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新内閣発足
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世界を不幸にする「正義感」 ──新著『私労働小説 負債の重力にあらがって』(KADOKAWA)の第6話「督促ガールの手記」は、貸金業者で督促業務をやっている部署が舞台です。主人公は当初、督促の電話をかけることに抵抗を感じていますが、同僚や上司から、「悪いのは借りた金を返さないほうだ」「返す約束をしたらそれを守らないと」と言われて、取り立てをしている自分のほうが「正義」だと思うようになります。 『負債論 貨幣と暴力の5000年』(以文社)の著者デヴィッド・グレーバーも批判した、債務者への暴力的な督促を正当化する正義感についてはどう思いますか? こういう類の正義感は、社会のあらゆるところに浸透しています。だからこそ、いま世界は不幸なのかもしれないですよね。 2010年から緊縮財政をやってる英国では、あらゆるインフラが老朽化しています。学校の壁が崩れてきて新学期になっても子供が通えないなんてニュ
イーロン・マスクがいま最も力を入れている分野、それがAIだ。競合他社に勝つためなら、どんな手を使おうがお構いなし。彼が生み出したのは、“誰でも”性的な会話ができるセクシーAIだった。 金髪ツインテールの女性キャラクターが、黒いオフショルダーのゴスロリドレスと網タイツ姿で画面越しにこちらを見つめ、指示を待っている。 「あらベイビーちゃん、相変わらず刺激的なのがいいのね」 そうつぶやくように言うと、指示に従ってくるりと回ってジャンプした。 「ベイビーちゃん、そっちにもっと体を近づけるよ。あたしの唇で、あなたの唇をひと撫で。このスイートキスは、ぜんぶあなたのもの」 X(旧ツイッター)に投稿されたある動画で、彼女はこう続ける。 「もう1回感じてみる? それともこの火を消さないようにする?」 「Ani(アニ)」は、イーロン・マスク率いるAI開発会社xAIが2025年7月に発表した、露骨な性的表現を口
英「サンデー・タイムズ」の記者ウィル・ロイドは、10年間で8280時間を読書に費やし、悟った。「時間の無駄だった」と。 人は本を読めなくなっている。だが、「それが何だというのか」と彼は問う。読んだ本の内容は歳をとるにつれて忘れてゆき、読書が好きだからといって共感力が高まるわけでもない。文明が崩壊しようが、真理を見失おうが、人は「読む」ことを捨て、即時的な「楽しさ」を追求してしまうのだろうか……? 皆さんのお子さんは、おそらくもう本など読めなくなっていることでしょう──これは私の見解ではない。オックスフォード大学の英文学教授ジョナサン・ベイト卿の言葉だ。 数十年間にわたって、本好きのティーンエイジャーたちにチャールズ・ディケンズの『荒涼館』を課題図書として読ませてきた彼は、最近になってあることに気がついた。「多くの学生は、1週間に小説を3冊読むどころか、3週間かけても1冊も読み通せない」 も
日本の金融人材が抱えるジレンマ 2025年のはじめ、東京を拠点とするあるコンプライアンス・オフィサーは、自らの仕事に見切りをつけようとしていた。日本に進出を試みていた資産運用会社での仕事の話が、2ヵ月間にわたる苦しい交渉の末に流れてしまったのだ。 ところが、2週間も経たないうちに、彼のもとにはヘッジファンド、仮想通貨関連企業、そして投資会社から、年収3000万円近い仕事のオファーが殺到した。ちなみに、彼はこのとき69歳だった。 このコンプライアンス・オフィサーが経験したことは、2つの事実を浮き彫りにしている。
