去る6月、YouTubeに投稿されたあるミュージックビデオが話題になった。楽曲のタイトルは「Sai no Kawara」。制作したのは、2018年に発覚した医学部不正入試の被害者男性「crystal-z(クリスタル・ズィー)」(35)だ。彼の身に何が起きたのか。なぜこのMVを作ったのか。本人に聞いた。(取材・文:長瀬千雅/撮影:長谷川美祈/Yahoo!ニュース 特集編集部)
[Part1] リリーの訴え、判事の怒り。そして、オバマが署名した 10月17日。米国北東部、バーモント州のランドルフという人口約5000人の町で、300人以上が「彼女」の登場を待っていた。 地元上院議員の紹介で壇上に現れると、聴衆は総立ちになり、会場は大きな拍手に包まれた。 リリー・レッドベター。71歳。 米国南部・アラバマ州の工場で働いていた名もない女性はいま、全米を渡り歩き、講演をしている。開いた手帳にはびっしりと予定が書かれていた。 「ニューヨーク、カンザス、ワシントン、ニューメキシコ、シカゴ、ローマ、バージニア……全部1カ月で行ったのよ」。首都ワシントンでも「リリーだ!」と人垣ができ、サインを求められるという。 ランドルフで、レッドベターは静かに、力強く、その半生を語り始めた。 ランドルフの聴衆に向けて語りかけるレッドベター=宮地ゆう撮影 79年から19年間、タイヤとゴムを製造す
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