安倍晋三元首相(当時67歳)を手製銃で銃撃して死亡させたとして、殺人罪などに問われている山上徹也被告(45)は28日午後、奈良地裁(田中伸一裁判長)で始まった裁判員裁判の初公判で殺人罪の起訴内容を認めた。 戦後初めて首相経験者が殺害された前代未聞の事件は、発生から3年超で裁判が始まった。被告にどれほどの量刑を科すかが主な争点になる。 被告は捜査段階で、自身が小学生の頃、母親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に入信して家庭が崩壊したとし、「恨みがあった教団に打撃を与えようと考え、つながりがあるとされる安倍氏を銃撃した」と供述したとされる。 検察側と弁護側の間では、こうした被告の背景事情をどこまで酌むべきかで対立がある。 検察側は被告の生い立ちを過度に重視すべきではないとする立場だ。銃を用意した計画性や大勢を巻き込む恐れがあった危険性を中心に主張するとみられる。一方の弁護側は、高額献金などが