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アジアの妖怪 (あじあのようかい)とは【ピクシブ百科事典】
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概要

アジアと呼ばれる地域の中の日本妖怪アイヌ神話マジムン含む)以外の妖怪群を指すことが多い。

いわゆる外国の妖怪

各国ごとにヒンドゥー教仏教道教という宗教の信仰に根ざした伝承が多く語られている。

また地域によっては交易を通じて広まったとされる、イスラム教によるジンと呼ばれる精霊と同一化されているものもある。

東アジア

中国神話/中国妖怪/台灣妖怪/韓国の妖怪/山海経の記事も参照。

モンゴル

  • アヴァルガモゴイ(Avarga Mogoi, Аварга Могой):大蛇のこと。
  • アダ(Ada):女妖怪。
  • アニウカ(Aniuka):吸血鬼。
  • エルリク(Erlik):悪魔。
  • オルゴイホルホイ/モンゴリアンデスワーム(Olgoi-Khorkhoi)
  • ガルトショヴォー(Galt Shuvuu, Галт Шувуу):火の鳥のこと。
  • サキムニ(Sakimouni):月の兎
  • ショルマス(Shulmas, Шулмас):女妖怪。
  • スンス(Suns, Сүнс):幽霊のこと。
  • テメー(Temee, Тэмээ):駱駝のこと。昔話に登場する鹿の枝角と馬の尻尾を持っていた駱駝。
  • テメン(Temen):巨大な角を生やした駱駝の怪物。
  • トーライ(Tuulai, Туулай):兎のこと。昔話に登場する兎。
  • パロッシテス(Parossites):パロッシト人、複数形ではパロッシタエ(Parossitae)と呼ぶ。イタリアの修道士プラノ・カルピニの『旅行記』に記されたモンゴルの怪人。小さな胃袋と小さな口を有する怪人種族で、肉を料理するが肉を食べずに湯気しか吸わないという。
  • ハンガリド(Khangarid):鳥の王。
  • ヒーモリ(Khiimori, Хийморь):国章にも描かれている有翼馬。
  • フンチョノ(Khun Chono, Хүн Чоно):人狼のこと。
  • ボーホルドイ(Bookholdoi, Bokholdoi):死霊。
  • マンガス/マンガド/マンガタイ(Mangas, Мангас):怪物のこと。多頭の龍のような姿で描かれることもあり昔話にも登場する。
  • モー・ショボー(Muu Shuwuu, Mu-Shubu, Mu-Shubun, Muu Shubun, Муу Шубуун, Му-Шубун)
  • ロー(Luu, Луу):のこと。
  • ロジ(Losy):シベリアのモンゴル人に伝わる口から毒を吐いて全生物を殺害したという大蛇。オチルヴァニという神に退治された。

西アジア

イスラム教/ゾロアスター教/イラン神話/ウガリット神話/メソポタミア神話/バビロニア神話/アルメニア神話/アラビアンナイトの記事も参照。

西アジア広域

  • アウワ/アッワー(Awwa):アラビア語でアダムの妻イヴのことだが、サタンの妻であるとされた。ちなみに、フランスのコラン・ド・プランシーの著書『地獄の辞典』ではサウジーネ(Sausine)がサタンの第一夫人とされている。
    • ズ・ルバイスン(Zu 'lbaysun):サタンの9人の子供の1人であり市場を支配する。
    • ダシム(Dasim):サタンの9人の子供の1人にして邸宅や晩餐の主であり人々がビスミッラー(アッラーの御名において)やインシャーアッラー(もしアッラーが望んだならば)と言おうとすればそれを妨げてくるという。
    • ドゥルハン(Dulhan):サタンの9人の子供の1人であり礼拝所で人々の礼拝を邪魔する。
    • ハッファン(Haffan):サタンの9人の子供の1人であり大酒飲みを保護する。
    • マスブト(Masbut):サタンの9人の子供の1人であり噂を広める者を保護する。
    • マルラー(Marrah):サタンの9人の子供の1人であり音楽家と踊り子を保護する。
    • ラキス(Lakis):サタンの9人の子供の1人でありゾロアスター教徒の主。
    • ワッシン(Wassin):サタンの9人の子供の1人であり災厄が訪れると跳梁するという。
  • アルミラージ/アルミラージュ(Al-Mi'raj, Almiraj):有角兎。
  • イムラーク(Imlaq عملاق):アラビア語で巨人のこと。
  • カザム(Qazam قزم):アラビア語で小人のこと。
  • カルカダン/カルカッダン/カルカンド(Karkadann, Karkaddan, Karkand كركدن):アラビア語で一角獣のこと。現在は犀を意味する。
    • カルカンダ(Karkanda):カルカダンの別名カルカンドの女性形での呼び名。雌の一角獣
  • クトルブ/クトゥルブ(Qutrub قطرب):人狼
  • グール(Ghoul غول)
    • アミネ(Amine):千夜一夜物語に登場するグーラ(グール)の美女。
    • グーラ/グーラー(Ghulah):グールの女性形での呼び名。
    • スィルワ:イラクの川の近くに棲む、毛むくじゃらで魚の尾を持つグールの母親。母乳を一滴でも飲むことができれば襲われない。
  • ザーグ/ザーグサール(Zagh, Zaghsar):人面カラス、あるいは人間の上半身と鳥の下半身を持ったカラス。
  • サマンダル(Samandal):鳥の妖怪。
  • ザラタン/サラターン(Zaratan, Saratan, Sarathan):蟹を意味する単語だが、島のように巨大な海の生物のことでもある。
  • シャーダワール(Shadhavar, Shadawar)
  • ジン(Jinn جن)
    • イフリート(Ifrit, Ifreet, Efreet عفريت)
    • ガウワス(Ghawwas):水中に住むジン。
    • サフル(Sakhr)
    • ジャーン(Jann جان)
    • ジンニーヤ(Jinniyya جنية):女性のジン。
    • ブギルト・ルリール:「小さな夜の雌ロバ」という意味の、馬具に宝石を付けたロバに変化するジン。鋭い爪で泥棒を寄せ付けない。
    • マーリド(Marid, Maarid مارد)
  • ズラール(Zulal):黄色の斑点模様がある蠕虫で、人の指ほどの大きさをしており、雪の中で繁殖する。この蠕虫の体内には爽やかで混じり気のない冷たい水が入っているので、飲料水を取るために人間に捕獲される。
  • ダンダーン/ダンダン(Dandan):千夜一夜物語に登場する巨大魚。海中の人魚にとって最強の敵であり、象も呑み込んでしまう巨体を誇る、にもかかわらずこの魚の個体数は数えられないほどに多いという。この魚にとってアダムの子である陸の人間は天敵と言える存在であり、この魚が1000匹以上いても人間が一度叫び声を上げただけで全てが即死するといい、この魚が人間の脂を食べたら即死、海中を漂う人間の肉を間違って食べても即死する。この魚の肝臓から取れる黄金色の油を体に塗れば陸の人間も水中で生きられるようになる。
    • 海のアブド・アッラーフ:漁師のアブド・アッラーフと仲良くなった同姓同名の人魚。
  • ティンニーン(Tinnin, Tinneen تنين):アラビア語で龍のこと。
  • ナスナース(Nasnas, Nasnaas نسناس):半人間という意味で元は二足歩行の類人猿のことだったが、後に体が半分しかない一本足一本腕一つ目の怪人であると語られるようにもなった。
  • ファラク(Falak فلك):大地を支える大天使の下の巨岩の下の巨大牡牛クジャタの下の巨大魚バハムートが泳ぐ海の下の虚空の下の地獄のさらにその下で世界の全てを支える大蛇。
    • バハムート(Bahamut, Bahamoot بهموت):大地を支える大天使の下の巨岩の下の巨大牡牛クジャタの下を泳ぐ巨大魚。
    • クジャタ/クユーター/クユーサー(Kujata, Kuyutha, Kuyuta, Kuyoota كيوثاء):大地を支える大天使の下の巨岩の下の巨大牡牛。
  • ムスタディーブ(Mustadib مستذئب):アラビア語で人狼のこと。
  • ムーミヤー(Mumiya, Moomiyaa مومياء):アラビア語でミイラのこと。
  • ヤムリーハー/くちなわの女王(Yamlikha)

アラブ首長国連邦

  • ウンム・アル・デュワイス/アム・アル・ダウェイス(Umm al-Duwais)

