SNS上などに中傷や個人情報を投稿されたとして、福岡市の男性が知人に投稿禁止などを求めた訴訟で、福岡地裁(林雅子裁判官)が、男性に関する投稿を将来にわたって禁じる判決を言い渡していたことがわかった。インターネット上の投稿の趣旨を限定せず禁じるのは異例。識者は「表現の自由を不当に制約するおそれもある」と指摘する。 14日付の判決によると、男性は知人を貶(おとし)める内容の書面を自宅に送るなどの迷惑行為を行い、知人も男性を中傷する投稿を繰り返してトラブルとなっていた。知人は、第三者が閲覧できるLINEやグーグル検索で表示される公的施設の口コミ欄に投稿し、男性の氏名や住所、電話番号などの個人情報を書き込んだほか、「ストーカー」といった中傷にまで及んだ。知人が男性の迷惑行為に対する損害賠償を求めて提訴し、男性が反訴していた。
首都圏青年ユニオンの団体交渉で抗議を受けた社会保険労務士が、同ユニオン役員2人に550万円の損害賠償を請求したスラップ(どう喝)訴訟の判決が東京地裁で出されました。佐久間健吉裁判長は、社労士の訴えを棄却。青年ユニオンの活動の正当性が明らかになりました。 事件は2016年12月、青年ユニオンと居酒屋との団交に出席した会社側「執行役員」が、開業した社労士だと判明。組合側は「非弁行為だ」と抗議し、ツイッターでも問題が広がりました。 居酒屋とは和解し、同社ホームページも「円満に解決した」と掲載。しかし、社労士は誹謗(ひぼう)中傷を受け社会的評価が低下したと称して17年12月、原田仁希委員長、山田真吾事務局長(当時)を訴えました。組合側は、正当な労働組合活動だと主張しました。 判決は、「提訴の目的は、組合の活動を指弾し、これに掣肘(せいちゅう)を加えることにある」と認定。組合員の言動は「不法行為とは
駅前でポーズをとって静止する「マネキンフラッシュモブ」のパフォーマンスをした神奈川県海老名市議に対し、市が禁止命令を出したのは表現の自由を保障した憲法に違反するなどとして、市議らが命令の取り消しなどを求めた訴訟で、横浜地裁は8日、命令を取り消す判決を言い渡した。大久保正道裁判長は、命令の根拠となった条例の適用を市が誤ったと判断した。 マネキンフラッシュモブとは、参加者が衣装を着てポーズをとり、プラカードを持ったままマネキンのように静止するパフォーマンス。吉田美菜子市議(33)らは昨年2月、海老名駅前の通路で、「アベ政治を許さない」などと書いたプラカードを持ってこのパフォーマンスをした。 市は、駅前通路での集会やデモを原則として禁止した駅自由通路設置条例に違反するとして、無許可のパフォーマンスを禁じたうえ、従わない場合は過料の支払いを求める内容の命令を同年3月に出していた。約10人でパフォー
勝訴したサウンドデモ裁判 〜原告の報告「福岡サウンドデモ裁判 表現の自由をめぐって」筒井(福岡地区合同労組)です。 私たちが闘っていたサウンドデモ裁判が1月14日勝ちました。 以下、原告の一人いのうえしんぢ君の報告を紹介します。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「福岡サウンドデモ裁判〜表現の自由をめぐって〜」 原告 いのうえしんぢ 誰かを殺したくも、殺されたくもない。 しかし、2011年3月11日に、そんな生死が原発事故によって左右されること。僕たちが 日々使っている電気が、誰かの命を縮める被ばく労働によって支えられていること。人類 には手の負えない核のゴミが永遠に残るということなどが、フクシマから世界中に知らさ れました。 そんな原発を止めたいというメッセージを路上から届けるため、2011年5月8日へ脱原発 サウンドデモを企画しました。このサウンドデモを
判決後、統一教会佐賀教会で “佐賀大学裁判勝訴記者会見”をする 原稿代理人ら統一教会関係者 (統一教会公式サイトより 25日、佐賀地裁で「大学のカルト対策」の正当性を認めた画期的な判決が下された。 統一教会を批判したとして佐賀大学の准教授と、この准教授を採用した佐賀大学に対し、統一教会の学生組織CARP(原理研究会)に所属していた元女子学生(24)とその両親(いずれも統一教会信者)が440万円の損害賠償を求めていた訴訟の判決言い渡し。 佐賀地裁は、原告の請求額のごく一部を認めたものの、統一教会の所業の違法性を指摘、大学のカルト対策について「大学は学生に対し安全配慮義務を負ってい る」「霊感商法等の社会問題を起こした統一教会に対して適切な表現を用いて批判的な意見を述べることは社会的相当性を有する」と言及し、大学のカルト対策 の正当性を認めたのだ。 佐賀地裁の波多江真史裁判長は准教授の元女学生
政党ビラ配布事件の最高裁判決で有罪が確定し、支援者らにあいさつする荒川庸生被告=30日午前10時44分、東京都千代田区隼町、豊間根功智撮影 政党のビラを配布するために東京都葛飾区のマンションに立ち入ったことで、住居侵入罪に問われた住職の荒川庸生(ようせい)被告(62)の上告審判決が30日、あった。最高裁第二小法廷(今井功裁判長)は「表現の自由の行使のためとはいっても、管理組合の意思に反して立ち入ることは管理権を侵害する」と述べて弁護側の上告を棄却した。一審・東京地裁の無罪判決を破棄して罰金5万円を言い渡した二審・東京高裁判決が確定する。 判決は、マンションの入り口に「チラシ・パンフレット等広告の投函(とうかん)は固く禁じます」などの張り紙があったことを挙げ、「張り紙の内容や立ち入りの目的などからみて、立ち入りが管理組合の意思に反するものだったことは明らかで、荒川住職もこれを認識していた
