE PIECE(ワンピース)』を描きはじめる。それから28年、この漫画は11
「誰が見張りを見張るのか」──。漫画『ウォッチメン』が突きつけたこの問いは、スーパーヒーローだけでなく、科学と国家権力にも向けられている。科学の進歩が平和と繁栄を約束する一方で、破壊と欺瞞も拡張してきた近代の歴史をたどりながら、世界政府という危うい夢の正体に迫る。 スウィフトとベーコン論争 スウィフトとベーコンの論争の勝敗を著書の人気で決めるのであれば、軍配はスウィフトに上がる。『ガリバー旅行記』を読んで笑う人の数は、現代でも何百万は下らないだろう。 だが、思想の影響力で勝敗を決めるのなら、最後に笑うのはベーコンである。たしかにスウィフトが懸念を示したとおり、詐欺まがいの科学研究は、現代でも横行しており、こちらが憂鬱になってしまうほどだ。だが、大局を見るなら、ベーコン流の科学によってベーコンの予言のほぼすべてが成就したのである。 スウィフトは、キュウリで世界を明るくしようとする研究者の試み
日本において「年収」への執着は根強いが、シンガポールの富裕層が見ている景色はまったく異なる。彼らにとって重要なのは、時間を売る「給料」ではなく、富を生む「資産」だ。先行きの不透明な時代、円を持ち続ける「不作為の資」のリスクを説き、最終的にたどり着いたのは、株や不動産をも凌駕する「自分という資産」への投資だった。クーリエ・ジャポンの動画『【世界のエリートは暇人が多い】』より、田村耕太郎が語る、真に豊かな人生を送るための資産運用の本質を明かす。 シンガポールの成功者が年収を気にしない理由 ──シンガポールでの生活や現地の成功者たちの振る舞いを通じて、田村さんが気づかれた「資産」の考え方についてお聞かせください。 田村 シンガポールという場所は、投資家になるしかないような社会です。資産に関わる税金が、ほぼ、あるいはすべてが「ゼロ」。資産課税や相続税もありません。キャピタルゲインもゼロ。配当もゼロ
社会を支配するビジネスエリート 「どの大学を出たか」ということが、実際にはどれほど人のキャリアに影響を与えるのだろうか。米国の場合、エリート大学の卒業生は、世間の想像をはるかに超える圧倒的な成功を収めている。 米誌「アトランティック」によると、ハーバード大学をはじめとするアイビー・リーグ8校に、同等の合格難易度を誇るデューク大学、スタンフォード大学、シカゴ大学、マサチューセッツ工科大学を加えた「アイビー・プラス」の学生数は、米国の全大学生の0.5%にも満たない。 にもかかわらず、これらの大学の卒業生は、フォーチュン500企業のCEOの12%以上、ニューヨーク・タイムズ紙のジャーナリストの32%、そして米国の資産上位0.1%の富裕層のうち13%を占めているという。 一部の大学に偏った、この圧倒的成功の要因は何か。彼らがもともと優秀で特権的な若者だったからか、あるいは、トップレベルの教授陣によ
Claudeは「神の子」か? 評価額3800億ドル(約60.6兆円)のAI企業「Anthropic」は、自社のチャットボット「Claude」の成功により、シリコンバレーの優秀な人材を自由に選べる立場にある。 しかし最近、同社はこの分野の相談相手としては珍しい人々に助けを求めた。キリスト教の宗教指導者たちだ。 本紙「ワシントン・ポスト」が取材した4人の出席者によると、同社は3月下旬、本社にカトリックやプロテスタントの聖職者、学者、そしてキリスト教的倫理を経営に採り入れている実業家など約15人を招き、2日間のサミットを開催した。そこではディスカッションに加え、同社の研究者らとのプライベートな夕食会も催されたという。
英語で“It takes a village”という表現がある。「子供を育てるには、ご近所さんや地域全体の協力が必要だ」という意味だ。 アイルランドの小さな町で、それを文字通り実践する取り組みがおこなわれている。スマホが子供の心を蝕んでいることに気づいた保護者や教師たちが、町全体を巻き込んだ異例の運動を立ち上げた。子供たちにどんな変化が起こったか──。 「長生きして健康でいたいから」 ボーディ・マンガン・ギスラー(12)は、スマートフォンが便利なことは知っている。コイン収集が趣味だという彼は、珍しいコインの価値や素材を調べたいときは母親に頼んでスマホを借りることもある。 普通の12歳なら自分のスマホをせがむところだが、ボーディは違う。「長生きして健康でいたいから」と彼は言う。スマートデバイスを持つことが、その妨げになるのではと心配しているのだ。 「ママに『このゲーム、ダウンロードしていい?
