メガスピアー
めがすぴあー
ポケットモンスター 『オメガルビー・アルファサファイア』(第6世代)で登場した、どくばちポケモン・スピアーがメガシンカした姿。
全体的に鋭角的かつ機械的なフォルムとなり、メガシンカエネルギーによって両手と下腹部にあった毒針が大きく成長し、両足までも巨大な毒針へと変化した事で、一見4本腕になった様にも見える。
腕の毒針は巨大なランスの様な形状となり、下腹部には両足の針と合体するための窪みが発生。
さらに4枚羽の上側が分割されて、より素早い飛行を可能とする6枚羽となった。
高速で飛び回って相手を襲撃し、四肢の毒針が分泌する即効性の毒で敵の動きを止め、遅効性であるがより強力となった尻の毒針で止めを刺す。
メガシンカに必要なメガストーン(スピアナイト)入手方法は以下の通り。
| HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 通常 | 65 | 90 | 40 | 45 | 80 | 75 | 395 |
| メガ | 65 | 150 | 40 | 15 | 80 | 145 | 495 |
| 比較 | ±0 | +60 | ±0 | -30 | ±0 | +70 | +100 |
メガシンカしたことによるタイプ変化はない。
第7世代時点で(メガシンカポケモン込みで)攻撃(150)と素早さ(145)の種族値ステータスにおいてどくタイプ1位の座に躍り出た。ちなみにメガシンカ可能なポケモンの中では3番目に種族値が低い。
メガシンカ前の種族値が低い場合、何かしら特性や能力大幅調整が掛けられる場合が多い。例えばメガクチートは特性を「ちからもち」とすることによって火力を補い、メガヤミラミは素早さを大幅に下げて他へ回すことで能力値変化合計を+100としている。(しかし強力な特性や素早さ低下は他メガシンカにも見られる点ではある)
メガスピアーの場合、元々低かった特攻を-30することで、攻撃に+60・素早さに+70と爆発的な上昇を見せている。防御面や素早さが下がるメガシンカはいくつかあるが、攻撃面が下がるメガシンカは現時点でメガスピアーのみである。
素のスピアーは攻撃面はともかく素早さが中途半端であったため、メガシンカによる改善は非常に嬉しいところ。第6世代からのどくタイプの地位向上も上手く後押ししている。攻撃力150は他火力重視のメガシンカと比べるとやや落ち着いた感じではあるが、下記の特性もあってその火力は圧倒的といって良い。
素早さも145まで上昇するのも大きく、メガスピアーが弱点を突ける相手でメガスピアーより早いのはメガフーディンやデオキシス程度なので、弱点を突ける相手に対しては相当優位に立てる。
その反面、特攻は15と進化前のビードル(特攻種族値20)より低くなり、特殊型は完全にネタとなっている。その火力は、特性を含めた一致技ですら通常スピアーの方が高い。しかしその特攻に魅入られ、ネタ承知で特殊型として起用するトレーナーもいるとか。
特性は「てきおうりょく」に変化する。スピアーはタイプ一致技の火力がイマイチ(どく技はどくづきの威力80・むし技はミサイルばりの最大威力125だが運絡み)ということもあるため、特性との相性は非常に良い。
ミサイルばりが5回当たれば等倍でも250もの威力を発揮するため、決定力は十分高くなる。加えてみがわりやばけのかわにも強気に出して行けるのがポイント。ただし火力に関しては運絡みであるため、実質威力160となる「シザークロス」や「どくづき」で安定性を狙っても問題はないだろう。第7世代では「とどめばり」が強化され、実質威力100となった。
第6世代
ORASの初期環境ではポケモン界トップクラスの威力を有する「とんぼがえり」を積んでロトムと組んだ型(所謂とんボルチェン)が主流であった。ちなみにこのとんぼがえりがどれくらいの火力指数を発揮できるかというと、(性格、努力値振りの条件を揃えた上で)いわゆる陽気ガブリアスのじしん(27300)とほぼ同等の威力がある(28280)。サイクル技としては破格の火力を誇る。
以上の事から、単純な一致技アタッカーとしてはメガシンカの名に恥じない性能を持っていると言える。
弱点は攻撃面ばかりに上昇値が振られた結果、非常に低い防御面は据え置きになっている事。その物理耐久は攻撃特化メガクチートのじゃれつく(※半減)で軽く瀕死にされる程度。他にも、6世代の天敵であった先制「ブレイブバード」のファイアローはおろか、いのちのたまを持った攻撃特化ハッサムのバレットパンチですら確定1発にされる。特殊耐久は低くないがHPが低い為特殊技でも呆気なく落ちかねない。尖り過ぎた能力のせいで補強が効きづらいのが苦しいところ。
また、物凄く覚えている主力技が偏りやすいという点も難点。例えば特性を活かすために必須であるタイプ一致技シザークロス、とんぼがえり、どくづき、ミサイルばり。そしてはがねタイプに有効打がないための補完技ドリルライナー、はたきおとす。つまりメガスピアーはやりたいことがモロバレなのである。せめて先制技でもあれば…。
そして、この超火力がほぼ特性・てきおうりょくに頼っている点も注意したい。前述の通りスピアーはメガホーンやダストシュートのような高威力の技に恵まれていないため、(特に物理耐久の高い相手には)思った程のダメージが入らないことも多い。浮いているどくタイプやはがねタイプ、特にマタドガスやエアームド、テッカグヤなどに来られたら泣くしかない。
