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新内閣発足
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小説『HACK(ハック)』発売に合わせて、ビットコインとダークウェブを組み合わせた闇サイト「シルクロード」をつくった20代のリバタリアン、ロス・ウルブリヒトの物語をアップします(全3回の1回)。 ほんとうは小説のなかに入れたかったのですが、うまくいかずに断念しました。とても興味深い話なので、『HACK』の背景としてお読みください。 ****************************************************************************************** 「シルクロード」はインターネットでドラッグなどを大規模に売買していたサイトで、2011年2月にオープンし、首謀者がFBIに摘発される13年10月まで続いた。このサイトがある種の伝説になったのは、接続経路を匿名化した特殊なブラウザ(Tor)を使ってアクセスし、支払履歴を匿名化できるビッ
神戸市内のマンションで24歳の女性が刺殺された事件は、殺人容疑で逮捕された35歳の男がストーカー事件で2度の有罪が確定し、執行猶予中だったことで、性犯罪の再犯についての議論を提起しました。 報道によると、神戸市の建設会社で働いていた2020年9月、女性のあとをつけてオートロックのマンションに侵入した男は、エレベーターに同乗するなどつきまとったとして、ストーカー規制法違反などで罰金の略式命令を受けました。22年9月には同じく神戸市内で、路上で見かけた女性に一方的に行為を抱き、オートロックを解錠した女性のあとにつづいてマンションに侵入、女性の部屋に押し入って首を絞めるなどしたとして、懲役2年6カ月執行猶予5年の刑を言い渡されています。 男はその後、東京の配送会社でドライバーとして働いていましたが、夏休みで帰省するといって神戸に行き、たまたま見かけた女性に衝動的に好意を抱いて凶行に及んだようです
ダイヤモンド社と共同で行なっていた「海外投資の歩き方」のサイトが終了し、過去記事が読めなくなったので、閲覧数の多いものや、時世に適ったものを随時、このブログで再掲載していくことにします。 今回は2015年8月公開の記事です。(一部改変) サラエボにあるスレブレニツァ虐殺記念碑/ Kaaca/Shutterstock ****************************************************************************************** 1995年7月11日、ボスニア・ヘルツェゴビナの街スレブレニツァをセルビア系の武装勢力が制圧し、その後の数日でボスニア人の男性7000人が殺害された。ボスニア紛争の残虐さを象徴するこの事件は、旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷と国際司法裁判所(ICJ)によってジェノサイド(集団虐殺)と認定されている。 (
ダイヤモンド社と共同で行なっていた「海外投資の歩き方」のサイトが終了し、過去記事が読めなくなったので、閲覧数の多いものや、時世に適ったものを随時、このブログで再掲載していくことにします。 今回は2018年12月公開の記事です。(一部改変) roamer.rat/Shutterstock ****************************************************************************************** ポーランド、クラクフ郊外のアウシュヴィッツ、ベルリン郊外のザクセンハウゼン、ミュンヘン郊外のダッハウ、プラハ郊外のテレジーンの強制収容所を訪れて、ホロコーストについてはなんとなくわかったつもりになっていた。だがアメリカの歴史家ティモシー・スナイダー(イェール大学教授)は、『ブラックアース ホロコーストの歴史と警告』(池田年穂訳/
2024年11月、オーストラリア議会が16歳未満のSNSを禁止する世界初の法案を可決しました。対象となるのはFacebook、Instagram、X、TikTok、Snapchatで、その後YouTubeが加えられ、今年12月から施行の予定です。 こうした流れは世界的に広がっており、日本でも愛知県豊明市が、「「余暇時間」でのスマホ使用は1日2時間以内」「小学生以下のスマホ使用は午後9時まで、中学生以上18歳未満は午後10時まで」を目安とする条例を市議会に提出しました。 アメリカでは2010年頃から10代の女子のうつ病が急激に増え、自傷行為や自殺が大きな社会問題になっています。この現象がSNSが広まった時期と一致していることから、「IT企業が子どもたちをスマホ依存症にして金儲けしている」との批判が高まったのです。 決定的なのは、2021年にFacebook(現Meta)の機密文書が内部告発者
