東京電力の家庭向け電気料金の引き上げについて妥当性を審査する経済産業省の電気料金審査専門委員会(委員長・安念潤司中央大法科大学院教授)が二十二日開かれ、電気料金を算出する際の重要な要素となる社員の給与水準に関し、東電の申請内容を「妥当」とすることで委員の意見が大筋一致した。 ただ、この日に開かれた東電の値上げの妥当性を消費者の目線で検証する消費者庁の検討会合では、給与水準の追加削減を求める意見が続出。東電社員の給与水準をめぐる議論の収束には、まだ時間がかかりそうだ。 東電は福島第一原発事故を受け、社員の給与や賞与を20~25%カットし、平均年収を七百七万円から大企業平均に近い五百五十六万円に減らす条件で値上げを申請。これに対し、これまでの公聴会などでは、利用者や消費者団体から「多額の公的資金を受ける東電の給与が『世間並み』では高すぎる」との批判が相次いでいた。