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1543年、ポルトガルの商人が種子島に漂着し、日本に鉄砲を伝えました。日本人はこの技術に魅了され、ただちに自国での銃の製造に着手します。設計を急速に改良し、1600年頃には世界で最も多く、かつ優れた銃を保有する国になっていました。 ところが徳川幕府は、驚くべき決断を下します。銃の生産を一部の都市に限定して政府の許可制とし、最終的には実用的な銃器をほぼ完全に排除したのです。日本は自国の軍事産業能力を、自らの手で封じることを選びました。この政策は250年間続きました。 1853年、ペリー提督率いる黒船が浦賀沖に現れ、幕府に開国を迫りました。日本には2つの選択肢がありました。近代化するか、アジアの他の国々のように植民地化されるかです。 日本は近代化を選び、世界を驚かせるスピードでそれを実行しました。明治政府は封建制度を解体し、西洋式の造船所や兵器工場を建設しました。プロイセンの軍事戦術やイギリス
この20年間、欧米がデジタル化に邁進していた頃(Marc Andreessenの有名な言葉を借りれば「ソフトウェアが世界を飲み込む」時代)、日本はアトム(原子=物理世界)を磨き上げていました。日本が注力したのは「ものづくり」、とりわけ地味ながらも高い利益率を誇る精密モーションコントロールという領域です。その結果、グローバルなロボティクスの技術スタックにおいて、ほとんどの投資家がまだ十分に織り込めていない構造的な非対称性が生まれました。アメリカはニューラルネットワークを支配しています。しかし日本は、神経系を支配しているのです。 アメリカが本当に求めているのが、X/Twitterでの5分間のデモではなく、工場で1万時間の稼働サイクルに耐えうる実用的なロボットであるならば、日本こそがその救世主です。 アトム vs. ビット ソフトウェアの世界では、限界費用はほぼゼロに近づきます。コードを一度書け
日本は30年前に半導体戦争に敗れた。 それは、長らく疑われることなく共有されてきた通説です。シリコンバレーから深センに至るまで、世界中の会議室で繰り返されてきた定説はこうです。 1980年代、日本はワシントンを震撼させた「工業超大国」だった。しかし2000年代には、プラザ合意の余波と組織の硬直化に押しつぶされ、デジタル時代の波に乗り遅れた。韓国と台湾に市場を奪われ、日本は「ガラパゴス」になった。孤立し、奇妙で、もはや時代遅れの存在。1991年のバブル崩壊とともに日本のテクノロジー覇権の太陽は沈んだ。残されたのは、陳腐化しつつある巨大ハードウェア企業の博物館だけだ、という見方です。 しかし、この物語には続きがあります。 日本はどこにも消えていません。ただ、サプライチェーンの奥深くへと後退しただけだったのです。 世界が「誰がチップを設計しているか(シリコンバレー)」や「誰がそれを製造しているか
この30年近く、欧米の一部の論者やメディア言説において、日本はしばしば「反面教師」として扱われてきました。停滞と衰退を語る際の象徴的な存在として、日本が引き合いに出されてきたのです。巨額の債務、終わらないデフレ、そして何より、出生数が大きく落ち込んだ国。「限界集落」や「大人用おむつの売上がベビー用を上回った」といった刺激的な見出しが繰り返される中で、日本はやがて緩やかで静かな衰退へ向かう──そんな物語が、長らく語られてきました。 しかしこの物語は、単に一面的というだけではありません。21世紀という時代そのものを読み違えています。この議論が前提にしているのは、人口規模こそが成長の原動力だと考える、20世紀型の経済モデルです。そこでは、自動化やAI、そして寿命そのものを延ばす技術がもたらす地殻変動が、ほとんど考慮されていません。 日本は衰退に向かっているのではなく、変化の最中にあるのです。欧米
本日、私たちは、グロースステージの投資で世界的な実績を持つGeneral Atlanticとのパートナーシップを発表します。この提携は、General Atlanticが当社保有のSmartHR株を約150億円で取得したことで実現しました。 General Atlanticは、Airbnb、Bytedance、Slack、Klarna、Duolingoなど、世界的なカテゴリーリーダーを支援してきた投資会社です。SmartHRがこの先も驚異的な成長を続けていく中で、世界トップクラスの投資家を株主として迎えられることを、私たちは非常に光栄に思います。 今回の取引は日本のスタートアップ史上、単一の売り手によるセカンダリー取引(既存株主による株式譲渡)としては過去最大規模です。この売却により、私たちは2017年にSmartHR向けに設立したSPVにおいて、現時点ですでに投資額の6倍以上をLP投資家
