11月1日、ユーロ圏の金融政策を巡る議論は間もなく一段と紛糾するのではないか。ゼニツァで2015年撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic) [ロンドン 1日 ロイター BREAKINGVIEWS] - ユーロ圏の金融政策を巡る議論は間もなく一段と紛糾するのではないか。10月の地域全体の消費者物価指数(速報値)は前年比10.7%上昇したが、これでは各国ごとに非常に物価上昇のばらつきがある現実が見えてこない。フランスの前年比上昇率は7%、ドイツは12%、エストニアは22%に達する。そのため欧州中央銀行(ECB)の利上げ政策はある国にとって行き過ぎとなる半面、別の国には不十分になってしまう恐れが出てきているのだ。 ユーロ圏各国の物価上昇率の格差は、新型コロナウイルスのパンデミックに起因する景気後退(リセッション)とともに始まった。加盟国それぞれのロックダウン(都市封鎖)政策やワクチン接