ダイヤモンド社と共同で行なっていた「海外投資の歩き方」のサイトが終了し、過去記事が読めなくなったので、閲覧数の多いものや、時世に適ったものを随時、このブログで再掲載していくことにします。 今回は2018年11月8日公開の「映画『否定と肯定』でわかった ホロコースト否定論者と戦うことの難しさ」です。(一部改変) Olivier Malard/Shutterstock ****************************************************************************************** 2017年に日本で公開されたイギリス・アメリカ合作映画『否定と肯定』は、イギリスの歴史学者デイヴィッド・アーヴィングから訴えられたアメリカのホロコースト研究者デボラ・E・リップシュタットと弁護士たちの法廷闘争を描いている。 この映画が注目される背景に
オープンAIが開発する対話型AI(人工知能)Chat GPTが新モデルGPT-5を発表すると、世界中で「冷たくてつらい」「唯一の友人を失った」などという嘆きの声があがり、旧モデルGPT-4oに戻してほしいという署名活動が始まったそうです。 AI開発でしのぎを削るアメリカや中国のIT企業は、レストランの予約からアプリの開発まで、煩雑な作業を任せられるAIエージェントを目指しています。AIの能力が指数関数的に向上するにつれて、その分野はイラストや作曲、動画作成、さらには小説の執筆にまで拡張し、社会の姿を大きく変えつつあります。 その一方で、AIに生産性の向上を求めるのではなく、対話の相手として共感を期待するひとたちがいます。 オープンAIが公表している仕様書では、その特性として共感的、温厚、親切、魅力的、好奇心旺盛、さらには「合理的な楽観主義」が挙げられています。たしかに、とてつもなく賢くて、
ダイヤモンド社と共同で行なっていた「海外投資の歩き方」のサイトが終了し、過去記事が読めなくなったので、閲覧数の多いものや、時世に適ったものを随時、このブログで再掲載していくことにします。 今回は2018年3月公開の記事です。(一部改変) Andreas Wolochow/Shutterstock ****************************************************************************************** 前回は、アメリカで1990年代半ばに起きた「愛国」をめぐる論争について書いた。 参考:「愛国」について真面目に考えてみる 論争の発端は、哲学者のリチャード・ローティが『ニューヨーク・タイムズ』紙に寄稿した「非愛国的アカデミー“The Unpatriotic Academy”」で、「国」という大きな物語を認めない文化サヨ
「反ワクチン」を押し出して得票率2%を超え、代表の神谷宗幣氏が初当選した2022年の参院選のあと、参政党は「Do It Yourself(DIY)」を合言葉に、全国に289ある小選挙区のすべてに支部をつくる運動を開始します。 党のホームページによれば、月額1000円の一般党員になると、毎日「各界の専門家」からの音声や動画が配信されるだけでなく、地域別オフ会やタウンミーティング、政策学校「DIYスクール」などに参加したり、大規模イベントの運営に加わったりできます。さらに月額2500円(2026年までは月額4000円)の運営党員には、政策立案や公認候補の党内予備選挙の投票権が与えられます。 党員やサポーターはビラ配りやショート動画の拡散など裏方の役割を担いますが、外国人の土地取得問題への関心から活動に参加した60代の女性党員はこれを「大人の部活」と表現しました。参政党はこれまで政治に興味がない
ダイヤモンド社と共同で行なっていた「海外投資の歩き方」のサイトが終了し、過去記事が読めなくなったので、閲覧数の多いものや、時世に適ったものを随時、このブログで再掲載していくことにします。 今回は2018年3月1日公開の「アメリカで20年前に巻き起った「愛国」論争は 今の日本とアメリカに様々な教訓を与えている」です。(一部改変) esfera/Shutterstock ****************************************************************************************** 「愛国」とはなにかが気になって、マーサ・C・ヌスバウム他の『国を愛するということ 愛国主義の限界をめぐる論争』 (辰巳伸知、能川元一訳/人文書院)を読んだ。これは1990年代半ばにアメリカのアカデミズムで起きた「愛国」論争の記録で、本稿はその備忘録
