日本の小中学生の国語と算数・数学の力は5年前に比べて下がっておらず、上位層と下位層の差も開いていない――。文部科学省が28日、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の一環として、こんな分析結果を公表した。2021年度の小中学生は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う20年春の全国一斉休校などを経験しているが、文科省は「学力面での影響は確認されなかった」としている。 文科省が公表したのは、全国学力テストの中でも「経年変化分析調査」と呼ばれるもの。小6と中3が全員参加して毎年実施し、都道府県別に平均正答率などを公表する本体調査とは別に、数年おきに行う抽出調査だ。年度ごとに難易度にばらつきがある本体調査と違い、テスト理論に基づいて難易度がそろえられているため、異なる年度の成績を比較できるのが強みだ。