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新内閣発足
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韓国では1953年以降、「堕胎罪」が存在し、レイプ被害や女性の命に危険がある場合などを除き、中絶を行った女性は罰金または懲役刑に処せられていました。しかし、フェミニズム運動の高まりとともに堕胎罪廃止運動が活発化し、2019年に憲法裁判所がこの刑法を憲法不一致と判断。これにより、2021年からは人工妊娠中絶が非犯罪化されました。 韓国ソウル生まれのマルチアーティスト、イ・ランさんも、この問題に対し声を上げ、自身の中絶経験を公表したひとりです。日本では母体保護法により一部の中絶が非犯罪化されていますが、韓国と同様、現在も中絶に対する偏見や誤解が女性の選択を困難にしています。国家や医療、他者が「産む・産まない」を管理しようとする世界において、イ・ランさんがどのように立ち向かっているのか。その経験を伺いました。 私が中絶の話をするたった一つの理由 イ・ランさん。 ―─堕胎罪に対する廃止運動が活発だ
「かなり勇気ある演出だと思いました」ノーベル賞作家カズオ・イシグロが語った、映画『遠い山なみの光』が出来るまで ノーベル賞受賞作家であるカズオ・イシグロ。1982年に出版された長編小説第1作『遠い山なみの光』を、『ある男』の石川慶監督が映画化した。 1950年代の長崎と、30年後のイギリスを舞台に、悦子(広瀬すず/吉田羊)と佐知子(二階堂ふみ)という2人の女性の過去と真実が交錯していくミステリアスな物語で、今年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門で上映された。イシグロはこの作品のエグゼクティブ・プロデューサーでもある。 かつてクリント・イーストウッドとともにカンヌの審査員を務めたこともある彼が、その地で映画について熱く、そして誠実に語ってくれた。 カズオ・イシグロさん(撮影:AYAKO ISHIZU) 石川監督との議論 ――イシグロさんが書かれた原作小説と映画の違いについて、お聞かせください
「日本の女性アイドルが『グラビアを撮る』という文化にも疑問を感じます」INI・許豊凡がアイドルとして感じた“ジェンダー格差” グローバルボーイズグループ・INIのメンバーとして活躍する、中国浙江省出身の許豊凡さんは、社会にアンテナを高く張ったアイドルのひとり。活動を通して、ステレオタイプなジェンダー観に対する違和感や、プライド月間の啓蒙などを積極的に発信しています。 「男らしさ」への違和感から、大学での学び、そしてアイドルとしてファンと向き合う中で深まっていったジェンダー観まで。当たり前とされてきた社会の構造や価値観に一石を投じる許さんの内面に迫ります。 僕の言葉は生きづらい人を助けるために使いたい 許 豊凡さん。 ――幼少期のお話から伺います。許さんは現在、ジェンダーバイアスにとらわれない姿勢を示されていますが、ご両親からそういう教育をしっかりと受けられたのでしょうか。 許 そうであれば
アイドルグループ「ももいろクローバーZ」としての活動に加え、近年は俳優としても注目を集めている玉井詩織さん。自身初となる写真集『たまゆら』『しおどき』を8月27日に2作同時リリースします。 明るく天真爛漫なイメージと一線を画すストーリー写真集『しおどき』では、俳優としての玉井さんの表現力がたっぷり発揮されています。その撮影秘話や、芸能活動20周年を振り返って思うこと、そして30代になって玉井さんが大切にしていることを伺いました。 » インタビュー前篇から読む 長い髪をバッサリ切る、それが私の決意表明だったのかも 玉井詩織さん。 ――芸能活動20周年というキャリアのなかで、仕事への向き合い方に変化はありましたか? 実は、もうすぐ事務所の契約が切れるといったタイミングで、ももクロの活動をスタートしたんです。私自身、もともと芸能界に憧れていたわけではなく、契約終了とともに普通の中学校生活に戻るん