多くの人々はリスク許容度を、考え方や選択、教育、自信、あるいは環境によって生まれるものだと考えています。しかし、もしそれがもっと深いところに根差しているとしたらどうでしょうか? もし私たちの中には、生まれつき他の人よりもリスクを取るように「配線」されている人たちがいるとしたら? 科学的には、リスク回避には遺伝的な要素があるという考え方がますます支持されています。双子を対象とした研究やゲノム全体にわたる解析によれば、ドーパミンやセロトニンの調節に関わる遺伝子が、私たちが報酬や危険をどのように認識するかに影響を及ぼすことが示唆されています。リスクを取る行動は、単なる学習の産物ではなく、遺伝的にも受け継がれています。 最も良く研究されてきた変異の1つが、ドーパミン4受容体遺伝子(DRD4)内に存在する48塩基対のリピート配列です。なかでも「7リピート(7R)」型は、新奇性追求傾向や衝動性、さらに
数十年にわたり、経済や企業の成長モデルは「労働力の拡大」と密接に結びついてきました。従業員が増えれば増えるほど、生産量や消費、そしてGDPが拡大するという考え方です。企業レベルでも、営業担当、カスタマーサービス担当、エンジニアといった人員を増やせば、そのまま成果も向上すると信じられてきました。しかし現在、AIやロボット技術の進歩により、この常識は崩れつつあります。自動化が進行する中で、従来の採用における前提や経済理論、さらにはスタートアップの成長モデルさえも再検討が必要です。人口減少が長らく危機と考えられてきた日本こそ、この変化が最も顕著に現れている国ですが、AIがその認識を大きく変えつつあります。 日本の人口減少と生産性向上 日本の労働人口が減少していることは、もはや誰にとっても目新しい話ではありません。従来の常識では、労働力が減れば経済が衰退すると考えられてきましたが、AIの時代におい
「米国の最も大きな強みの1つは非合理な楽観主義であり、日本の最も大きな弱みの1つは非合理な悲観主義である」。先日、私が何気なくSNSに投稿したこの一文に対し、もっと詳しく説明してほしいという声が寄せられました。楽観主義は、たとえ根拠が薄く非合理的であっても、前向きな思考を促し、社会の変革を後押しする力になります。一方で、過度の悲観主義は停滞を生み、発展を妨げかねません。それは、日本のように非常に大きな潜在力を持つ国であっても例外ではないのです。 米国の「非合理な楽観主義」 米国では、「非合理な楽観主義」が幾度となく社会を突き動かし、進歩を生み出してきました。その代表例がシリコンバレーです。「このクレイジーなアイデアが次の大成功につながるかもしれない」といった楽観的な発想のもと、数えきれないほどのスタートアップが次々と誕生しています。成功の確率が低いとわかっていても、起業家たちは挑戦し続け、
新年を迎え、今後注目したい分野について改めて考える良い機会となりました。Coral CapitalはジェネラリストのVCとして、特定のテーマに縛られることなく、SaaSから核融合技術に至るまで幅広い分野に投資してきました。また、未来を描き、それを実現するのは私たちVCではなく、支援する起業家たちだと考えています。とはいえ、有望な創業チームと出会ったときに見逃さないよう、新たな機会がどの分野から生まれるのかについて常に考え、学び続ける姿勢を大切にしています。 そこで、私が最近特に注目している10の分野についてご紹介したいと思います。 インバウンド観光:2030年までに訪日客6,000万人を目指す 2024年の1月から11月までに日本を訪れた外国人観光客の総数は約3,340万人に達し、過去最高記録を更新しました。政府は2030年までにこの数を倍増させることを目標としています。 日本に住む人にと
月間10万人が読んでいるCoral Insightsのニュースレターにご登録いただくと、Coral Capitalメンバーによる国内外のスタートアップ業界の最新動向に関するブログや、特別イベントの情報等について、定期的にお送りさせていただきます。ぜひ、ご登録ください! 私たちが最初のファンドを立ち上げた当時は、主にシードステージへの投資に注力していました。これには主に2つの理由があります。1つ目は、シリコンバレーのVCで、シード投資に卓越した専門性を持つことで知られる「500 Global(旧500 Startups)」と共同でファンドを立ち上げたことです。2つ目は、多くのファームと同様に、私たちも最初のファンドは比較的小規模な3500万ドル(当時の為替レートで約35億円)からスタートしたため、1社につき投資できる金額が必然的に限られていたことです。 あれから時が流れて今日に至るまで、私た
