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反政府デモの拡大を受け、イラン当局は国内のインターネットを遮断した。だが、そうしたなかでも断片的に届く映像から、政府による凄惨な弾圧が激化している実態が浮かび上がると、英紙「ガーディアン」は報じている。 至近距離からデモ参加者に発砲 サラは、もはや失うものはほとんどないと感じていた。イランの首都テヘランに暮らす50歳の起業家である彼女は、物価が高騰する一方で、自由が年々奪われていくのを目の当たりにしてきた。 だから2026年1月10日の夜、テヘランの高級住宅街アンダルズグー地区で反政府デモが始まると、彼女はすぐに現場へ向かった。 国外に住む彼女のいとこを通じて本紙ガーディアンに送られた動画には、頭上に催涙ガスの白い煙が漂うなかでも、希望に満ちた表情で通りを歩く人々の姿が映っていた。
イラン各地で連日、激しい抗議デモが続いている。1月10日も、経済の低迷と治安部隊による弾圧に憤る国民が、神政国家に反対するスローガンを叫びながら街を行進した。 イランはなぜこれほど混乱しているのか、国家はどのような政治体制を敷いてきたのか、そして国民は何を望んでいるのか? マンチェスター大学でグローバル開発を専門とする研究員が、ウェブメディア「カンバセーション」に寄稿した。 イデオロギー最優先の政策にうんざり 物価の上昇と通貨の急落をきっかけに、2025年12月下旬から始まった抗議運動は、いまやイラン31州の大半に広がった。デモの参加者たちが矛先を向けているのは、国の支配者層だ。これは安定や尊厳、希望ある未来を期待できないと多くのイラン人が見なす政治体制に対する、重大な挑戦である。 イランの政治体制は数十年にわたり、イスラエル、米国、そして体制が「世界的帝国主義」と見なす勢力との恒常的な対
──ハーバード大学をはじめ、多くのアイビーリーグ(米国東海岸の名門私大8校)が、トランプ政権から攻撃を受けています。ポピュリズムが台頭するいまの時代、高等教育機関にはどのような役割が求められていると考えますか? 学界のエリート層が、社会の現実を顧みることはないのでしょうか? 私も含めて高等教育に携わる者は、「高等教育こそ公共の利益に奉仕するべきだ」と再認識する必要があると思います。 私たちに求められているのは、市民社会の健全な発展に貢献することです。大学は、才能に恵まれた若者が高収入の仕事に就き、出世するために通う場所ではありません。大学は公共の利益に尽くすべきです。 ドナルド・トランプ大統領がハーバードなど、米国の有名大学を攻撃しているのは、行政機関だけでなく、教育機関や法律事務所、報道機関といった市民社会に対しても影響力を持ちたいからでしょう。 彼はいまや、ワシントンにある文化施設ジョ
海外で自分らしく働く女性に登場いただき、これからの時代の働き方を考える本連載。第2回目は、ドイツ・ベルリン在住5年目でフリーランスとして働く中嶋清楓さんにお話を伺いました。 中嶋清楓(なかしまさやか) 1996年生まれ 2014年 オーストラリア・サンシャインコーストの現地高校に1年間留学 2016年4月 青山学院大学入学 2018年1月〜5月 タイ・チュラロンコン大学に交換留学 2019年8月〜2020年3月 サンフランシスコに留学 2020年9月 青山学院大学卒業 2021年4月 株式会社Queueに入社 (海外スタートアップを発信するメディアにて、リサーチャー、編集、海外コミュニティパートナーリードを担当) 2021年10月 ベルリン移住 2022年3月〜現在 (日本の自治体による海外スタートアップの誘致・支援プログラムにおいて、海外コミュニティパートナーシップを担当) 2025年4
ついに「モンゴル族の番」が来た 酒宴の日々は2020年に終わりを迎える。同年の3月、「中国民主促進会」という中国共産党が支配する疑似政党の一つが声明を出し、どこの地域とは明言せずに、「過度の」主権を濫用している地域があると警鐘を鳴らしたのだ。 その地域がどこを指しているのかを予想するのは難しくなかった。すでにチベットと新疆の件は片が付いている。今度は私たちモンゴル人の番だった。 その後、しばらくして共産党が次の年次会議でモンゴル語教育の廃止を計画しているという噂が広まった。「内蒙古日報」では、国家の政策に影響を及ぼすことができるのではないかと考え、言語学者にインタビューし、母語教育の重要性について語ってもらう段取りをした。 私は、その仕事を手掛けていた二人の上級編集者に手伝いたいと申し出た。そこに参加するのが大事だと思えたからだった。記事の公開前に、記事から私の名前が削除されたのは、二人が