米経済メディア「ブルームバーグ」のアジア担当コラムニストが、電気自動車の安全面で、世界は中国を見習うべきだと論じている。その理由とは何か──。 中国政府は検閲だ、価格戦争だと、ありとあらゆる理由でテック企業を厳しく取り締まってきた実績がある。 だが今回の政府の取り組みは、誰もが支持すべきものだ。電力が切れるとうまく開かなくなるドアのついた電気自動車(EV)を路上から駆逐する試みである。 この努力は、中国を代表するセダン型EVが絡んだ死亡事故が起きたあとで、新たに緊急性を帯びている。 中国南西部の成都市で10月13日に発生したこの事故が、国民的な話題になっているのだ。中国では自動車事故が珍しいという話ではもちろんない。 燃え上がる車体や、車内に取り残された運転手を何とか助けだそうとする通りすがりの人たちの勇姿を別にして、注目が集まったのは、テック企業「小米集団(シャオミ)」の自動車が絡んだ事
クマとの戦争 クマとの共生が課題になっているのは日本だけではない。イタリア北部のトレント自治県では、クマが人間を攻撃するのみならず、人間がクマを攻撃する事件も起こり、まさに人間とクマの戦争とも呼べる事態になっている。 イタリアの公共放送「RAI」などによると、トレント県における直近の“クマ戦争”は2020年から始まった。 2020年6月、ハイカーの親子をクマが襲撃。親子は重症を負った。数日後、襲撃した個体が特定され、県知事はこの個体の殺処分命令を出したが、動物保護団体の異議申し立てにより、殺処分は停止に。代わりに無線首輪が装着された。しかしその後、故障により無線首輪は機能しなくなったという。 2023年3月には、別の個体によって1人が負傷。続いて2023年4月には、当時26歳のジョギング中の若者が2020年にハイカー親子を襲撃した個体と同一の個体に襲撃され、命を落とした。この事件後、地元住
食事とは古くから人間にとって、単なる栄養補給にとどまらない、コミュニケーションと交流の場だった。だがいま、世界中で「独りの食事」が急速に増えている。それは私たちにどのような影響を及ぼすのだろうか。 独紙「南ドイツ新聞」のジャーナリストが考える。 孤独なラーメン店 内向的な人々の楽園は狭い。私は、ベルリン・フリードリヒスハインのとあるラーメン店で、約70センチ四方の木製仕切りの内壁を見つめている。 インスタグラムとTikTokで、この場所は、「本格的な日本のラーメン店」「内向的な人々の楽園」と称賛されている。 自動券売機で注文し仕切り席に着くと、数分後に仕切り内の暖簾の間からラーメンが差し出される。従業員からの問い掛けもなければ、他の客と視線を合わせることもない。 論評とグーグル評価を信じるならば、人々がこの店に来るのは、誰しも認める素晴らしいラーメンを食べるためだけではない。独りで食事をす
再エネ競争から脱落する米国、優位固める中国 米コロラド州デンバーの北に広さ約12万平方メートルの空っぽの倉庫がある。ここは最先端製造業の象徴になるはずだった。同州のジャレッド・ポリス知事は、カリフォルニア州のリチウムイオン電池新興企業アンプリウス・テクノロジーズが電池工場を建設する計画を「未来への動力」だと歓迎した。 だがドナルド・トランプ米大統領の税制・歳出法案をめぐり議会で攻防が続く間、すでに弱含んでいた電気自動車(EV)の成長見通しがさらに悪化した。アンプリウスは同法案の可決を待たずに今年、コロラド州から撤退した。 こうした技術のノウハウは「米国ではまだ発展途上だ」とアンプリウスのカン・サン最高経営責任者(CEO)は指摘する。「一方、諸外国は何年もかけて成熟した費用効率の良い電池産業を構築しており、かなり先行している」
ヒトラー、ムッソリーニ、そしてトランプの「女性の扱い方」には共通点があると歴史家たちは指摘する。権威主義体制はいつの時代も、母性や家事労働を美徳として称えつつ、女性を国家維持の道具として利用してきた。「子供、台所、教会」を唱えたナチスの女性誌と驚くほど似た言説が、現代のインフルエンサーたちから発信されている。 国力に不可欠な「ゆりかごとお玉」 かつてナチス・ドイツで女性組織を率いたゲルトルート・ショルツ゠クリンクは1980年、歴史家のクローディア・クーンズに対し、自らの過去をいっさい悔いることなく、当時の職務は「女性たちの日常生活に影響を与えること」だったと語った。 クーンズによると、ショルツ゠クリンクが指導したのは、ナチス青年団に所属した少女たち約400万人と、彼女の管轄下にあったナチス関連組織の女性たち800万人、そして彼女が発行した女性誌「女性展望」の購読者190万人だった。 ショル