日本の株式市場に対してよくある批判のひとつが、新規株式公開(IPO)の要件が緩すぎることです。実際、日本では、米国のシリーズBやC段階に相当する売上規模や企業価値の企業でも上場が可能です。このハードルの低さが、企業に時期尚早な上場を促し、長期的な成長を妨げている可能性があると指摘されているのです。AirbnbやInstacartといったシリコンバレーのスター企業が上場までに10年以上を要した例を引き合いに出し、米国の上場基準を見習うべきだとする意見も多く見受けられます。 こうした指摘には一理あるものの、単純化されすぎている面もあります。米国と日本の上場環境について議論する際には、両国の背景や歴史を踏まえて考えることが重要です。 歴史的背景:米国のIPO環境 現在の上場環境を理解するには、まず2000年代初頭より前の米国のIPO環境を振り返る必要があります。今と違い、当時は有望な企業が創業か
Coral Capitalの投資先の1つであるダイニーのCEO、山田真央さんが『「1塁打」を狙う日本のVCに、存在価値はあるのだろうか?』というブログ記事を先日公開しました。日本のVC(および起業家)の考え方のスケールが小さすぎると批判する内容でしたが、これを読んだ当初、正直なところ私は複雑な気持ちになりました。資金調達の発表にあえてこのような論調を加え、物議を醸してまで注目を集める必要があったのかと疑問に思ったのです。また、国内で不要な敵を作るリスクもあり、戦略的に見て慎重に検討すべきだったかもしれないと感じました。 とはいえ、釣りタイトルだったかどうかは別として、彼の主張には一理あります。 スタートアップ業界全体の傾向として「小さく考えすぎている」のは事実です。多くのプロジェクトは、既存のプロダクトを少し改良したり、ちょっとした変化を加える程度のマイナーチェンジにとどまっています。しか
多くの発展途上国では、「頭脳流出」が以前から問題となっています。自国の優秀な人材が、より良い雇用機会や賃金、労働条件を求め、豊かな国々へと流出してしまうのです。日本も長年、その受け入れ先の1つでした。しかし、潮目が変わりつつあり、今では日本自身が、発展途上国を長年悩ませてきたこの問題に直面しています。 その最も大きな原因は、日本の賃金が長らく停滞し、場合によっては減少さえしていることです。円安により、日本の給与の国際的な競争力が相対的に低下していることも影響しています。しかし、問題の根本はさらに深いところにあります。日本の企業ではここ数十年にわたり、海外の企業と比べて賃金がほとんど引き上げられていないのです。 これは円ドルレートだけの問題ではありません。日本には、トップクラスの人材に超高額の報酬を支払うことに対する根強い文化的な抵抗があります。 シリコンバレーでは、スターエンジニアやマネー
「どうすれば良いスタートアップのアイデアが見つかるか」といった質問を、起業家を目指す方々からよくいただきます。しかし、成功する起業アイデアが生まれる過程は実に様々であるため、具体的に回答するのをためらうことが多くあります。実際に成功したスタートアップの話を聞いても、起業家がアイデアをひらめくまでの経緯が「創業神話」として美化されていることが多く、参考になるとは限りません。生存者バイアスや歴史の修正が横行しているため、他のスタートアップの事例を研究しても、むしろ誤った認識を招く可能性があるのです。 とはいえ、何度もこの質問を聞かれるため、どう答えるべきか以前から考えてきました。もし私が新たにスタートアップを立ち上げるとしたら、次の3つのポイントを考慮してアイデアを練るでしょう。 どの分野になら、少なくとも10年間は打ち込めるか ソーシャルメディアやニュースから得た情報だけでは、スタートアップ