文明社会の道徳的目的は、「強者による弱者への攻撃を防ぐこと」にある。だが、「トランプの政策は文明そのものを脅かす」と、元米労働長官で経済学者のロバート・ライシュは、英紙「ガーディアン」への寄稿で訴える。 トランプの国内外の政策──2021年の議会襲撃というクーデター未遂から、先週末のベネズエラへの介入、そして現在のキューバ、コロンビア、グリーンランドへの威嚇に至るまで──は、米国内の法だけでなく国際法をも弱体化させている。だが、それだけではない。 それは、我々が「文明」と呼んできた存在そのものを脅かしている。 文明社会の道徳的目的は、強者が弱者を攻撃し、搾取することを防ぐ点にある。さもなければ、我々は永久に野蛮な戦争に没頭し、最も適応力があり、最も強い者たちだけが生き残る世界になるだろう。 この原則こそ、米国建国の基本となる文書──独立宣言、憲法、権利章典──の中核をなすものだ。また、国連
米国のドナルド・トランプ政権が、強硬で権威主義的な外交を次々に展開している。そのイデオロギー的な支柱となっている人物が、スティーブン・ミラーだ。このミラーとは何者なのか。英国の行政学者が解説する。 米大統領次席補佐官のスティーブン・ミラーは、米メディア「CNN」の政治記者ジェイク・タッパーによる最近のインタビューのなかで、米外交政策の指針となる新たなイデオロギーの核心らしきものを明らかにした。すなわち、力は正義という考えだ。 ミラーは次のような言い方をしている。 「我々は超大国だ。だからトランプ大統領のもとで、我々は超大国として行動していく」 ミラーが言っているのは、グリーンランドの支配権を、必要ならば力ずくで握ろうというトランプ政権の野心のことだ。ミラーはタッパーにこうも語る。 「我々が生きる世界では、国際的な礼儀作法や、その他もろもろについて好きなだけ語れる。だが我々が生きる世界、つま
国内市場が急速に縮小するなか、日本企業にとって海外進出は喫緊の課題だ。だが世界情勢が混迷する今の時代に、どうすればグローバル展開を成功に導くことができるのか。従業員300人余りの商社だったミスミを1万人規模の世界的企業に変貌させた三枝匡氏の新著『決定版 閉塞企業を甦らせる』から、同社の中国事業を飛躍的に成長させた「秘策」を紹介する。 あらすじ 事業再生の専門家で、2002年に機械工業部品事業で知られる中小企業ミスミの社長に就任した主人公・黒岩莞太は、無分別な事業の多角化によって赤字を垂れ流している経営を立て直すため、世界戦略の見直しを図る。黒岩は海外事業を社長直轄とし、自ら現場に赴いて事業組織を改革。重点地域の一つに選んだ中国で、これまでの方針を覆す驚きのアイディアを実行する。 中国メーカーを見限る 黒岩は初めてミスミ上海に出張したとき、数社の中国メーカーを訪問した。それがミスミの世界展開
この記事は、世界的なベストセラーとなった『21世紀の資本』の著者で、フランスの経済学者であるトマ・ピケティによる連載「新しい“眼”で世界を見よう」の最新回です。 トランプ政権の基盤「プロジェクト2025」 2025年はトランプ・ショックに揺れた一年だった。きわめて手荒な振る舞いや露骨なナショナリズム、野放図な資源の収奪といった、これまで目にしたこともない事態に次々と見舞われた。1945年以後、世界がこれほど動揺した例はなかった。 なぜそんな事態が生じえたのか。これからどう対処すべきなのか。それをしっかり理解するためには、まず事態の根源まで遡る必要がある。 すなわち、ヘリテージ財団という米国の有力な保守系シンクタンクが2023年に公表した「プロジェクト2025」という920ページの報告書を読み直すのだ。 この報告書では、2025年1月に政権を握った際に実施すべき戦略が各省庁(国土安全保障省、
中国の取材では肝臓が試される 日刊紙「内蒙古日報」は、中国内モンゴル自治区の首府、フフホトの南部にある11階建てのビルが社屋だ(内モンゴル自治区を含めて中国には自治区が5つある)。鉄とガラスでできた現代的な建物である。 1階のロビーの壁にはプラスチック製の大きな彫刻があり、そこに中国語で「イデオロギーの戦場を制することができなければ、ほかの誰かにそこを制されることになる」と書かれている。ビルの2階から上に、この新聞の中国語版とモンゴル語版の編集部が置かれていた。 私の所属先は、8階の「内蒙古生活周刊」という週末版の付録の雑誌を作る部署だった。毎週月曜日午前9時半から編集会議が開かれ、記者たちがデスクに記事案を出す。初めて参加した編集会議は、何が何やらさっぱりだった。誰かが「Xにインタビューしたい」と言い、別の誰かが「Yの経済発展について書きたい」と言った。そんなやりとりが1時間続き、私が一
