2022年のノーベル賞受賞に象徴されるように、いま古代のヒトのDNAの研究が盛んに行われており、新しい事実が次々と明らかになっている。そこで、古代の日本列島に住んでいた人たちについて知りたくて、2025年春に国立科学博物館で開かれている特別展「古代DNA―日本人のきた道―」の監修者である神澤秀明さんの研究室に行ってみた!(文=川端裕人、写真=内海裕之)
天の川銀河できわめて高速の分子雲が見つかった。この分子雲には巨大なシェル構造や空洞などが付随していて、銀河円盤をダークマターの塊が通過した痕跡とみられる。 【2024年6月10日 国立天文台 野辺山宇宙電波観測所】 私たちが属している天の川銀河は、直径約10万光年の円盤部と中心のバルジ、それらを取り囲む直径約30万光年のハローで構成されている。円盤部分には主に星と星間ガスがあり、水素分子を主成分とする濃い星間ガス雲は分子雲と呼ばれている。一方、ハローにはダークマター(暗黒物質)が広がっていて、その中を球状星団や矮小銀河、希薄な水素原子雲などのハロー天体が飛び交っている。 天の川銀河のイラストと主な構造。中心部には老齢の星が多く集まったバルジ(Bulge)と呼ばれる膨らんだ構造がある。銀河を取り巻く巨大な球状の構造はハロー(Halo)と呼ばれ、希薄な星間物質や球状星団(Globular cl
「先行研究で得られた科学的な知見が、再現できないかもしれない」。 本特集では、近年、心理学において指摘された「再現性の危機」を契機に、その後さまざまな分野で注目を集めているこの問題にフォーカスしてます。 そして、「これのどこが問題なのだろうか?」という点からじっくりと確認したうえで、「なぜ生じてしまうのだろうか?」「どうすれば防げるのか?」「実際に今、どんな取り組みがなされているのか?」を、経済学だけでなく、心理学、会計学、統計学から幅広い専門家の皆さまをお招きして、多角的に解説とディスカッションを展開していきます。 本号特集のラインナップはこちら! https://www.nippyo.co.jp/shop/magazine/8801.htmlこのnoteでは、長年にわたり経済実験を用いた研究に取り組んでこられた川越敏司先生(はこだて未来大学)、フィールド実験なども活用し開発経済学分野で
夏にはゴキブリを観察できる円山公園=2021年11月、札幌市中央区 この記事の写真をすべて見る ゴキブリは冬の寒さが厳しい北海道にはいない――と言われるが、札幌市内の高級住宅地の近くに、ゴキブリの「聖域」がある。ゴキブリになじみの薄い北海道民は、ほかの虫のように平気で触ったりもして、積極的に駆除しようという様子はない。その一方で「聖域」のゴキブリたちは、命をおびやかす“敵”にさらされ続けているという。 【本気で閲覧注意】北海道で暮らすゴキブリの写真はこちら * * * ゴキブリの「聖域」は、札幌市の中心部から西へ3.5キロほど、市民の憩いの場である円山公園にある。 北海道のゴキブリを研究している北海道大の西野浩史・准教授は、文字で見るだけでも鳥肌が立つような説明をする。 「暖かくなる5月から一気にゴキブリが増えて、6月になると、もうすごいです。夜になると、こんなにいるのか、と思うく
Transformer-based large language models are rapidly advancing in the field of machine learning research, with applications spanning natural language, biology, chemistry, and computer programming. Extreme scaling and reinforcement learning from human feedback have significantly improved the quality of generated text, enabling these models to perform various tasks and reason about their choices. In
The problem of time is one of the greatest puzzles of modern physics. The first bit of the conundrum is cosmological. To understand time, scientists talk about finding a ‘First Cause’ or ‘initial condition’ – a description of the Universe at the very beginning (or at ‘time equals zero’). But to determine a system’s initial condition, we need to know the total system. We need to make measurements o
一時は一斉を風靡した複雑系がなぜ廃れてしまったのか?ということについて、Twitter上で私見をツイートしたところ、全く想定していなかった反響があったので、内容を一応メモとしてまとめておきます。 背景 Twitter上での科学哲学の議論の中で、複雑系も科学哲学的な側面を多分に持っていること、そして重要な問題を提起していたが、相対的に解けた問題や体系化できた結果がなかったので衰退した、という趣旨のツイートをしました。 以下はその衰退について来た質問に答える形で連投したツイートした内容です。このメモはそれをまとめて追記しています。 前提 自分は複雑系ブームのピークが過ぎた2000年に修士1年でした。複雑系の薄暮を学生として見つつ、別分野(システム生物学)などに取り組んだ世代です。 また複雑系研究を牽引していた金子先生や池上先生らの研究室出身ではないです。ですので以下は、そういった研究室の中から
農――「農業」でも「農地」でも「農村」でもなく、「農」。何千年と人が続けてきた「農」の営み。現在の日本の国土や社会は「農」が造ったとしても言い過ぎではありません。人間や社会、あるいは地球にとって「農」とはいったい何なのでしょうか。少し科学的な観点から、「農」というものを考えてみませんか。きっと、「農」の役割の大きさ、その意外さに驚くでしょう。……「農」の世界へ、ようこそ! 第1章「農」ってなーに? まずは、「農」ってなんだろう? ……このことを科学的な面から検討してみましょう。「農」といえば、食べ物をつくる仕事。でも食べ物ってなんでしょうか。どうして人間は食べないといけないのでしょうか? 第2章「農」の発生 第1章では、「農」とはエネルギーを生産する仕事であることが分かりました。さて、このコーナーでは、「農」がどのように発生してきたかを見てみましょう。さらに「農」の発達によって、日本ではど
