登録日:2025/10/25 Sat 00:00:07
更新日:2025/10/26 Sun 18:04:26NEW!
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マ・ドゥーク・オメガ……イ・レーヴォ・ゲネス……
ゾヴァラスとは、円谷プロダクション制作の特撮テレビドラマ『
ウルトラマンオメガ』に登場する宇宙人(?)である。
【データ】
別名:殲滅創生体
身長:68m(巨大時)
体重:4万t(巨大時)
【概要】
第14話「オメガ抹殺指令」〜第15話「守る者たち」に登場。
オオキダ・ソラト/ウルトラマンオメガ以外で初めて地球にやってきた宇宙人であり、登場回が作品の転換点となる重要なエピソードということもあって、本作の敵キャラの中でも一際存在感を発揮している。
本来の姿は黒や灰色を基調にした無機質なものであり、歪な形の輪をいくつも積み上げてできたような外観が特徴。
胸部には逆三角形状の、頭部には縦に長い楕円形の薄紫色の発行器官があり、特に頭部には昆虫の触覚を思わせる2本の角が生え、頬の辺りには目にも耳にも見える大きな窪みがあり、中央には紫の宝石のような物が埋め込まれている。
また、臀部の付近には尻尾のような小さい突起を生やしている。
人間態も持っており、こちらは短髪に鋭い目つきをした男性の姿で、首からはダークヴァルジェネスメテオを嵌めたペンダントを下げている。
その正体はかつて地球から遠く離れた惑星で栄えた種族・ゲネス人が生み出した人工生命体。
ゲネス人は母星の崩壊によって既に滅びた種族であり、ゾヴァラスの目的は地球を支配してそこを新たなゲネス人の母星にする事と、その際の邪魔者であるソラト=オメガを抹殺する事。
何よりこのゾヴァラスこそ、本編開始前の戦いでオメガに攻撃を食らわせ、彼が記憶喪失になって地球に落下する原因となった張本人である。
地球の言語は習得していないらしく、終始ゲネス人の言葉と思われる謎の言語を話す。
基本的に口数は少なく、戦闘中は常に自分の使命を無意味に呟き続けるなど、その立ち振る舞いは全体的に機械的で、一切の感情が読み取れない。
一方、目的達成のためなら一般人も躊躇無く手に掛け、オメガの姿を見るや否や衆目もお構いなしに問答無用で襲いかかってくるなど、気性は荒い。
【戦闘能力】
主な戦闘スタイルは格闘術で、人間態の時点でソラトを数十mまで吹っ飛ばし、観覧車と同じ高さにまで跳躍する驚異的なパワーと身体能力を誇る。
巨大化して本来の姿に戻った際には、これに加えて顔から紫色の光線を発射したり、両腕の先から刃を伸ばして斬り付けるといった小技も駆使し、オメガと同等以上の強さを発揮する。
また、紫色のバリアを張って敵の攻撃を防御する事も可能。
だが、その最大の能力は
胸部の発光器官から放つ漆黒の「洗脳波動」により、それを浴びた怪獣を自身の配下として使役できる点。
これにはメテオカイジュウも含まれており、いざという時にはその能力で従えているダークヴァルジェネスを召喚して人海戦術を仕掛け、さらに劇中では既に
ホシミ・コウセイの制御下にあり、なおかつオメガにアーマーとして装着されていたトライガロンを操り、オメガを自傷させるという芸当までこなしている。
自分自身やダークヴァルジェネスのハイスペックさも相俟って総合的な戦闘能力は非常に高いのだが、そんなゾヴァラスにも特定の周波数の音波に弱いという弱点を抱えており、地球ではカラスの鳴き声がその弱点の音波に該当する。
一度それを浴びればその瞬間に戦闘を続けられないほどに苦しみだし、怪獣の洗脳も薄まってしまつ。
また、ある意味当然ながら怪獣の洗脳は胸部の発光器官が核になっている為、そこを破壊されると能力を失ってしまう。
メテオカイジュウ・ダークヴァルジェネス
身長:ミクロ〜65m
体重:0〜4万t
スーツアクター:岡部暁
ゾヴァラスが使役するメテオカイジュウ。
甲冑を纏った巨大な赤い鳥というべき姿をしており、頭部には西洋甲冑を思わせる仮面が張り付けられ、腕と一体化した巨大な翼を持つ。
飛行できるのはもちろん、翼を刃物のように振るって相手に斬撃を見舞う事もできるが、その真価は
火・水・風・土の4つのエレメントを自在に操る点。
激しい羽ばたきで突風を起こす、石の柱で相手を取り囲んで動きを封じる、巨大な水の球に相手を閉じ込め、火球でそれを熱する事で水蒸気爆発で吹っ飛ばすなど、
これまでのメテオカイジュウと比較しても明らかに多芸かつそのどれもが高出力というハイスペックぶりであり、ヴァルジェネス単体でも(奇襲込みとはいえ)オメガを苦しめる実力を誇る。
また、巨大な三つ叉の槍「ヴァルジェネスハルバード」に変形し、ゾヴァラスの武器にもなる。
メテオカイジュウなので、対応するウルトラメテオや胸部にはその証であるウルトラメテオを模した結晶があるのだが、どれも漆黒に染まっている上、オメガに敵対しているという不可解な部分が多いが……?