米国では一般的にスタートアップの株式は、付与されてから4年間のベスティング期間(権利確定期間)を設けるのが「標準」とされています。しかし、なぜ4年なのでしょうか。なぜ6年や、2年、もしくは10年などではないのでしょうか。 4年のベスティング期間がスタートアップ界でスタンダードとなったのは、主に歴史的および実用的な理由によるものです。当初、この4年という期間は、米国で企業が上場するまでにかかる一般的な期間と一致していました。また、かつてVCは(常にではありませんが)多くの場合、起業家が必ずしも会社を経営し続けるわけではなく、プロの経営陣が雇われることを想定してスタートアップに投資していました。雇われた経営陣には、インセンティブとして株式が付与され、1970年代から1990年代の終わり頃までこの慣習は続きました。つまり、ベスティング期間を4年に設定すれば、IPOなどの「流動性イベント(株式を現
「スピード」は、スタートアップの成功において最も過小評価されがちな要素の1つです。スピードを測る方法としては、売上高やMAU(月間アクティブユーザー数)といった定量的指標もありますが、コアメンバーの採用や新機能のリリースといった重要なマイルストーンの達成を通じて把握することも可能です。特にスタートアップのステージが初期段階であるほど、スピードは単純に測りにくい傾向があります。 Coral Capitalでは、定性的指標と定量的指標の両方からスタートアップのスピードを評価しています。数値は確かに重要です。ですが、進捗を示す他の要素にも注目しています。例えば、計画していた目標を妥当な期間内に達成できたかどうかも重要なポイントです。たとえ多くの試みが失敗し続けているとしても、それらの試行をどれだけ速く、効率的に進めているかを私たちは知りたいのです。経験上、スタートアップの実行スピードを観察すれば
月間10万人が読んでいるCoral Insightsのニュースレターにご登録いただくと、Coral Capitalメンバーによる国内外のスタートアップ業界の最新動向に関するブログや、特別イベントの情報等について、定期的にお送りさせていただきます。ぜひ、ご登録ください! 先週、東京大学FoundXのディレクターを務める馬田隆明さんが、日本のスタートアップエコシステムが抱える潜在的なリスクについて考察した素晴らしい記事を執筆されました。とても読み応えのある内容ですので、日本のスタートアップに関わる全てのステークホルダーの皆さまにぜひご一読いただきたいです。 同記事で馬田さんは、国内のベンチャーキャピタルファンド(VCファンド)の縮小が始まることで、日本のスタートアップエコシステムが衰退する可能性について考察しています。そもそも、近年のイグジット状況から見込まれるリターンの金額は、スタートアップ
月間10万人が読んでいるCoral Insightsのニュースレターにご登録いただくと、Coral Capitalメンバーによる国内外のスタートアップ業界の最新動向に関するブログや、特別イベントの情報等について、定期的にお送りさせていただきます。ぜひ、ご登録ください! Coralの社内ではもはや誰もが知っていることですが、私は数ある企業文化の中でも、特にリクルートとNetflixのカルチャーが素晴らしいと感じています。両社は全く別の業界の企業で、まるで共通点がなさそうですが、そのカルチャーは驚くほど似ています。具体的には、どちらも社員にかなりの裁量と責任を与える傾向があります。リクルートの「お前はどうしたい?」にしても、Netflixの「コントロールではなくコンテキストを」にしても、意思決定権を意図的に分散させている点が特徴的です。こうした組織体制から生まれる社風こそが、インターネット時代
月間10万人が読んでいるCoral Insightsのニュースレターにご登録いただくと、Coral Capitalメンバーによる国内外のスタートアップ業界の最新動向に関するブログや、特別イベントの情報等について、定期的にお送りさせていただきます。ぜひ、ご登録ください! これまでソフトウェア・スタートアップは、主に企業における個人やチームの生産性向上のためのソフトウェアに注力してきました。要するに、ソフトウェアは実際に実務を行う「実務者」を支援するために作られてきたのです。ユーザー数に応じた価格設定が一般的であるのも、こうした背景から1人あたりの生産性向上効果でコストを正当化する価格戦略が適切とされていたからです。 しかし現在、LLMによってパラダイムシフトが起ころうとしています。インターネットの黎明期には、多くのウェブサイトが「オフラインの現実世界」に基づいて作られていました。例えば、街の