イスラエル

  • アグシュケロー(Agshekeloh):悪魔。
  • アグラト・バト・マラト/アグラト・バト・マハラト/アグラット・バット・マハラト/イグラト・バト・マハラト(Agrat bat Mahlat, Agrath bat Mahalath, Igrath bath Mahalath):悪霊たちの女王である女悪魔。
  • アダム・ゼエヴ(Adam Ze'ev):ヘブライ語人狼のこと。アダムは人間、ゼエヴは狼を意味する。
  • アナック(Anak):ヘブライ語で巨人のこと。
  • アルカー(Alukah, Aluqah, Aluga, Aluka):馬蛭を意味する単語だったが後に吸血鬼とされるようになった。人型の存在だが狼に変身する。
  • アルパッド(Arpad):ヘブライ語で吸血鬼のこと。
  • イェドゥア/ヤドゥア(Yedua, Jeduah, Jadua):人型の植物……と言ってもマンドラゴラのように地中に埋まった存在ではなく、バロメッツの人間バージョンと言える地面から生えた人間のような植物である。人間でいう臍にあたる部分から伸びた臍の緒のような茎が地面に伸びて根っこと繋がっているため、その茎が伸びる範囲までしか移動できない。周囲の植物は何でも食べ、人や動物が近づけばそれがどんな相手でも襲いかかってその命を奪ってしまう。臍の緒のような茎を切ったり根っこから引っこ抜いたりすれば退治できる。イェドゥアの骨を口の中に入れて特定の呪文を唱えると未来を見ることができる。
    • ジドラ(Jidra):イェドゥアの誤記。ジドラは獣だが植物のように根を張っているため移動できないが、周囲に動植物がいれば呑み込んでしまう危険な存在。だがジドラの骨は高価で売れたため危険でも近付く者は多かった。
  • ウツ・リ・グツ・リ/ウツリ・グツリ(Utz Li Gutz Li, Utz-Li Gutz-Li, Ootz-Li Gootz-Li, Utzli Gutzli, Utzli-Gutzli):トム・ティット・トットの類話に登場する妖怪。
  • エストリ/エストリー(Estries):女吸血鬼。実体の無い悪霊だが血肉を得ると実体化し、そして飢えを満たすためにさらに血を求めるようになる。幼子の血が好物だが大人の血も飲まないわけではない。自らの姿を自在に変える変身能力を有するが、夜に空を飛ぶ間だけは本来の悪霊の姿に戻るといい、実体化している間に傷付けられたり本来の姿を見られたりすると特殊能力を失ってしまう。特殊能力を取り戻すためには、自らを傷付けてきた者や本来の姿を目撃した者が持っているパンと塩を手に入れて食べなければならない。
  • カイギディエル(Chaigidiel):悪魔。
  • ガギソン(Gagison):病魔。
  • ガマッド(Gamad):ヘブライ語で小人のこと。
    • ガメデット(Gamedet):ガマッドの女性形。
  • ガムキコト/ガムキゴット(Gamchikoth):悪魔。
  • ガラブ・ツェレク(Gharab Tzerek):悪魔。
  • ケシリム(Kesilim):人を誤った方向に導いて、そして自ら導いた者を笑いものにするという悪霊。
  • ケテヴ(Ketev):破壊を擬人化した悪魔であり昼の暑さの象徴。
  • ケテヴ・メリリ/ケテヴ・メレリ/ケテブ・メレリ(Ketev Meriri, Keteb Mereri):鱗や毛に覆われた体の中心に一つの眼球がある悪霊。朝に行動し、日光と日陰の間を転がる。これを目撃した者は地面に崩れ落ちることになる。
  • ケテヴ・ヤシュド・ゾホライム(Ketev Yashud Zohorayim):羊の角に似ていて翼が生えている悪霊。昼に行動する。
  • ゴギエル(Ghogiel):悪魔。
  • ゴーレム(Golem):粘土の人形。
  • ゴロハブ/ゴロアブ(Golohab):悪魔。
  • サタリエル(Satariel):悪魔。
  • ザムズミム(Zamzummim):巨人。
  • シェッド(Shed):ヘブライ語で悪魔のこと。
  • シェディム(Shedim):邪神。
  • ジズ(Ziz)
  • シャブリリ(Shabriri):盲目の悪霊。
  • シャミール(Shamir):石、鉄、ダイヤを高速で食べたり溶かしたりすることで切り出したり砕いたりできる芋虫。『姫国山海録』に記された石蟲という妖怪はシャミールと似ている。
  • ショメル・ダッピム(Shomer Dappim):ページの守護者という意味。聖書を開いたままにしておいた者を痛めつけてくる悪霊。
  • セイリム/サイール(Se'irim, Sa'ir):サテュロスと同一視される悪魔。
  • タウミエル(Thaumiel):悪魔。
  • タギリロン(Tagiriron):悪魔。
  • タンニーン(Tannin):
  • ツェレダ/ツェラダ(Zereda, Zerada):椰子の切り株に頭でもたれ掛かった者を掴んでくる悪霊。
  • ディブク(Dybbuk, Dibbuk):人に取り憑き気を触れさせる悪霊。元は東欧ユダヤ人の伝承だったがカバラ体系に組み込まれた。
  • デヴェル(Dever):病気という意味。唯一神の支配下にある悪霊であり闇を歩くともいう。
  • トガリニ(Togarini):悪魔。
  • ナアマ(Naamah):女悪魔。
  • ナヘマー(Nahemah, Nahema):悪魔。
  • ナヘモト(Nahemoth):悪魔。
  • ネハーシーム・セラーフィーム(Nehashim Seraphim):火の蛇。
  • ネフィリム(Nephilim):堕天使と人間の間に生まれた巨人族。
  • ネフシュタン(Nehushtan):青銅の蛇。
  • ハッドケレン(Chad-Qeren):ヘブライ語でユニコーンのこと。
  • バト・ヤム(Bat Yam):ヘブライ語人魚のこと。バトは少女、ヤムは海を意味する。
  • パハド(Pahad):恐怖を擬人化した悪魔。
  • パルガ(Palga):椰子の切り株で排便した者を掴んでくる悪霊。
  • バル・ユクネ/バル・ヨクニ/バル・ヤクレ(Bar Juchne, Bar-Yuchnei, Bar Yokni, Bar Yachre):タルムードに記述がある巨鳥。翼で太陽を遮るこの巨鳥が卵を産み落とした時は60もの都市が浸水させ、300本のヒマラヤスギを破壊した。ヨブ記に登場するダチョウと同一視される。
  • ベヒーモス(Behemoth)
  • マジキン/マジクム/マジク(Mazzikin, Mazzikim, Mazzik):悪霊の一種。悪人が死後にこの悪霊になる。単数形ではマジク、複数形ではマジキムという。
  • ミフレツェット(Mifletset):ヘブライ語で怪物のこと。
  • ラハブ(Rahab)
  • リシュペ(Rishpe):木の根っこに棲む悪霊。
  • リリス/リリト(Lilith, Lilit, Lilitu, Lilis)
    • アイロ(Ailo):リリスの別名の一つ。
    • アビト(Abito):リリスの別名の一つ。
    • アビトゥ(Abitu):リリスの別名の一つ。
    • アビュズ(Abyzu):リリスの別名の一つ。
    • アブラト・リリス('Ablat Lilith):リリスの母。だが、リリスの母はパルハス・リリスという名であるともいう。
    • アブロ(Abro):リリスの別名の一つ。
    • アベコ(Abeko):リリスの別名の一つ。
    • アミズ(Amiz, Amizu):リリスの別名の一つ。
    • アミゾ(Amizo):リリスの別名の一つ。
    • アル(Alu):リリスの別名の一つ。
    • アルダド・リリ(Ardad Lili):リリスの別名の一つ。
    • イク(’Ik):リリスの別名の一つ。
    • イゾルポ(Izorpo):リリスの別名の一つ。
    • イタ(Ita):リリスの別名の一つ。
    • イルス('Ils):リリスの別名の一つ。
    • エイロ(Eilo):リリスの別名の一つ。
    • エトレリア(Etrelia):リリスの別名の一つ。
    • オダム(Odam):リリスの別名の一つ。
    • オビツォト(Obizoth):リリスと同一視される女悪魔。
    • カカシュ(Kakash):リリスの別名の一つ。
    • カネー(Kanee):リリスの別名の一つ。
    • カリ(Kali):リリスの別名の一つ。
    • ガルル(Gallu):リリスの別名の一つ。
    • ギロウ(Gilou):リリスの別名の一つ。
    • ケア(Kea):リリスの別名の一つ。
    • ケマ(Kema):リリスの別名の一つ。
    • ゲロウ(Gelou):リリスの別名の一つ。
    • ココス(Kokos):リリスの別名の一つ。
    • サトリナ(Satrina, Satrinah):リリスの別名の一つ。
    • ザフリエル(Zahriel):リリスの別名の一つ。
    • ゼフォニト(Zefonith):リリスの別名の一つ。
    • タルト(Talto):リリスの別名の一つ。
    • ティルト(Thiltho):リリスの別名の一つ。
    • バトナ(Batna):リリスの別名の一つ。
    • パトロタ(Patrota):リリスの別名の一つ。
    • パルタサー(Partasah):リリスの別名の一つ。
    • パルハス・リリス(Palhas Lilith):リリスの母。だが、リリスの母はアブラト・リリスという名であるともいう。
    • ピズナイ(Piznai):リリスの別名の一つ。
    • ビトゥアー(Bituah):リリスの別名の一つ。
    • ペトロタ(Petrota):リリスの別名の一つ。
    • ペラフダド(Pelahdad):リリスの父。
    • ポズ(Pods):リリスの別名の一つ。
    • ポド(Podo):リリスの別名の一つ。
    • ラフィ(Raphi):リリスの別名の一つ。
    • ラマッス(Lamass):リリスの別名の一つ。
    • リリン(Lilin):リリスの娘。男性を誘惑する女悪魔。
  • ルアフ・レファイム(Ruach Refa'im):ヘブライ語幽霊のこと。
  • ルヘ(Ruhe):フウチョウボク科の低木ケッパーの茂みに棲む悪霊であり眼球が無いという。
  • レヴィアタン(Leviathan)
  • レエム(Re'em):ヘブライ語聖書に記述があるユニコーンとされる獣。オリックス、バッファロー、サイ、オーロックス、野牛であるとも。
  • レシェフ(Resheph, Reshef):唯一神の支配下にある悪霊。疫病や炎の矢のことでもある。