――『論理×ロンリー』は、ほかの声優のラジオ番組とは違う雰囲気の番組にしようとする信念を感じます。この番組での佐倉さんは、ご自身からみてどんな立ち位置ですか? どこまで話していいのか分かりませんが、『論理×ロンリー』では自分を強めにキャラクター化しています。理由としてはここ数年、声優という立場に関するある思いがあるからです。女性の声優は、高い声で耳触りの良いことだけを言うべき存在という都合の良い偏見を感じることがあって、ともすれば舐められてしまう対象になりがちな気がしていて。ひとりの人間だということを分かってほしいんです。『論理×ロンリー』では通常の声よりも少し(キーを)下げて喋っています。これはかなり意識して、初回から決め打ちで喋っていました。 ――確かに、さまざまな思いを込めているのを感じます。 声優業界やアニメ業界は、そういった話にあまり踏み込んではいけないという暗黙の了解がある気が
――『論理×ロンリー』が始まって3ヶ月半が過ぎましたが、同業者の皆さんからの反響はいかがですか? どちらかというと先輩のほうが聴いてくださる方が多くて「ラジオにたくさん出ているけど、何屋さんになろうとしているの?」と言われたりもしました(笑)。私は仕事の現場ではほとんど喋らないので“良い子”にしているところしか見たことがない先輩に「ラジオだとあんなに喋るの!?」と驚かれることが多いです。 ――佐倉さんは水曜日は特にお忙しくて、一日の一番最後の仕事が『論理×ロンリー』の生放送なんですよね。 そうなんです。今日も生放送の前に5本のお仕事をしてきました。多い日は一日で9本ぐらいあるので移動中の30分でスイッチを切り替えます。そういう特殊な訓練を連日受けてきたことが、今に生きている気がします。 ラジオで「オープニングではこの話をして、次にあの話をする」といった構成や時間の配分を考えられるのは、15
猛暑を乗り越える、涼しさ重視の3本 「とにかく暑い……」と思わず口に出したくなるような夏の日差し。日傘は日差しを遮るだけでなく、“いかに涼しく感じられるか”という点でも進化しています。 特に涼しさにフォーカスした日傘を選びたい。そんな人に向けて、土屋さんが今季とくに注目しているのが“遮熱重視タイプ”だそう。 「日差しを防ぐだけでなく、実際に“涼しさ”を感じられる傘を選びたいという方は年々増えています。そんなニーズに応えてくれる、頼もしい3本を紹介します」 #01 COKAGE+ ACTIVE 耐風55cm 8,250円/ウォーターフロント COKAGE+ ACTIVE 耐風55cm 8,250円/ウォーターフロント COKAGE+ ACTIVE 耐風55cm 8,250円/ウォーターフロント 「COKAGE+ ACTIVEはユニセックスラインの新モデルで、スポーティーなデザインが特徴です。
編集部注目の書き手による単発エッセイ連載「DIARIES」。今回は、WEBメディア「デイリーポータルZ」を経て、日記エッセイ『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』でデビューし、活躍中の古賀及子さん。褒められずに育った古賀さんがテレビショッピングを「むちゃんこ、褒められたい!」気持ちで観てみたら、幸せに繋がる思わぬ大発見があったお話です。 あるとき友人が、「私はあまりにも、褒められていない」と嘆くのを聞いた。 「家族にも、上司にも、取引先にも褒められない。誰も褒めてくれないから、やる気がおきない」、と。友人はほとんど怒ってもいた。 驚いた。こんなにあからさまに褒められたがっていいものなんだと、その自由さに目が覚めたのだ。 褒められずに育ったなと思う。私は昭和54年、1979年の生まれだ。あの頃は親も学校も、褒めて子を伸ばす発想自体をまだ知らなかったのではないか。むしろ、否定すること、からかうこと
