【全2回(前編/後編)の前編】 歌舞伎の激しい立ち回り“荒事(あらごと)”は、江戸時代から観客の喝采を浴びてきた。が、これはあくまで舞台での話。祖父は人間国宝、父は重要無形文化財と、輝かしい家柄を継ぐ歌舞伎役者・中村児太郎(こたろう・31)は、その存在をひた隠す妻に凄絶な暴力を振るっていた。 【実際の写真】顔面が異常に腫れ上がり、全身に痛々しいアザが…「凄絶DV」を受けた妻の姿(ショッキングな内容を含みます) *** 自宅の廊下で女性に馬乗りになり、男は女性の顔を殴り続ける。顔はみるみる血だらけになり、このままでは死んでしまうと恐怖を覚える女性に向かって、男は言った。「お前は黙ってればいいんだよ」――。 男の名は中村児太郎。祖父に人間国宝の七代目中村芝翫(しかん)、父に九代目中村福助(64)を持つ彼は、名門「成駒屋」の若手として、歌舞伎ファンには広く知られた役者だ。2013年に父の跡目、十