米国のトランプ政権がベネズエラに軍事介入し、現職の大統領を拘束したことは、これからの世界秩序にどのようなインパクトがあるのか。スペインの国際関係学者が5つのポイントにまとめて解説する。 1ドル札の裏に書かれている「Novus Ordo Seclorum(世紀の新秩序)」は、米国の新たな安全保障戦略の指針となる原則を物語っているようだ。 米国によるベネズエラへの軍事攻撃とニコラス・マドゥロ大統領の拘束は、ドナルド・トランプ政権下の米国がルールに基づいた国際秩序から切り離され、リベラルな秩序全体が終わりを迎えたことを告げ知らせるものだ。 新たな国際秩序がいまや出現している。それは、武力行使と修正主義、そしてアメリカ大陸の安全保障に基づいた秩序だ。
トランプ米政権がベネズエラに奇襲攻撃を仕掛け、同国のマドゥロ大統領を拘束した。米兵の犠牲者を一人も出さない「完璧な作戦だった」と関係者が明かす軍事介入はどうやって遂行されたのか。米紙「ニューヨーク・タイムズ」が詳細を報じている。 マドゥロの日々の行動パターンを把握 CIAの秘密工作班がベネズエラに潜入したのは、2025年8月のことだった。トランプ政権が「麻薬テロリスト」に指定した同国のニコラス・マドゥロ大統領に関する情報をひそかに収集するためだ。 CIAのチームは首都カラカスを拠点に、何ヵ月にもわたり正体を悟られることなく活動した。マドゥロの日々の行動に関する情報は、彼の側近に近い人々やステルスドローンから収集。マドゥロの日課や移動パターンの細部までを詳細に把握することに成功した。 それは極めて危険な任務だった。ベネズエラの米国大使館が閉鎖されていたため、CIA工作員は外交官という隠れみの
訪日外国人の増加に伴い、日本のコーヒーカルチャーにますます注目が集まっている。米紙「ワシントン・ポスト」の記者は東京と京都で4つのカフェをめぐり、世界でも珍しいコーヒーのフルコースを体験。洗練された空間でこだわり抜かれた味をたっぷり堪能したあと、彼は何を思うのか。 日本発の新たな「おまかせ」 閑静な住宅街を歩きながら、「本当にこの場所で合っているのだろうか」と不安になってくる。建物に看板はなく、予約しなければ住所もわからない。 だが、一歩中へ入ると、パリッとした黒のジャケットに身を包んだバリスタが満面の笑みで迎えてくれた。スピーカーからは鳥のさえずりが聞こえる。部屋の大部分を占めるのは巨大な黒い球体で、その中に4人分の席が用意されている。これから90分間、言葉では言い尽くせないほど贅沢な、6品のコーヒーメニューを堪能するのだ。 私は間違いなく、正しい場所にいる。 イタリアはカプチーノを、オ
培養肉の量産は気候変動を加速させる? バイオリアクターの容量を段階的に増やしていく必要性に関しては、これまでの食料生産のプロセスとの基本的な比較をいくつかおこなえばいい。従来の食肉のかなりの割合を代替する量の培養肉を商業生産するには、気が遠くなるほどのスケールアップが必要になることがわかるはずだ。 グッド・フード・インスティテュートの分析の対象となったモデル施設では、年間1万トンの培養肉を生産する予定だとしており、最大規模のバイオリアクターでは増殖させる細胞を1万リットル収容し、そこから2000リットル規模の小型バイオリアクターに移し、分化・成熟をうながす。 これらのバイオリアクターの総容量は、現在、世界のバイオ医薬品産業全体で稼働しているバイオリアクターの総容量(約6300万リットル)の3分の1弱を要するだろう。つまり、現在の世界の食肉生産量のわずか1%相当の培養肉を生産するために、この
