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新内閣発足
keizai-dousureba.hatenablog.jp
「移民は嫌だ」という国民感情は、困窮や搾取のイメージがあるからだろう。しかし、実態は異なり、「国際雇用民」である。従って、福祉を受けるよりも保険料を負担してニッポンの社会保障を支えている。昨年の出生数は3.8万人も減り、公的年金の将来を揺るがしているが、外国人常用労働者は、前年より23万人増の182万人で、9割が厚生年金に加入している。もはや、年金財政の持続性に欠かせない存在だ。 ……… 10/24公表の人口動態速報・出生では、過去1年間の前年比が-3.5%だった。婚姻は既に+1.4%と下げ止まっているものの、出生に波及するには、1年はかかりそうで、今年の出生は2.4万人減で70万人を割りそうな状況だ。9年前の2016年には100万人を超えていたから、恐るべき減り方だ、もし、合計特殊出生率出生率が1.44人から1.12人に激減していなければ、20万人くらい多かったことになる。 他方、8/2
成長や景気は、設備投資次第である。その設備投資は、金融緩和や財政出動では動かない。なぜなら、設備投資は、売上への期待に拠るからだ。例えば、輸出が増えると、設備投資も増える。売れると思うから投資して生産する。当たり前と言えば、当たり前だ。しかし、売上は所得次第で、その増加は、どれだけ投資して生産するかによる。現実は厄介な循環論にある。合理的ではないが、現実は必ずしも合理的ではないのだ。 ……… 設備投資に金融緩和が効かないのは、金利は経営に大して影響しないからだ。他方、売上は、設備投資して売れないと、経営の屋台骨を揺るがしかねない。それゆえ、経営者は、日銀の動向など気にも留めず、売上には目を皿のようにしている。これでは、金融緩和が成長や景気を上向かせる道理がない。それでも、金融緩和論者が絶えないのは、理屈に拘り、不合理な現実は存在しないと信じてしまうからである。 金融緩和は、自在にはいかない
10/8に公表された4-6月期の家計GDPでは、名目の可処分所得が前期比+0.5%だった。家計消費が+0.4%だったことと照応するものだ。他方、雇用者報酬は+1.1%だったから、賃金が伸びた割りに物足りない。すなわち、負担増が消費を抑えているという図式である。消費が増して売上が伸びないと、賃金は上げられないのだから、負担増を調整しないといけない。それがインフレ下の経済政策の現実である。 ……… 今期のもう一つの特徴は、財産所得が前期比+9.1%も伸び、寄与度が雇用者報酬と同じくらいだったことだ。預金金利も上がり、配当も増していることが要因だろう。私的所得の寄与度は+1.7に達し、これを公的負担の寄与度-1.2が打ち消して、可処分所得が前期比+0.5%に落ち着いている。賃金が物価高に追いついていないと言われるが、金融資産を持つ中高所得層は、報われている。 インフレ下で求められるのは、池田勇人
8月のCTIマクロは、実質で前月比+0.2とまずまずだった。商業動態の落ち込みで危ぶんでいたが、物価高の緩和に伴う変動かもしれない。CTIミクロで実質の費目別の推移を見ると、食料の低下が目立ち、インフレでの生活の苦しさが表れている。必要なのは、食料消費の割合が高い低所得者の手取りへのテコ入れであろう。そこで期待されるのが給付つき税額控除なのだが、議論がマト外れで、本当に困る。 ……… まず、軽減すべき負担は、税でなく、社会保険料だということ。低所得者は所得税をほとんど払っていない。社会保険料なら全員が払っているので、取らないようにするだけで、給付は無用なのである。所得に基づいて払っているから、改めて把握する必要もない。給付つき税額控除のネックである給付と所得把握の問題は、実は存在しない。 「給付つき」なのに給付しないのは変に思われるかもしれないが、オランダは、そうなっているし、いざ、事務費
