2007年以降、法務省の出入国在留管理庁(入管庁)の収容所では18人が死亡している。なぜこのような事態になっているのか。龍谷大学矯正・保護総合センター嘱託研究員の廣末登さんは、7年間入管施設に収容されていたスリランカ国籍のダヌカさんに取材した。彼が体験した衝撃の日々とは――。 「入管」で人が死んでしまう不可思議 日本社会は、一見、来日外国人を包摂しているように見える。だが、何年もの間、施設に閉じ込められたまま、いつ出られるのかもわからない人たちがいることをご存じだろうか。 出入国在留管理局(入管)には、「緩慢な死」を待つ人たちがいるのだ。 入管施設というのは、在日外国人収容者を母国に返すための「準備」の場である。だが、収容や解放の判断に司法の介在がなく、期間も無期限だ。 名古屋出入国在留管理局で、2021年3月、収容中に亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんの件は記憶に新しい。