イラク

  • アガルガラ(Agargara):シュメール語の文献に記されているが具体的な種類が同定されていない謎の魚、淡水魚だという。塩辛、塩漬け、開き干し、魚醤などに加工することができる。バウ神の所有物だという。海の漁師が都市国家ラガシュへ年に5回納めなければならない“テーブルの魚”の一つ。また、特定の祭りの時に納めなければならない“イルの魚”でもある。海の漁師ルガルシャラトゥクは都市国家ラガシュへ540尾のアガルガラの塩辛あるいは生魚を納め、ナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月には1080尾のアガルガラの開き干しと480尾のアガルガラの塩漬けを納めた。海の漁師ネサグはナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月に180尾のアガルガラの塩漬けを納めた。海の漁師アマルナムヌンはナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月に120尾のアガルガラの塩漬けを納めた。海の漁師ガラトゥルはナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月に120尾のアガルガラの塩漬けを納めた。海の漁師サグギギルバはナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月に360尾のアガルガラの塩漬けを納めた。海の漁師ルガルピリグは120尾のアガルガラの開き干しと300尾のアガルガラの塩辛あるいは生魚を納めた。淡水の漁師ウドゥは網5つ分のアガルガラを納めた。また、ラガシュ王ウルカギナの妻ササが交易品として大商人に与えた品々の中には60尾のアガルガラの開き干しも含まれていた。
  • アサグ(Asag):イラク南部に伝わっていたシュメール神話に登場する病気の悪魔。その姿は巨大で丸く、首が無く、体全体にいくつかの目が付いており、三本の脚、三本の腕、岩のような硬い肌を有するという。グリフォンのような姿で表現される場合もある。
  • アサック/アサックー/アシャック(Asakku):イラク北部のアッカドに伝わっていた悪霊。人々に病気をもたらすという。
  • アッハーズ(Akhkhazu, Ahhazu, Aḫḫāzu):イラク北部のアッカドに伝わっていた黄疸の女悪霊、女魔神。アッハーズ、ラバス、ラマシュトゥは三人組の女悪魔だという。
  • アブグダナ(Abugdana):イラク南部で現在も信仰されているマンダ教における全ての悪魔の王。リリスたちの偉大な支配者でもある。
  • アプサシートゥ(Apsasitu, Apsasītu):イラク北部のアッカドに伝わっていた幻獣。人面の牝牛もしくは有翼で人面の牝獅子。
  • アブーブ(Abubu, Abūbu):イラク北部のアッカドに伝わっていた怪物。洪水の象徴であり翼を生やした怪物だというがその姿の詳細は不明となっている。
  • アラドランムー(Aladlammu, Aladlammû):イラク北部のアッシリアに伝わっていた幻獣。巨大で有翼の人面の牡牛。
  • アーリブ・シャディ(Arib Shadi, Ārib Šadî):イラク北部のアッカドに伝わっていた魔除けの鳥。
  • アリンブー(Alimbu, Alimbû):イラク北部のアッカドに伝わっていた人面の牡牛。クサリクと同一視される。
  • アルー(Alu, Alû):ギルガメシュ叙事詩に登場する天の牛。その姿は人面牛であり、有翼とされる場合もある。
  • アルダト・リリー(Ardat-Lilī, Ardat Lilî):メソポタミアの女悪魔。
  • アルルハップ(Alluhappu, Alluḫappu):戦闘用の網。イラク北部のアッカドに伝わっていた獅子の頭部と四本の腕を有する疫病の悪霊。冥界神ネルガルに属するものでもある。
  • アンズー/ズー/イムドゥグド(Anzu, Anzû, Zu, Zû, Imdugud):重厚な雲。メソポタミア神話に登場する怪物。獅子の頭部を有する鷲、もしくは有翼で後半身が鳥になった獅子の姿をしている。
  • ウカドゥハ/ウ/カドゥッフ/ウーム・ナイル(Ukaduhha, Ukaduḫḫa, Ukaduha, Ukaduḫa, U, Kaduhhu, Kaduḫḫu, Umu Na'iru, Ūmu Nā'iru):有翼で獅子の上半身に鳥の下半身を有する怪物。シュメール語ではウカドゥハもしくはウ、アッカド語ではカドゥッフもしくはウーム・ナイルと呼ぶ。
  • ウド(Ud):獅子の姿をしており旱魃などで人々を害する太陽を象徴する怪物。
  • ウトゥック/ウドゥグ(Utukku, Udug):メソポタミアの精霊。アッカド語ではウトゥック、シュメール語ではウドゥグと呼ぶ。
    • エディンム(Edimmu, Ekimmu):ウトゥックの中でも人々に害をなす悪霊。
  • ウビ(Ubi):シュメール語の文献に記されているが具体的な種類が同定されていない謎の魚、鯉の一種であるとも。海の漁師が都市国家ラガシュへ年に5回納めなければならない“テーブルの魚”の一つ。また、特定の祭りの時に納めなければならない“イルの魚”でもある。海の漁師ルガルシャラトゥクは360尾のウビを納め、ある時は720尾のウビを納め、ナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月には1740尾のウビを納めた。王妃の家の漁師ネサグは約480kgの量のウビを納め、ある時は840尾のウビを納め、ナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月には1560尾のウビを納めた。海の漁師アマルナムヌンはナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月に480尾のウビを納め、ある時は60尾のウビを納めた。海の漁師ガラトゥルはナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月に360尾のウビを納めた。海の漁師サグギギルバはナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月に420尾のウビを納めた。サンガの家の漁師ルガルピリグは約120kgの量のウビを納めた。
  • ウルマフルッルー/ウルマフルル(Urmahlullu, Urmaḫlullû):イラク北部のアッシリアに伝わっていた精霊。上半身は人間だが腰から下が四足歩行の獅子になっている。
  • エシュトゥブ(Eshtub, Eštub):シュメール語の文献に記されているが具体的な種類が同定されていない謎の魚、淡水魚だといい、鯉の一種であるとも。淡水の漁師ウドゥは網8つ分のエシュトゥブを都市国家ラガシュへ納めた。
  • エシル(Esir, Esirx):シュメール語の文献に記されているが具体的な種類が同定されていない謎の魚。海の漁師が都市国家ラガシュへ年に5回納めなければならない“テーブルの魚”の一つ。海の漁師ネサグは120尾のエシルを納めた。グラビムアの月に海の漁師たちが120尾のエシルを納めたこともあった。
  • エテンム/エツェンム(Etemmu, Eṭemmu, Iṭemmu, Eṭammu):アッカド語で死霊のこと。
  • ガマル(Gamar):シュメール語の文献に記されているが具体的な種類が同定されていない謎の魚、淡水魚だという。淡水の漁師ウドゥは網6つ分のガマルを都市国家ラガシュへ納めた。
  • ガムガム/ガム・ガム(Gamgam, Gam-Gam):シュメール語の文献に記されているが具体的な種類が同定されていない謎の魚、淡水魚だという。淡水の漁師ウドゥは網1つ分のガムガムを都市国家ラガシュへ納めた。
  • ガルラ/ガルルー(Galla, Gallû):シュメール語ではガルラ、アッカド語ではガルルーと呼ぶ。イラク南部に伝わっていたシュメール神話の冥界キガルに住む悪霊。槍や葦筆のように細い姿をしている。
  • キスキル・リラ(Kiskil-Lilla):アッカド語でリリスのこと。
  • ギディム/ゲディム(Gidim, Gedim):シュメール語で死霊のこと。
  • キム/キ・ム(Kimu, Ki-Mu):シュメール語の文献に記されているが具体的な種類が同定されていない謎の魚。海の漁師が都市国家ラガシュへ年に5回納めなければならない“テーブルの魚”の一つ。海の漁師ルガルシャラトゥクは240尾のキムを納めた。王妃の家の漁師ネサグは約120kgの量のキムを納め、ある時は180尾のキムを納めた。海の漁師ガラトゥルは180尾のキムを納め、ある時は240尾のキムを納めた。海岸の漁師アマルナムヌンは180尾のキムを納めた。汽水の漁師ルガルメガルガルは120尾のキムを納めた。
  • キリリ(Kilili, Kulili, Kililu, Kulilu):梟と関係があるとされる女悪霊。窓から家に入り込んできて病気をもたらす窓の女王。
  • ギル(Gir):シュメール語の文献に記されているが具体的な種類が同定されていない謎の魚。塩辛、塩漬け、開き干し、魚醤などに加工することができる。バウ神の所有物だという。海の漁師が都市国家ラガシュへ年に5回納めなければならない“テーブルの魚”の一つ。また、特定の祭りの時に納めなければならない“イルの魚”でもある。海の漁師ルガルシャラトゥクは300尾のギルの開き干しと1710尾のギルの塩辛あるいは生魚を納め、ある時は1380尾のギルを納め、ナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月には1800尾のギルの開き干しと660尾のギルの塩漬けを納めた。王妃の家の漁師ネサグは840尾のギルの塩辛あるいは生魚を納め、ある時は2580尾のギルの塩辛あるいは生魚を納め、ナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月には180尾のギルの開き干しと360尾のギルの塩漬けを納めた。サンガの家の漁師ルガルピリグは420尾のギルの塩辛あるいは生魚を納めた。海の漁師ガラトゥルは60尾のギルの塩辛あるいは生魚を納め、ある時は420尾のギルを納め、ナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月には60尾のギルの開き干しと180尾のギルの塩漬けを納めた。海の漁師アマルナムヌンはナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月に120尾のギルの開き干しと360尾のギルの塩漬けを納めた。グラビムアの月に海の漁師たちが1560尾の高品質のギルを納めたこともあった。また、ラガシュ王ウルカギナの妻ササが交易品として大商人に与えた品々の中には60尾のギルの開き干しと180尾のギルの塩辛あるいは生魚も含まれていた。
  • クリルトゥ(Kuliltu):魚女。イラク北部のアッカドに伝わっていたクルッルの女性版。上半身は人間だが腰から下は魚になっている。
  • グル(Gur):シュメール語の文献に記されているが具体的な種類が同定されていない謎の魚。海の漁師が都市国家ラガシュへ年に5回納めなければならない“テーブルの魚”の一つ。また、特定の祭りの時に納めなければならない“イルの魚”でもある。サンガの家の漁師ルガルピリグは約60kgの量のグルを納めた。海の漁師ネサグは180尾のグルを納め、ナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月には540尾のグルを納めた。海の漁師ガラトゥルは180尾のグルを納め、ナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月には360尾のグルを納めた。海の漁師ルガルシャラトゥクはナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月に300尾のグルを納めた。海の漁師アマルナムヌンはナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月に300尾のグルを納めた。海の漁師サグギギルバはナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月に60尾のグルを納めた。
  • ゲシュトゥ(Geshtu, Geštu):シュメール語の文献に記されているが具体的な種類が同定されていない謎の魚。海の漁師が都市国家ラガシュへ年に5回納めなければならない“テーブルの魚”の一つ。また、特定の祭りの時に納めなければならない“イルの魚”でもある。海の漁師ネサグは25尾のゲシュトゥをススして(意味は不明。燻製にした、皮を剥いだ、切り身にしたなどの説がある)納め、ナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月には540尾のゲシュトゥの開き干しを納めた。グラビムアの月に海の漁師たちが25尾のゲシュトゥをススして納めたこともあった。
  • ゲシュドゥブドゥブ/ゲシュ・ドゥブ・ドゥブ(Geshdubdub, Ĝešdubdub, Gesh-Dub-Dub, Geš-Dub-Dub):シュメール語の文献に記されているが具体的な種類が同定されていない謎の魚。特定の祭りの時に納めなければならない“イルの魚”の一つ。海の漁師ルガルシャラトゥクはナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月に5尾のゲシュドゥブドゥブを納めた。
  • シェグサグアシュ(Shegsagash, Šegsagàš):イラク南部に伝わっていたシュメール神話に登場する六つ頭の羊の怪物。
  • シェードゥ/シェドゥ(Shedu, Šēdu):イラク北部のアッカドに伝わっていた人面の牡牛の姿をした精霊。ラマッスと同一視される。
  • シャッガーシュ(Shaggashu, Šaggāšu):イラク北部のアッシリアに伝わっていた悪霊。殺人者という意味であり疫病をもたらすことで人々の命を奪う。
  • シュートゥ/シューツ(Shutu):イラク南部のバビロニアに伝わっていた風の悪魔。
  • ズブド(Zubud):シュメール語の文献に記されているが具体的な種類が同定されていない謎の魚。海の漁師が都市国家ラガシュへ年に5回納めなければならない“テーブルの魚”の一つ。また、特定の祭りの時に納めなければならない“イルの魚”でもある。海の漁師ルガルシャラトゥクは4尾のズブドを納め、ナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月には5尾のズブドを納めた。海の漁師ガラトゥルはナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月に5尾のズブドを納めた。
  • スフル(Suhur):シュメール語の文献に記されているが具体的な種類が同定されていない謎の魚、淡水魚だといい、鯉の一種であるとも。海の漁師が都市国家ラガシュへ年に5回納めなければならない“テーブルの魚”の一つ。また、特定の祭りの時に納めなければならない“イルの魚”でもある。海の漁師ガラトゥルはナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月に600尾のスフルを納めた。汽水の漁師ルガルメガルガルは50尾のスフルの開き干しを納めた。淡水の漁師ウドゥは網3つ分の小さなスフルを納めた。
  • スフルマシュ/スフルマーシュ(Suhurmash, Suhurmashu, Suḫurmáš, Suḫurmāšu):魚山羊。山羊の上半身と魚の下半身を有する怪物。アッカド語ではスフルマーシュ、シュメール語ではスフルマシュと呼ぶ。
  • スマシュ(Sumash, Sumaš):シュメール語の文献に記されているが具体的な種類が同定されていない謎の魚。特定の祭りの時に納めなければならない“イルの魚”の一つ。海の漁師ルガルシャラトゥクはナンシェ神の麦芽を食べる祭りの月に1980尾のスマシュを納めた。ラガシュ王ウルカギナの妻ササが交易品として大商人に与えた品々の中には540尾のスマシュが含まれていた。
  • タビーブルバハル(Tabib al-Bahr):“海の医者”という意味。錬金術師ジャービル・イブン・ハイヤーンによれば、額に黄色い宝石が付いた人型の魚だという。額の宝石はあらゆる病を治療することができ、他の生物の傷口を頭で二度三度擦れば即座に回復する。この額の宝石は、銀から金を錬金する素材にもなる。
  • タリア(Talia):イラク南部で現在も信仰されているマンダ教における蝕をもたらす龍。
  • ティアマトの11の怪物(Ūmū, Umāmānu, Gallû, Šūt mē nāri u nābali, Bīnūt apsî):メソポタミア神話の女神ティアマトが生み出した11の怪物。嵐の獣たち(ウームー)、獣たち(ウーマーマーヌ)、戦士たち(ガルルー)、川の水と乾いた地のもの(シュート・メー・ナーリ・ウ・ナーバーリ)、アプスの創造物(ビーヌート・アプシー)などと呼ばれた。