この夏の参院選では「外国人問題」が焦点になり、「外国人が社会保障制度にただ乗りしている」との主張があふれましたが、これを論じる前提として、まずは制度の基本を押さえておく必要があります。 外国人であっても、日本に居住していて20歳以上、60歳未満なら国民年金・厚生年金への加入義務があります。ただし、年金を受給するには10年以上の納付期間が必要で、技能実習生のように、短期間しか日本で働かない場合は納めた保険料が丸損になってしまいます。そのため脱退一時金の制度が用意されているものの、受け取れるのは最大5年分までです。 実際には、日本で働いている外国人の若者の多くが、年金保険料を払っても、なんの給付も受けずに帰国していきます。逆にいえば、日本国は彼ら/彼女たちから保険料を「搾取」し、それを日本人の高齢者の年金の原資に充当しているのですが、このことについてはなぜかどの政党も触れません。 それでも、「
ダイヤモンド社と共同で行なっていた「海外投資の歩き方」のサイトが終了し、過去記事が読めなくなったので、閲覧数の多いものや、時世に適ったものを随時、このブログで再掲載していくことにします。 今回は2018年9月13日公開の「黒人保守派のソーウェルが アファーマティブ・アクションを否定する理由」です。(一部改変) Matteo Roma/Shutterstock ****************************************************************************************** 2018年8月30日、アメリカ司法省はハーバード大学の入学選考でアジア系の学生が不当に排除されているとの意見書を提出した。 ハーバード大が2013年に行なった学内調査では、学業成績だけならアジア系の割合は全入学者の43%になるが、他の評価を加えたことで19
『週刊文春』(2023年8月17・24日夏の特大号)に寄稿した記事ですが、ネットで読めなくなっているようなので、出版社の許可を得て『DD(どっちもどっち)論 「解決できない問題」には理由がある』(集英社)から転載します。 関連記事:自ら道徳的責任を引き受けた藤島ジュリー景子こそまっとうだ umaruchan4678/Shutterstock ****************************************************************************************** 「できない」ことは権利なのか? 「なんなんだ、この店は。客をバカにしているのか!」 ランチを食べに近所の店に入ろうとしたら、いきなり怒鳴り声がして、顔を真っ赤にした高齢の男性がぶつかってきた。妻なのだろう、同じくらいの年の女性が顔を伏せて、あとに続いた。 その店では、注文は
7月20日に行なわれた参院選では、結党5年目の参政党が大きく票を伸ばし、主要政党の一角を占めたことが衝撃を与えました。 コロナ禍の2022年に行なわれた参院選では「反ワクチン」を掲げ、ノーマスクで選挙戦を行なうなど一部で注目されましたが、当選したのは比例区の代表1人で、「陰謀論の泡沫政党」と見なされていました。ところがその後、地方選挙で着実に議席を獲得するなどして地盤を築き、24年の衆院選で3議席を獲得、今回の参院選の大躍進へとつなげたのです。 参政党の特徴は、YouTubeなどSNSで注目を集める一方で、その過激な主張から新聞やテレビなどのマスメディアから事実上排除されてきたことです。欧米のアウトサイダー政党では、カリスマ的なリーダーがSNSのインフルエンサーとなって移民排斥などの極右的な主張をし、支持者は「リベラルなエリート」が社会を支配しているという陰謀論(ディープステイト)を信じて
早見和真 『ラストインタビュー 藤島ジュリー景子との47時間』(新潮社)の書評で、『サンデー毎日』(2023年10月29日号)に寄稿した「自ら道徳的責任を引き受けた藤島ジュリー景子こそまっとうだ」について触れましたが、この記事がWEBで読めなくなっているようなので、出版社の許可を得て『DD(どっちもどっち)論 「解決できない問題」には理由がある』(集英社)から転載します。 Osugi/Shutterstock ****************************************************************************************** 私はジャニーズになんの興味・関心もないし、故・ジャニー喜多川の特異な性癖の噂はもちろん知っていたが、自分にとってはどうでもいい話だと思っていた。 そもそもこの地球上では、理不尽なことや許しがたいことが無