一世代先を見すえて、21世紀半ばの世界の食料システムのあり方を考えると、農作物や家畜の生産において漸進的な改善や調整を継続するだけでなく、最優先事項であると同時に関連性のある2つの目標を達成するための抜本的改革をいくつか起こせるのであれば、あきらかに有益だ。 第一の目標は、いまだに増加の一途をたどっている世界人口に十分な栄養を供給することであり、第二の目標は、世界の食料システムに投じる資源投入量を減らし、環境への数々の悪影響も軽減することだ。 いまの時点で、実際に必要な食料と供給されている食料の量と構成から考えるに、世界の食料システムの改善における課題を、実行がむずかしい順に挙げると次のようになる。 ① 21世紀半ばには、現在の世界人口に20億人弱が加わることを想定し、既存の食料生産を拡大する。 ② 高所得・低所得を問わず、すべての国で、サプライチェーンにおける正当化できないほど大量の食品
人の脳が明確に変化する4つの転換期とは? Photo: Jorg Greuel / Getty Images 人の脳には明確な転換期が4つあり、そこで脳の構造が変わることが、学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された研究でわかった。脳の発達は、われわれが思うほど直線的でないことが示された。 この新研究で、英ケンブリッジ大学のアレクサ・ムズレイを筆頭とするチームは、0〜90歳の健康な人々の脳スキャン画像4000枚を調べ、分析した。 その結果、脳が発達的に変化する4つの主要な時期があることが判明した。年齢でいえば、9歳、32歳、66歳、83歳頃だ。この4つの節目によって、人の生涯は5段階に区切られることになる。
ロシアに隣接するフィンランドは、常に大国の脅威に晒されてきた。その防衛策として知られるのが、政府が何十年にもわたって作り続けてきた地下シェルターだ。 こうしたシェルターは通常時、市民プールやスケートボードパーク、ゴーカート場などとして活用され、親しまれてきた。だが、近年では本来の用途として使われる可能性が現実味を帯びてきているという。米「ニューヨーク・タイムズ」紙の記者が、ヘルシンキの地下シェルターに潜入した。 土曜日の朝、ラッシ・クルキヤルヴィ(45)と彼の4歳の娘はヘルシンキのハカニエミ・マーケット広場近くに設置されたエレベーターに乗った。地下に約20メートル下降すると、少女はトンネルをすばやく抜ける。そして「洞窟プレイゾーン」とフィンランド語で書かれた広いほら穴のような空間に出ると、ヤシの木をあしらったアドベンチャー型迷路へ吸い込まれていった。 4人の子を持つ父親のクルキヤルヴィも、
2025年は、米トランプ政権の経済政策が世界に警鐘を鳴らし続けた1年だった。 トランプは減税の恒久化など、財政を悪化させる政策を次々と発表し、連邦準備銀行(FRB)へ脅しをかけ、自国第一主義によって国際的な貿易体制を動揺させている。 米国の長期的なイノベーション能力は低下する一方、AI(人工知能)バブル、ステーブルコインの台頭、気候変動に端を発した自然災害の多発、政府債務の増大など、世界経済を取り巻く状況は問題だらけのように見える。 今後、世界を巻き込む金融危機は起こるのか。もしそうなら、どうすればその影響を軽減できるのか。4人の経済学者に意見を聞いた。 1 アナト・アドマティ「世界経済は憂慮すべき状態にある」 スタンフォード大学の経済学教授。共著の『銀行は裸の王様である 金融界を震撼させた究極の危機管理』(東洋経済新報社)は英紙「フィナンシャル・タイムズ」の2013年ベスト経済書に選出。
就任からわずか数週間後の11月7日、高市は国会で、中国の台湾をめぐる武力行使について、日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になりうると発言した。 日本国憲法第9条は「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争の解決手段としては、永久にこれを放棄する」と規定しており、これを支持する人々は高市の発言に異議を唱えた。だが事態はより深刻な方向へ向かう。台湾を自国の領土の一部とみなす中国政府が、彼女の発言を挑発行為と非難したのだ。 中国の反応は、迅速かつ強硬だった。当局は、第二次世界大戦中に日本が中国でおこなった残虐な行為に言及し、自国民に対して日本への渡航を避けるよう勧告した。さらに日本産の海産物の輸入停止や、日本のアーティストが出演するイベントの中止を決めるなど、両国関係は十数年ぶりのレベルで悪化している。 高市の対応が、外交的な配慮に欠けていたことは疑いようがない。日本の首相はこれまで
