昨年11月、同居の母親の首を絞めて殺害し自宅に放火したとして殺人と非現住建造物等放火の罪に問われた群馬県高崎市棟高町の無職、湯本直木被告(41)の裁判員裁判の判決公判が22日、前橋地裁で開かれ、鈴木秀行裁判長は懲役11年(求刑懲役20年)を言い渡した。 鈴木裁判長は、魚を焼く母親の首にひもを巻き付け謝罪を無視して締め殺した犯行態様は「執拗(しつよう)かつ冷酷で悪質と言うしかない」と指摘。一方、他者とのコミュニケーションに支障をきたす被告の自閉症スペクトラム障害は「犯行に至る経緯に相当程度影響した」とし、被告が前向きに生きる姿勢を見せ親族も支援を申し出たことから「再犯の可能性は高くない」とした。 公判では被告の幼少期に出奔、22歳になって突然戻ってきた母親との同居が生み出す被告の葛藤が明らかになった。母方の祖母の家に1人置き去りにされた被告は祖母の家で引きこもり生活を送り、記憶も定かでない母