GetBackers
げっとばっかーず
『週刊少年マガジン』で連載されていた少年漫画。及び、美堂蛮と天野銀次の二人が生業とする奪還屋の呼称。
通常「ゲットバッカーズ」とはこの二人を指す。(同業者である冬木士度は単に「奪還屋」と呼称される。蛮と銀次は三代目であり、初代・二代目との区別の為に三代目ゲットバッカーズと呼ばれる事もある。)
新宿路地裏の更にずっと奥にあると言われるスラム街「裏新宿」を舞台に「奪(と)られたものは奪(と)り還(かえ)す」が信条の奪還屋『GetBackes(ゲットバッカーズ)』こと美堂蛮と天野銀次が繰り広げる奪還の物語。
本作は人と人との『絆』を蛮と銀次が奪り還す事が主題となっている。
彼等が依頼者から奪還する事を求められる多くの対象が「物」ではあるが、そこには家族や大切な人との思い出などが添えられており実質的に彼等が奪り還すのは依頼人と関係者の『絆』なのだ。
ガイドブックで原作者は「絆というものは口で言う程簡単に築けるものではない、アドレスが消えれば即サヨウナラのアカウント越しのネット上での交流など絆ではない、相手と触れ合って初めて絆を作り始められる」と語っており、人と人とが触れ合う事の大切さを説いている。
また劇中でも度々絆について語られており、本質は絆をテーマにしたヒューマンストーリーである事が分かる。
主人公達を始めとした裏稼業を生業とする人達は軒並み超常的な能力の持ち主であり、主人公達の成長に従ってより強い敵も登場し壮絶なバトルを繰り広げる事から本作は『ドラゴンボール』のようなインフレバトル漫画と誤解されやすく、特に本作を未読且つネットミーム等でのみ本作を知っている人からは誤解されがちである。
また、よく蛮と銀次はヤクザには勝てないとネタにされるがそれはおおよその場合二人に非があるパターンが多い。
本編以外で二人がヤクザにボコられたのは、パチンコでイカサマ行為をした時やヤクザの縄張りを侵して商売をした時等、つまりルールを破った時であり原作者は彼等にズルをさせないというルールの元そのような描写を入れているのである。(ゲーム製作時、スタッフは原作者から「蛮と銀次は女を殴らない」等いくつかのルールを提示されたと語っている。)
奪還屋GetBackers
新生VOLTS&VOLTS四天王
- 風鳥院花月(CV:保志総一朗)
- 冬木士度CV:星野貴紀)
- 来栖柾(CV:堀秀行)
- MAKUBEX(CV:斎賀みつき)
- 筧十兵衛(CV:子安武人)
- 笑師春樹(CV:真殿光昭)
- 雨流俊樹(CV:小西克幸)
- 筧朔羅(CV:岩居由希子)
無限城の人々
- 鏡形而 / 加賀美京司(CV:櫻井孝宏)
- 天子峰猛(CV:三木眞一郎)
- デル・カイザー
- 氏家火生留(CV:雪野五月)
- 叶条夜(CV:宮田幸季)
- 翳沼沙羅衣(CV:田中秀幸)
- 呪術王
- 間久部
- 黒鳥院夜半
- 東風院祭蔵
- 黒鳥院舞矢
- 黒鳥院遊利
弥勒一族
運び屋
『神の記述』関係者
魔里人
鬼里人
- 兜
- 女郎蜘蛛(CV:兵藤まこ)
- 霧人(CV:竹若拓磨)
- 鬼蜘蛛(CV:郷田ほづみ)
- 影蜘蛛(CV:甲斐田裕子)
- 飛蜘蛛(CV:本多陽子)
- 毒蜂(CV:本田貴子)
- 深山幻舟(CV:黒田崇矢)
- 無明院賽蝶(CV:てらそままさき)
- 揚羽(CV:篠原恵美)
- 紫丸(CV:津田健次郎)
- 白紋(CV:小杉十郎太)
- 湖柳水爬(CV:遊佐浩二)
- 鎌多十郎(CV:江川央生)
- 奏蝉丸(CV:高木渉)
その他の人物
- HEVN(CV:夏樹リオ)
- 王波児(CV:松本保典)
- 水城夏実(CV:乙葉)
- 仙洞レナ(CV:斎藤千和)
- 音羽マドカ(CV:松岡由貴)
- 不動琢磨(CV:田中正彦)
- 菱木竜童(CV:志村知幸)
- クレイマン(CV:緒方恵美)
- 螺堂源水(CV:佐藤正治)
- 螺堂レン(CV:中西裕美子)
