食卓に並べられた絹さやと牛肉の炒め物、水菜と油揚げのサラダ、ごはんと味噌汁…。田崎啓子さん(仮名、45歳)は養子縁組をした息子の龍太くん(仮名、5歳)に手際良くおかずを取り分け、恒良さん(仮名、47歳)も料理に手を伸ばす。ありふれた家族での食事風景。里子の安達洋平くん(仮名、16歳)は静かに家族の動きを目で追っている。洋平くんは1年前まで、そんな家庭の食卓を知らなかった。 特別養子縁組で家族になる田崎夫妻は結婚をして10年経っても子どもに恵まれず、2年間の不妊治療を経験。あきらめようとした矢先に「特別養子縁組制度」の存在を知り、里親登録をした。1年の研修期間を経て子どもを受け入れる体制を整えたが、経験者は口を揃えて「ただ待っているだけでは話はこないよ」と言う。 2013年度、養子縁組希望里親登録数2,445世帯に対し、成立件数は267件にとどまっている。管轄する児童相談所が虐待対応に追われ
育児・介護と仕事を両立しやすくする方法を検討する厚生労働省の有識者研究会が10日あり、今後の法改正につながる報告書の素案が公表された。介護の休みを取りやすくすることに加え、特別養子縁組などを前提に子どもを迎える養子縁組里親が育児休業をとれるよう検討を求めた。研究会は今月末まで続き、8月にも報告書を発表する。 育休は子どもが原則1歳になるまでとれる。しかし生みの親が育てられない子を引きとって法的に親子になる特別養子縁組の親は、正式な縁組を結ぶため里親として6カ月以上の試験養育期間が必要で、この間は育休がとれない。素案は、こうした場合なども「育休の対象の範囲に含めることを検討すべきだ」とした。 最高裁によると特別養子縁組は2013年度に474件。支援団体ベアホープのロング松岡朋子さんは「育休がとれるかわからないと養親が踏み切れない場合もある。大きな前進だ」。 一方、パートや派遣社員が育休を取り
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