参院選は与党の自民・公明が過半数割れの大敗となり、反ワクチン運動から始まった参政党が大きく票を伸ばしたことで、戦後日本の政治が地殻変動を起こしたといわれています。 この選挙結果にはさまざまな要因があるでしょうが、そのなかでもっとも大きいのは「デフレから“脱却”して、日本人がどんどん貧乏になっている」ことでしょう。 安倍政権の長いデフレでは、高齢者は年金の実質価値が上がり、現役世代は賃上げがなくても定期昇給で少しずつゆたかになっていくように思えました。少子化で大学生の就職内定率は9割を超え、若者からの高い支持も獲得できました。安倍政権は「諸悪の根源」であるデフレと戦ってきましたが、皮肉なことに、デフレによって長期政権が維持できたのです。 ところがコロナ禍とロシアによるウクライナ侵攻で物価が上がりはじめると、賃上げが物価上昇に追いつかずに実質賃金は3年連続でマイナスになり、デフレで封印されてい
イギリス議会下院は6月20日、終末期の成人が死を選ぶ権利を認める歴史的な法案を可決しました。それに先立つ5月27日にはフランス国民議会(下院)でも、終末期患者に厳格な条件のもとで致死量の薬の投与を認める「死への積極的援助」を導入する法案が賛成多数で可決しています。 フランスでは2022年9月にマクロン大統領が、人生の終え方について幅広く議論する市民会議の設立を発表。年齢や居住地、学歴、職種など社会構成を反映するように調整したうえで、電話番号による無作為抽出で184人の一般市民を選出し、毎週金曜日から日曜日の3日間の議論が9週間にわたって続けられました。 この市民会議はネットで中継されて大きな反響を呼び、賛成・反対の立場からさまざまな議論が交わされたすえに、賛成多数で積極的安楽死が支持されました。意見が分かれる重要な問題について、市民に徹底的に討論させるというのは、さすが「デモクラシー発祥の
ダイヤモンド社と共同で行なっていた「海外投資の歩き方」のサイトが終了し、過去記事が読めなくなったので、閲覧数の多いものや、時世に適ったものを随時、このブログで再掲載していくことにします。 今回は2021年1月18日公開の「なぜアメリカ社会ではつねに黒人が「人種問題」になるのか」です。(一部改変) Roman Chazov/Shutterstock ****************************************************************************************** トランプ米大統領がハイチやエルサルバドル、アフリカ諸国からの移民を「肥溜め(shithole)のような国から来た奴ら」と侮辱したことに抗議の声が広がった。アフリカ諸国連合(AU)やハイチ政府はもちろんのこと、全米黒人地位向上委員会(NAACP)も「大統領は白人至上主義
参院選が始まり、SNSの誤情報をどのように規制するかが議論になっていますが、「そんな規制などいっさいいらない」という極論について書いたことを思い出したので、再掲載します。 ****************************************************************************************** ネット生態系の原理は「より自由になること」 『ソーシャルメディアの生態系』(森 薫訳/東洋経済新報社)は、ウォルト・ディズニーのイノベーション部門のトップを務め、動画共有プラットフォームの会社を起ち上げたアントレプレナーのオリバー・ラケットと、MITメディアラボのシニア・アドバイザーでジャーナリストのマイケル・ケーシーの共著だ。 著者たちはここで、インターネット(SNS)はひとつの巨大な有機体(オーガニズム)で、生き物と同様に「進化」している