    • ウガルル(Ugallu):巨大な目、巨大な嵐の獣。獅子の頭部、驢馬の耳、人間の手、鳥の脚を有する怪物で、その手には短剣と槌鉾を持つ。
    • ウシュムガル/ウシュムガルル(Ushumgallu, Ušumgallu):偉大な蛇。四本足で翼を生やした龍。
    • ウム・ダブルチュ/ウームー・ダブルートゥ(Umu Dabrutu, Umū Dabrūtu):嵐の怪物。獅子の体、鷲の頭部と翼を有する。
    • ウリディンム(Uridimmu):狂った犬という意味。上半身は人間だが腰から下は獅子になっている。
    • ギルタブリル/ギルタブルル/ギルタブルルー(Girtablullu, Girtablullû):蠍人間。鳥の脚、蠍の尾、場合によっては四枚の翼も有する怪人。女性の個体も存在する。
    • クサリク(Kusarikku):上半身は人間だが牛の耳と角を持ち、腰から下は被毛に覆われた二足歩行の牛の脚になっている。
    • クルッル/クルル/クルルー/クリール/クリルル(Kulullu, Kulullû):魚人間。上半身は人間だが腰から下は魚になっている。
    • バシュム(Bashmu, Bašmu):前脚と角を有する蛇。
    • ムシュフシュ/シルシュ/シルーシュ(Mushhushshu, Mushkhushshu, Mušḫuššu, Sirrush):怒れる蛇という意味。毒蛇の頭、長い角、獅子の前脚、鷲の後脚、蠍の尾、翼を有する怪物。
    • ムシュマッヘ/ムシュマッヘー/ムシュマッフ(Mushmahhu, Mušmaḫḫū):傑出した蛇という意味。七つ頭の蛇、もしくは蛇と獅子と鳥の合成獣。その体内には血の代わりに毒が流れている。
    • ラフム(Lahmu, Laḫmu):毛の生えたものという意味。赤い服を着た髭面の男性の姿をしている。元々は川の精霊だったとされる。
  • ナムタル(Namtar, Namtaru):運命もしくは宿命という意味。メソポタミア神話に登場する悪霊もしくは神。冥界神エレシュキガルネルガルの侍従。最高神エンリルの命令で人々に疫病をもたらした。
    • ナムタルトゥ(Namtartu):ナムタルの妻。手足は人間だが頭部はクリーブという守護霊もしくは守護獣になっている。肝心のクリーブがどういうものなのかは不明。
  • パーシットゥ(Pasittu, Pâsittu):イラク北部のアッシリアに伝わっていた母親から赤児を奪う悪霊。
  • パズズ(Pazuzu):イラク北部のアッカドに伝わっていた魔神。獅子の頭部と腕、鷲の脚、四枚の鳥の翼、蠍の尾、蛇の男根を有する。
  • ハルラヤ(Hallulaja, Ḫallulaja, Ḫallulūa):イラク南部のバビロニアに伝わっていた女妖怪。オケラかアリジゴクあるいはムカデの妖怪だという説があり、家に出没し、人間の男性を娶る女妖怪らしい。
  • ヒントゥ/ヒムトゥ(Hintu, Ḫinṭu, Himtu, Ḫimṭu):イラク南部のバビロニアに伝わっていた悪霊。熱病の擬人化。
  • フクトゥス/ファクタス(Fuqtus):イブン・ナディーム『フィフリスト』に記述があるジンと悪魔の首領。フクトゥスはソロモン王に召喚され、ソロモン王に従う70柱の悪霊たちの名を人々の前で紹介した。下記の悪霊たちの呼び名はアラビア語だと母音の表記が無いため正確な発音は不明となっている。
    • アイザール/エイザー('Ayzar):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • アイラーイル/エイライル/エイレイル(Ayra'il):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • アシュジャ(Ashja'):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • アダーズ(Ad-Da'hs):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • アルアラムラム(Al-'Aramram):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • アルハイム/アルヘイム(Al-Haym):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • アルハリト/アルハリス(Al-Harith):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • アルブ(Arhbh):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • アンカラー/アンカラ(Ankara):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ウカス(Wqas):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ウサール/ユーサー('Usar):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ウダーフィル('Udhafir):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ウドラ/アディラ('Udhrah, 'Adhirah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • エンマドゥルキー(Nmudrky):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • カイス(Khyth'):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • カイフス(Khyfth):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • カイワン(Kywan):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。その名は巨人という意味の可能性がある。
    • カウカブ/コーカブ(Kawkab):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。その名は星という意味の可能性がある。
    • カーディム/カディム(Qadim):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • カールーン/カラン(Qarun):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • キュードゥム(Qdmnh):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • サイダック(Syduk):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ザイナブ/ゼイナブ(Zaynab):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。ザイナブはムハンマドの妻の一人でもある。
    • サイヤー(Siyyar):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ザウバア/ゾーバアー(Zawba'ah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ササアー(Sa'sa'ah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • サーヒトゥーン/サヒトゥン(Sahitun):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • サフル/サクル(Sakhr):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。ジンだともいう。ソロモン王の妾のアミーナの前にソロモン王に化けたサフルが現れてソロモンの指輪を騙し取った。
    • ザルーシュ/ザラッシュ(Za'rush):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ザンブール/ザンバー(Zanbur):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • シダード/シダッド(Shidad):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • シムルアール(Shimr'al):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • シャイタブ(Shytub):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • シャーダーン/シャダン(Shadhan):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • シュフティル(Shftil):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ジュンドゥルブ/ジャンダルブ/ジャンダーブ(Jndrb, Jandarb):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。ペルシアの海の怪物ガンダルワやシュグニー語で人狼を意味するジンドゥールヴと関係があるかもしれないという。
    • ズハール/ズハル(Zuhal):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。耕作可能な土地を破壊した者を罰する土星の女神であったとされる。
    • タイアバー(Tyabur):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ダイウィド(Dywyd):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • タイサマー(Tythamah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • タカッルム/タカラム(Takallum):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ダーヒル(Dahir):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • トゥキューイタン(Tq'ytan):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • トゥバーン(Thu'ban):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。その名は龍という意味の可能性がある。
    • トゥンキウッシュ(Tnkyush):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ナウダル/ノーダー(Nawdar):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ナマーン/ナマン(Naman):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ニザール/ナイザー(Nizar):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ハイシャブ/ヘイシャブ(Hayshab):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • バクターン/バクタン(Baktan):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ハーサマー(Harthamah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ハシュラム/カシュラム(Khashram):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ハトゥーファ(Khatufah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ハムハマ/ハムハマー(Hamhamah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ハムラーン/ハムラン(Hamran):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ファクルーフ/ファクラフ(Faqruf):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ファトゥラー(Fatrah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • フィールーズ(Firuz):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • フルーク/フラック(Furuq):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • フルミズ/ハーミズ(Hurmiz):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。ゾロアスター教の神アフラ・マズダーの別名オフルマズドが語源の可能性がある。リリスの娘で美しいジンニーヤであるとも。
    • マカル(Mhaqal):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • マザーヒム/マザヒム(Mazahim):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ムッラ/マラー(Murrah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ムファッリシュ/マファリッシュ(Mufarrish):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ミサルカル(Misalqar):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ミルダース/マーダス(Mirdas):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ムトゥカラ(Mhtukara):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ムルド('Mrd):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
    • ラヤー(Rayah):フクトゥスが紹介した70柱の悪霊の一つ。
  • フンババ/フワワ(Humbaba, Huwawa, Ḫuwawa):メソポタミア神話のギルガメシュ叙事詩に登場する怪物。
  • マシュフルトゥップー(Mashhultuppu, Mašḫultuppû):イラク北部のアッカドに伝わっていた悪を打つ山羊。
  • ラバス(Labasu):イラク南部のバビロニアに伝わっていた女悪霊、魔女。人々を地獄に連れ去ったり疫病をもたらしたりする。アッハーズ、ラバス、ラマシュトゥは三人組の女悪魔だという。
  • ラービス/ラビス(Rabisu, Râbiṣu):アッカド語で潜む者という意味。精霊や悪魔。
  • ラッブ(Labbu):イラク北部のアッシリアに伝わっていた獅子と蛇の特徴を有する巨龍。退治された時は三年三ヶ月三日も血が流れ続けたほどの巨大な怪物だった。
  • ラマシュトゥ(Lamashtu, Lamaštu):イラク北部のアッカドに伝わっていた女魔神。毛に覆われた全身、獅子の頭部、驢馬の耳と牙、血塗られた手、長い指と爪、鳥の脚を有する。
  • ラマッス/ラマッサーティ(Lamassu, Lamassati, Lamassâti):有翼の人面牛。女性形ではラマッサーティと呼ぶ。
  • ルーハー・ドクドシャ(Ruha d'Qudsha):イラク南部で現在も信仰されているマンダ教で悪の根源とされる女悪霊。悪の天体とされる七つの惑星の母。

