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ヴォルデモート卿 - アニヲタWiki(仮)【10/26更新】 - atwiki(アットウィキ)
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ヴォルデモート卿

登録日:2009/06/28 Sun 23:03:44
更新日:2025/10/26 Sun 13:51:05NEW!
所要時間:約 20 分で読めます


タグ一覧
71歳 Dark Lord Tom Marvolo Riddle→I am Lord Voldemort(俺様はヴォルデモート卿だ) Who-Must-Not-Be-Named You-Know-Who えなりかずき ご主人様 だいたいこいつのせい アナグラム アバダ・ケダブラ エゴイスト コメント欄ログ化項目 サラザール・スリザリンの継承者 ザオリク ザラキ スリザリン トム トム・マールヴォロ・リドル トム・リドル ニワトコの杖 ネタバレ項目 ハリーの不幸の元凶 ハリー・ポッター ペベレル ホグワーツ始まって以来、最高の秀才 ラスボス レイフ・ファインズ ヴォルデモート ヴォルデモート卿 人面 人面疽 人面瘡 仇敵 例のあの人 俺様 俺様野郎 元はイケメン 分霊箱 利己的 力こそ正義 半純血 名前を言ってはいけないあの人 宿敵 小物 小物界の大物 快楽殺人 我が君 暴君 最凶最悪 本名だと誰かわからない人 死からの飛翔 殺人鬼 江原正士 演者の怪演 狂人 狡猾 監督生 石田彰 福山潤 秀才 秘密の部屋 継承者 自滅 親の仇 選民思想 闇の帝王 闇の魔法使い 闇堕ち 面白おじさん 首席 魔法使い




お じ ぎ を す る の だ !!


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演者:
 ◆成人時代
  リチャード・ブレマー→レイフ・ファインズ(炎のゴブレット以降)
  吹き替えはいずれも江原正士

 ◆幼少~学生時代
  クリスチャン・コールソン(秘密の部屋/吹き替えは石田彰)
  →フランク・ディレ(謎のプリンス/吹き替えは福山潤)とヒーロー・ファインズ・ティフィン(11歳/小林翼)

 ◆ゲーム「秘密の部屋」
  えなりかずき ※トム・リドルの声を担当



【概要】

「後ろを見せるなハリー・ポッター! 死の瞬間まで俺様を見ていろ! その目から、光が消えるのを見たいのだ!!」
映画版『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』より

ヴォルデモート卿(Lord Vordemort)とは、ハリー・ポッターシリーズラスボス
「史上最凶最悪にして最も残忍な魔法使い」と称される男性魔法使い。

純血主義とマグル排除を掲げて活動し、英国魔法界を大混乱に陥れた。
「闇の帝王」とも称され、その悪行の凄まじさは、前代に猛威を奮った“黒い魔法使い”ゲラート・グリンデルバルドの所業を人々が忘れかけてしまったほど。
それ故に名前を口にすることすら憚られ、作中では専ら「名前を言ってはいけないあの人」「例のあの人」(He-Who-Must-Not-Be-Named/You-Know-Who)などと呼ばれる。
部下の『死喰い人(デス・イーター)』たちさえも「闇の帝王」「我が君」「ご主人さま」としか呼ばない。
一方で、反ヴォルデモート筆頭アルバス・ダンブルドアは「隠語で呼ぶと個人と恐怖が同化してしまう」という考えの元、構わずヴォルデモートと呼び、不死鳥の騎士団団員たちの一部もそれに倣っている。
ヴォルデモートと名前で呼ぶことは「闇の帝王」に対して抵抗の意志を示す象徴と言えるだろう。

物語開始時点では主人公ハリー・ポッターによって犬畜生以下までに弱体化されているが、4巻にて復活を果たす。
ダンブルドア曰く、赤ん坊ハリーに撃退される前は、「不滅、或いは他の誰も到達できぬ程に不滅に近かった」らしい。