人工知能(AI)の迅速な回答に感動するときもあれば、どこからそんな答えを導き出したのかと呆れるときもあるだろう。こうした「ムラ」の原因が明らかになりつつあるようだ。AIの進歩を15年追い続ける、米紙「ニューヨーク・タイムズ」記者が最前線を取材する。 人工知能(AI)がいつの日か人間と同じくらい賢くなるかについては、さまざまな意見があるだろう。 だが、数学の分野でなら、AIはすでに優秀な学生である。2025年の夏、グーグルやOpenAIが開発したAIは、世界トップクラスの高校生が参加する「国際数学オリンピック」で、6問中5問の難問に正答した。 その一方で、常識については、AIはまだ多少欠けているのかもしれない。 国際数学オリンピックから数ヵ月後、スリランカのソフトウェアエンジニアであるアヌラッダ・ウィーラマンは、ひっかけ問題のような問いに主要なAIシステムが苦戦していることに気づいた。 車を
人手不足の日本では、ヒューマノイドロボットの工場などへの投入が今後急速に進むかもしれない Photo: Getty Images 脅威論とのズレ 人間の外見や動作を模倣したロボット、ヒューマノイドロボットの開発競争が世界で加速している。かつては「おもしろいが実用には向かない」とされたヒューマノイドロボットだが、最近のAIの発達によって、「人間と同じように自律的に考え、人間と同じ作業をする」ことがまもなく可能になるともいわれている。 海外では、ヒューマノイドロボットはしばしば「人間の仕事を奪う存在」として語られる。とりわけ米国では、AIとロボットの進化が雇用を代替するとの懸念が強く、技術革新に対する警戒感も一部では根強い。 しかし、ヒューマノイドロボット普及に対する抵抗感は、日本では海外ほど大きくないかもしれない。むしろ日本は、世界に先んじてヒューマノイドロボットの導入が進みやすい環境にある
間違い探しから「実存的パズル」へ 日本でも大きな反響を呼んだ映画『8番出口』が、2026年4月10日より北米でも公開された。海外での反応はどうか──米紙「ニューヨーク・タイムズ」の主任映画批評家マノーラ・ダルギスは「巧みに無駄が削ぎ落とされた作品」と称し、「鑑賞中も、観終えた後も、あれこれと思考を巡らせる時間が楽しい」と書いている。 インディー・ゲームを原作とする本作品では、地下鉄の駅が舞台だ。派遣仕事に向かう途中の「どこにでもいる男」が何気なく駅に降り立ち、通路に足を踏み入れるとき、「最悪の1日」が始まる。 どれだけ進んでも彼は「8番出口」にたどり着けない、そこにあったのは無限に繰り返される駅の通路であった。困惑がパニックに変わるなか、彼は掲示板に記された脱出のためのルールを発見する。
AIが高度化し、誰もが簡単にアウトプットを生み出せる時代に突入した。では、人間の価値はどこに残るのか──。米紙「ニューヨーク・タイムズ」は、テック業界で注目されはじめた「センス(taste)」という概念に焦点を当てる。 それは新たな必須スキルなのか、それとも人間の役割を矮小化する議論なのか。議論の最前線を追う。 「誰かにセンスを教えることはできないと思う」 ニューヨークでブランドデザイナーとして働くジェイミー・ギャノンはそう語る。 24歳のギャノンは、「クリエイティブディレクターのようにAIを使いこなす方法」というオンライン講座を運営している。受講者はグーグルやメタ、コインベースといった大手テック企業のデザイナーやマーケターたちだ。この講座の目的は、彼らに人工知能をデザインに取り入れる方法を教えること──もちろん、センス良く、である。 だが、授業外で努力をしない学生にとっては意味がない。