イラン

  • アエーシュマ(Aeshma, Aēšma):ゾロアスター教の悪魔。狂暴という意味。血塗られた棍棒を持った毛むくじゃらの姿をしている。
  • アカ・マナフ(Aka Manah):ゾロアスター教の悪魔。悪しき思考という意味。
  • アジ・ダハーカ/アジュダハー/アジュダハーク/アジュダル(Azi Dahaka, Azhi Dahaka, Aži Dahāka, Azhdaha, Azhdahak, Ezhdeha, Azhdar):ゾロアスター教の三つ首の龍。
  • アストー・ウィーザートゥ(Asto Vidatu):ゾロアスター教の死の悪魔。全ての人々の首には生まれる前からこの悪魔がかけた縄が結ばれおり、善人なら死後に縄が外れ、悪人は死後に地獄に引きずり込まれる。
  • アパオシャ(Apaosha, Apaoša, Apauša):ゾロアスター教の旱魃の悪魔。被毛の無い黒い馬の姿をしている。
  • アンラ・マンユ/アーリマン/アフリマン(Angra Mainyu, Ahriman):ゾロアスター教の悪魔。
    • キルム/ケルム/ハフトヴァードの芋虫(Kirm, Kerm, Worm of Haftvad):叙事詩『シャー・ナーメ』に登場する象ほどにまで成長した巨大な芋虫。黒い麝香のような皮膚にサフラン色の模様が浮かび上がった姿をしていた。悪魔アンラ・マンユの創造物あるいは化身。
  • ウィーザルシャ(Vizaresha, Vīzarəṣ̌a):悪人の魂を地獄に引き摺り込む悪魔。
  • カマグ(Kamag):ゾロアスター教の鳥の怪物。
  • クンダ(Kunda):ゾロアスター教の悪魔。地獄の入り口に住んでおり、ハオマを飲んでいないのに常に酔っ払っている。
    • クンディー(Kundi, Kundī):クンダの女性形。
  • コノペニ(Conopeni, Conopenii):驢馬の頭部を有する大きな馬。呼吸の度に鼻孔や口から火炎を吹く。
  • ザリチュ/ザリチェ/ザイリチャー(Zairich, Zariche, Zairič, Zāīrīc, Zairik):渇きの女悪魔。
  • サルワ(Saurva):無秩序の悪魔。
  • シームルグ/スィームルグ/セーンムルヴ/メレゴー・サエーノ(Simurgh, Senmurv, Meregho Saeno):サエーナの木に棲んでいる鳥の王。
  • ジャヒー(Jahi, Jahī):ゾロアスター教の女悪魔。
  • シャーマラン/シャフマラン(Shahmaran):半女半蛇の妖怪。トルコではシャフメランと呼ぶ。
  • ダヴァルパー(Davalpa):革紐のようなぐにゃぐにゃの脚を有する怪人。ギリシャではヒマントポデス(Himantopodes)と呼ぶ。
  • ダエーワ(Daeva, Daēva):ゾロアスター教の悪魔。
    • ダエーウィー(Daevi, Daēvī):ダエーワの女性形。
  • タルウィ/タウルウィー/タウイレウ(Taurvi, Tauirev, Tāūīrēv):熱の女悪魔。
  • タローマティ(Taromaiti, Taromati):反抗の女悪魔。
  • チャームローシュ/チャムローシュ/チャムロッシュ(Chamrosh):鳥。
  • ドゥルジ/ドゥルジ・ナス(Druj, Durj Nasu):ゾロアスター教の虚偽もしくは偽善の女悪魔。蝿の姿をしている。
  • パリカー(Pairika, Pairikā):ゾロアスター教の魔女。
  • ヒブラ・バシ(Hibla Bashi):下半身が山羊になった姿をした吸血妖怪。
  • ブーシュヤンスター(Bushyasta, Būšyąstā):眠気の女悪魔。息を吹き込むことで人々を怠惰にさせる。
  • ペリ(Peri):精霊。英単語フェアリーの語源はこのペリであるとする説もある。
  • ルナン・シャア

キプロス

  • サルコメノス(Sarkomenos, Σαρκωμένος):肉体を膨らませて驚かせる吸血鬼。
  • ピュラリス/ピュラウスタ(Pyrallis, Pyrausta)

サウジアラビア

  • ホファファ(Hofafa):空を飛ぶ能力がある有翼のジン(精霊)

シリア

  • アータルヤー(Atalya):日蝕をもたらす龍。
  • カロプス(Calopus):インド、シリア、ユーフラテス川流域に住むとされた獣。
  • トゥンナーン(Tunnan, Tunnān):ウガリット神話に登場する二つの尾を有する海蛇の怪物。
  • ダルクーナー(Darquna, Darqūnā):シリア語で龍のこと。
  • ダルコーン(Darqon, Darqōn):アラム語で龍のこと。
  • ロタン/ローターン/リタン/リーターン(Lotan, Litan):シリア南西部に伝わっていたウガリット神話に登場する七つ頭の蛇の怪物。