彼が率いる死喰い人は残虐性ならば主に勝るとも劣らないが、大半は良い見せ場がなく、遥か年下の子供にフルボッコにされる始末である。
彼が自ら闇の魔術を教え込んで鍛えたというベラトリックス・レストレンジは一流の魔法使いを何人も打ち負かすほどの実力を持っていたため、育成能力が低いわけではないのかもしれないが…。

味方陣営最強のダンブルドアをも超える作中最強の存在……なのだが、その実力は読者から疑問視されていた。
何故なら、劇中で使用する魔法の大半が許されざる呪文(バカ強い魔法のゴリ押し)だからである。
他の魔法も使用しているものの、どのような効果を発揮するのか描写されているものは少なく、重要な局面でも最後の最後までだいたい死の呪い(アバダケダブラ)オンリー。
地形や距離等の状況に応じて他の魔法と使い分ければ、余裕でハリーをブチ殺せたはずなのに……。

もっとも、死の呪いオンリーなのは「この呪文に対抗呪文が存在しない=普通の呪文で対抗手段がないというあり得ないレベルのチート性能があるから」ではある。
いちいち戦術を思案するのが面倒だからイオナズンを連打して雑魚掃除を雑にする心境と推測されるが、そもそもこの術を通常攻撃のようにホイホイ使えるこの人がおかしいだけである。
熟達クルーシオ無しでアバダを直接擦りまくれるわけだからね。

そしてあまりにも残念な描写が多い故か、様々な媒体で色々とフォローが入れられている。
映画シリーズにおいては、半端者が使うと制御出来ずに自滅する『悪霊の火』をも無詠唱で撃って笑いながら制御出来たり、尋常ではない魔力がいるらしい許されざる呪文を連発したり、ニワトコの杖(エルダーワンド)の所有権を得られていないにもかかわらず数十~数百人の魔法使いが束になっても崩せない障壁を一人で軽々破壊したり。桁外れの魔力によるド派手な演出が増強されている。

加えて、作者による作品完結後のフォローもある。
本来、箒等の魔法具の類を一切用いずに空を飛べる上位1%の魔法使い*1の中でも頂点に君臨し、この作品の世界観における有史以来最強の魔法使い四傑の1人。
その力は作中でもまだ発展途上で、限定条件下なら因果律にすら干渉*2でき、魔法の法則自体を捻じ曲げる鬼才の持ち主である。
決闘した際に優位に立ってヴォルデモートを追い払うことに成功したダンブルドアにしても、正統な持ち主が使えばその力を段違いに引き上げるニワトコの杖の恩恵に与って、辛うじてやや優勢(映画では押され気味な場面も)に持ち込めていたのが実情である。
ダンブルドアは老いた自身とヴォルデモートの間の歴然たる地力の差を痛感し、強い焦りを覚えた程だった。

グリンデルバルドが後の『ファンタスティック・ビースト』シリーズにおいて映像技術の進歩から「(ニワトコの杖を使用していることも相まって)ヴォルデモートより強いのではないか?」というファンからの疑問も作者は否定しており、
「ヴォルデモートこそが魔法界史上最強にして最悪の魔法使いである」と太鼓判を押されるくらいの別格の才能を持っていたことは確かのようだ。

自身の敗北に対して臆病な割に自信過剰という慢心的な気質から来る、頭が足りていないと疑う程の愚行の数々が全てを台無しにしているのかも知れない。

映画ではずっとハリーとタイマンだったが、原作小説ではミネルバ・マクゴナガルホラス・スラグホーンキングズリー・シャックルボルトの3人の優秀な魔法使いを相手に1人で戦っている
さらにベラトリックスが倒されたことでブチ切れ、すぐに3人をぶっ飛ばして一蹴しハリーの方へ行ってしまった。



以下、ネタバレ





人物

その人柄は冷酷にして残忍
作中では己の目的にとって何の障害にもなりえない、善良な母子を殺害したこともある。
ポッター家を襲撃した際も、せめて息子だけは助けてほしいと哀願するリリーを高笑いしながら惨殺していた。
また、とにかく怒りっぽい側面もあり、7巻では怒りに任せて死の呪文を乱射して、その場に居合わせただけのゴブリンや魔法使いを何人も死に至らしめる場面もあった(要するに単なる八つ当たりである)。