【劇中での行動】
■第14話「オメガ抹殺指令」
冒頭にて地球に飛来。
とある作業場に全裸で落下した所、自身を心配して駆け寄ってきた作業員の男性を襲撃して作業服を強奪。
そのままソラトを探して町中を彷徨っていたところ、とある土手でコウセイと語らっていた彼を発見し、そのまま交戦。
お互いに人間離れした動きとパワーで町中を駆け巡りながら肉弾戦を展開する中、失われていた記憶がフラッシュバックした頭痛に悩まされるソラトを圧倒するが、後を追ってきたコウセイの援護で攻撃を食らうと、今度は巨大化してオメガになったソラトと戦闘を続行。
光線や両腕の刃で優位に立つも、コウセイが召喚したトライガロンの加勢を許し、トライガロンアーマーで止めを刺されかけるも、
そこでゾヴァラスも負けじとダークヴァルジェネスを召喚すると、エレメント攻撃やヴァルジェネスハルバードによる槍術で戦況を一変させ、トライガロンアーマーも半ば強制的に解除させてトドメを刺す寸前にまで追い詰めたが、
その最中に飛び立ったカラスの群れの鳴き声を聞いて苦しみだし、ヴァルジェネスハルバードも維持できないほどに弱体化。
最後の抵抗としてオメガが放った光弾をバリアで防ぎながら撤退していった。
結果は痛み分けに終わったが、カラスの群れという不確定な要素が絡まなければオメガが負けていた可能性は高く、怪獣とは全く違う脅威の強さは、劇中のキャラクターに深く刻まれることとなった。
■第15話「守る者たち」
このエピソードでは、地球に来る前のオメガとの過去が明かされた。
第1話以前、ゾヴァラスは月面にてオメガやメテオカイジュウ達と戦っており、数の差をものともせずに彼らを圧倒。
途中、ヴァルジェネスからの奇襲を受けそうになるも、洗脳波動で逆に自身の支配下に置くと武器に変形させて攻撃し、レクリュート光線を弾き飛ばした後に発射した光線でオメガを吹き飛ばした。
ここまで読んで分かる通り、ヴァルジェネスは元々レキネスやトライガロンと同じくオメガの仲間であり、ゾヴァラスはそれを横取りしていたに過ぎなかった。
本編では改めてソラトを追跡し、人気のない場所にまで現れると、ソラトに対して「ヴェス・ナギル・"エグラータ"」という謎の言葉を発した直後に巨大化し、再びオメガと激突。
再びダークヴァルジェネスを召喚し、ヴァルジェネスハルバードで一気に片を付けようとするが、オメガによってとある地点まで押し込まれ、足止めを喰らう。
実はソラトは自分だけで再戦を挑んで勝てるほど甘くないと判断しており、周囲の知恵を借りた上で行動していた。
前回の戦いから弱点を見抜いていたコウセイや、NDFに発言力のあるウタ・サユキの行動により、NDFは巨大スピーカーからカラスの鳴き声を大音量で流し、ゾヴァラスを弱体化させる「ヤタノ作戦」を展開しており、そもそもソラトはゾヴァラスを作戦区域に近づけさせるべく、自ら囮になっておびき寄せていたのである。
結果、作戦区域にまで誘導されたゾヴァラスはそこで自身の弱点である音波を大音量で浴びて悶絶。
ヴァルジェネスハルバードを弾き飛ばされ、その拍子にダークヴァルジェネスも本来の姿に戻るが、ここで想定外の事態が発生。
ゾヴァラスの洗脳が中途半端に解けた影響でダークヴァルジェネスが自我を失って暴走し、敵味方関係なく無差別破壊を始めてしまう。