昔、内閣府で働いていた頃、「どうすれば、景気は良くなるんだろう」という政策統括官のつぶやきに、感じ入ったものだった。立場上、「これで良くなる」と説明しなければならないのに、投資促進策に大して効き目のないことは、経験上、分かり切っていたからである。そして、今もなお、総裁選の候補者は、どうすれば良いかも分からないことを公言し、日経は社説で効き目のないことを求めてくる。 ……… 成長には設備投資が必要だが、金融政策や産業政策では出てこない。経営者は売れると思って初めて踏み切るからだ。ゆえに、緊縮財政を組み合わせると、需要が見込めなくって、躊躇してしまう。需要に関係なく絶対に売れる技術革新なんて限られるから、経済学の理論に合わないことが現実になる。需要を安定的に増大させていく財政運営は、実際には不可欠な要素なのである。 現下はインフレだから、いかに低所得層の負担を軽くするかが焦点になる。負担の大半
~1.8兆円の再分配による少子化の緩和と非正規の解放~ この世界で生き続けること、その全てを愛せる様に、祝福を君に はじめに 2022年の合計特殊出生率は、過去最低の水準にまで落ち込む。これは、経済的にも、社会的にも危機的な状況だ。子世代が1.67倍もの損な負担を被るどころか、人口が崩壊して社会の維持が困難になる。この国に生まれたこと、この時代で生き続けることが、本当に無理なものになっている。だけど、これは運命ではない。少子化の緩和に成功している先進国がある以上、政策的な結果でしかない。受け入れるしかないと思うのは、誰かが描いたイメージや、誰かが選んだステージに、甘んじているだけだ。 日本が少子化の圧力を跳ね返せなかったのは、若者への経済的な支援が薄かったせいである。いまだ、非正規には、育児休業給付もない。0.7兆円あればできるのに、そうなるのは、「財源がない」とする論理だ。税の自然増収が
4-6月期の資金循環が公表され、一般政府の資金過不足は、4四半期移動合計のGDP比で-0.8%となり、30年来の最高を更新した。国+地方だと未だ-2.2%の赤字だが、社会保障が+1.4%も黒字を出して、この水準だ。1年前からは、1.8%も改善しており、年内には黒字転換して借金とはおさらばだ。他方、家計は、物価高の消費に充てて、貯蓄できなくなっている。借金と貯蓄は裏表だから当然の現象だが、この傾向を進めて良いかは別である。 ……… バラマキ政権が誕生すると、長期金利が跳ね上がるなどと囁かれたりするが、資金過不足の状況からすれば、杞憂に過ぎない。むろん、金利は思惑で動くので、野放図なことをやり始めたと思われると、タガが外れてしまう。要は信用の問題であり、税収増の範囲で行うなどの節度が大事である。すなわち、これ以上、政府の黒字化を亢進させないという政策転換の意味合いなのである。 また、国と社会保
4-6月期GDP2次速報は、実質年率2.2%に上方修正された。主な要因は、在庫が思いのほか減っていなかったというもので、朗報ではない。消費も少し上向いたが、前期に名目前期比で+1.7%も伸びた名残りであり、月次のCTIマクロを見ると、4~7月には、ほとんど増えていない。昨年の4-6月期は、賃上げに定額減税もあり、勢いよく伸びていたことを思うと寂しい限りである。 ……… 石破総理の退陣が決まり、総裁選では財政が論点になっているが、聞き手も含めて何たるかが分かっていない。財政の基本は、締めるか、中立か、緩めるかである。2026年度本予算を考えると、社会保障費などの当然増は1.4兆円程と見込め、税収増は3.4兆円程だろうから、恒久的な2兆円の給付や減税をやって、やっと中立である。これは2025年度補正予算を前年度と同規模にした上でのことだ。 だから、聞き手は、2兆円で何をしますかと問わないといけ
リーマン後に日本化と言われた米国は、コロナ後、一気に加速した景気が衰えず、利下げに難渋している。他方、リーマン後に世界経済を引っ張った中国は、ゼロコロナでデフレに陥り、日本化が進む。なぜなのか。こうした対称的な動きは、経済の原理を考える上で絶好の機会なのだが、日本化の本人が、デフレ脱却の理由を悟るどころか、脱却の認識もないのだから、虚しいものである。 ……… 川越敏司先生の『行動経済学の死』を読ませていただいたが、物足りなさを感じた。行動経済学では再現性が十分でないという危機的な批判に対し、再現する場合もない場合も含んだ経済学一般の原理の一部になったという説明だったからだ。行動経済学の登場の衝撃は、利益を最大化するよう行動するという従来の経済学の原理の否定を含み、それはマクロのモデルや政策を根本から変えかねなかったのに、予定調和的な成り行きである。 しかし、従来の経済学が最大化行動の実証を
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