後述の通り、学生時代はその類まれなる才能や優れた容姿ゆえに(ダンブルドアを除く)あらゆる学生および教師陣から絶大な支持を得ていた彼だったが、ヴォルデモートとして暗躍し始めた頃を境にそのカリスマ性も失われていった模様。
事実、ハリー殺害に失敗して一時的に力を失った頃にはほとんどの部下が彼を見捨て、「自分は服従の呪文で操られていただけだ!」と嘯く始末。
彼の消息を真剣に案じていたのは、ベラトリックスやクラウチJr.といったごく一部の狂信的な支持者だけだった。

これだけの影響を魔法界にもたらした彼だったが、自身の支配下に置いた魔法界をどのように牽引してゆくのかというヴィジョンについてはまったくと言ってよいほど語られていない。
かろうじて政治思想として挙げられるのは純血主義くらい。それも後述する通り彼自身は純血ではないため、単なる自分に持ちえない肩書きに対するコンプレックスの裏返しにすぎない。
児童書という媒体ゆえに小難しい政治の話はオミットされているだけなのかもしれないが、魔法省の掌握さえも単なる自己顕示の手段にすぎない可能性も十分に考えられる。
いずれにせよ、作中世界の秩序の再構築という明確な目標をもって暗躍していた別作品の支配者ヴィランとは似て非なる存在と言える。

貴重な古い魔法道具、それも自身も愛着があるホグワーツにゆかりのある品のコレクターという一面も持つ。
ホラス・スラグホーンをはじめ、多くの蒐集家を輩出してきたスリザリン寮だが、彼が他のスリザリン生と一線を画すのは蒐集に際して暴力の行使も辞さないこと。
その悪癖は幼少期の頃から発揮されており、同じ孤児院の子供たちから物を巻き上げてはタンスにコレクションしていた。
そして、時には殺人さえも犯して欲しい物を奪った後に、自身に疑いの目が向けられないよう入念にスケープゴートを用意するため始末に悪い。

そんな彼が最も恐れるものは“”。
見た者が最も恐れるものに変身するまね妖怪(ボガート)は、彼の前では彼自身の死体に変身するという。
この死から逃れるために、彼はもっとも忌むべきある闇の魔術にさえ手を出していた。
ダンブルドア曰く「死よりも恐ろしいものがあるということが理解できないのが昔からの弱点」。

学生時代から人心掌握に長けていた彼だが、彼自身には愛という概念が根本から理解できない。
かろうじて(物以外に)愛着を示したのは、ペットのナギニくらいのものである。

総括すると、高すぎる能力に反して恐ろしく精神的に未熟な、危険かつ幼稚な魔法使い。それがヴォルデモート卿という人物なのである。
最終決戦では遥か年下のハリーとの舌戦でたじろぐ始末であった。



過去

本名「トム・マールヴォロ・リドル」(Tom Marvolo Riddle)。

偉大な魔法使いサラザール・スリザリンの末裔であり、その血筋故に蛇語を話すことができる蛇語使い(パーセル・マウス)である。
母方のその血を誇りに思っているのと同時に、父方のマグルの血にはコンプレックスと憎悪を抱いている。

また、旧純血家系“ペベレル”の末裔(次男の直系)でもある。
因みにポッター家もペベレルの末裔の一つ(三男の直系)なので、ハリーとは遠い親戚関係ということになる。

父はマグルのトム・リドル・シニア、母は魔女のメローピー・ゴーント。
トムに恋したメローピーは、愛の妙薬(惚れ薬)を使ってトムを自分に惚れさせて駆け落ちし、身籠る。
この辺りでトムの心を魔法で操作することに罪悪感を覚え薬の使用をやめたが、その途端トムはメローピーとお腹の中の子を捨てて実家へ帰ってしまった*3らしい(ダンブルドアによる推測)。
そのショックからメローピーは魔法を使うこともままならなくなり、困窮の末にマグルの孤児院に駆け込み、出産の1時間後に彼女は亡くなった。
これが1926年の大晦日のことで、この時生まれたのがトム・マールヴォロ・リドル、後のヴォルデモート卿である。
トムは父の名前、マールヴォロはメローピーの父(即ち母方の祖父)の名前である。

