●マルチコアの問題点の1つはキャッシュコヒーレンシ CPUベンダーはマルチコアへ向かってまっしぐらに進んでいる。しかし、マルチコアCPUにはさまざまな課題がある。その1つは、メモリコヒーレンシの保持だ。これは、非常に重要な問題で、マルチコア化の最大の障壁になると言われている。 各CPUコアがキャッシュメモリを備えていると、CPUコアが互いのキャッシュ内容をスヌープする必要がある。すると、スヌープとキャッシュ内容の転送のトラフィックが発生する。CPUコア数が2個程度なら、デュアルプロセッサ構成と同じことで、コヒーレンシの維持もそれほど大変ではない。しかし、CPUコアが10個以上になると、コヒーレンシは大変な重荷になってしまう。下手すると、コヒーレンシ保持のためのトラフィックが増えて、パフォーマンスが上がらなくなりかねない。 2月に行なわれた、マルチコアCPU「Cell」の発表会でも、真っ先に