池袋~田端間の山手線には、列車からも確認できる「M字型」の奇妙な線形が存在する。1903年開業のこの区間は、切り通しや谷戸の地形を巧みに活かし、当時最大の10‰勾配を克服。都市計画と鉄道技術が交錯した、戦略的路線設計の記録である。 山手線の北側、池袋から田端までの区間には、奇妙な線形が見られる。一度南に下がり、まるで英語の「M」のようにくぼんでいるのだ。列車から眺めると、線路が丘や谷を縫うように走り、直線ではないことを実感できる。窓外には、切り通しのコンクリート壁に囲まれた場所や、谷戸の緑が広がる場所が交互に現れ、風景の変化が体感できる。沿線の町屋や小川がかつてどのように存在していたかを想像すると、設計者が地形と都市生活に配慮してルートを選んだ工夫が伝わってくる。 ヨドバシカメラのCMソングでは「まあるい 緑の山の手線~」と歌われていた。しかし、このくぼみを目の当たりにすると、「全然丸くな