《「サブスタンス」怪演で大喝采》16歳で自立、摂食障害、妊婦ヌード、3度の離婚…「役を地で行く人生」デミ・ムーア(62)が今再評価されるワケ 「よりよい自分を夢見たことはありますか?」。もし「完璧な」の分身を手に入れるとしたら、あなたはどうするだろう……。 そう問いかける映画『サブスタンス』(日本公開中)は、奇抜なヒット作だ。外見・若さ至上主義の芸能界で50歳になった瞬間に解雇されてしまった元スター女優が、若く美しい分身を生む秘薬に手を染め、もう一度成功を目指して暴走していく……。 『サブスタンス』より ©2024 UNIVERSAL STUDIOS 時流に見事に合致した「ルッキズム・ホラー」 舞台はハリウッドでありながらフランスで制作されたグロテスクなホラー映画で、いわば「ゲテモノ」的な怪しさに包まれている。しかし、海外で公開されると、推定4,500万人のSNSユーザーのあいだで口コミが
エッセイ集『老い方がわからない』(双葉社)が共感を呼んでいる。老害にならず、若さにしがみつかず、「年齢以上の価値を持つ老人」になるにはどうしたらいいのか? 著者の門賀美央子さんは現在50代、執筆への思いとこれまでのことを聞いた。 私たちはもう誰からもケアしてもらえない 門賀美央子さん。 ――タイトルを目にして、思わず書店で立ち止まりました。「うん、まさに!」と。私はもうじき50歳、老後はまだ先だけれど、「老い」は毎日のように感じます。正直、先行きは不安だらけ。本書を読み入りました。 門賀 ありがとうございます。まえがきにも書きましたが、私は「一人っ子、配偶者なし、子なし」でフリーライター。いまポックリ逝ったら後始末が大変だろうという思いがありました。日本という国は「会社員、既婚、子どもあり」がスタンダード。つまり、私はどれひとつとしてかすっていない(笑)。世の中の制度が基本的に「ケアしてく
編集部注目の書き手による単発エッセイ連載「DIARIES」。今回はPOP思想家・文筆家であり、昨年11月に第一歌集『抜け出しても抜け出しても変なパーティー』(左右社)を刊行された水野しずさん。「殺人」「殺気」「殺意」「アウトレイジ」……物騒なワードで紡がれる切れ味の鋭さと破壊力抜群の笑いに圧倒されるエッセイです。 スーパーモデルは全身から殺気を放っていた。生きていくのは大変だ。そんなことを思った。私はのんきにヌードルをすすった。 スーパーモデルはすごい。彼女の自らに対する厳しい目線が頑強なノミとなって生存の極限まで肉体を削り取っている。彼女の、と性別を限定してしまうのは、特に女性が産める側の性として授かった自らの身体に向けるノミの先端、マッターホルンのような急斜面に、より克明な死の決心を感じてしまうからだ。自らの生存を根本否定する情動が生きる糧になっている。殺意の彫像である。そんなものを「
ドラマ「SHOGUN 将軍」でゴールデングローブ賞助演男優賞(テレビドラマ部門)を受賞し、国際派俳優として注目される浅野忠信(51)。長女のSUMIRE(29)、長男のHIMI(25)もモデルやシンガーソングライターとして活躍中。そんな一家の面々を陰で支えてきたのが、浅野忠信の母、浅野順子さん(74)だ。 順子さんは、戦後、日本に駐留していたアメリカ人調理兵の父と元芸者の母の間に生まれ、1960年代、山口小夜子やキャシー中島も所属し、横浜・本牧のディスコで華やかに遊ぶことで知られていた美少女グループ「クレオパトラ党」の一員だった。さらに、60歳を過ぎて出会った恋人に才能を見出され、画家デビューしたという特異な経歴を持つ。 彼女と同時代を生きてきた畏友、ミュージシャンの近田春夫さん(74)を聞き手に迎え、稀代の女傑の半生を彼女のアトリエで掘り下げる。 驚きのエピソードに満ちた半生を語る浅野順
