タヌキ
たぬき
主に東アジアを中心に生息している。日本では「ニホンタヌキ」が生息し、本州・九州・四国に生息する「ホンドタヌキ」と北海道に生息する「エゾタヌキ」の2亜種に分かれる。ホンドタヌキは冬でも活動するのに対しエゾタヌキは冬ごもりするなど生態に違いはあるが、種としては同種である。
満州には「ウスリータヌキ」、華南には「ビンエツタヌキ」、朝鮮半島に「コウライタヌキ」が生息する。このうちビンエツタヌキは1920年代後半から東欧の人間が(毛皮目的で)捕獲、養殖したものの一部が脱走し、ヨーロッパ東部へ生息域を広げている。
そのため一部で「日本のタヌキが外来種としてヨーロッパで猛威をふるっている」と思われているが、実は日本のタヌキは大陸のタヌキと染色体の数が異なり交配ができない。大陸のタヌキとは頭骨の長さなど形態的な違いもあり、日本固有種として「ニホンタヌキ」と呼ぶことが提唱されている。
英名はラクーンドッグ。そのまんま「アライグマに似た犬」の意。学名「Nyctereutes procyonoides」
プロキノイデスも一応アライグマを指す。(CYNO は「イヌ」の意)
ちなみに似ているのは見た目だけで分類は全く異なる(アライグマは正真正銘のアライグマ科で、タヌキはイヌ科である)。
似たような外見、似たような生態と、これも収斂進化の結果とも言える法則である。
実は…
日本ではなじみ深い動物だが、上記のように東アジアの一部にしか生息していないこともあり、実は希少動物に数え上げられている。
どれほどなのかというと、2010年に旭山動物園と久留米市鳥類センターがタヌキのペアをシンガポール動物園に贈ったところ、「パンダ並みの珍獣」と評され、冷暖房完備の専用舎が用意された上、歓迎式典までが開かれた程。
更に2013年には、いしかわ動物園に世界三大珍獣にも数えられるコビトカバを入手する際にシンガポール動物園と相談したところ「タヌキとの交換」を持ち掛けられ、結果タヌキ6頭とコビトカバの交換が成立してしまった。
中にはそもそもが「現実に存在しない幻獣」の類と外国人が思っていた故「実在したの!?」等と旅先でタヌキの話を驚かれるというエピソードもある。
海外に日本の昔話だけが伝聞され、化け狸の要素からおよそ現実に存在しない空想の生き物と思われることはよくあるとされる。
英訳「かちかち山」において挿絵を描いた人物がタヌキを知らなかった結果原型もないずるがしこそうな獣とされたという話もある。
森林に住み、特に水辺を好む。基本的に単独もしくはペアとその子供の家族で生活する。縄張り意識はほぼ皆無であり、複数の群れの行動範囲が重なるどころか、全く同じ場所に「ため糞」をしていることも多い。
ため糞が群れ間の情報交換に役立っているという説もある。
ため糞の場所にはかなりこだわりがあり、ちょっとやそっとでは変更することはない。有刺鉄線や薬剤で囲ったとしても断固としてガードを突破し糞をしようとするため、食害と並んで深刻な獣害になったりもする。
雑食性で、果実、植物の葉、小動物、魚介類、腐肉やゴミなどなんでも食べる。夜行性で死んだふりをするため、「狸寝入り」という言葉ができた。ちなみに、日本語のタヌキという呼び名は、この死んだふりを「魂が抜かれている」、つまり「たまぬき」と呼んだのが由来との説がある。
近年、アライグマとの競合により個体数を減らしているキツネに比べ、タヌキは食性が幅広く人工的な環境への適応力に富んでいるためか個体数を増やしているようで、山林が近くにあれば都市部にも普通に出没する。どっこい生きるというのは、正にこのことである。
形態的には、胴長短足の体形など、イヌ科動物の原型をよく残している。見た目はずんぐりしており、犬とはあまり似てないように見えるが、実は毛が長いためにそう見えるだけであり、胴体や顔立ちは割とスマートである(ただ、餌を求めて人前に良く姿を見せる秋は、冬に備えて食い溜めをして普段より50%も体重が増しており、実際に太ってる事も多い)。
毛が短くなり、そこまで食べ物に執着しなくなる夏は、イヌ科であることが良く分かる、ほっそりした顔つきが見られる。
狭いところを好むのでネコっぽいイメージがあるが、運動能力はネコよりイヌに似ている。鈍重そうなイメージと裏腹に足はかなり速い(前述通り、鈍重そうに見えるのは単に毛が長いためであり、実は割と身軽である)。イヌ科では珍しく木登りが出来るがあまり上手くなく、足を滑らせて「木から落ちる」姿がしばしば目撃される。泳ぎはイヌと同様、基本的に「犬かき」で泳ぐ。
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