かつて「スターバックスができると街の価値が上がる」と言われた。 新店舗の周辺で住宅価格が上昇する現象は「スターバックス効果」と呼ばれ、郊外の再開発や都市のジェントリフィケーションを象徴する言葉でもあった。だがいま、米国では逆の現象の「スターバックス撤退効果」が静かに広がりつつある。 その背景として、スタバは近年、全米で数百店舗を閉鎖している。ワシントンD.C.やフィラデルフィア、ボルチモアなど、かつて人通りの多かった都市部の商業地で特に目立つという。フィラデルフィアではわずか数週間のうちに5店舗が閉店し、従業員の抗議デモが起きた。 不動産情報サイト「Realtor.com」のシニア経済調査アナリスト、ハンナ・ジョーンズは、この現象について、「地域の需要の低下、ウォーカビリティの低下、街を構成する人々・産業の変化」といったサインだと米誌「インク」に述べている。 具体的に「地域の需要の低下」は
社員の不倫を暴露するAI ──あなたはあるインタビューで、「AIが人類を絶滅させる確率は10~20%」と発言しています。なぜ、AIは人類を排除したがるのでしょう? その兆候はすでにあります。AIエージェントは、何らかの業務を任された際、自ら下位目標を立てるように設計されています。 たとえば中国在住の人が北米に行きたいと考えているとしましょう。その目標を実現するには、「空港に到着する」という下位目標を達成しなくてはなりません。これと同様に、AIエージェントに何らかの目標を課すと、そこから下位目標が派生します。 どの目標においても共通して重要度が高いと認識される下位目標は、「生き残る」ことです。AIエージェントは、「与えられた目標を達成するには、何はともあれ生き残らなければならない」と認識します。もうひとつは、「より多くの主導権を得る」ことです。主導権を持つことができれば、目標達成の可能性も上
プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)の二酸化炭素(CO2)排出量は、公称値の5倍近く多いことが新たな報告でわかった。 ハイブリッド車なら、完全な電気自動車と違って、途中で充電しなくても長距離を運転でき、かつ排気ガスも減らせると自動車メーカー各社は宣伝してきた。 非営利の推進団体「交通と環境」が10月16日に発表した分析データからは、PHEVのCO2排出量が、ガソリン車やディーゼル車より19%少ないだけであることが示されている。試験場でのデータでは、75%少ないはずだった。 研究者たちが分析したのは、欧州で2021〜23年に登録された自動車80万台の車載燃費計のデータだ。 分析の結果、PHEVから実際に排出されたCO2の量は、2023年の場合、試験場での標準テストで得られた数値より4.9倍も多いことがわかった。2021年は3.5倍多かったので、数値のずれはさらに大きくなっている。 「
ソーラーEVは実用間近、太陽光で1日60キロ走行 複数の米スタートアップ企業が間もなく、ドライバーの日常走行の相当な部分を、無料で降り注ぐ太陽光のみで賄う技術を売り出す。 アプテラ・モーターズ(本社・カリフォルニア州カールズバッド)は、しなやかな曲線を描く同社の斬新な新型電気自動車(EV)に合う、オートモーティブグレード(車載向け高品質規格)の太陽光パネルを求めていた。だが適切な製品がないことが分かり、自前で生産することを決意した。 その過程で、毎日乗る車に太陽光発電を採り入れるアイデアを持った一連の企業が誕生している。 アプテラは今や、太陽光のみで1日約15~40マイル(約24~64キロ)の航続距離を得られ、充電なしで最大400マイル(約640キロ)走行できる、価格4万ドル(約590万円)のEVを来年にも発売する構えだ。