新潟県の北西部、日本海に浮かぶ佐渡島は沖縄本島に次ぐ大きさを誇る本州最大の島。特別天然記念物のトキが日本で唯一生息するなど、豊かな自然が息づくこの島は、かつて金の採掘で栄え、日本全国から多くの人が集まる鉱山都市でもありました。2024年には当時の佐渡金銀山の歴史的価値が認められ、世界文化遺産に登録。“世界遺産の島”へとなった佐渡。 そんな“世界遺産の島”の独自の文化に触れる、感性を刺激する旅へ、俳優の山田杏奈さんと訪れました。 》「通いたくなる島、佐渡」俳優・山田杏奈さんといく、世界遺産の島・佐渡島。スペシャルムービーを見る 往時の面影を残す鉱山町・相川 京町は鉱山町・相川のメインストリート。奥に見えるのは「時鐘楼」。今でも朝夕の定刻には地元の住民によって撞かれ、時を告げている。 相川の町を歩く山田杏奈さん。 金銀山からおよそ1km。佐渡が天領となり奉行所が置かれた場所が相川の町でした。ゴ
「ぼくは誰なんだ」「どこに向かってるんだ」 そう問いながら生きていた。繰り返し、繰り返し、「ぼくは何者か」と。 ――松本隆著のエッセイ「タイムマシンはいらない」(2007年)より 「さて。今日はどこから行こうか。とにかく好きなお店がたくさんあるんだ。正統派のフランス菓子なら『パティスリー モンプリュ』がおすすめだし、チョコレートなら『ラ・ピエール・ブランシュ』、洋食なら『門』……」 ここは神戸・元町、トアロード。トアロードとは海と山を結ぶ約1キロほどの坂道のことで、かつては山側の北野に居を構える外国人たちが、海側の居留地にある仕事場へと通うための道だった。 トアロード商店街は1868年の「神戸港」開港からの歴史がある。
ドラマ「SHOGUN 将軍」でゴールデングローブ賞助演男優賞(テレビドラマ部門)を受賞し、国際派俳優として注目される浅野忠信(51)。長女のSUMIRE(29)、長男のHIMI(25)もモデルやシンガーソングライターとして活躍中。そんな一家の面々を陰で支えてきたのが、浅野忠信の母、浅野順子さん(74)だ。 順子さんは、戦後、日本に駐留していたアメリカ人調理兵の父と元芸者の母の間に生まれ、1960年代、山口小夜子やキャシー中島も所属し、横浜・本牧のディスコで華やかに遊ぶことで知られていた美少女グループ「クレオパトラ党」の一員だった。さらに、60歳を過ぎて出会った恋人に才能を見出され、画家デビューしたという特異な経歴を持つ。 彼女と同時代を生きてきた畏友、ミュージシャンの近田春夫さん(73)を聞き手に迎え、稀代の女傑の半生を彼女のアトリエで掘り下げる。(第2回/第1回から読む) 右から浅野順子
ドラマ「SHOGUN 将軍」でゴールデングローブ賞助演男優賞(テレビドラマ部門)を受賞し、国際派俳優として注目される浅野忠信(51)。長女のSUMIRE(29)、長男のHIMI(25)もモデルやシンガーソングライターとして活躍中。そんな一家の面々を陰で支えてきたのが、浅野忠信の母、浅野順子さん(74)だ。 順子さんは、戦後、日本に駐留していたアメリカ人調理兵の父と元芸者の母の間に生まれ、1960年代、山口小夜子やキャシー中島も所属し、横浜・本牧のディスコで華やかに遊ぶことで知られていた美少女グループ「クレオパトラ党」の一員だった。さらに、60歳を過ぎて出会った恋人に才能を見出され、画家デビューしたという特異な経歴を持つ。 彼女と同時代を生きてきた畏友、ミュージシャンの近田春夫さん(73)を聞き手に迎え、稀代の女傑の半生を彼女のアトリエで掘り下げる。 >【画像】現在の浅野順子さんや10代の頃