Several well-intentioned efforts seek to incorporate mātauranga Māori (Māori knowledge) into science in New Zealand. These include a pilot National Certificate in Educational Achievement (NCEA) programme in biology and chemistry which places mātauranga Māori concepts on an equal footing with science. Other proposals aim to do the same for university science curricula and science policy. For some,
前回の記事で 2021-22 にかけてアメリカ化学会の発行する学術誌で起きた「キャンセルカルチャー」をめぐる論争について、大雑把なものながら紹介をした。反応を見ると、「科学の政治化」を憂い、「キャンセルカルチャー」批判を行う側のアンナ・クリロフに共感した人も、「政治と無関係な科学」の不可能性を説き、「キャンセルカルチャー」という概念そのものに疑問を投げかけるフィリップ・ボールやハーバートらに共感を抱く人も両方いたようだ。 ぼく個人としては、ボールやハーバートらの主張にシンパシーを抱きつつも、各々の主張の紹介は公平なものであることを心掛けていたつもりなので、評価が分かれたことは多としたい。 ボール(たち)の主張にいまいち乗り切れないものを感じる場合、「科学はそもそも政治的である(そうでないものはありえない)」という科学観がどうしても魅力を欠いたものであるということがあると思う。クリロフとボー
2021/8/17のForbesの記事(Covid’s Forgotten Hero: The Untold Story Of The Scientist Whose Breakthrough Made The Vaccines Possible) を自動翻訳した記事です。 広告や写真などは省略しています。 たまに違和感のあるところもありますがそのままにしてあります。 mRNAワクチンに関する革新技術の開発者と会社の権利や報酬のやりとりをまとめた記事です。 ※かなり長いです。 和文: www.DeepL.com/Translator で翻訳しました。 引用記事: https://www.forbes.com/sites/nathanvardi/2021/08/17/covids-forgotten-hero-the-untold-story-of-the-scientist-whose-b
Science isn’t self-correcting, it’s self-destructing. To save the enterprise, scientists must come out of the lab and into the real world. Science, pride of modernity, our one source of objective knowledge, is in deep trouble. Stoked by fifty years of growing public investments, scientists are more productive than ever, pouring out millions of articles in thousands of journals covering an ever-exp
本研究会では、「質的アプローチに基づく研究手法の内実とその説得性確保メカニズムについて、分野間の相違を踏まえた上での総合的な理解を目指す」という研究課題に取り組むために、個別の専門分野における社会科学方法論に関わる文献のレビューを進めています。具体的には、研究員によって、①研究員の専門分野における社会科学方法論関連の文献リストの作成、および②重要文献の解説レジュメの作成を行っています。 本ページの成果は、日本学術振興会『課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業(領域開拓)』「分野間比較を通した質的研究アプローチの再検討」(研究代表者:井頭昌彦)の支援を受けたものです。 [0] サーベイまとめ(教育学) [1] Creswell J. W., 2000, Educational Research: Planning, Conducting, and Evaluating Quanti
夏です。木々の緑が鮮やかな季節がやってきました。 [tsujimotterの母校、北大にて撮影] 植物の葉を眺めてると、私はいつもこんな疑問を思い浮かべます。 どうして緑色なのだろうか? 色は、私たちは幼い頃から知っている身近な存在です。その一方で、とても神秘的な存在でもあります。 色とは何だろうか? 考えれば考えるほど、その正体が分からなくなってしまうのです。 たとえば、みなさんは色の仕組みに関するこんな問いに答えられるでしょうか? ・空の色が青色なのはなぜだろう?(太陽の光は白色のはずなのに) ・絵具を混ぜて金色が作れないのはなぜだろう?(そもそも金色っていったい何なのだろう) ・モルフォチョウの翅の色がきらびやかな青色をしているのはなぜだろう?(自然界には青色をした物質はほとんどない) 今回考えたいのは「植物の葉はなぜ緑色なのか?」です。 この問いを突き詰めていくと、分子の中にある電
ネコがてくてくと安定して歩く「反射」の仕組みを、神経や筋肉の特性を再現するネコ型ロボットを開発して明らかにした、と大阪大学の研究グループが発表した。動物愛護の観点から実験に制約もある中、ロボットを活用して神経科学の研究をするニューロロボティクス分野の一環。より動物に近いロボットを実現するロボット工学の観点からも意義があるという。 反射は、ヒトなどの動物が熱い物に触れると瞬間的に手を引っ込めるなど、刺激を受けて無意識に起こる反応の仕組みだ。動物が歩くためには脳や脊髄の複雑な回路ではなく、この反射回路をうまく使って動きが生まれていることが、近年の研究で分かってきた。それに関わるとみられる個々の神経回路は過去の研究で分かっていても、歩行を実現するための全体的な配線は未解明という。生体を動かす神経の仕組みを調べることには限界がある上に、動物愛護のため動物実験が厳しく管理、制限されるようになっている
心理学の研究論文は再現性が低いことが指摘されていました。再現性が低くなる原因は、学界全体に「疑わしい研究手法 (QRPs)」が蔓延していたことにあるとみられます。 現在は学界全体をあげての対策が行われているようです。研究の事前登録、データの公開、追試などが重視されるようになっています。 学界は正しい方向に進んでいるようですが、だからこそ、重要な発見だとみなされてきた過去の研究成果が次々に覆されているようです。 少々調べましたが……、いやはやこれは……脱力しました。心理学以外の分野でも援用されている有名な研究たちが、あれもこれも。興味を引かれたものに重点をおきつつ、ざっくりとメモ的にまとめておくことにします。 2021年9月12日追記 追試というのは、1年半以上かかるものも珍しくないようです。かなりの時間・精神力・体力を要するのに対して、見返りが少ないものといいます。この記事では多くの研究の
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