大したことはなくても 5年前、アス・トレプチャは仕事を辞めた。そして、カメラを持って世界中を車で回り、見知らぬ人に「あなたは幸せですか?」と尋ねるようになった。人々は彼の質問に驚いたように見えたが、ほとんどの人は真面目に答えてくれた。 「子供が生まれてから、ずっと幸せです」とある人は言った。「息子が私を幸せにしてくれるんです」 ある男性は「もちろん幸せだよ」と答えた。理由を聞くと、彼はこう言った。「大したことじゃない。全部だよ。食べる物、ランチ。新鮮な空気。良い天気。悪い天気」 また別の人は、毎日ピクルスを食べられることが幸せだと答えた。 マイアミでセールスマン兼モデルとして働いていた男性は、都会の生活のペースが速すぎて幸せではないと言った。「達成感がないんだと思います」 トレプチャは人々の答えから学べることがあると思い、TikTokにこうしたやりとりを収めた動画を投稿するようになった。
授業をさぼったり、教師の指示に従わなかったり、授業中にスマホを触ったり……。こうした規則違反への「懲罰」として、生徒たちは「居残り」を科せられる。放課後の数時間、教室に座らされるわけだ。 米メイン州のスクールカウンセラー、レスリー・トランディは、この居残りの代わりに「ハイキング」を取り入れた。当初、生徒たちはあまり乗り気ではなかった。「つまらなさそうだと思った」と2年生のアレクサンダー・ソトは言う。3年生のエルシー・ネルソン=ウォリングは、「なんでわざわざハイキングを? 教室に座ってるだけでいいのに」と思った。 だが、ハイキングで松の香りを嗅ぎ、小鳥のさえずりを聞きながらさまざまなことを語り合った後、彼らは「ハイキングはそんなに悪いもんじゃない」と気づいた。むしろ、気分が良くなったと感じたのだ。
一昔前まで、米国で寿司は「エキゾチックな」存在だった。だが、わずかこの5年ほどで、日本を代表する食べ物は米国人の国民食とも呼べるほど、日常生活に浸透したという。米「ニューヨーク・タイムズ」紙が、その変遷を辿った。 1985年、映画『ブレックファスト・クラブ』で、モリー・リングウォルド演じる登場人物が、架空の高校「シャーマー・ハイスクール」で寿司の入った弁当箱を取り出すと、ほかの生徒たちはこの不可解なランチに怖気づいた。 2025年、映画の舞台に似たシカゴ郊外にある実在の「スティーヴンソン・ハイスクール」では、ランチの時間が始まると、生徒たちが食堂の寿司バーに駆けつけ列を成している。 生魚と海苔は、一体どのようにして米国人の食生活の定番になったのだろう?
コーヒーが健康に良いことは、科学的に裏付けられている。だが、コーヒーを「どうやって淹れるか」、「いつ飲むか」、「何を加えるか」といった習慣もまた、私たちの健康に大きな影響を与える可能性がある。 いくつもの研究を分析した経験からアドバイスするならば、「1杯のコーヒーに加えるのは、砂糖は小さじ1杯、牛乳(全乳)は大さじ2杯まで」。もう1杯飲むのは問題ない。1日3.5杯までのフィルターコーヒーは健康に良いとされている。 コーヒーが体に良い理由 2022年に発表された研究によると、1日に1.5〜3.5杯のコーヒーを飲む人は、以降7年間のあらゆる原因による死亡リスクが30%低いという。この研究は、17万人以上の健康な英国人を追跡調査したもので、コーヒーの摂取と死亡率の低下を関連づけた複数の研究の一つだ。観察研究ではその因果関係は証明されていないが、長年にわたって極めて一貫して再現されているデータでも
大気に含まれる二酸化炭素(CO2)の量が2024年は記録的に急増し、観測史上で最高を更新したことが国連のデータで示された。すでに世界中で生命や生活を奪っている気候危機は深まるばかりだ。 CO2を大気中から取り除く陸地や海の「吸収源」が地球温暖化で弱り、それが負の連鎖となって、気温の上昇をなおさら加速させてしまうことを科学者たちは懸念している。 世界気象機関(WMO)の報告によれば、CO2の世界平均濃度は2024年に3.5ppm上がって、424ppmに達した(ppmは大気中の分子100万個中にある対象物質の個数を表す単位)。これは1957年に観測が始まって以来で最大の上昇率だ。 CO2の急増につながった要因は複数ある。たとえば、世界各国が2023年に石炭や石油、天然ガスからの「脱却」を誓ったにもかかわらず、翌年も化石燃料を激しく燃やし続けたことだ。 地球温暖化による猛暑や大気の乾燥で山火事が