作者曰く、彼の生い立ちは「愛のない結婚が生んだ不幸」。
もっとも全ての孤児が彼のように育つはずもないので、もともと彼の中に何らかの“歪み”が内包されていた可能性は否めない。*4

孤児院で育った幼い頃から自分の「力」には気付いており、同じ孤児院の子供にそれを用いて暴力をふるったり、物を巻き上げたりしていた。
11歳の夏、ダンブルドアの訪問により自身が魔法使いであると知り、ホグワーツ魔法魔術学校へ入学する

学生時代にはホグワーツ始まって以来の秀才と謳われ、ダンブルドアを除く教授陣や仲間内からは絶大な信頼を得ていた。
本人にとっても創始者であるスリザリンの末裔であるというプライドや、自身の居場所と言える初めての場所というのもあってホグワーツへの愛着はけっこうなものがある様子。
在学中に「秘密の部屋」「必要の部屋」といったホグワーツの秘密についても研究をしており、秘密の部屋に住むバジリスクを使ってマートルを殺害している
この一件は巨人の血を引き危険生物に興味を抱いていたルビウス・ハグリッドになすりつけられ、彼は退学に追いこまれた*5
しかしダンブルドアだけはトムを不審に思い、監視の目をさらに強めたことでホグワーツではこれ以上のことはできなかった。
この頃から既に魔法界支配の為の計画を練り始めており、母を捨てた父と父方の祖父母は在学中に殺害している。
日本語訳版の墓の挿絵は妙にシュール。
同時に母方の祖先が代々受け継いできた、ペベレルの指輪もゴーントから盗み出している。
レイブンクロー寮のゴースト「灰色のレディ」の正体を暴き、その秘宝の場所を聞き出したのも在学中のこと*6

……とまあいろいろ画策していたのだが、
  • 「秘密の部屋」はともかく「必要の部屋」は「歴史上自分しか見つけられなかった」「この先この部屋を見つけられる者はいない」と誤認する
    • 実際には1000年間で多くの生徒や教師が、見られたくないものをたくさん放り込んできた。山のような物品があるのは大勢が利用していた証拠である。つまりちょっと気付けば分かること
    • 実は「秘密の部屋」を知っていた先駆者もいた。
      もっとも、それは彼自身の祖先で「部屋」の隠蔽に貢献したコルヴィヌス・ゴーント(もちろんサラザール直系子孫)なので、その件を知ってもヴォルデモート的にはノーカンかもしれないが。
  • 自らが指に填めていたペベレルの指輪が、死の秘宝の一つ「蘇りの石」だということにまったく気付かない
など、「誰も自分に並び立てない」という傲慢やうぬぼれから、変なミスも重ねている。

元々は端正な顔立ちの超絶イケメンだったが、殺人を犯したり、危険な変身を繰り返す内に頭髪は全て抜け落ち、鼻は低く潰れた蛇のような凶悪な顔へと変貌していった。


なお、「ヴォルデモート卿」の名前は本名のアナグラム。

TOM MARVOLO RIDDLE
 ↓
I AM LORD VOLDEMORT(俺様はヴォルデモート卿だ)

となる。
彼は自分の名も過去も捨てたように見えたが、果たしてそれは真であったのだろうか。



以下、重大なネタバレ













分霊箱(ホークラックス)

分霊箱(ホークラックス)は、ヴォルデモートを語る上で欠かせない最凶の闇の魔術であり、またその魔術によって作り出されたアイテムの名前である。

この魔術は、その名の通り何らかの物体を「箱」に見立て、その中に自らの分割した魂を入れるというもの。
本来ならば精々1つか2つ用意するのが限界なのだが、ヴォルデモートはこれによって分霊箱を6つ用意し魂を7分割している*7