先日、東京国際映画祭にあわせて来日したオードレイ・ディヴァン監督にインタビューをした際、まず尋ねたのは、1974年に一度作られた『エマニエル夫人』をなぜ再び映画化しようと考えたのか。質問に答える前に、監督はまず笑顔でこう前置きをした。「実は1974年版の『エマニエル夫人』を見たことがなかったんです。映画化の企画を聞いたあと、初めて見てみましたが、開始から数分で止めました。わざわざ見る必要がないなとわかったので」。 監督のきっぱりとした言葉に、驚くと同時に拍手を送りたくなった。今見ると明らかに女性差別的で植民地主義的な内容を含む以前の『エマニエル夫人』を監督はどう考えているのか。そんな私の疑問に対する見事な返答だった。前作のことなど気にする必要はない、そんなもの潔く無視しましょう。同じ原作をもとにしながらも、これは前作とは何の関係もない、まったく新しい映画なのだから。 © 2024 CHAN
韓国で最も権威があるといわれる「李箱文学賞」や、デビュー10年以内の作家が対象の「若い作家賞」など、デビュー数年にして数々の名だたる文学賞を受賞しているソ・イジェ。短編集『0%に向かって』の出版に伴い、来日を果たした。 『0%に向かって』ソ・イジェ(著)、原田いず(翻訳)左右社 モータウンサウンド、HIPHOPなど、一般的に“Kカルチャー”として人気のある音楽やドラマには登場しない「ソウルのB面」を描いたことでも注目を集めている小説だ。著者がソウル芸術大学の映画学科に通っていたというだけに、韓国の独立映画について書かれた表題作からは、韓国映画のB面も見えてくる。 それと同時に、韓国の独立映画などから現代社会を描くことで、若者のリアルだけでなく、それ以外の世代も含む人々の暮らしが見えてくるような小説になっている。 松田龍平、加瀬亮、岩井俊二や黒沢清…日本のカルチャーに影響を受けた 1991年
韓国で最も権威があるといわれる「李箱文学賞」や、デビュー10年以内の作家が対象の「若い作家賞」など、デビュー数年にして数々の名だたる文学賞を受賞しているソ・イジェ。短編集『0%に向かって』の出版に伴い、来日を果たした。 『0%に向かって』ソ・イジェ(著)、原田いず(翻訳)左右社 モータウンサウンド、HIPHOPなど、一般的に“Kカルチャー”として人気のある音楽やドラマには登場しない「ソウルのB面」を描いたことでも注目を集めている小説だ。著者がソウル芸術大学の映画学科に通っていたというだけに、韓国の独立映画について書かれた表題作からは、韓国映画のB面も見えてくる。 それと同時に、韓国の独立映画などから現代社会を描くことで、若者のリアルだけでなく、それ以外の世代も含む人々の暮らしが見えてくるような小説になっている。 「韓国の映画好きはいま、日本人監督の作品を観ているんです」 表題の『0%に向か
配信プラットフォームが活況を呈し、テレビの観られ方が大幅に変わりつつある今、番組のつくり方にもこれまでとは違う潮流が勃興しています。その変化の中で女性ディレクター/プロデューサーは、どのような矜持を持って自分が面白いと思うものを生み出しているのか。その仕事論やテレビ愛を聞く連載です。 今回は『1億人の大質問!? 笑ってコラえて!』『with MUSIC』『おしゃれクリップ』 などに携わり、入社6年目にして『女芸人No.1決定戦 THE W 2024』のプロデューサーに就任した片岡明日香さんにお話を伺いました。(前後篇の後篇/始めから読む) エンドロールで「かたおかあすか」を発見して ――1996年生まれ、2019年入社でいらっしゃいます。片岡さんが就活をしていた時期のテレビ業界って、昔ほど“憧れの業界”ではないですよね? 全然憧れられてないですね(笑)。誰も目指してなかったです。 ――その