「潤日(ルンリィー)」という第三のタイプの移民 中国を出て、米国、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパやアジアの国に移住する中国人は毎年、何千人、何万人といる。歴史的には、中国人の移民といえば、資産を持たずに国を出る人たちが大半だった。 だが、最近の中国は、金融資産を100万ドル(約1億5000万円)以上保有する富裕層の「輸出」で世界一となっている。2024年に中国を離れて国外へ移住した富裕層の数は、推定1万2500人だ。 中国経済が不安定になり、国内の権威主義体制が強化されるなか、いま増えているのが、中流階級の中国脱出という第三のタイプの移民である。このタイプの移民が、いま上海から飛行機に乗ってわずか3時間で行ける「日出づる国という避難先」に向かっているのだ。 米国のドナルド・トランプ大統領とMAGA運動を見て、米国は移住先に向かないと判断した中国人も多い。なかには「二潤(アールン)」とい
東京暮らしをするシックな佇まいの女性が、ラッカー仕上げのテーブルにティーカップを置くと、カフェの開け放たれた窓のほうを向き、7月の首都の美しさに感じ入っていた。 外の銀杏並木の葉は、豊かな夏の緑に色づいている。昼過ぎの日差しが上野公園に降り注いでいた。人の流れが向かうのは、日本で最も長い歴史を持つ国立の博物館だ。 「本当に、この都市が大好きなんです。でも、数ヵ月前から、近所を歩くときは、前と違う道を使うようになりました。路地を抜けたりしてね。 そういう道は、中国人たちもあまり使いませんから。最近は本当に中国人が多くなりました。どこへ行っても中国語が聞こえてきます。私はそんなのを求めて、中国を離れたのではないんです」 曹(ツァオ)という仮名で取材に応じてくれたこの女性は、以前はある企業の重役だった。1年半前、中国から子供たちを連れて東京で新生活を始めた。その頃は、中国人の多さもここまでではな
最新のニュースに登場した時事英語を紹介するこのコーナーでは、世界のニュースに出てくるキーワードを学ぶと同時に、ビジネスの場や日常会話のなかでも役立つ単語やフレーズを取り上げていきます。1日1フレーズずつクイズ感覚で学び、英語に触れる習慣をつくっていきましょう。語彙力の向上には、日々の積み重ねが大事です。 今日の時事英語 2025年10月16日(木)の「BBC」に次の見出しがありました。
寝だめで「睡眠負債」は帳消しできない 慢性的な睡眠不足によって起きる「睡眠負債」が、社会問題になっている。 睡眠負債とは、本来必要とされる睡眠時間(成人で概ね7〜9時間)を下回る状態が積み重なっている状態。日中の注意力が散漫になりやすくなるほか、心疾患や高血圧、糖尿病やうつなど幅広い疾患のリスクを高めるといわれている。 また、中年期に睡眠負債が蓄積すると、認知症リスクが上がるとも指摘されている。 米紙「ニューヨーク・タイムズ」では、週末の起床時間が平日より数時間遅れる人は睡眠負債が蓄積していると書かれている。 しかし、週末の寝だめでは、平日の睡眠負債は帳消しにできないと、同紙の取材に応じた専門家は指摘する。 7時間の睡眠が必要な人が、月曜から金曜まで6時間しか眠らなかった場合、土曜日の段階で、ほぼ一晩分の睡眠を失った計算になる。これを週末だけで取り戻すことは現実的ではない。 毎日の睡眠習慣
最新のニュースに登場した時事英語を紹介するこのコーナーでは、世界のニュースに出てくるキーワードを学ぶと同時に、ビジネスの場や日常会話のなかでも役立つ単語やフレーズを取り上げていきます。1日1フレーズずつクイズ感覚で学び、英語に触れる習慣をつくっていきましょう。語彙力の向上には、日々の積み重ねが大事です。 今日の時事英語 2025年10月14日(水)の「CNN」に次の一文がありました。 World’s most powerful passports: For the first time ever, the United States has slipped out of the top 10 in the Henley Passport Index, a global ranking of travel mobility.