分霊箱が「最凶の闇の魔術」と言われているのは、それをつくるためには「最も残虐な行為」=殺人を行う必要があるからである。
それも、自分のことだけを考えた躊躇いや罪悪感を感じず、「明確に殺意を持った故意の殺人」でなければない。
上記の故意の殺人を実行すると文字通り「胸が張り裂ける」ならぬ「魂が引き裂かれる」作用があるが、これを逆手に取って裂けた魂のポーションを「箱」に封ずることこそがこの魔法の本質である。
つまり、ヴォルデモートが殺人を繰り返していた一番の目的は分霊箱の作成だったのである。

分霊箱の存在意義は「死から逃れる」ということに尽きる。
たとえ肉体が死んでも分霊箱がどれか1つでも無事なら現世に魂が残ったまま=死に切らない状態である為、分霊箱全てを破壊した上で本体を殺さなければ、“本当の意味で”殺すことができなくなる。
即ち、分霊箱の数が多いほど、不死身に近い状態を手に入れることができるのだ。
大量の分霊箱を用意したヴォルデモートがいかに自身の死を恐れていたかがわかるというものである。

分霊箱にする物品は形状および大きさは物質であれば何でもいいので、極端に言えばその辺に落ちている石を分霊箱にして大海原のど真ん中に投げ込めば、分霊箱の発見が実質不可能になるのと、闇の魔法で形状が維持されるため絶対に死ななくなる。
……のだが、ヴォルデモートは自分の魂を預ける分霊箱はそれに相応しいものである必要があるという考えのもと、魔法界にとって由緒あり、何より自分にとって初めて家と呼べるホグワーツに縁の深い物品を集めてそれを分霊箱にしていた*8
分霊箱の数を6つにしようとしたのは「最も強い魔法数字は7」という発想から「魂を7つに分ける(本体の魂1つ+分霊箱6つで7分割)」ことにこだわったため。

とはいえ魂を分割するという生命の在り方を脅かしかねない行為に対してメリットばかりという訳がなく、弱体化なり魔法的な代物に対して鈍感になってしまったり、色々とデメリットも伴う。
分割数が増えれば増える程、それらも顕著になっていく。

ヴォルデモートが大量の分霊箱を用意出来たのは、それだけ彼が異常なまでに突出した力量の持ち主である証である。

また、他作品でもよく「命を共有しているものと本体を全く同時に倒さなければ即座に復活してしまう」という敵キャラがいるが、分霊箱はそこまで都合の良いものではない。
分霊箱の場合はあくまで「死後の世界に行くことがない」だけであって、肉体を滅ぼされれば魂だけになってしまい、肉体を復活させるには他者に何らかの蘇生魔法を使ってもらう必要がある。
そのうえ、魂だけでこの世に留まるには非常に強い自我と魔力が必要なようで、並の者では「自分が誰で、何なのか」すら忘れてしまうため、求めている効力からすればハッキリ言って意味が無い。

そして最大のデメリットと言えるのは「もしも分霊箱を一つでも破壊されると魂が欠けた状態=魂が不完全な状態になってしまい、その状態で本来の死を迎えると現世に留まることはおろか死後の世界に行くことも出来ず、自分が誰なのかすら忘れたまま、現世と死後の世界の中間を苦痛とともに未来永劫彷徨わなければならない」という恐るべき代償が存在することである。

ダンブルドアは「ヴォルデモートはそんな呪文を何度も使った為に、もはや人にあらざる邪悪な生き物として、あの蛇のような気持ち悪い顔になったのではないか。」と推測している。
上記の「危険な変身」とはこの副作用(?)の事。
もっとも、父親の家系に似た自分のハンサム顔は嫌いで、蛇には愛着を抱いていたので、むしろ本人的にはこの変貌は結果オーライだったらしい。

分霊箱を破壊するには、「バジリスクの毒」「悪霊の火」といった強力な魔法物質、あるいはその性質を宿した武器が必要。
また、「死の呪文」でも破壊できる可能性があるという。

分霊箱一覧

  • 日記帳(学生時代の私物)
  • ペベレルの指輪(母の実家に伝わる指輪。「純血」の象徴)
  • サラザール・スリザリンのロケット(母の形見)
  • ヘルガ・ハッフルパフのカップ
  • ロウェナ・レイブンクローの髪飾り
  • ナギニ(ペットの毒蛇、雌)
  • ???