数多のコンテンツのなかから、いま見るべき映画・海外ドラマを紹介する連載「いまこの作品を観るべき理由」。今月のおすすめは、『ブレイキング・バッド』『ベター・コール・ソウル』の名匠ヴィンス・ギリガンが手がけるApple TVの最新作『プルリブス』だ。 謎のウイルスが世界を襲い、生き残った人々は「ハイブマインド」と呼ばれる集合意識体へと統合される。争いも貧困も孤独もない、完璧な調和の世界。誰もが笑顔で、互いを「愛している」と言い合う。一見すると理想郷のように見えるこの世界で、たったひとり統合を拒む女性、キャロル・スターカ(リア・シーホーン)が立ち上がる。 これがApple TVの新作『プルリブス』の世界だ。SF設定に包まれているが、見る者によってさまざまな解釈が可能な、多層的な物語でもある。AIの台頭、うつ病、大衆文化の画一化、コロナ禍の経験──批評家たちは、それぞれ異なる角度からこの作品を論じ
私たちはこれまでマインドフルネスやセルフケアなど自分に集中することで心身の平穏を保とうとしてきた。だが米コーネル大学の6年にわたる実験的プロジェクトでわかったのは、「他者に目を向ける」ことの重要さだ。幸せな人生への最短ルートは意外なほど単純だった──。 カオスな時代を生きるために 狂ってしまった時代にどうすれば幸せでいられるだろうか。 いまはまるですべてが不安定であるように感じられることが多い。不確実性が経済を支配している。政治も地球もめちゃくちゃだ。科学の専門家や優秀な政府職員は脇に追いやられている。自分の仕事が人工知能(AI)に奪われるのではないかと恐れる人も増えている。 だから抑うつや不安、孤独を抱える米国人が記録的水準に達しているというのも不思議ではない。世論調査会社ギャラップによると、人生に「非常に満足している」と答える人の割合は、四半世紀前にこの質問を開始して以来最も少なくなっ
最新のニュースに登場した時事英語を紹介するこのコーナーでは、世界のニュースに出てくるキーワードを学ぶと同時に、ビジネスの場や日常会話のなかでも役立つ単語やフレーズを取り上げていきます。 今日は、海外メディアがWord of the Year 2025(2025年を象徴する単語)に選出した単語を紹介します。 世界で起こった具体的な出来事を連想させる単語や、世相を反映する単語から、2025年の世界の動きを振り返ってみましょう。 世界中で際立つ生活の苦しさ 物価高に賃金が追いつかず、生活の苦しさが増している状況は、日本のみならず、世界各国で見られました。特に米国では、貧富の差が拡大する「K字型経済」が見られるとの指摘がされています。 そのようななか、英紙「フィナンシャル・タイムズ」の米国欄の編集者が選んだのは、以下の単語です。 “affordability”とは、英語の説明では“the stat
過去の巨匠のスタイルを真似てオリジナル作品を描き、それを巨匠の「作品」として美術市場に流通させたヴォルフガング・ベルトラッキの贋作騒動。2025年には、日本の複数の美術館でも彼の贋作が所蔵されていることが裏付けられた。 贋作をつかまされ、それに長い間気づかなかったというのは、美術館にとっても来場する美術愛好家にとっても不名誉なことだ。しかし四国にある2つの美術館は、この災難を芸術について考え直す機会に変えることができた。 騒動とのユニークな向き合い方に、米紙「ニューヨーク・タイムズ」も注目している。 贋造者の肖像 徳島県立近代美術館は、フランスの芸術家ジャン・メッツァンジェの1910年代の有名な連作の一枚と考えられる絵画を1990年代後半に購入した。 だが、実はそれはヴォルフガング・ベルトラッキが得意とする「オリジナルの贋作」だった。 現在74歳のベルトラッキは、典型的な贋造者とは異なり、
エルサルバドル紙「エル・ディアリオ・デ・ホイ」は、同作について「激しいストーリー、美しく強烈なビジュアル、そしてアニメファンの心を揺さぶる感情に満ちた作品」であり、アニメの新時代を切り開くものだと紹介。 仏紙「ル・モンド」は、「1990年代生まれの新世代マンガ家」藤本について、「少年漫画の掟を歪めて遊ぶことを楽しむ一方で、『NARUTO -ナルト-』や『ONE PIECE』といった、自分たちが読んできた作品への敬意も同時に抱いている」と説明する。 2022年に同紙のインタビューに応じた藤本は、「私の漫画で、グロテスクなもののなかに美しさを見出してもらえたら最高です」と語っていた。『レゼ篇』を経て同紙は、「その願いは、この映画のアクションシーン、特に爆発物を駆使した戦闘の場面や、視覚的に非常に印象的なガラス張りのビルで展開されるシーンで見事に叶えられた」と評価する。 『チェンソーマン』人気は
