はてなブックマークで誰かが紹介していて、ぼくは知らなかったので読んでみたのだが、面白くてあっという間に引き込まれてしまった。 パリ・ロンドン放浪記 (岩波文庫) 作者:ジョージ・オーウェル,小野寺 健 岩波書店 Amazon 1933年に書かれたジョージ・オーウェルのデビュー作である。 オーウェルはイギリスの植民地(ビルマ)での警察官の職を捨てて作家になろうとした。 川端康雄『ジョージ・オーウェル』によれば当時一般公務員が年収284ポンド、銀行員が280ポンド、炭鉱夫が180ポンド、植字工が209ポンドという時代に、植民地の警察官は700ポンドだったそうだから、それを投げ打ってまでというのは、よほどその職に嫌気がさしたのか、あるいは作家になりたかったのか、という思いが伝わってくる。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com そして、本書の原題は"Down and Out