ホグワーツ創設者に縁の品を積極的に集め、分霊箱にしていた。
「本体を含め7つ」に分割したので、分霊箱は6つしかない、はずだが…?



【各巻での活躍(ネタバレ注意)】













◆1巻『賢者の石』

「このありさまを見ろ。ただの影と霞にすぎない……だれかの体を借りて、はじめて形になることができる……」

幽体の様な存在になり、アルバニアの森に隠れ住んでいた。
たまたま出会ったホグワーツのDADA教授クィリナス・クィレルを調教して配下に。
その後は彼の体に憑きユニコーンの血を飲みながら命を留め、自分の肉体を取り戻す為、ホグワーツに隠された“賢者の石”を奪おうと暗躍。
ラストでハリーと戦うが、ハリーの身に宿る守護呪文によってクィレルの肉体が崩壊したため、敗走を余儀なくされる。


◆2巻『秘密の部屋』

「サラザール・スリザリンの継承者ヴォルデモート卿の力と、ダンブルドアがくれた精一杯の武器を手にした有名なハリー・ポッターと、お手合わせ願おうか」

分霊箱の1つである日記帳が登場。
中の魂がジニー・ウィーズリーを操って“スリザリンの継承者”を演じさせる。
日記帳の中の存在を本物にしようとするが、終盤のハリーとの戦いで日記帳をバジリスクの牙に貫かれて消滅。
ハリーはこの時点で、期せずして分霊箱をぶっ壊していたのである。


◆3巻『アズカバンの囚人』

直接は登場せず。

というよりこの章で起きた出来事はヴォルデモートの思惑ではなく、得た恩恵(ワームテールが戻ってきて自分を救出)も、いろんな要因が重なって偶発的に得たものである。
やっぱりワームテールを捕まえておくべきだった。


◆4巻『炎のゴブレット』

「俺様が家族の歴史を物語るとは……なんと俺様も感傷的になったものよ……」

バーテミウス・クラウチ・ジュニアを暗躍させてハリーを目の前まで連れてこさせた
おまけでついてきたセドリック・ディゴリーをワームテールに殺させ、ハリーの血を用いたワームテールの儀式魔法によって復活。
かつての敗北はハリーの実力によるものではないことを証明する為に決闘すると言い始めるが、ハリーの杖と自分の杖が兄弟杖であったため互いに放った魔法が正常に作用せず、まんまと逃げられる。


◆5巻『不死鳥の騎士団』

「死より酷なことは何もないぞ、ダンブルドア!」
「お前は大いに間違っておる。死よりも酷いことがあるのを理解できんのが、まさに、昔からのお前の弱点よのう――」

復活後初めて公衆に姿を晒す。
ハリーを倒すためのヒントを得ようと予言の全文を手に入れようとするが、当事者でないと取り出せないと知りハリーが神秘部に行くよう仕向ける。
しかし回収に向かった部下が手間取っている間にハリーと奇しくもネビルが予言の記録を破壊。
仕方なく自らハリーを殺しに魔法省に姿を現すが、ダンブルドアが参戦したことで彼との一騎打ちとなる。
激しく戦うが決定打を打ち込めず、最終的に撤退。
この際に魔法省の役人たちに顔を見られ、復活が公認された。

原作と映画ではハリーにしたことが異なる。
  • 原作:ハリーの身体を乗っ取りハリーに負けを認めさせるが、ハリーの純粋さに魂がボロボロのヴォルデモートは耐え切れず退却。
  • 映画:ハリーに開心術をするが、閉心術で追い出される。
また一騎打ちの内容も微妙に異なる。


