「差別」か「人格総合評価」か?ボストンの連邦裁判所で、ハーバード大学を相手にした訴訟が進行中だ。 原告団の主張は、ハーバードの入学審査では、アジア系アメリカ人には他の応募者よりも高いハードルを課されており、これは人種差別である、というものである 。 ハーバードの今年度の新入生のうち、約23%がアジア系アメリカ人であり、アフリカ系アメリカ人とヒスパニック・ラテン系がそれぞれ約15%と12%を占めている。より公平な「人種的中立」な審査方法であれば、アジア人の割合はもっと高くなるはずである、というのである。 これだけみると、差別に抗議するリベラル団体による訴訟であるかのように捉えられるが、現実はずっと複雑である。というのも、Students for Fair Admissions(公平な入学を求める学生たち)という原告団を代表しているエドワード・ブルーム氏は、これまでにも同様の訴訟を起こしてきた