スタートアップをつくるというのは、絶え間ない努力と忍耐を必要とすることです。ときにはプレッシャーに押しつぶされそうになる日もあるでしょう。それが何週間も続くような辛い時期もあるかもしれません。しかしバーンアウトしそうになりながらも、大事な期日に間に合わせ、人事問題に対処し、投資家への重要なプレゼンテーションを乗り切っていかなければならないのです。自己管理において運動や食事、睡眠が大切であることは誰もが知っていますが、それらはあくまでも最低限の基本です。ここが正念場という場面で、プレッシャーが高まり、自分のメンタルや調子と関係なくパフォーマンスを発揮することが求められたときには、どう乗り切ればいいのでしょうか。ヒップホップ的に言えばエミネムの曲「Lose Yourself」に描かれているようなその「たった一度きりのチャンス」が、会社の未来を左右する決定的な瞬間になるかもしれないのです。そこで
以前にも記事で書いたように、Coral Capitalでは投資を検討する際によく「Why Japan?」という問いについて考えます。つまりグローバルなコンテクストの中で投資を考え、今後の新たな市場機会について全体像を見据えた上で判断しているのです。さらに言えば、この問いに対する答えとなる「日本固有の強みを活かしてグローバルに競争できるビジネスに取り組むスタートアップ」への投資は、私たちが特に注力しているカテゴリーの1つでもあります。Coralではこの投資テーマを「ジャパン・アドバンテージ」と呼んでいます。SaaSのような国内市場に特化した分野にも引き続き期待していますが、市場の大きさから考えて、非常に恵まれたケースであっても数千億円規模に達するのが上限であると予想しています。ユニコーンだけでなく、さらに上のデカコーンの創出を狙うのであれば、やはりグローバル展開を目指した企業への投資にも重点
起業家は、スタートアップの創業期には数え切れないほど多くの課題に直面するものです。プロダクト・マーケット・フィットを見つけることや、最初の一握りの顧客を獲得すること、投資家が自分たちに出資してくれるように説得することなど、何もかもが資金が尽きるまでの時間との戦いのように感じられるかもしれません。この多忙で混沌とした時期に見落とされがちなのが、会社の初期の基盤づくりに意識的に取り組むという視点です。実際、私はこれまで100社以上のスタートアップと仕事をする中で、「スピードを求めるあまり、人材やカルチャーを最初から十分に重視してこなかったこと」が多くの起業家にとって落とし穴になるのを見てきました。 ピーター・ティールも著書「ゼロ・トゥ・ワン」の中で、「創業時がぐちゃぐちゃなスタートアップはあとで直せない」という「ティールの法則」について語っています。間違った共同創業者を選んだり、間違った人材を
Coral Capitalは2023年11月22日、スタートアップを中心に組織づくりの課題解決を支援している、ReBoost代表取締役の河合聡一郎さんをお迎えし、「スタートアップ人事評価制度のつくり方」をテーマに公開インタビューを行いました。 河合さんは大学卒業後、東証1部の印刷機械メーカー、リクルートグループを経て、ビズリーチの立ち上げに携わりました。その後、Salesforce.comなどを経て、ラクスルに創業メンバーとして参画。 人事マネージャーとして、採用戦略策定から実行、人事組織領域までを幅広く担当されていました。 2017年には株式会社ReBoostを創業し、スタートアップや上場企業を中心に人事組織や採用支援を行っています。また、30社以上のエンジェル出資やVCとの提携を通じて、出資先の人事領域を支援しています。 インタビューはCoral Capitalパートナーの西村賢が聞き
J-KISSがエンジェル税制の対象に加わりました 先週、令和6年度税制改正大綱が公開されました。令和6年度税制改正の基本的考え方の2(3)には「スタートアップ・エコシステムの抜本的強化」と題されており、税制適格ストックオプションを使いやすくする改正や、暗号資産の法人期末課税評価問題に関する改正などが話題になっています。実はその中に、Coral Capitalにとっても、日本のスタートアップエコシステムにとっても極めて大きな改正が含まれていました。それは、エンジェル税制の対象に新株予約権すなわちJ-KISSによる投資が加わったことです。 図:令和6年度税制改正大綱の該当部分抜粋 「当該株式会社等により発行された一定の新株予約権」=J-KISSなどのコンバーティブル・エクイティ 引用元:令和6年度税制改正大綱 第二 令和6年度税制改正の具体的内容 一 個人所得課税 2 金融・証券税制(国税)〔
