参院厚生労働委員会は2日、月に60時間を超える部分の残業代割増率を50%以上に引き上げることを柱とする労働基準法改正案を、自民、民主、公明の賛成多数で可決した。3日の参院本会議で可決、成立する見通しで、準備期間を経て10年4月に施行される。 残業に対する今の賃金割増率は一律25%。政府は「50%以上」の割増率を新設し、適用する残業を「月80時間を超える部分」とする改正法案を提出したが、与党と民主党は「月60時間を超える部分」に適用範囲を拡大する法案修正に合意していた。 従業員に長時間労働をさせた企業の負担を重くすることで残業を減らす狙いがあり、月45時間超〜60時間の残業への賃金割増率についても25%を上回るよう努力義務を課している。ただ、中小企業に対しては、当面、新基準の適用を猶予する。【吉田啓志】 【関連ニュース】 厚労省:6割の部署が午前0時まで残業 3時以降も26% 労基