万葉集を開くと、最初に詠まれている地名がほかならぬ「大和」です。次に出て来るのが「天の香具山」。... 万葉集を開くと、最初に詠まれている地名がほかならぬ「大和」です。次に出て来るのが「天の香具山」。舒明天皇の国見歌と呼ばれる歌です。 大和には 群山(むらやま)あれど とりよろふ 天(あめ)の香具山 登り立ち 国見(くにみ)をすれば 国原(くにはら)は 煙(けぶり)立ち立つ 海原(うなはら)は 鴎(かまめ)立ち立つ うまし国ぞ 蜻蛉島(あきづしま) 大和の国は 天の香具山は現在アマノカグヤマとよみならわしていますが、万葉集ではアメノカグヤマとよむのが通説です。『古事記』の倭建命の歌に「阿米能迦具夜麻(あめのかぐやま)」と万葉仮名で記されているので、上代はそう読んだのだろうと推測されるからです。 アメノにせよアマノにせよ、万葉集で「天の」という修飾句のつく地名は香具山だけで、いかにこの山が特別視されたかわかります。 「天」が付くのは、この山が天から降って来たという伝承があったためで、『釋日本紀
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