年商100億円を超えるような急成長企業を目指す日本の起業家にとって、新分野(プロダクト・市場)への進出は基本的に不可欠です。市場規模にもよりますが、そのスケールで急成長を維持できるプロダクトの数はごく一握りに限られるからです。そのため、事業拡大への道筋は一本道ではなく、うまくリソースを使っていく戦略の戦いと表現するほうが適切でしょう。 この戦略の要となるのは「タイミング」です。スタートアップ企業は通常、年商が10億円程度に達するあたりで、それまでの指数関数的な成長フェーズから徐々に横ばいになりはじめます。この減速の要因はいくつかあり、アーリーアダプター層の掘り起こしが済んだことによる場合もあれば、市場の飽和が原因となるケースもあるでしょう。いずれにしても、スタートアップ企業が上位25%の成長率を維持するためには、事業拡大の必要性に迫られるまで待つのではなく、そのずっと前から積極的に計画して
日本の人口は、ざっくり1億2000万人ですが、約100年後の2120年には4973万人にまで減るとの予想があります(国立社会保障・人口問題研究所の2023年4月の将来推計人口)。以下のグラフにあるように江戸期に3000万人を超えた日本の人口は、明治維新以降のわずか100年で3倍の1億人超となり、再び100年で半分以下に減ろうとしています。われわれは今、ジェットコースターで言えば最初の坂を登りきってスーッと滑り出して急降下する坂に向かって走り始めたところです。 50年後や100年後については出生率や外国人比率など予想が難しい要素があるため大きく外れる可能性もありますが、向こう20、30年で見れば、かなり大きな減少が続くということは間違いなさそうです。 急激な人口減少と高齢化、停滞する経済成長という三重苦のような状態から、今後の日本の見通しは暗いと感じている人が多いかもしれません。でも、この記
先週はシリコンバレーをはじめとする世界中のベンチャーキャピタリストや起業家たちが東京に集まり、独特の活気に溢れていました。特に注目されたのが、Andreessen Horowitz(a16z)が大勢を引き連れて来日し(600人規模のファームから50〜70人)、MOMENTカンファレンスを開催したことです。他にも様々なファームのイベントで東京の街が賑わっていました。こうして刺激的な雰囲気の中、数々のグローバルな交流が生まれましたが、同時にいくつかの考察すべき重要な点を残しました。 日本のスタートアップエコシステムに深く関わる者として、私にとっても今回の交流はグローバルプレイヤーとつながる絶好の機会でした。日本は外部から遮断された「バブル」の中で自己完結しているように感じられる部分もあり、ベンチャーキャピタル界ではそれが特に顕著です。そんな中でシリコンバレーをはじめとした海外の人たちと対話をす
Coral Capitalは2023年9月20日、弊社投資先を含むスタートアップを対象とした招待制勉強会「Coral School」を開催しました。当日はノンデスクワーカー向けのSaaSを手がけるカミナシの取締役CTOである原トリさんをゲストに迎え、「スタートアップの技術的負債との向き合い方」をテーマに公開インタビューを行いました。 原トリさんはAmazon Web Services(AWS)ほか複数企業で開発運用や顧客支援を経験。カミナシには2022年4月に入社し、同社の技術的負債返済プロジェクトも進めています。 勉強会ではCoral Capitalパートナーの西村賢が聞き手となり、カミナシが技術的負債を返済するにあたって、どんな試行錯誤をしてきたのかを時系列に沿って深掘り。うまくいったこと、うまくいかなかったことを赤裸々に語っていただきました。その模様をYouTubeで公開しましたので
シニアと孫世代の若者をマッチングし、病院や買い物などに付き合ったり話し相手になったりする、“孫オンデマンド”サービスを手がける「papa」という海外スタートアップについて、Coral Capital 嘉陽 ティファニーと西村 賢が解説します。 papaは2017年創業、2021年11月にシリーズD $150M(約220億円)をソフトバンクビジョンファンドなどから調達しています。今年だけで100万訪問を達成する見込みだというサービスの凄さ、さらには日本市場での可能性についてYouTubeで解説しているので、ぜひご覧ください。 0:00 ダイジェスト 0:28 コンパニオンケアと介護の違い 1:55 シリーズDでソフトバンク・ビジョン・ファンドなどから約220億円調達 2:47 コンパニオンケアの利用方法 4:50 toB 保険会社、福利厚生として利用されている 7:08 高齢者の孤独感、日本
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