トルコ

  • アセナ(Asena):戦による唯一の生存者の少年との間に、現在のテュルク民族の祖になった10人の子をなした青い毛の雌狼。
  • アドレヘ・ティティン/ラクシル/ラハテル(Adlekhe-Titin, Lakshir, Lakhater):ウビフ人に伝わる野人。
  • アラクネ/アルケニー/アラクネー/アラクニー(Arachne, Arakhne, Arakne):ギリシャ神話に登場する蜘蛛にされた乙女。現在で言うところのトルコ西部に位置していたリュディア地方の機織りの名手であり、自らの技巧が神々に匹敵すると思い、女神アテナに織物勝負を挑んだ。この時、アテナはポセイドンと争った時の光景を織って自らの偉大さを見せたのに対し、アラクネはゼウスの乱痴気騒ぎの光景を織った。アラクネの神業は本物だったが、神への侮辱に怒ったアテナはアラクネの織物を杼で打ち据えて襤褸布にし、アラクネの額も杼で打った。恥じ入ったアラクネは織機の横木の綱を自らの首に括って縊れようとしたが、アテナは神罰を後世までの見せしめにするために(不憫に思ったからとする話もある)アラクネの縊死さえも許さなかった。アラクネの体は萎び縮んで灰色になり、手足は鈎のように曲がり、この世で最初の蜘蛛という生物になった。アラクネの子孫である蜘蛛という生物は今でも忙しく糸を紡いでいる。ジョン・ウィンダム『お人好し』では、蜘蛛にされたアラクネは今もアテナの呪いで蜘蛛の姿のまま永遠に死ぬこともできずにいるという。元の人間には戻れないが、1年の中で24時間だけ人間と入れ替わっても大丈夫な期間がある。アラクネは蜘蛛の自分と入れ替わってくれる人間の女性を見つけたが、姿は人間になっても本能は蜘蛛のままだったのでその女性の夫を食い殺してしまった。この話の蜘蛛のアラクネの体色は淡い緑、体には鏤められた濃い緑の斑点模様、背筋に沿って並んだ青い鏃の模様があった。
  • アル/ハル(Al):妊婦の内臓を奪って出産を妨げ、生まれたばかりの赤ん坊を攫う悪魔。
  • イルルヤンカシュ/イルルヤンカ/イルヤンカ/ルヤンカス(Illuyanka, Illuyankas, Illuyankash):ヒッタイト神話に登場する龍。
  • ウペルリ/ウベルリ(Upelluri, Ubelluri):ヒッタイト神話に登場する最初の巨人。
  • ウルリクムミ(Ullikummi):ヒッタイト神話に登場する閃緑岩の巨人。
  • キマイラ/キメラ/キマエラ/カイミーラ/カイミアラ(Khimaira, Chimaera, Chimera, Kimera):ギリシャ神話に登場する怪物。現在で言うところのトルコ南西部に位置していたリュキア地方、現在はコジャ川と呼ばれるクサントス川の渓谷に棲んでいた。ホメロス『イーリアス』によれば、前部は獅子、胴体は山羊、後部は蛇という姿をしている。ヘシオドス『神統記』によれば、頭が三つもあり巨躯と走力と剛力を兼ね備えた恐るべき怪物だという。山羊の頭で炎の息を吐き、人々を皆殺しにした。
    • ヘッレロホン(Herrerohon):江戸時代、山村才輔によって記された『西洋雑記』にある異獣。キマイラのことだが、その名は英雄ベレロポンと取り違えられて異獣ヘッレロホンとして紹介された。頭部は獅子、身体は野羊、尻尾は龍になっており、口から火を吐いたという。那多里亜国(ナトリア国)利細亜(リイシア)にある稽没辣山(キメラ山)に棲んでいた。
  • コルボルコ(Korbolko):人に火をもたらした火の鳥。
  • シャフメラン/シャーメラン(Şahmeran):半女半蛇の妖怪。イランのシャーマランのトルコでの呼び名。
  • ジャノ/ジャノワール
  • 竜巻魔エキム
  • バンピール:昭和期の怪奇系児童書で紹介される、魔王アーリマンによって怪鳥バンと残酷な呪い師ウピルから創造された吸血鬼で水を弱点とする。
  • ベリアル:『地獄の辞典』で紹介されるトルコ大使の悪魔。
  • マラン(Maran, Erbüke, Erböke)

中央アジア

中央アジア広域

  • アガチ・キシ(Agach-Kishi):カラチャイ人に伝わる野人。
  • アク・バルス(Aq Bars):古代のブルガール人に伝わる幻獣。
  • アララ(Alara):テュルク系民族に伝わる水の妖精。
  • アルチュラ(Archura):テュルク系民族に伝わる森の怪物。
  • アルバストゥ(Al Basty):テュルク系民族に伝わる魔女。
  • アルボガ(Arbogha):テュルク系民族に伝わるケンタウロスの牛バージョンのような妖怪。
  • イトバラク(Itbarak):テュルク系民族に伝わる犬人間。
  • イルシ(Irshi):妖精。
  • エルビュケ(Erbüke):蛇の王。上半身が人間で下半身が蛇になった男性。
  • エルベリュ(Erbörü):テュルク系民族に伝わる人狼のような妖怪。
  • オレク(Orek):テュルク系民族に伝わる生きた屍体。
  • カラコルシャク(Qarakorshaq)
  • コンルル(Konrul):テュルク系民族に伝わる怪鳥。犬の頭部、獅子の爪を有する孔雀。人面であるとも。
  • サザカン(Sazakan):テュルク系民族に伝わる小人。
  • シェカ(Sheka, Шекә):テュルク系民族に伝わる小人。
  • シュラレ(Shurali, Şürəle, Шүрәле):テュルク系民族に伝わる森の主。
  • ススル(Susulu):テュルク系民族に伝わる人魚。
  • チャク(Chak):テュルク系民族に伝わる悪魔。
  • ビチュラ(Bichura, Бичура):テュルク系民族に伝わる家の精霊。
  • ヤリオンド(Yaryond):テュルク系民族に伝わるケンタウロスのような妖怪。

アゼルバイジャン

  • ホルトダン(Xortdan, Hortdan):吸血鬼のような妖怪。

アフガニスタン

  • カンダハルの巨人(Giant of Kandahar)
  • シラーニス(Siranis, Sirānis)
  • ペシャクパラング:ショマリ平野に現れた狐に似た凶獣で米軍の生体兵器説もある。

ウイグル

  • ディエフ(Dyovu):シベ族の言葉で狐のこと。神秘性のある動物だという。

ウズベキスタン

  • セムルグ(Semurgʻ):昔話に登場する鳥。

カザフスタン

  • アイダハル(Aidakhar, Айдаһар)
  • カルンバイ(Karunbai)
  • ジェズティルナク(Zheztyrnak, Zheztirnak, Жезтырнақ)
  • ジャルマウズ/ヂャルマウス(Dzalmaus, Zhalmauz, Zhalmauyz, Жалмауыз):魔女。
  • トゥルパル(Tulpar, Тұлпар)

キルギス

  • キルギスドン(Kyrgyzdon)
  • ジェルモグズ

タジキスタン

  • アジナ(Adzhina):野人。夜に馬の鬣を編んだり解いたりする。
  • グルビアヴァン(Gul-Biavan, Golub-Yavan, Galub-Yavan, Ghool-Biaban, Gul-Biavan, Gul'bi-Yavan, Guli-B'yabon, Gulibyavan, Gulbiyaban):野人。
  • ジンドゥールヴ(Zindurv, Žindūrv):シュグニー人に伝わる男性の人狼。
    • ジンディールヴ(Zindirv, Žindīrv):シュグニー人に伝わる女性の人狼。

トルクメニスタン

  • アールバッス

パキスタン

  • アーセーブ(Aseb):ウルドゥー語で悪霊や悪魔のこと。
  • アプララ(Aplala):仏教の伝説に登場する水蛇。ペシャーワルのスワト川の水源を独占していたがブッダに退治された。
  • カピシ(Khapisi):コワール語の伝承で夜の老婆。
  • カンギ(Khangi):コワール語の伝承で家庭の妖精。
  • ククノズ(Quqnoz):コワール語の伝承で不死鳥。
  • クリフトンの怪物(Clifton Creature):シンド州のカラチにあるクリフトンビーチで発見された怪物の死骸。
  • ゴール(Gor):パキスタン北部山岳地帯で話されているコワール語で邪悪な超自然的存在を意味する言葉。
    • ゴール・バップ(Gor Bap):人食い老翁。聖者によって大岩の中に封じ込められた。
    • ゴール・ワウ(Gor Waw):人食い老女。聖者によって岩の中に封じ込められた。岩の隙間から片方の乳房がはみ出しており、それは現在も人間の頭部ほどの大きさの突起として岩壁に残っている。
  • シシャキ(Sisaki, Šišáki):パルーラ語における女妖怪。女性のオーガ(オーグリス)のようなもの。
  • ジャシュタン(Jashtan):コワール語の伝承で妖精の一種。
  • ターターク(Thaataaku, Ṭhaaṭáaku):パルーラ語で毛むくじゃらの鬼・悪魔・怪物のこと。
  • チュムル・デキ(Chumur Deki):コワール語の伝承で鉄脚の軍馬。
  • デオ(Deo):コワール語の伝承で火の巨人。輝く火の玉に変身する能力を有する。
  • ナハング(Nahang):パキスタン北部山岳地帯に伝わる妖怪。湖に棲んでおり人間を水中に引き込んだりする。パキスタンの国語であるウルドゥー語でナハングとはワニを意味する単語らしい。
  • ナン(Nang):コワール語の伝承で湖底に住まう単眼巨人。
  • ハーマール(Xaamaar, Xaamaár):パルーラ語で龍もしくは大蛇のこと。
    • アジュダハー(Ajdahaa, Aǰdahaá):パルーラ語で龍のこと。
  • バラー(Bhalaa, Bhalaá):パルーラ語で悪霊のこと。
  • パリート(Parit):ウルドゥー語で幽霊や精霊のこと。
  • ハルギン(Hargin, Hargín):パキスタン北部で話されるブルシャスキー語において龍のこと。
  • バルザンギ(Barzangi):コワール語の伝承で暗黒の巨人。
  • ハルマスティ(Halmasti):コワール語で雷という意味。天の犬、悪魔的な猟犬。大きな狼のような姿をしており、暗赤色の被毛、長い付属肢、大きな吻を有する。
  • バルマヌー(Barmanou, Barmanu):ビッグフットのようなUMA。
  • ピカルペリ(Pichalperi):下半身が逆向きの女幽霊。チュレル
  • フェル・ティス(Feru-Tis):コワール語の伝承で竈の妖精。
  • ムムターズ・ベガム(Mumtaz Begum Africa Wali):カラチ動物園で人気の人面キツネ。
  • ルイクリ(Ruikuri, Ruikúṛi):パルーラ語で森に棲む妖女のこと。