米紙「ワシントン・ポスト」の記者が富士登頂の思い出を綴る。山頂で堪能する有名なカレーうどんを求めて登ったが、彼が「最高の一杯」として半年以上経ったいまも忘れられないのは、途中の山小屋で食べた豚汁うどんであり、そこで感動的な出会いもあったという。 「生残」をかけた挑戦というより「巡礼」 登山の過酷さは、一気に襲ってくるわけではない。それは夜明け前に、ゆっくりと始まる。登山道は深い森を抜け、延々と続く火山岩の道へと続いていく。 登りはじめて数時間もすると、気温は急降下し、雲が渦を巻き、脚は脈打つように痛みだす。高度が増すにつれて、風は刃のように肌を切り裂き、呼吸は浅くなる。身体は「足を止めてくれ」と懇願してくる。 だが、そうした苦難を乗り越えた頂上には、スープの中で太い麺が踊る、熱々のカレーうどんが待っている。 多くの登山者が、「標高3776メートルの山頂では、疲労こそが最高の調味料になる」と
『ガリバー旅行記』から読み解く、 科学は神か反キリストか ピーター・ティールの終末論「世界の終わりへ」
Z世代はAIに熱狂していると思っているだろうか。じつはそうでもないようだ。 米国に住むZ世代の半数以上が生成AIを定期的に利用しているが、このテクノロジーに対する感情は悪化しつつある──。 4月9日に発表された「ギャラップ」「ウォルトン・ファミリー財団」および「GSVベンチャーズ」(教育テクノロジー分野のベンチャーキャピタル)による新しい調査結果で明らかになった。 AIに対して希望を感じていると答えた14〜29歳の回答者の割合は、2025年から急激に低下し、27%から18%にまで落ち込んだ。若者のAIに対する熱も冷めており、回答者の約3分の1が、このテクノロジーに対して怒りを感じると回答している。 1500人以上を対象としたこの調査は2月と3月に実施された。今回の調査は、米国社会に渦巻くAIへの反感が、職場で足場を固めるべく奮闘している若い世代にまで浸透している現状を浮き彫りにしている。
スマホを捨てる必要はない 2024年、英オックスフォード大学出版局が「その年を象徴する言葉」として発表したのが「脳腐れ(Brain rot)」だった。ショート動画などのコンテンツを延々と消費し、記憶力や集中力が低下してしまった状態を指す言葉だ。 続く2025年に選出されたのは「レイジ・ベイト」。直訳すると「怒りを誘うエサ」という意味で、人々の怒りを引き起こすように意図して作られたオンライン上のコンテンツを指す。 英紙「ガーディアン」は、「怒りにつられた人々がオンラインに入り浸るように操作され、さらに私たちを疲弊させる悪循環を生む」と警告している。 SNSがもたらす悪弊についてはすでに多くの報道があり、私たちもそれをよく自覚している。それでも、際限のないスクロールをやめられない。 米紙「ワシントン・ポスト」が取り上げる最新の研究結果は、「スマホから少しのあいだでも離れてみよう」と決意するきっ
2023年のハリウッドのヒット作といえば『バービー』だった。しかし、2026年に話題をさらったのは、『嵐が丘』や『高慢と偏見』といった何世紀にもわたって読み継がれている文学作品のリメイクだ。トランプ的な反知性主義が世界を覆うなか、皮肉にもポップカルチャーでは、かつてないほど「複雑さ」と「知性」が求められている。その理由を、英紙「ガーディアン」が分析した。 物事の深淵に触れたい ネグローニを置いてプラダのハンドバッグをしまい、ペーパーバックを手に取ろう。誰かに写真を撮られそうになったら、リップスティックではなく読書用の眼鏡を掴めばいい。いまや「知的であること」こそが、新たな「セクシー」なのだ。 ポップスターたちはブッククラブを立ち上げている。代表的なのは、歌手のデュア・リパによる「サービス95」だ。スーパーモデルのカイア・ガーバーは、ファッションウィークのバックステージで、ジョーン・ディディ