配信プラットフォームが活況を呈し、テレビの観られ方が大幅に変わりつつある今、番組のつくり方にもこれまでとは違う潮流が勃興しています。その変化の中で女性ディレクター/プロデューサーは、どのような矜持を持って自分が面白いと思うものを生み出しているのか。その仕事論やテレビ愛を聞く連載です。 今回は『1億人の大質問!? 笑ってコラえて!』『with MUSIC』『おしゃれクリップ』 などに携わり、入社6年目にして『女芸人No.1決定戦 THE W 2024』のプロデューサーに就任した片岡明日香さんにお話を伺いました。(前後篇の前篇/後篇を読む) 「女性として見る気が起きない」「じゃあ、やってみろ」 ――今年の『THE W』のプロデューサーに就任されました。片岡さんは入社6年目とのことですが、『THE W』にはいつから携わられているのでしょう。 2021年からなので、4回目ですね。ずっとディレクター
「香港映画祭2024 Making Waves - Navigators of Hong Kong Cinema 香港映画の新しい力」で公式初来日したフィリップ・ン。これまでは知る人ぞ知るアクション俳優だった彼が、“愛される悪役”を演じた香港No.1ヒット作『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』でブレイクするまでのキャリアを振り返ってくれました。 教師の道から、憧れの香港映画界に飛び込む フィリップ・ンさん。 ――幼い頃から、詠春拳や蔡李佛拳といった中国武術を習われていたフィリップさんですが、幼い頃の夢は? 私は蔡李佛拳の継承者である父親だけでなく、2人の叔父も中国武術の先生という家庭環境で育ちました。そして、やんちゃな性格だったこともあり、渡米した7歳から武道を学びました。 その頃は特に大きな夢はありませんでしたが、13歳のときに同級生にいきなり殴られ、倒されてしまったんです。そ
社会学者上野千鶴子さんが、その感性を低く静かな「大人の音色」で奏でたエッセイ『マイナーノートで』。目標を持たない学生が研究者となるまでの過程から、チョコレート好きな一面、老いへの不安や、他界した先達への哀悼などを綴った随想だ。同書より、「変わる月経事情」を抜粋して紹介する。 あなたは初潮が来たことを告げたときの、母親の反応を覚えているだろうか? パンツやスカートを黒ずんだ血で汚(よご)し、自分のカラダに何が起きたかわけがわからないまま、母親に告げる。その前に保健体育の授業で女の子だけが集められて、ひそひそ話をするように、「女子にはね、月経といって……」という情報を得ているから、もしかしたらこれがあれかもしれない、とぼんやり考えるが、にわかには結びつかない。 あなたの母親は何て言っただろうか? にっこり笑って「おめでとう、お赤飯炊かなきゃね」と言っただろうか、それとも「あんたもとうとう女にな
入浴という行為が、悪の象徴だった国々と時代があった。「古代ローマ」から「風呂キャンセル」まで、美容の視点から、人類の清潔と不潔の歴史を読み解く。 極楽ローマ風呂は衰退…なぜ悍ましき不潔の時代へ向かったか ローマ最大級の浴場であり、発展場でもあったカラカラ浴場。©hoyano/イメージマート 風呂文化を花開かせたのは、言うまでもなくローマ帝国。それこそ贅を尽くした巨大な公衆浴場はいわば一つの社交場。3,000人もの人を収容できる上に、既にサウナ的なものも。あらゆる娯楽から、ジムや図書館までと、現在のスーパー銭湯どころではない豊富な設備を整えて、利用者はそこで日がな一日過ごすという、成熟した文化を生み出していた。 大衆の心をつかむ政治的な戦略でもあったというから、それがローマ帝国とともに衰退するのは解るが、ヨーロッパ全土に広がっていた風呂文化が結局衰退し、わざわざ暗黒の不潔史に突入するのはなぜ