南アジア

インドの妖怪/インド神話/チベットの妖怪の項目も参照。

モルディブ

  • アルヌ(Arunu):一角獣。
  • イビリース(Ibilees):ディベヒ語でサタン、悪魔のこと。
  • クル(Kuru):ディベヒ語で小人のこと。
  • サンティマリヤンブ(Santhimariyan'bu):ディベヒ語でトゥースフェアリー、歯の妖精のこと。
  • ジンニ(Jinni):ディベヒ語でジン(精霊)のこと。
    • イフリートゥ(Ifreethu):巨大なジン。
  • デヴィ(Dhevi):ディベヒ語で幽霊のこと。
    • ムラデヴィ(Mulhadhevi):ディベヒ語で祖霊のこと。
  • ハンディ(Handi):女精霊。
  • フレイタ(Fureytha):ディベヒ語で悪魔もしくは幽霊のこと。
  • マラーイカトゥ(Malaaikathu):ディベヒ語で天使のこと。
  • ミニカ・ダイタ(Minika Dhaitha):肉を喰らう女精霊。
  • ランナマーリ(Rannamaari):数千人の若い女性を強姦して殺害した海の悪魔。
  • ルーフ(Roohu):ディベヒ語で精霊のこと。
  • レッシ(Ressi):船に忍び寄る海の悪霊。

東南アジア

マレー半島の妖怪/インドネシアの妖怪/マレーシアの妖怪/タイの妖怪/ベトナムの妖怪/フィリピンの妖怪の項目も参照。

カンボジア

  • アープ(Ahp, Ap អាប):スナエという恋愛の呪術を使い続けた者がなる妖怪。ガスーペナンガランの仲間。
    • スナエ(Snae ស្នេហ៍):恋愛で用いられる呪術。また、呪術だけではなく恋のお守りや媚薬のこともスナエという。この呪術は意中の相手に自分のことを好きにさせることができるが、使い続けた者は呪いの代償として妖怪アープになってしまう。恋のお守りを作る魔術師はクルー・スナエ(Kruu Snae គ្រូស្នេហ៍)という。
  • クティン・ヴォアル/クティンヴォアル(Kting Voar, Khting Vor, Kting Sipuoh, Khting Pôs):蛇食い牛。斑模様の牛のような獣であり、50cmの奇妙な捩れた角を生やしている。
  • クマオイ(Khmaoc, Khmoch ខ្មោច):幽霊のこと。
  • クラー(Khlaa ខ្លា):虎のこと。民話に登場する虎。
  • サンセルキー(Sang Sel Chey, Sang-Sêl-Chey):弓・剣・大きな生貝と一緒の状態で生まれた男性。
  • ソヴァンマチャ(Suvannamaccha សុវណ្ណមច្ឆា)
  • ダムレイ(Damrey ដំរី):象のこと。地獄に現れる象。
  • チャムレウン(Chamreun):2011年1月3日、カンダル州の村で結婚式を迎えたニシキヘビの花嫁。
    • クロンピッチ(Krong Pich):ニシキヘビの花婿。
  • トンサーイ(Tonsaay, Tonsay ទន្សាយ):兎のこと。民話に登場する兎。
  • ネアック・ター/ネアク・ター/ネアク・タ/ネアックター/ネアクター/ネアクタ(Neak Ta អ្នកតា):土地の守護神。
    • クレアンメウ(Khleang Moeung):守護霊ネアック・ターの一人。16世紀の人物であり国民的英雄。
  • プリエイ/プリェイ(Priey ព្រាយ):幽霊、妖怪、悪霊のこと。処女や出産で亡くなった女性がなるという悪霊であり生者に病気をもたらす。火の玉に変身する能力があり、鬼火や幽霊の姿で現れる。夜に輝きながら空を飛ぶ女精霊であるとも。また、大きな木に住んでいるという。プリエイと同一のものかは不明だが、首が八つもある女性の姿をしていて森に住むプリェイという妖怪も伝わっている。
  • プロルン(Pralung ព្រលឹង):精霊のこと。ネアク・タやマレン・コンヴィアルはプロルンの一種とされる。
  • マレン・コンヴィアル/マレンコンヴィール(Mrenh Kongveal, Marenh Kongveal, Mrenh Gongveal ម្រេញគង្វាល):人間の子供と同じくらいの小柄な体格をした精霊。象などの群れで移動する野生動物を守護する牧人であり、密林を放浪している。猟師・農夫・象使いなどはこの精霊にお供えするための笊を作る。すると、狩りの時に幸運を授かったり、若い象や水牛の捕獲を助けてもらえたり、野生動物が作物に近づかないようにしてもらえるという。この精霊は人物、場所、組織などに関連付けられた守護霊だとされる場合もある。ささやき声として心に直接語りかけたり夢枕に立ったりすることで、恩恵を施してくれた人間を守ったり導いたりする。大人にはその姿は見えないが、6〜14歳の純粋な心の子供の目には姿を表すことができる。悪戯好きな精霊とされ、ヨーロッパでいうエルフ、日本でいう座敷童子に似た存在だともいう。名前の由来は明らかではないが、マレンは漁師の俗語で魚を捕まえる人、コンヴィアルは牧人や守護者を意味する。
  • モヌフチャチャーク(Monuh Cɑcɑɑk មនុស្សចចក):人狼の訳名。
  • レアシエアセイ/レアシャシー(Réach-Chéa-Sey):麒麟獅子。
  • ワーラスアンコールワットの守護神。

東ティモール

  • アス・フイク(Asu Fuik):テトゥン語で狼のこと。東ティモールに狼はいないが、縁起の悪い動物だと言われている。『東ティモ-ルのことば テトゥン語入門』に記述がある。
  • アンジュ(Anju):テトゥン語で天使のこと。
  • ウェ・ナイン/ウエ・ナイン(We Na'in, U'e Na'in):水の主、海の精霊。
  • エスピリトゥ(Espiritu):テトゥン語で精霊のこと。
  • カコトス/コトス/コテス(Kakotos, Kotos, Kotes):テトゥン語ベル方言で小人のこと。
  • カラウ(Karau):テトゥン語で牛のこと。牛の首を刎ねてその生首から骨を抜き取ったものを家の軒先に飾ると、それがご先祖様(アボベイアラ Avo Bei'ala)になって家族を守り続けてくれるという。『東ティモ-ルのことば テトゥン語入門』に記述がある。
  • クラマル(Klamar):テトゥン語で魂や死霊のこと。
  • サココ(Sakoko):テトゥン語における鳥の姿で現れる精霊。滅多に見られないが、その姿を見たものや、ココ(ko ko)という鳴き声を聞いた者に幸運をもたらす。
  • ディアブ(Diabu):テトゥン語で悪魔のこと。
  • テキ(Teki):テトゥン語でヤモリのこと。ヤモリが酷く鳴くのは不幸の前兆であり、外出しようとした時にヤモリの声を聞いたら外出しない方が良いともいう。『東ティモ-ルのことば テトゥン語入門』に記述がある。
  • ドゥルフイ(Duruhui):テトゥン語における伝説の食人族。
  • ナウ・ナウ(Nau-Nau):テトゥン語でブギーマンもしくはオーガのような怪物。親が子供を怖がらせるためにその名を用いる。
  • ナミ・カウシラ(Nami-Kausila):ファタルク語で小人のこと。
  • ブアン(Buan):テトゥン語で魔術師や魔女のこと。
  • ブサ・フイク・ムティン(Busa Fuik Mutin):テトゥン語で白い野良猫のこと。縁起の良い動物だと言われ、仕事が成功する印だったり、白い野良猫が遺体の上を飛び越えるとその死者は生き返るという。『東ティモ-ルのことば テトゥン語入門』に記述がある。
  • ブサ・フイク・メタン(Busa Fuik Metan):テトゥン語で黒い野良猫のこと。縁起の悪い動物だと言われ、病気・家族不和・自然災害の前兆となっている。車に轢かれた黒い野良猫は巨人に化け、自分を轢いた人間を殺してしまうという。『東ティモ-ルのことば テトゥン語入門』に記述がある。
  • プププ(Pupupu):ファタルク語におけるブギーマンの一種。人々を見張っており、そしてハウ・ルに全てを告げるという。
  • ベイ・レラ(Bei Lera):テトゥン語ベル方言で巨人のこと。
  • マウパラ(Maupara):ファタルク語で悪霊や悪魔のこと。
  • マヌ(Manu):テトゥン語で鶏のこと。悪霊のせいで家族が病気になった時は鶏を殺し、その鶏の半分は悪霊に捧げ、もう半分は家族で食べる。これにより悪霊は悪さをしなくなり病気が治るという。鶏の代わりに卵が用いられることもある。『東ティモ-ルのことば テトゥン語入門』に記述がある。
  • マヌ・メタン(Manu Metan):テトゥン語で烏のこと。烏が飛んでくるのは不幸の前兆だが、人や物を探している時は烏の跡をつけると見つかるという。『東ティモ-ルのことば テトゥン語入門』に記述がある。
  • ムタウ(Mutau):ファタルク語におけるブギーマンの一種。子供たちを怖がらせる想像上の怪物。
  • ライ・ナイン(Rai Na'in):大地の主、大地の精霊。
  • ラファエク・ディアク(Lafaek Diak):テトゥン語で良き鰐という意味。伝説によれば少年を救った鰐がティモール島になったとされる。鰐はテトゥン語でご先祖様という意味のアヴォ(Avo)の名でも親しまれたり尊敬されており、神聖な動物なので人は決して食べないという。
    • クロコジーロ(Crocodilo):東ティモールの公用語の一つポルトガル語で鰐を意味する。

ブルネイ

  • ゲナリ/ブルネイ・リバーモンスター(Genali, Brunei river monster)
  • ビースト・オブ・ブルネイ(Beast of Brunei):首都近くの海岸で捕獲されたという謎の節足動物。