- 工藤邪馬人(CV:藤原啓治)
- 春龍華
- ラッキー
- 風鳥院拾参絃
- 卍一族
用語
裏新宿
新宿の路地裏をずっと行った先にあると言われる、新宿の「裏側」とも言える日本のスラム街。
物語が展開する中心となる場所。
最奥部には街の象徴である巨大な廃墟ビル・無限城が聳え立つ。
ジャンキーが人を襲う・偽物の松茸を高値で売り付ける等治安は劣悪。
無限城
その治安は裏新宿でも最悪。モデルはかつて香港にあった九龍城。
地下、城下町、下層階(ロウアータウン)、中層階(ベルトライン)、上層階(バビロンシティ)に分かれる。
VOLTS(ボルツ)
かつて無限城下層階(ロウアータウン)にあったリーダーの雷帝・天野銀次と四天王を中心とするジャンク・キッズグループ。
最強最悪と恐れられたが天野銀次が無限城を出て行った事で解散となった。
裏稼業
裏の世界の職業。登場人物の多くはこれを仕事としている。
この物語の舞台は、本来の現実世界の「バックアップ」として創られたセカイである。
物語、無限城の中は現実と仮想現実が入り混じった半仮想空間であると語られた。
しかし実際は「無限城の存在する世界全体が仮想現実だった」という事、そして無限城の頂点にあるとされてきた「バビロンシティ」の向こうこそがいわゆる「現実世界」だったという事実が最終盤で判明する。
現実世界には裏新宿ではなく新宿が存在し、異能力といったものも存在しない。
それはつまりこの記事を読む我々の世界に酷似している世界である。
バックアップのセカイを創ったのは、現実世界で息子「天野銀次」を亡くした女性科学者・天野博士。
クローンは技術的には可能でも社会的に認められておらず、また例えクローンを造ったとしても「無限に折り重なる偶然が世界を創り出しその結晶が一人一人の人間なのだとしたら、それは同じ遺伝子を持った別人である」という結論に至る。
天野博士はこの難題を乗り越えて銀次を蘇らせる"知恵"として、世界そのものをもう1つ創る、即ち世界の複製品である現実世界のバックアップの作成を考案する。
先ず初めに世界を構成するあらゆる可能性・構成・混沌さえも取り込み自己開発していける電脳倉庫『アーカイバ』を設計する。
その設計とコンセプトが出来上がった頃、世界の崩壊と消滅がそう遠くない未来に訪れると判明した事もあり、世界の最高頭脳の殆どがこれに賛同した。
結集した天才達は「知能顧問団(ブレイントラスト)」と名付けられ、あらゆる分野からアプローチして人間の願いそのものが世界を創るという「意思の力」という答えを導き出す。
ブレイントラストは全人類に絶望とほんの少しの希望を植え付け、全ての意思を統一して収斂させる(後のクオリア創世計画に繋がる)事で、もう1つの世界を創る原動力を生み出す。その過程で赤屍のように超越者として覚醒する者が現れだした。
若き天才科学者である加賀美京司が発見した「魔鏡効果理論」のもと、天野博士が創り出した「アーカイバ」の実態に、あらゆる分野の最高頭脳と最高の力が結集し、もう1つの世界、この漫画本編の"セカイ"が誕生した。
最初は単なる混沌であったそれは凄まじいスピードで成長し、現実世界が辿った全ての歴史をなぞりながら歴史を生み出していった。
しかし、ある時点からそのセカイは現実と異なった歴史を辿り始め、この世界に似て否なる独立したセカイとして勝手に成長していった。その結果、現実とは違う法則が存在し現実世界では起こり得ない現象が平然と起こるセカイとなっていった。
それは最早バックアップにはなり得ない似て非なる何かと成り果てながら、時間軸的に現実世界に追い付く所まで来てしまった。
もし現実がこれに追い抜かれれば現実がかき消されうることから天才達は焦り、修正を図ったが既に時は遅くどうにも出来なかった。そこで加賀美京司(セカイの中では鏡形而と名乗っている)等を「観察者」としてセカイの内部へと送りこんで干渉を試みたが、結果セカイに取り込まれ帰還すら出来なくなってしまった。