「そろそろランチにしない?」 筒美京平さんの墓前でセンチメンタルな気分に浸っていたのもつかの間、電池切れとなってしまった松本さんがエネルギー補給を訴えた。 「京平さんとのことを思い出していたら、なんだかお腹が空いちゃった。ペコペコ」 そんなこともあろうかと、準備万端、松本さん行きつけの葉山の蕎麦店に予約を入れている。「大丈夫です。時間もちょうどいいので、そろそろ向かいましょう」と言うと、松本さんは安堵の表情を見せた。 何を隠そう、松本さんはお腹が空くと少々機嫌が悪くなる。誰しもがそうだといえば、そうなのだが、こと、食い道楽の松本さんは、適宜「おいしいもの」を補給しないとパタッと動かなくなってしまう。食欲旺盛な75歳なのである。 鎌倉から葉山へと車を走らせた。 蕎麦を待つ松本隆さん 葉山の堀内にある「惠土」で蕎麦懐石を堪能。松本さんは「おいしい店」をGoogleマップで発見することが多いそう
「少年ジャンプ+」で昨年11月から連載開始し、全16話(単行本上下巻)で完結したマンガ『夏の終点』。いわゆる“ジャンプ”らしくない静謐な画風と繊細なストーリーで読者の心を掴んだ。 作者の西尾拓也さんは現在22歳。担当編集者同席のもと、創作の原点を聞いた。 画風が違えど「ジャンプ」を目指すのは当然だった 「少年ジャンプ+」で第1話、第2話を無料公開中。©西尾拓也/集英社 ——最初に本作を読んだとき、非常に静謐なタッチでありつつ情感あふれる物語世界に引きこまれました。同時にこうした作品が「少年ジャンプ+」で連載されていることにも驚いたのですが……。デビューも「少年ジャンプ+」ですよね。 西尾 はい。19歳のとき、「少年ジャンプ+」新人賞の「アナログ部門賞」で入選した『少女と毒蜘蛛』がデビュー作です。 ——小さい頃からマンガ家を目指していたのでしょうか。 西尾 小学生の頃はジャンプっ子でしたね。
人気番組『めちゃイケ』メンバーとして一世を風靡し、その後の多くの女性芸人に影響を与えたオアシズ光浦靖子。彼女が一念発起しカナダ・バンクーバーへと留学したのがコロナもようやく落ち着き始めた2021年7月。50歳の留学生の怒涛の1年目を記したエッセイ『ようやくカナダに行きまして』が文藝春秋から発売された。人生100年時代の折り返しに、異国の地で彼女が見たもの、得たものとは。 最初の方はギャンギャン泣いてた 光浦靖子さん。 ――留学前のインタビューで「自分をもう1回育て直す」というお話をされていましたが、カナダでどれぐらい「育て直し」を達成させられたのだろうと。本を拝読すると、もうスタート時点からコロナで困難の連続でしたよね。 光浦 私が行った何ヶ月か後になると、(コロナの)隔離期間がなくなるんですよね。14日間が1週間になって、だんだんなくなっていくんですよ。でも、 その大変な時期に行ったおか
同じ色の花嫁衣裳、同じようにベールをかけた二人の花嫁が、夫と連れ立って満員電車で移動をしている中で、別の夫によって取り違えられてしまうという奇想天外なストーリーのインド映画『花嫁はどこへ?』。本作は、『きっと、うまくいく』のアーミル・カーンのプロデュースのもと、『ムンバイ・ダイアリーズ』のキラン・ラオによって映画化された。第97回米アカデミー賞・国際長編映画賞のインド代表にも選出されている。 慣習に従って生きてきたちょっと世間知らずの花嫁・プールと、向上心に満ち、広い世界を目指すジャヤの人生は、「取り違え」という運命のいたずらによって、どう変化していくのか……。フェミニズムの問いもちりばめられた本作の監督、キラン・ラオに聞いたインタビューの前篇。 原案をさらに深めて映画化 © Aamir Khan Films LLP 2024 ――『花嫁はどこへ?』という映画は、アーミル・カーンさんが審
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