◆6巻『謎のプリンス』

直接は登場しないがセブルス・スネイプドラコ・マルフォイを使って暗躍。
ホグワーツに大量の死喰い人を送り込み、遂に天敵ダンブルドアの殺害に成功する
またダンブルドアの調査により、学生時代の数々の暗躍も回想として触れられる。


◆7巻『死の秘宝』

「以前には理解していなかったことが、いまはわかる。ポッターの息の根を止めるのは、俺様でなければならぬ。そうしてやる」

騎士団のエース・アラスター・ムーディをブチ殺す、魔法大臣ルーファス・スクリムジョールを倒して魔法省を支配する等序盤から全開。
「自身の名を口にする人間を索敵し防御魔法等も全解除する」魔法を開発・使用することで自身の名前を軽々しく口にする不届き者(≒ハリー陣営)を追跡し部下に狩らせる等狡猾な一面も。

4巻での一件で自分の杖が信用ならなくなり、最強の杖と謳われる「死の秘宝」の1つ「ニワトコの杖」を探し求める。
そして杖を手に入れ、一度はハリーに「死の呪文」を浴びせるが、血の守りのおかげで死なずにすんだハリーとホグワーツの最終決戦で再び対峙。
アバダ・ケダブラを放つが、ハリーの放った武装解除呪文(エクスペリアームス)に押し返され、自身に跳ね返り、死亡。
享年71歳。

死後、彼の魂は生前の行いによって、あの世に行くことも幽霊となって現世に残ることも出来ず、永遠にあの世と現世の間を彷徨うこととなった。
その魂の欠片が末期の自分の顔を持つ瘦せ衰えた赤ん坊*9という姿になっており、ダンブルドアには「救えぬもの」と形容された。




本当に最後のネタバレ





中の人はすげぇイケメン
このメイクでスタッフとおどけた写真を撮ってたりもする。
飛行機のトイレで客室乗務員とヤッちまったりする夜の帝王。


【余談】

「名前を言ってはいけないあの人」という呼び方が日本人のツボにはまり、アンタッチャブルな存在を指す言葉として「名前を言ってはいけないあの○○」というスラングが使われるようになった。

  • 名前を言ってはいけないあのネズミ
ご存じ世界一有名なネズミのキャラクター。
小学生の図画工作にまでケチをつけるほど、著作権に厳しいことで知られ、いつしか名前を呼ぶことさえ著作権に障り、うかつに口にしようものなら莫大なパテントを要求されると冗談交じりに言われるようになった。
なお、前述の小学生云々の下りは事実ではあるが、その背景には色々あるので、詳しくは個人で調べられたし。

  • 名前を言ってはいけないあの選手
聖域とか言われるスラングの別称。
プロスポーツ、特にチームスポーツの世界で年単位の長期に渡り実力に見合わないレギュラー起用をされる選手がこうも呼ばれたりする。
プロは宣伝力の世界なので、その選手の貢献度やスポンサー人気があんまりにも高すぎるとこうなる。
こうしたスラングが発生すること自体、現在ファンがその選手よりも他の選手の起用と台頭を求めていることを求めている証左でもあったりするのだが…

  • 名前を言ってはいけないあの事件
アニヲタwikiの場合はこれとかこれ
アイマスPの場合はこっち









+ 本当に本当に最後のネタバレ
◆第8巻『呪いの子』
なんと、をこさえていたことが判明。
相手はベラトリックス・レストレンジ
「部下のロドルファスの嫁を寝取った」というより、ロドルファス、ベラトリックス双方が自らの意思で差し出したようなものだろう。

本作ではヴォルデモートの娘がハリーの息子アルバスを利用してヴォルデモートの復活を画策しており、アルバスたちが過去に遡って歴史を改変してしまった結果、ヴォルデモートがハリーを下し、帝王として魔法界を支配している時間軸が発生。
最終的には再度過去へと遡り、過去改変を更に過去改変してなかった事にする事でその世界線は閉じられたが、黒幕を追ってハリーとアルバスたちがゴドリックの谷の事件の日まで遡った事で、ハリーたちはヴォルデモートがハリーの両親を殺害するその瞬間を再度目に焼きつけることとなった。