地を這っているどく・はがねにはドリルライナーがあるが、技の威力不足が祟って物理耐久が高いメガクチートやドラピオン等を倒し切れない。ちなみにピカブイでスピアーはげきりんを覚えるようになったが、抜群を取れる相手が限られていることを考えると採用するメリットはやや薄い。技の通りが悪いと感じたら、「とんぼがえり」で撤退するなどして上手くフォローしていくと良い。
総括すると、メガスピアーはその見た目に違わず、攻撃面・防御面・戦闘面全体が非常に尖ったポケモンである。その尖り具合を活かし切るだけの技量もまた、トレーナーに求められているといえるであろう。
第7世代
仕様変更により、ポケモンの行動順がメガシンカ後の素早さや特性に依存するようになった。また先制技をシャットアウトするサイコフィールドとの相性も良い。そのため、これまでに比べればその高い素早さを活かしやすくなったといえるであろう。
ポケモンカードゲーム
『ポケモンカードゲームXY BREAK プレミアムチャンピオンパック EX×M×BREAK』で登場し、スピアーEXからメガシンカする。
HP200・タイプ草・にげるコスト-・弱点:炎×2・抵抗力なし。わざ『ハザードスティンガー(草草・40)』は、ついているエネルギーをすべてトラッシュし、相手のバトルポケモンをどくとマヒにし、ポケモンチェックのときにこのどくでのせるダメカンの数は4個になるという効果。
ポケモンGO
メガシンカ実装の2020年8月に登場。共に実装された御三家のメガエナジーが集めにくい一方、スピアーのそれは100(既にメガシンカしているならば20、しかもスペシャルリサーチで100分回収できた)で済むため集めやすく、メガシンカのチュートリアル的な存在となった。
その後スピアーのメガエナジーはジムのフォトディスクを回すだけで入手できるようになったため、最も気軽にメガシンカを使用可能なポケモンとなっている。
2022年5月のアップデートに伴いメガレベルが実装。メガシンカしたポケモンがボックス内にいるだけでレイドボス捕獲時のアメ獲得量上昇を始めとした様々なボーナスが受けられるようになった。そのためメガスピアー自体に出番がなくともボーナス目当てでメガシンカさせられるということに。
他メガシンカポケモンのメガエナジーは依然として稼ぎづらいため、メガシンカボーナス用ポケモンの座はメガスピアーが独占することとなりそうである。
攻撃種族値はミュウツーを超える303へ上昇。現在はむし・どくタイプ両方で統一が可能&トップメタの火力を誇り、レイドバトルでの活躍が大いに期待されるようになった。一方耐久は平凡のままであるためレイドボスのゲージ技(特にエスパー技)を受けたら即死なんてのもあり得るので慎重に戦って行こう。
ポケモンマスターズ
ツクシのバディであるスピアーがバディーズ技『むしポケ大百科が選ぶダブルニードル』使用時にメガシンカする。パッシブスキルに相手の急所に当たったときに自分の素早さを1段階あげる『急所時素早さアップ1』が追加される。
ポケモン不思議のダンジョン
ポケモン超不思議のダンジョンでは「覚醒」の効果を持つラピスをリングルにはめる、救助隊DXでは「かくせいのタネ」を使うとメガシンカする。
アニポケシリーズ
- 第5シリーズ・XY
ポケモン・ザ・ムービー! XY&Z『ボルケニオンと機巧のマギアナ』で、悪役・ジャービスによってメガウェーブで強制的にメガシンカさせられたポケモンとして登場。スピアー自体がサトシ達を襲う事はよくある事だが、本作においては自分の意志ではなく苦しみながら操られている。CVは古島清孝。
ORASメガスペシャルアニメ
メガバクーダと戦闘を繰り広げた。
13章で、作中でも人気の高いサカキの手持ちであるスピアーがメガシンカを修得して登場。本来、戦闘中でなければ起こらないはずのメガシンカが巨大隕石グランメテオΔに対しても発動したことから、サカキは隕石自体がポケモンなのではないかという推論を立てていた。
メガピジョット同様、今まで知名度の高さやそのデザインから密かな人気を誇りつつも、対戦では不遇な面が目立っていたスピアー。
そんなスピアーが遂にメガシンカを果たしたことに驚愕すると同時に歓喜したファンも多い。
驚異的なまでの素早さ上昇によって、今まで散々苦汁をなめさせられて来た多くのエスパータイプ達に先制できるようになったため、スピアーファン達からは「『エスパータイプ絶対殺すマン』となれるか?」と期待が掛かっている。
図鑑番号順
0014.コクーン→0015.スピアー(メガスピアー)→0016.ポッポ
同複合タイプ
関連ポケモン等・グループタグ
| グループ | ORASメガシンカ組 第1世代メガシンカ組 虫ポケモン 序盤ポケモン 序盤虫 |
|---|---|
| 関連ポケモン | |
| ミツハニー/ビークイン | ミツバチポジション。 |
| ベベノム/アーゴヨン | ハチ仲間。特にアーゴヨンの色違いはメガスピアーと酷似している。 |
| キョダイマックスバタフリー | 対になるポケモンの強化形態。 |
| メガピジョット | 同時期に公開されたメガシンカポケモンにして同じ初代からの古参 |