結果、ゾヴァラスを弱めていたスピーカーは全て破壊され、ダークヴァルジェネスも再洗脳の危機に陥るが、ここで立ち上がったコウセイがメテオカイジュウ達と共にその体に飛び移り、
必死に訴えかけた事でダークヴァルジェネスは本来のヴァルジェネスとしての自我を取り戻し、コウセイを真の使い手として認めると、洗脳をはね除けてゾヴァラスを攻撃。
当のゾヴァラスは胸部の発光器官を破壊されて最大の能力である洗脳波動を失い、そのまま今までのお返しと言わんばかりにヴァルジェネスからの攻撃を受け続ける。
さらにはオメガの新形態・ヴァルジェネスアーマーが発動するとそれに翻弄され、最期はヴァルジェネスハルバードクアドランズを受けて爆散した。
こうして、ゾヴァラスやゲネス人の企みは水泡に帰するのだった。
【余談】
- 演じる新田氏は、当時放送中だった『仮面ライダーゼッツ』にて主人公である仮面ライダーゼッツのスーツアクターも担当しており、当時は「ウルトラマンと仮面ライダーに同時期に出演した」「実質ウルトラマンVS仮面ライダー」などと評された。
- 「地球外の存在」「ウルトラメテオを首から下げた姿」「メテオカイジュウと共に戦う」「地球に降り立った時点では全裸」などソラト/オメガとの共通点が随所に見られる一方、「自分以外の者達とマイペースながらも交流して感情や情緒を育み、確かな信頼関係によってメテオカイジュウとも「協力」していくソラト/オメガ」に対し、
「自分以外の全てを敵と認識して躊躇無く踏みにじり、課された使命を果たすこと以外に一切思考せず、メテオカイジュウも洗脳して無理矢理「隷属」させて戦うゾヴァラス」といった具合で徹底して対照的にも描かれており、少ない出番ながらもライバルキャラのような立ち位置が強調されている。
- 本作のナレーターの一人である佐那内レミからは、彼女の「推し」であるオメガをボコボコにしたことから激しく恨まれており、第14話の次回予告では「角が生えた気味の悪い巨人」と称された。
マ・ドゥーク・荒らし……イ・レーヴォ・追記・修正……
- 第1話冒頭の「謎の発光体に撃墜されたオメガ」と15話で明かされた「ゾヴァラスに撃墜されたオメガ」の描写が微妙に噛み合ってなくて何かまだミスリードがありそうなんだよね -- 名無しさん (2025-10-25 00:18:04)
- 印象としては黒いウルトラマンって感じなんだよな…胸部がカラータイマーにも見えるし -- 名無しさん (2025-10-25 00:30:33)
- ゼットンのソックリさん、また出た -- 名無しさん (2025-10-25 01:12:17)
- 抹殺されたと思われる作業員はオメガダンスの動画に出てた人 -- 名無しさん (2025-10-25 01:19:35)
- ゲネス人の末裔が地球人とかだったら皮肉が効いてるんだが -- 名無しさん (2025-10-25 14:44:01)
- 何を殲滅と創世するのか -- 名無しさん (2025-10-25 15:09:39)
- 描写的に作業員の人殺されたよな。掴んでた首の骨折る音したし -- 名無しさん (2025-10-26 18:02:02)
- 姿はゼットン、目的はバルタン、行動はレオ系宇宙人かな。 -- 名無しさん (2025-10-26 18:04:26)
最終更新:2025年10月26日 18:04