余談だが、ベラトリックスがロドルファスと結婚したのは純血を保つためであり、彼をさほど愛してはいなかったが、ヴォルデモートの事は心の底から愛していた。
だが、当のヴォルデモートが一番愛している、または愛に近い感情を持っているのはペットのナギニであると明かされており、ベラトリックスについては忠実な部下であるとは考えているが愛しているわけではない(そもそもヴォルデモートは愛とは何かを根本的に理解できない)。
またほぼ不死の生物であるヴォルデモートは子を残す必要性もなかったため、実際にどのような経緯でベラトリックスとの間に娘が誕生したのかは謎である。

























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ん!? またまちがったかな……


アバダ・ケダブラ


うわっ

うわああ

この項目が面白かったなら……\おじぎをするのだ/

最終更新:2025年10月26日 13:51

*1 映画内では演出の都合により、他の死喰い人やグリンデルバルド配下のアコライト達もこの魔法を低速でなら扱える他、原作最終盤においてもスネイプが窓から逃亡した際には箒無しで飛翔したかのような描写があり、マクゴナガルもスネイプがその術をヴォルデモートから学んだものと推測している。

*2 ダンブルドアの意向により「闇の魔術に対する防衛術」の教師に採用されなかった際、それから何十年にも及ぶ呪いを教科そのものにかけたことで、その後採用された教師が1年以内に退職する羽目になるような不幸に見舞われたのも、そうした因果律への干渉の一端と言えるかもしれない。

*3 酷い仕打ちに思えるが、トム・シニアにとっては「それなりに長い間自意識を奪われていた上に、好きでもなんでもない女と関係を持たされた挙句、子供までできている」という恐怖しかない状況である。それで愛情が芽生えるかというと…。

*4 ペペレル一族は純血維持のために近親婚を繰り返してきた歴史があり、その弊害で甚だしい人格破綻者を多く輩出している。魔法界の旧家のはずのゴーント家が著しく没落しているのも先祖代々の衝動的な浪費癖が原因と思われる。

*5 ハグリッドも当時すでに魔法生物関連で定期的に問題を起こして教職員から厳重注意を受けていた上、「取引禁止品目Aクラス」の人食い蜘蛛「アクロマンチュラ」を密輸・アラゴグと名付けて飼育するなど、叩けばいくらでも埃が出る身であったのも災いした……というか、アラゴグを育てただけでも十分退学の理由にはなったのでは……

*6 直接発見はホグワーツ卒業後。

*7 分割の尺度は文字通り半分割なのか、削り取った少量なのかは不明。

*8 ただし、グリフィンドールの剣だけは真のグリフィンドール生を見出す魔法によって組み分け帽子から引き抜かれるようになっているため、根っからのスリザリン生であるヴォルデモートは手に入れることが出来ず、諦めざるを得なかった。

*9 映画では血みどろの白い赤ん坊として表現されている。

*10 西洋において数字の7は完全な数字とされており、7つセットの縁起物は多い。ウィザーティング・ワールドでも例外ではない…というか、実際に7つ一揃いのものは数による魔力補正が掛かり強大な力を発揮する模様。

*11 日本・中国といった東洋に限っては末広がりの「八」や「八卦」「八方(東西南北全方位)丸く収まる」などのように、数字の8には全てを顕すという意がある縁起の良い数だが、西洋においては数字の8は「邪な何かを含む不吉な数」である。タコがデビルフィッシュと呼ばれる理由の1つでウィザーティング・ワールドでも「蛇足故の弱体化・完全性の崩壊」を引き起こすとされている。

*12 実はヴォルデモートの魂が7分割され、本体含めてそれら全てが健在だったタイミングは劇中で一度もない。時間軸としてはハリーが6つ目の分霊箱なのだが、そのタイミングで本体が倒されている。復活前に日記が破壊されているのでいくら復活しても7の恩恵は受けられないし、そうとも知らずに弱体化を決定づける8分割(7つ目の分霊箱ナギニの作成)を行ってしまったのは自分である。