「横浜事件」第4次再審判決を前に、横浜地裁に入る小野元被告の遺族・弁護団(30日午前9時41分)=吉岡毅撮影 戦時中最大の言論弾圧事件「横浜事件」の第4次再審請求で、終戦直後に治安維持法違反で有罪が確定した出版社「改造社」の元社員、小野康人さん(1959年死去)の再審判決が30日、横浜地裁であり、大島隆明裁判長は、有罪か無罪かの判断をせずに裁判を打ち切る「免訴」を言い渡した。 別の元被告らが申し立てた第3次請求の再審も昨年3月、同法の廃止などを理由に最高裁で免訴が確定している。 小野さんは、共産主義を啓蒙(けいもう)する論文の編集に関与したなどとして神奈川県警特別高等課に逮捕され、45年9月に懲役2年、執行猶予3年の有罪判決を受けた。 昨年10月の再審開始決定で横浜地裁は、有罪の根拠とされた小野さんの自白を「拷問によるもので信用性は認められない」と指摘。特高が「(当時は非合法の)共産党再建
お久しぶりの更新です(反省)。 さて、まずは、最初にお知らせをひとつ。 TMI総合法律事務所に、青色発光ダイオード訴訟や巨額の課税処分取消訴訟等で著名な 升永英俊先生 が加入されましたが、この度、升永先生の加入を記念いたしまして、次のとおり、升永先生による企業向け税務訴訟セミナーを開催することになりました。 テーマ: 「租税法律主義の現代的意義」 ①日本と租税法律主義 ②最新判例(航空機リース事件、 映画フィルム・リース事件、外国税額控除事件等) 日時: 10/29(水) 10:00~12:00(受付開始9:30) 会場: TMI総合法律事務所 Room 8 講師: 升永英俊 TMI総合法律事務所弁護士 参加費: 無料 升永先生が、これまで担当された税務訴訟のうち、主要なものだけをあげても ・1330億円贈与税決定処分取消等請求事件 東京地裁 平成19年5月23日 判決(税経通信62
後者の記事では、田島先生も、表現行為の濫用とメディアの姿勢批判を表明されている。それだけ、表現の自由との関係ではカバーできない、飛び離れた行動を橋下弁護士としてしたということだし、それを利用したテレビ番組も自らの自律性を傷つける行為を行ったということである。 判決要旨によれば、被告人の弁解を弁護団として主張していることについて許されるべきでないとの意見・論評については、違法性がないとしている。これに対して弁護団が当該被告人の弁解を創作したとの事実を摘示した部分は、名誉毀損に当たるとした。 そして懲戒請求をすべきことを呼びかけた発言については、懲戒に相当する弁護活動を行っているということで社会的評価をさげ、真実性も認められないとした。 懲戒制度については、弁護士に対する懲戒請求者がその裏付け根拠を調査検討する義務があり、一般人に懲戒申立てを呼びかける必要があることは想定できず、適法行為であっ
少し時間がたってしまいましたが、新聞ジャーナリズムをめぐって前例を思い起こすことができないくらい異例で、なおかつ社会の表現の自由を考える上でも重要な問題だと考えていることですので、記録に残す意味も含めて、このエントリを書くことにしました。 小泉純一郎首相の元で郵政民営化が最大争点になった2005年9月の衆院選の投開票日前日に、東京都内の警視庁職員官舎の集合郵便ポストに共産党の機関紙「しんぶん赤旗」を配布していた厚生労働省の元課長補佐が、住居侵入の現行犯で逮捕されました。住居侵入容疑については不起訴でしたが、国家公務員の政治的行為の制限を定めた国家公務員法に違反するとして、国家公務員法違反罪で起訴されました。東京地裁は9月19日、求刑通り罰金10万円の判決を言い渡しました。 前例のないほど異例、というのはこの判決の翌20日付け朝刊の新聞各紙の報道ぶりです。東京都内の最終版を調べた限りでは、次
天皇家を題材にした映画「天皇伝説」など2作品の上映を予定していた横浜市開港記念会館(同市中区)の使用許可を取り消したのは違法だとして、映画監督、渡辺文樹氏(55)が不許可処分の取り消しなどを求めていた訴訟で、横浜地裁は10日、会館の使用許可を市に命じる決定をした。 北沢章功裁判長は「使用許可を取り消さなければ混乱を防止できないほどの特別な事情は認められない」と判断した。 決定によると、横浜市中区は9月、10月14、16日の2日間の会館使用を許可したが、10月1日付で「過去に(使用を許可した際に渡辺氏が)会場や周辺の管理ができていない状況があり、指導に従わない恐れがある」として取り消した。 横浜市中区は「当方の主張が認められず残念だが、裁判所の判断なので上映は認める」とコメントした。
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