そして、本編終盤の話に繋がる。
セカイの発展を止める最終手段としてセカイを初期化し、もう一度混沌から創り直すしかないという結論に至る。
その為のロジックをアーカイバに命令し、セカイ側から自己初期化プログラムを発動するように試みる。
その際、その実行の実体としてセカイの頂点に立つ1人の「創世の王」を選択し、その手によってセカイをあるべき姿へと再構成させようとしたのであった。
物語終盤に始まった「悪鬼の戦い(オウガバトル)」とは、この「創世の王」を決めるための予定された戦いであった。(銀次がバビロンシティへ赴く際、アーカイバが「モデルケースγの指示に従う」と発言しており、銀次の勝利は予め予想されていたようである。ガイドブックでは蛮が勝利していた場合、「アーカイバはモデルケースβの指示に従っただろう」と書かれている。βとγはそれぞれ蛮と銀次を表している。)
現実世界とセカイの歴史にズレが生じたのは、蛮の祖母である「ウィッチクイーン」と呼ばれた反逆者と、それに力を貸すブレイン・トラスト内の裏切り者達によるクーデターが原因だった。
要は、蛮と銀次の最後の戦いは、バックアップのセカイを現実とは異なるそのままの形で存続させようとするウィッチクイーンと、セカイを現実世界と同じものに修正したい天野博士の代理戦争であり、蛮と銀次はその主導権争いの"駒"だった事になる。
最終的に銀次(天野博士サイド)が勝つのだが、銀次がゲットバッカーズのセカイをあるがままの形で残す事となった。
蛮の祖母が計画を邪魔したのは、「天野博士の考える世界は人が住めるようなものではない」と判断した為。
当初のブレイン・トラストは人の意思を一つに統一してしまう「クオリア創世計画」を実行しようとしていたが、蛮の祖母の協力者だった来栖柾はその世界を「無機質な牢獄のような世界でしかない」と語っており、蛮の祖母同様セカイをあるがままの形で残そうとしていた。
2002年10月から2003年9月まで全49話がTBS系列(ただし新潟放送、山陰放送、熊本放送、大分放送、宮崎放送、琉球放送除く)にて放送された。
当初はIL編で終了する予定だったが、予想以上の人気を誇ったため、それ以降のビーナス編、神の記述編の一部(雨流の箇所のみ)などもアニメ化された。アニメーション制作はスタジオディーン。
主題歌
オープニングテーマ
「揺らぐことない愛」(第1話 - 第25話)
作詞 - 田村直美 / 作曲 - 田村直美、川本盛文 / 編曲 - 川本盛文 / 歌 - 田村直美
「薔薇色の世界」(第26話 - 第49話)
作詞 - キリト / 作曲 - アイジ / 編曲 - PIERROT & MASAHIDE SAKUMA / 歌、演奏 - PIERROT
エンディングテーマ
「一秒のリフレイン」(第1話 - 第13話)
作詞 - 乙葉、堂島孝平 / 作曲 - 堂島孝平 / 編曲 - 長谷川智樹 / 歌 - 乙葉
「涙のハリケーン」(第14話 - 第25話)
作詞 - PANINARO 30 / 作曲 - 徳永暁人 / 編曲 - 清水俊也 / 歌 - BON-BON BLANCO
「Mr. deja vu」(第26話 - 第37話)
作詞 - YURI / 作曲 - オオヤギヒロオ / 編曲 - 宗像仁志 / 歌 - naja
「CHANGIN'」(第38話 - 第48話)
作詞 - 西寺郷太、竹前裕 / 作曲 - 西寺郷太、奥田健介、小松茂 / 編曲 - NONA REEVES、門倉聡 / 歌 - NONA REEVES feat. YOU THE ROCK☆
2025年3月8日からYouTubeのGetBackers-奪還屋-【公式】にて開始、週2〜4更新、第1話から順次公開予定で全話無料、テレビアニメやPSゲーム版などとは異なり株式会社Adroaig所属の声優が新たに担当。