近年、米国ではカトリック教徒になる若い男性が急増しているという。いったい教会の何が、彼らをそれほどまでに魅了するのか。カトリック教徒になったばかりの若者たちの姿に、米「ワシントン・ポスト」紙が迫る。 ビジネスカジュアルに身を包んだ約100人の若者たちが、ピザ屋ですし詰め状態になっていた。 「一緒に教会へ行こう!」と彼らは声を揃えて叫ぶ。 「このニューヨークシティで!」と、アンソニー・グロス(22)が付け加える。彼は白い歯を見せて満面の笑みを浮かべ、両手を挙げて場を盛り上げる。 彼は、グリニッチ・ヴィレッジにある「ピザ・ボックス」でのこの集会を手伝っていた。まもなく彼は、カトリックに興味を持つ若者たちを、数ブロック先にあるセント・ジョセフ教会のミサへと案内する。 ピザ屋に集まったカトリックに興味のある若者たち 2025年の夏にニューヨークに引っ越してきてから、グロスは「ニューヨークで最高のカ
決済サービスのペイパルを創業し、フェイスブックへの大口投資でシリコンバレーの伝説的な投資家となったピーター・ティール。現在はトランプ大統領の支持者であるとともに、米軍に欠かせないデータ解析企業パランティアの創設者として、世界情勢を動かす「影の大統領」とも呼ばれるほど影響力を持っている。 そのティールが米国で大きな影響力をもつ宗教系の月刊誌「ファースト・シングス」に論文を寄稿した。ティールは「反キリスト」が帰ってきたとし、それが米国政治に長い影を落としてきたという。 反キリスト(Antichrist)とは、新約聖書「ヨハネの手紙」などに登場する、キリストの再臨を妨げ、神に敵対する者の総称だ。キリストのフリをして人々を惑わし、最後には敗北する悪の象徴とされる。 核戦争や気候変動、AIの暴走といった、「ハルマゲンドン(世界の破滅)」への恐怖を語ることで人々の支持を得た悪の指導者「反キリスト」が、
「イラン文明を消滅させてやる」とまで息巻いたトランプが、土壇場で2週間の停戦に合意した。ニクソンと同じ「マッドマン戦術」で敵をねじ伏せようとしているが、ベトナム戦争以上の失敗に終わると、米英メディアは分析している。 「狂ったふりをして相手を屈服させろ」 ベトナム戦争が泥沼化していた1960年代末、リチャード・ニクソンは側近のハリー・ハルデマンにこう打ち明けたという。 「北ベトナム側に、俺はもう何でもやりかねないと思わせたい」 いわゆる「マッドマン・セオリー(狂人理論)」と呼ばれる外交戦術だ。これに基づき、ニクソンの国家安全保障担当補佐官ヘンリー・キッシンジャーは、北ベトナムへ秘密裏にメッセージを送った。 「もう大統領を止められない。核兵器を使うかもしれない」 マッドマン理論の理屈は単純だ。指導者が「何をしでかすかわからない気が触れた人間」に見えれば、相手は恐れをなして交渉のテーブルに着くは
就活市場において、学生たちを不安にさせる「学歴フィルター」。かつては大学名で選考の門戸が閉ざされる「見えない壁」の存在も、長引く売り手市場とテクノロジーの進化により、その実態は大きく変容している。大学名というレッテルが効力を失いつつある現代、合否を分ける真の境界線はどこにあるのか。20年以上にわたり就活現場を歩き続けるライターの石渡嶺司に、AI時代に求められる「本質的な就活」について聞いた。 「学歴フィルター」はまだ存在しているのか? ──就活生がよく気にされる「学歴フィルター」の有無についてお伺いします。現在、実態はどうなっているのでしょうか。 石渡 学歴フィルターは20年前もいまも、学生がかなり気にするポイントです。 この学歴フィルターは、高卒、専門学校卒、短大卒、大学卒、大学院卒といった最終学歴によって「雇用条件や昇進条件が変わる」というのが本来の意味です。しかし就活市場においては、
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