明大・小島大河捕手(4年=東海大相模)が“勝てる捕手”の素質を示した。担当の西武阿部スカウトも見守る中、ドラフト1位指名を受けた後、初の実戦。しぶとい立大打線を1失点に抑え「投手がいいボールを投げてくれてたので、投手のおかげだと思います」と謙虚に勝利を喜んだ。
雨で薄暗い神宮。その所作が渋く光る。7回、2番手菱川が3連続四球で2死満塁。際どいコースも多かった。「キャッチングはずっと練習してきているので」。豪華投手陣の球威に押されぬよう、下級生時から研さんを重ねてきた。
満塁でマウンドに集まる。監督や内野手たちが菱川に声をかける。投球の状態を最も知る小島河は、焦らない。輪から少し早めに抜け、振り返って最後に笑顔で投手にひと言。「技術的なことは言ってないです。落ち着いて、しっかり思い切って勝負しろというのは伝えました」。
打席でもほしがらない。6回1死満塁で先制犠飛。「来たボール(やコース)によって、しっかり行こうと」と外角球に合わせ、フライを上げた。西武広池本部長の「打つべき球を打てる打者」との評価通り。“打てる捕手”ぶりも見せ、26日に明大2度目の完全優勝を狙う。【金子真仁】