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すべて見る- First Love
First Love *その2
銀次誕生日話用に書いた学生パロの続きになります。 誕生日の一件以来、銀次に懐かれた蛮。 一人がいいと思いながらも、銀次を拒むことが出来ない自分に戸惑う。 そんな時、成り行きで勉強を教えることになり…… 『First Loveシリーズ』として、連載したいと思いますので、しばしお付き合い下さい! 2人の成り染めが知りたい方は、こちらを読んで見て下さい(http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3733139)18,091文字pixiv小説作品 - 蛮銀/蛮雷 EXTRICATION series
【蛮銀/蛮雷】眩暈
基本、蛮銀。たまに蛮雷「EXTRICATION」というシリーズ名な短編連作。今回は書き下ろし新作。とか書くと大げさだけどね。 でも、日付を見て自分でもビックリしたんだけど、このシリーズを一番最初に書いたのはなんと10年前!なんですよね。 まだ漫画が連載途中でしたよ。 今。続きを書いても同じトーンにはならないだろうから果たして良いのだろうか? と思いつつもラストに繋げるのに足りない部分を書いてみたくなったので書いてみた。1,789文字pixiv小説作品 Call my name
アーリーディズ時代で初仕事後、ラッキー編の手前くらいの時間軸です。 蛮ちゃんの一人称形式になります。 Akasya様の描かれた素敵な奪還屋ログ http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=37168183 にいるアーリー蛮銀がもう可愛いすぎて可愛すぎて・・うおおおって滾り 例の「蛮様呼び」についてインスパイアネタを書かせて頂きました。 ラッキー編の手前ということで、銀次デレ済・蛮は未デレ?で蛮+銀な感じですが 検索上(私が腐書きなので・・)タグは蛮銀としました。4,779文字pixiv小説作品- Jesu meiner Seelen Wonne
ついでだ、と言ってやる。
一年以上ぶりの更新です! ブランク中もブクマ評価下さりありがとうございます!!! データー消失で消沈してしまい、別作業に集中しがちでしたが、 また頑張ろう!と奮い立つ程もの凄く励みになりました。(*^^*)ノ これからまた更新していきたいと思います。 お付き合い頂ければ幸いです。よろしくお願いします!29,416文字pixiv小説作品 - 蛮銀/蛮雷 EXTRICATION series
【蛮銀/蛮雷】星宿
基本、蛮銀。たまに蛮雷「EXTRICATION」というシリーズ名な短編連作。ブログ再録 「rolling star」から「星宿」に改題。原作連載途中に書いたものなので、雷帝の解釈が原作とはちょっとずれてますね。 これで一応完結です。後日いくつか番外編を載せる予定。1,350文字pixiv小説作品 - Jesu meiner Seelen Wonne
僕がなくても構わない。
『ドグマの設定した プロトコルを独自に利用し ランキング上位への浮上を狙う 最上位以下のキャンディデイト達。 それを高見で傍観する 最上位のキャンディデイト。 そんな彼等の 目論見から大逆転を狙い GetBackersの奪還に乗り出した [セカイ]の本当を知る者達。 ・・・・果たして、 エンディングに笑うのは、 一体誰なのか・・・!?』 ・・・・ってな感じで、楽しくなってきた〜〜!!! 予告風ですが、誰の声で読みますかーーー??? …………妄想中。(*´艸`*)……………… うきゃぁ〜〜〜!!!いつまで 一体、どこまで、私はGBが好きなんだ〜〜〜!? こんなにもだぁ〜〜〜〜!!!!。°+.* (*´∇ `*)ノ15,799文字pixiv小説作品