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2022年にパーソル総合研究所が18カ国・地域を対象に「管理職になりたい割合」を調べたところ、日本は19.8%でダントツの最下位でした。日本の会社では、5人の平社員のうち4人が管理職への昇進を望んでいないのです。 この調査で「管理職になりたい国」の上位はインド(90.5%)、ベトナム(87.8%)、フィリピン(80.6%)、中国(78.8%)でした。平均は58.6%、アメリカは54.5%、ドイツは45.1%。日本の上の17位はオーストラリアで、それでも38.0%ですから、日本の会社は異常です。 欧米の研究では、組織のなかでステイタスが高いほど、健康で死亡率も低いことがわかっています。有名なのはイギリスの国家公務員を対象にした大規模調査「ホワイトホール研究」で、「40歳~64歳において、もっとも地位の高い管理職の平均死亡率が全体平均の約半分であるのに対し、もっとも地位の低い事務員の平均死亡率
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野党から「あんこの入っていないあんパン」などと批判された年金改革法案は、与野党の修正協議を経て、基礎年金の底上げが復活することになりました。 そもそもこの問題は、年金の財政検証によって、32年後の2057年度には(24年度に比べて)基礎年金が約3割減るとされたことで浮上しました。 基礎年金は厚生年金の1階部分で、自営業者などが受け取る国民年金と同じです。現在の国民年金の受給額は、40年間の満額を収めて65歳から受給する場合、月額約6万9000円です。「3割減る」というのは、将来のインフレを調整した実質受給額ですから、月額4万8000円相当、年額約58万円になってしまい、これではとうてい生きていけません。そうなれば生活保護の申請が殺到し、制度は破綻してしまうでしょう。 年金の目減りが直撃するのは、1990年代のバブル崩壊後の就職氷河期に翻弄されたロシジェネ世代です。団塊の世代の雇用を守るため
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インターネット上に性的な広告があふれるようになって、子どもの保護の観点から規制を求める声が高まっています。料理レシピのサイトを運営する会社が、「子宮」などの表現を含む性的コンテンツが表示されたとして謝罪する事件も起きました。 日本の刑法には「わいせつ物頒布等の罪」の規定があり、なにが「わいせつ物」にあたるかはこれまでも裁判で争われてきました。 1950年代にはイギリスの作家D・H・ロレンスの『チャタレー夫人の恋人』やマルキ・ド・サドの『悪徳の栄え』がわいせつだとして翻訳者・出版社が起訴され、70年代には永井荷風作とされる『四畳半襖の下張』を雑誌に掲載した有名作家が起訴されたことで、社会的な議論を巻き起こしました(最高裁で罰金刑が確定)。 これらの裁判では、「わいせつ物」は「性欲の興奮・刺激」「性的羞恥心の侵害」「善良な性的道義観念への違反」の三点で判断され、その基準は時代の価値観によって変
7月の参院選挙に向けて、多くの政党が消費税減税を掲げています。ところで、消費税の税率を下げるとなにかよいことがあるのでしょうか。 話の前提として、国家が国民に行政サービスを提供するにはお金が必要だということを確認しておきましょう。国家はそれを税や社会保険料で徴収していて、消費税はその財源のひとつです。 超高齢社会の日本では、国家予算の6割が社会保障費と国債の利払いで占められています。人口構成から、今後20年にわたって年金と医療・介護保険の社会保障費が膨張していくことは確実です。行政改革は必要ですが、歳出削減は焼け石に水で、現在の行政サービスを維持したいのであれば、減らした財源を別のなにかで補わなければなりません。 所得税や社会保険料は収入を基準にしているので、年金以外に収入がない高齢者は負担が軽くなり、収入が多くても子育てなどで家計が苦しい現役世代の負担が重くなります。この数年の物価高と実
ダイヤモンド社と共同で行なっていた「海外投資の歩き方」のサイトが終了し、過去記事が読めなくなったので、閲覧数の多いものや、時世に適ったものを随時、このブログで再掲載していくことにします。 今回は2014年7月3日公開の「拒食症とPTSDから分かる、 誰もが「アメリカ人と同じように狂わなければならない」時代」です(一部改変) Ground Picture/Shutterstock ****************************************************************************************** 前回はイータン・ウォッターズ『クレイジー・ライク・アメリカ 心の病はいかに輸出された』(阿部宏美薬/紀伊国屋書店)から、日本でうつ病が急増している背景に抗うつ剤SSRIを販売する大手製薬会社のマーケティングがあるということを述べた。これ
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