「最新ではない」半導体、一部解禁 米国の中国向け半導体政策が、大きな転換点を迎えている。トランプ大統領は2025年12月、これまで事実上は禁輸としてきたエヌビディア製の高性能AI半導体の中国向け販売を一部認める方針を打ち出した。 対象は最新世代「ブラックウェル」ではなく、その一世代前にあたる「H200」だが、中国企業にとっては待望の措置だと英通信社「ロイター」が報じている。エヌビディアは2026年2月の春節前にもH200の出荷を始める構えで、5000〜1万モジュール、最大で8万個相当の半導体が中国に渡る可能性があるという。 バイデン政権が国家安全保障を理由に敷いた全面禁止とは対照的な判断であり、米中テクノロジー摩擦の緩和とも映る。
アジア各地で人口1000万人以上の「メガシティ」が増加しているが、これらの多くは急増する人口や都市の変化に行政が追いつかず、市民生活に悪影響を及ぼしている。英誌「エコノミスト」は、こうした都市が見習うべきお手本は東京だと指摘する。 急速にすすむ「都市化」 1955年から約70年間、東京は「世界で最も人口の多い都市」であり続けた。しかし、国連が2025年11月に発表した最新データによれば、東京は3位に後退し、代わりに人口約4200万人を擁するインドネシアの首都ジャカルタが首位に躍り出た。 2位はバングラデシュの首都ダッカで人口約3700万人、3位の東京は約3300万人だった。これにデリーと上海がそれぞれ約3000万人で続き、上位5都市に名を連ねた。 国連のデータは、凄まじい勢いで進む都市化を浮き彫りにしている。現在、人類の45%が人口5万人以上の都市に、36%が人口5000人以上の町に居住し
この摩耶夫人はいままさに右脇から釈迦を産もうとしているところであり、表情やポーズからも力を振り絞っていることがうかがえる。右の袖からは、合掌する小さな釈迦が姿を現している。 ファラゴはこの4体についてこう評する。「そこには信仰心だけでなく、躍動感も表現されている。3体の天人像は、釈迦の誕生を祝うかのようにひざまずいている。彼女たちの衣は後ろになびいており、まるでいままさに舞い降りてきたかのようだ」 2. 東京都庭園美術館のガラスレリーフ 港区白金台にある東京都庭園美術館はかつて、旧皇族の朝香宮鳩彦王(1887-1981)一家が暮らした邸宅だった。フランスのガラス工芸家ルネ・ラリック(1860-1945)は1933年、この邸宅の正面玄関のためにガラスレリーフ扉を制作した。 その半透明のガラス扉には、4体の細長い女神たちがデザインされている。彼女たちの周りには筆で描かれたようなV字型のモチーフ
「甘いものは別腹」は万国共通らしい。しかしなぜ、お腹がはちきれそうでも、デザートならまだ食べられてしまうのか。英国の解剖学者が、母国のデザート代表格であるプディングを例に解説する。 豪華なクリスマスの昼食をお腹いっぱい堪能し、テーブルから椅子を引いて一息つく。本当にもう一口も食べられない。いやでも、プディングならもう少々いけるかも──。 どれだけ食べようとも、どういうわけか、デザートが胃袋に入る余裕は常にあるようなのだ。それはなぜか。甘いものに誘惑されると、「お、いっちゃいますか」となってしまう理由とは何か。 日本人はこの現象を、「別腹」という言葉で完璧に捉えている。解剖学的にいえば、別の腹などというものは存在しない。それでも、プディングならまだ入る余地があるという感覚は充分に普遍的であり、科学的に探求する価値はある。 この感覚は、架空のものなどではなく、一連の生理的・心理的プロセスを反映
【Word of the Year 2025】“rage bait”ってどういう意味? ニュースの「キーワード」で語彙力を身につける 最新のニュースに登場した時事英語を紹介するこのコーナーでは、世界のニュースに出てくるキーワードを学ぶと同時に、ビジネスの場や日常会話のなかでも役立つ単語やフレーズを取り上げていきます。今日はWord of the Year 2025(2025年を象徴する単語)に選出された単語を紹介します。 今日の時事英語 オックスフォード英語辞典を出版する英国のオックスフォード・ランゲージズは、3万人以上もの人々の投票により次の単語をWord of the Year 2025として選出しています。
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