ラオス

  • ヴァーノーン(Vanone):ヴァナラのこと。
    • サンキープ(Sangkhip):スグリーヴァのこと。
    • ナーンペーンシー(Nang Phengsi)
    • パリーチャン(Palichane):ヴァーリンのこと。
    • フンラマーン(Hounlamane):ハヌマーンのこと。
  • クァ・カオ・カト(Kheua Khao Kaat):建国神クン・ボロムの創世を邪魔した蔦の怪物。
  • ナーンスッサーダー(Nang Souxada):インドラの妻シャチーのこと。ラオスではインドラのことをプライン(Phra In)と呼ぶ。
  • パニャークルット(Phagna Khrout):ガルーダのこと。
  • パニャーナーク(Phagna Nak):ナーガラージャのこと。
  • ハープマナースワン(Hapmanasouane):ラーヴァナのこと。
  • マニーカープ(Manikap):ペガサスのような天馬でありインドラのヴァーハナ
  • ラオスの竜
  • ロンチェン・ドラゴン

北アジア

ロシアの妖怪/イヌイット神話/アイヌ神話の項目も参照。

アルタイ

  • アンダルマ・ムース(Andalma-Muus):アルタイのタタール人に伝わる巨人。その屍骸が蚊などになったと語られている。

樺太

  • オイマクシマハネクフ/オイマクㇱマㇵネクㇷ(Oimakus Mahnekuh):樺太アイヌに伝わる妖怪。
  • オスクとチクフ(Osuku and Čikux):ニヴフ語でオスクは“兎”を意味し、チクフは“熊”を意味する。『北方自然民族民話集成』に記されたニヴフの民話によれば、兎と熊が喧嘩した時に兎は熊の打撃を素早く躱したが耳の先だけは躱しきれずに叩かれてしまったため兎の耳の先が黒くなったといい、怒った兎が熊の腰を蹴ったため熊の腎臓の形は凹凸になったという。現地に棲んでいる野兎は耳の先だけが黒い。熊の腎臓は百合根のような形をしているためニヴフ語ではカスク・ディブス(百合根の腎臓)と呼ぶ。
  • オッケルイペ/オッケオヤシ(Oxke-ruy-pe, Oxke-oyasi)
  • オハチスエ/オハチスイェ(Ohacisuye, Oháčisuye):樺太アイヌに伝わる妖怪。
  • カヨーオヤシ(Kayó-Oyasi):樺太アイヌに伝わる妖怪。
  • カルジャメ(Kalǰami):ウィルタに伝わる妖怪。
  • ケムランカ(Kem-Ranka):ニヴフに伝わる太陽の中に住む女性の妖怪。
  • ケヤッカとゲース(Kejakka and Gēs):ニヴフ語でケヤッカは“狐”を意味し、ゲースは“鮑”を意味する。『北方自然民族民話集成』に記されたニヴフの民話によれば、狐は鮑との競争で負けてから鮑を食べなくなったという。浜に打ち上げられた鮑を狐が食べようとすると、食べるなら競争してから食べるように鮑が言った。鮑には手も足も無いのにどうやって競争するのかと狐が問うと、それでもできると鮑は言った。競争が始まって狐が走り出すと鮑は狐の背中にくっ付いたが鮑は軽いので狐はそれに気付かなかった。狐が止まって振り向くと鮑がいなかったため、鮑はどうして来ないのかと問うたところ、狐の先へ落ちた鮑は、ここに早くから来て待っていたと答えた。競争を再開すると鮑は狐の尻尾にくっ付いた。倒れるまで走った狐が後ろを振り向くと、飛び降りた鮑は狐の前方のずっと先にいた。こうして競争で負けた狐は鮑を食べないというが、実は狐は鮑を食べている。
  • タハス(Taxs):ニヴフ語で縞栗鼠のこと。『北方自然民族民話集成』に記されたニヴフの民話によれば、縞栗鼠の縞模様は熊に搔き毟られた時にできたものだという。ある時、まだ縞模様の無かった縞栗鼠と熊が言い争っていた。熊が言うには十匹の犬がかかってくればうるさいが一匹の犬なら何でもないといい、縞栗鼠が言うには一匹の犬から逃げるとどこまでも追っかけてくるのでうるさいが十匹の犬なら犬同士が喧嘩をして噛み合うからその間をすり抜けて行けるので楽だという。うるさいと怒った熊が趾で縞栗鼠を搔き毟ったため縞栗鼠の背には五本の黒い筋がついた。
  • チハロシュ(Caror):ニヴフに伝わる妖怪。
  • チャグジュ/チャグド(Čagǰu, Čagdu):ウィルタに伝わる付喪神のような化け物。
  • トイポクンオヤシ(Toy-pok-un-oyasi, Toy-pok-un-pe):樺太アイヌに伝わる妖怪。
  • ドゥースアンバニ(Duusə Ambani):ウィルタに伝わる虎の妖怪。
  • パッカムサアリースリ/パッカムサアリー・スリ/パッカム・サアリー・スリ(Pakkamsaari Suli, Pakkam Saari Suli):ウィルタに伝わる黒い狐の妖怪。
  • バルンニクブン(Barn-Nikubun):ニヴフに伝わる妖怪。
  • プンダイ(Pundaj)
  • ペンタチコロオヤシ(Pentaci-koro-oyasi):樺太アイヌに伝わる妖怪。

サハ

  • アアン・アルバティイ・トヨン/アルハフ・トヨン(Aan Arbatyy Toyon, Arkhakh Toyon):肺病などをもたらす神。
  • アイ・トヨン(Ai Tojon):頭部が二つもある巨鷲。
  • アバーシ/アバアスィ(Abasy, Abaasy, Abaahy):ヤクート族に伝わる妖怪。
    • アラ・ブーライ・トヨン(Ala Buuray Toyon):地下からの老人。アバーシたちの首領。
  • アプタフ・バガ(Aptah-Baga, Аптах-Бага):ヤクート族に伝わる頭部が二つもある蛙。
  • アルサン・ドゥオライ(Arsan Duolai):ヤクート族の冥界の神。
  • イェンゲ/イェンガ(Jeŋe, Yeŋa):コリマ・ユカギール語における精霊。
    • イェンゲチュオペ(Jeŋečuope):コリマ・ユカギール語における幽霊。
  • シュリュキュン(Syullyukyun, Сюллюкюн):ヤクート族に伝わる妖怪。
  • チュチュナ(Chuchuna, Чучуна):ヤクート族に伝わる野人。
  • デレトニク(Deretnik, Деретник):ヤクート族に伝わる生きた屍体。
  • ユヨル(Yuyor, Юёр):ヤクート族に伝わる幽霊。

カムチャツカ

  • ヴァパク(Wapaq, Vapak, Вапак):コリャーク族に伝わるベニテングタケの精霊。
  • ヴェルヴィムティルィン(Velvimtilyn, Velvymtilyn, Вэлвимтилын, Вэлвымтилын):コリャーク族の民話に登場するワタリガラス。
  • カマク(Kamak):カムチャツカとチュクチに住むアリュートル族に伝わる湖の魔物。
  • クイクィンニャク(Kuykynnyaku, Kuikynnyaku, Куйкынняку):コリャーク族の民話に登場するワタリガラス。
  • クトフ/クトゥフ(Kutkh, Кутх):イテリメン族に伝わる創造神のワタリガラス。
  • クールキル(Ku'urkil):チュクチ族やコリャーク族に伝わる創造神のワタリガラス。
  • チャチュチャナヴト(Chachuchanavut, Чачучанавут):コリャーク族の民話に登場する狐。
  • ミルトカリク(Milutkalik, Милуткалик):ケレクの民話に登場する兎。

クラスノヤルスク

  • ムィラク(Myrak, Мырак):ケット族に伝わる魔物。

タイミル

  • シゲ(Sige, Сиге):ガナサン族に伝わる人食い巨人。
  • バルシ(Barusi):ガナサン族に伝わる悪霊。

チュクチ

  • カトグィルグィン(Katgyrgyn, Катгыргын):チュクチ族の昔話に登場する魔女。
  • カマク(Kamak):カムチャツカとチュクチに住むアリュートル族に伝わる湖の魔物。
  • クールキル(Ku'urkil):チュクチ族やコリャーク族に伝わる創造神のワタリガラス。
  • ケレ(Ke'le):チュクチ族に伝わる人食い魔物。

ネネツ

  • ア(A):天空神ヌムから生じた悪霊。
    • タデブツィイ(Tadebtsii):アの支配下にある悪霊。

ハバロフスク

  • ガグダンチュ・マルガ(Gagdanchu-Marga, Гагданчу-Марга):ナナイ族に伝わる片腕片脚片目片耳の半身だけの人間。
  • コリ(Kori, Кори):ナナイ族、オロチ族、ウリチ族に伝わる怪鳥。川の支流ほどの翼幅を有し、その巨体は鉄でできており、鳥のようで鳥ではなく、鴨のようで鴨ではない。雲に姿を変えたり、目撃者を一人残らず突然死させたり、羽ばたきで嵐を発生させたり、鳴き声を聞かせただけで人間の理性を失わせたりする。人間の血を嫌うが、それ以外に怖いものはないという。この怪鳥を仕留めると氏族全体に福運が訪れる。
  • チョウグミャートゥ(Čougumiatu):ウデヘ族に伝わる魔物。
  • チョルチョミャーカ(Cholchomiaka, Чолчомиака):ナナイ族の民話に登場するシジュウカラ。
  • デュレン(Dyulen, Дюлен):ナナイ族に伝わる木製の小人。
  • ドゥンスル・マファ(Dupsul-Mafa, Дупсул-Мафа):ナナイ族に伝わる巨人。
  • ボコ(Boko, Боко):ウデヘ族に伝わる腕と足が一本の怪人。

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