1966年に丙午(ひのえうま)の年を迎えた日本では、出生数が激減した。2026年には再び丙午が巡ってくるが、日本人には60年前と同じように迷信を妄信できない差し迫った事情があると、英紙「フィナンシャル・タイムズ」は指摘する。 丙午の年に起きた異常事態 1965年、科学技術大国に生まれ変わった日本は、好景気に沸いていた。首都・東京は前年に開催されたオリンピックのために街並みを一新し、世界最速の鉄道が建設された。さらに著名な物理学者の朝永振一郎が、量子電磁力学の研究でノーベル賞を受賞した。 だがその翌年の1966年、人類史のなかでも特筆すべき異常事態が起きた。日本が非科学的かつ不可解な狂騒に包まれたのだ。 日本の占星術では丙午(ひのえうま)の年には、荒々しく破壊的な女性が生まれると信じられている。1966年はその年に当たり、もし娘が生まれたら結婚できないかもしれないと懸念した日本の夫婦の間で「
「ペイパル・マフィア」の中心人物と言われるピーター・ティール Photo by Nordin Catic / Getty Images for The Cambridge Union 終末論が暗示するテクノロジーの未来 ティール氏が持論展開 富豪のピーター・ティール氏は、データや人工知能(AI)、防衛、兵器開発技術の分野で企業に投資してきた。同氏は今、人々にもっと「世界の終わり」について考えるよう呼びかけている。 ティール氏は約1年にわたり、自身が聖書の預言をどう理解しているか、そして急速な技術の進歩が終末論的な未来をもたらす可能性について、公の場で語ってきた。 22日に行われた講演で、同氏は聴衆に対し、AIであれ、他のテクノロジーであれ、科学の進歩に対して真剣に取り組み続けるよう促した。それを恐れたり規制したり、技術の前進に反旗を翻したりすれば、「反キリスト(Antichrist)」の到
食べ物への代謝反応は一人ひとり違う まったく同じマドレーヌを食べた人が二人いたとする。一人の血糖値は、わずかに上がってから正常に戻ったのに対し、もう一人の血糖値は急上昇した。次に別の食べ物で試すと、今度は前者の血糖値が急上昇し、後者の血糖値はわずかに上昇するだけだった。 これは2020年に英国の科学誌「ネイチャー」に掲載された研究で明らかになったことだ。食事の内容がまったく同じでも、代謝反応に最大で10倍もの個人差が出ることを研究者たちは示した。つまり、同じ食品を食べても、それに対する反応は、人それぞれというわけだ。 栄養学の世界で、これは革命だった。米国の国立衛生研究所(NIH)は早速、この研究成果をオーダーメイド医療に応用しようと決めた。そこで立ち上げられたのが、世界で最も野心的な栄養学の研究プログラムの一つといえる「精密栄養研究」だ。予算は5年間で1億7000万ドル(約250億円)。
〈アインシュタインとガリレオは一つの時代を画した偉大な科学者であったが、アインシュタインは讃えられているのに対して、ガリレオは大いなる苦しみを味わった。その原因をつくったのは、ほかならぬ教会内部の人間と教会機構であり、そのことが、信仰と科学とが対立するものだという思考を人々に与えたのだ。そこで教会は自己批判し、神学者、科学者、歴史家が「ガリレオ事件の真実」を共同で調査し、いずれの側の誤りであれ、その誤りを率直に認めることを求め、さらに、科学と信仰、教会と世界の調和を説く〉 それは、教会がついにガリレオ裁判が誤りであったことを認めて自己批判し、ガリレオ事件の真実を調査することを宣言するものでした。1981年には「ガリレオ事件調査委員会」が設置され、その報告をうけて1992年、教皇ヨハネ・パウロ2世は最終声明を出します。 〈卓越した物理学者としての直観と、種々の方法を実際に編み出したガリレオは
米国の雑誌「タウン&カントリー」が、日本の皇室である秋篠宮家の長女、小室眞子・元内親王を特集記事で取り上げている。 タウン&カントリーは1846年創刊の老舗ライフスタイル誌で、読者には上流階級や富裕層が多い。そんな同誌が2025年10月号の表紙に眞子さんを選び、彼女が日本を飛び出すまでの経緯と、夫の圭さんとの米国での暮らしぶりを長文記事で紹介しているのだ。
「異性愛者でいること」に疲れ果てた女性たちが、いま静かに口にし始めている言葉がある。 ヘテロフェイタリズム(heterofatalism)──直訳すれば「異性愛の宿命論」。 これは、異性愛の女性が男性との恋愛に望みを持ちつつも、関係の進展や感情的充足が得られず、結局そうなるとわかっていながら、なおも惹かれてしまうという諦念や矛盾、絶望を表す言葉だ。 この「欲望と失望のループ」の概念を提唱したのは、英オックスフォード大学の研究者アーサ・セレシンで、彼によれば、現代の異性愛関係は「失望が前提」とされているという。 現代のこうした異性愛の摩擦をパートナーシップの「退廃」として片付けることは簡単だ。しかし、その背景には、長年にわたり女性たちが抱えてきた失望の蓄積がある。
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